JPS6310300B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、燃料噴射ノズルから燃焼室に噴射す
る主燃料に加えて霧化した補助燃料を吸気通路か
ら供給するようにしたデイーゼルエンジンの補助
燃料供給装置に関するものである。

従来より、デイーゼルエンジンにおいて、燃料
を数μ程度に微粒化した補助燃料を供給すること
によつて、燃料の着火性、燃焼性を向上させるこ
とができ、吸入空気の利用度、エンジンの熱効率
および出力の向上を図ることができ、排煙もきれ
いになつて、エンジンの振動や騒音も低減できる
ことが知られており、補助燃料の供給量は、主燃
料の噴射量にほゞ比例した一定の比率に制御する
ことが好ましいとされている。

例えば特公昭44−6655号公報には、ブロンワー
を利用して燃料を微粒化する技術が、特開昭52−
112018号公報には、ガソリンエンジンで超音波発
振素子を利用して燃料を微粒化する技術が開示さ
れている。

しかしながら、エンジン温度が低いエンジンの
冷間時には、燃料の着火性、燃焼性が著しく悪化
しており、補助燃料の供給量を単に上記の如く主
燃料量に一定の比率で制御することによつて燃料
の着火性、燃焼性の向上を図つたとしても、十分
にその目的を達成することができない問題があつ
た。

本発明は、かかるデイーゼルエンジンの冷間時
の問題に着目してなされたものであつて、エンジ
ン温度を検出する手段を設け、エンジン温度が低
いときには、エンジンの温間時に比してより高い
比率で霧化した補助燃料を供給することによつ
て、着火性、燃焼性の向上を図り、もつて運転性
の低下の防止並びに振動や騒音の低下を図ること
ができるデイーゼルエンジンの補助燃料供給装置
を提供することを目的としている。

以下、図示の実施例に基づいて本発明をより具
体的に説明する。

第１図において、１は燃料噴射ノズル２を燃焼
室３内に向けて臨ませたデイーゼルエンジン本
体、４は上流にエアクリーナ５を設置した吸気通
路、６は排気通路、７は吸気通路４の途中に水平
に配設した補助燃料供給装置としての燃料霧化装
置である。

この燃料霧化装置７は、燃料タンク８からの燃
料を燃料噴射ポンプ９によつて加圧し、所定のタ
イミングで燃料噴射ノズル２から燃料を噴射する
主燃料供給系に対する補助燃料供給系を構成する
ものであつて、水平方向の吸気通路４とは隔壁１
１によつて仕切られた直方体形状のケーシング１
２の底部に圧電型もしくは磁歪型の超音波振動子
１３を備えている。

上記ケーシング１２には、燃料タンク８から燃
料送給ポンプ１４によつて送給される燃料を、ケ
ーシング１２の側壁に設けたフロート室１５のフ
ロート１６によつて常時一定の深さとなるように
収容し、この燃料を超音波振動子１３の振動で数
μ程度に微粒子化してケーシング１２上部の混合
室１７に浮遊させる。

この混合室１７は、隔壁１１の上流側に開設し
た空気導入口１８によつて吸気通路４に連通して
エアクリーナ５を通過してきた吸入空気の一部を
内部に導入するようにする一方、隔壁１１の下流
側には、吸気通路４の下流側に形成したベンチユ
リ１９部分に丁度開口する混合気供給口２０を設
け、ベンチユリ１９によつて発生される負圧で混
合室１７内の混合気を吸気通路４へと導出するこ
とができるようにしている。

一方、２１は一端２１ａを排気通路６に開口さ
せた排気ガス還流通路で、その途中には、エンジ
ンの運転状態に応じて排気ガスの還流を制御する
還流制御弁２２を介設するとともに、他端２１ｂ
は上記空気導入口１８より下流の吸気通路４に開
口させ、排気ガス還流時、還流排気ガスが燃料霧
化装置７に侵入しないようにしている。

なお、第１図において、４０，４１は夫々吸気
通路４、排気通路６を所定のタイミングで開閉す
る吸気弁、排気弁である。

上記微粒化装置７の超音波振動子１３には、制
御回路２３によつて高周波電圧を印加するように
し、印加する高周波電圧を制御することによつて
発生する微粒化燃料量を制御する。この場合、微
粒化装置７によつて供給する補助燃料量は、第２
図に示すように、燃料噴射ノズル２によつて噴射
する単位時間当りの噴射量Q_Iに一定の比率で比
例させることが好ましい。ところで一方、超音波
振動子１３によつて発生される微粒化燃料量は、
超音波振動子１３に供給する電力エネルギにほゞ
比例することから、制御回路２３は超音波振動子
１３に印加する高周波電圧を上記単位時間当りの
噴射量Q_Iに比例させるように制御する。

第３図に示すように、このため、制御回路２３
には、燃料噴射ポンプ９のプランジヤ２５のスト
ローク量したがつて１回当りの燃料噴射量を決定
するコントロールスリーブ２６の位置を第１ピツ
クアツプ２７によつて検出し、その検出信号を１
回当りの燃料噴射量に対応した出力信号V_Q1を出
力する燃料噴射量検出装置２８と、エンジン回転
数の1/2の回転数で回転するドライブシヤフト２
９に固定したガバナ作動用のギヤ３０の回転を第
２ピツクアツプ３１によつて検出し、単位時間当
りのエンジン回転数に対応した出力信号Ｎを出力
する回転数検出装置３２とを設け、これら出力信
号V_Q1とＮとを乗算回路３３によつて乗算するこ
とによつて、単位時間当りの燃料噴射量V_Qを算
出するようにしている。

この単位時間当りの燃料噴射量V_Qは、加算回
路３４に印加し、加算回路３４は、エンジン温度
検出装置３５によつて出力される出力信号Vwを
乗算回路３３からの出力信号V_Qに加え、これを
最終的な単位時間当りの主燃料噴射量に対応した
制御信号V_Iとして増幅回路３６に入力し、増幅
回路３６は制御信号V_Iに比例させて高周波発信
回路３７から発信された高周波の波高を増幅し、
この増幅した高周波によつて超音波振動子１３を
発振駆動する。この結果、超音波振動子１３に供
給される電力エネルギは、単位時間当りの主燃料
噴射量V_Iに比例したものとなり、燃料微粒化装
置７によつて吸気通路４に供給される補助燃料量
は主燃料量に比例する。

上記エンジン温度検出装置３５は、基準電源Ｖ
c.c.に接続した固定抵抗Ｒに、エンジン冷却水中に
浸漬したサーミスタTHを接続した分圧回路とし
て形成され、サーミスタTHの抵抗値がエンジン
冷却水温の温度上昇に反比例して低下する特性を
利用し、エンジン冷却水温の上昇に反比例した分
圧Vwを加算回路３４に出力する。したがつて、
エンジン温度が低いエンジンの冷間時には、第２
図に点線Ｂで示すように、エンジン暖機後の補助
燃料量Ａより高い比率で増量され、エンジン冷間
時における着火性、燃焼性を補償することができ
る。

なお、燃料噴射ノズル２によつて供給する主燃
料量の検出方式としては、第４図に示すように、
燃料タンク８から燃料噴射ポンプ９に燃料を送る
送給通路５０と、燃料噴射ポンプ９から余剰の燃
料を燃料タンク８に帰還させるリターン通路５１
とに夫々流量計５２，５３を設け、送給量F_Iとリ
ターン量Foとを夫々検出し、これら送給量F_Iと
リターン量Foの差を減算回路５４で算出し、そ
の差V_Q（F_I−Fo）を、第２図において説明した加
算回路３４に入力するようにしてもよい。この場
合には、第２図の実施例の場合に比べれば明らか
なように、検出回路を簡単化することができる。

また、機械式ガバナを備えた分配型燃料噴射ポ
ンプ６０を用いる場合には、第５図に示すよう
に、アクセルペダル６１の踏込みに連動するコン
トロールレバー６２の回動軸６３の回転量を検出
するポテンシヨメータ６４よりなる回度センサを
設け、このポテンシヨメータ６４の出力Vθと、
第２図に説明したと同様の回転数検出装置３２に
よつて検出した単位時間当りの回転数Ｎとから、
演算回路６５において、１回当りの主燃料の噴射
量V_Q1を算出するようにしてもよい。この場合、
１回当りの噴射量V_Q1は、ガバナの特性にしたが
つた上記出力Vθと回転数Ｎの関数（V_Q1＝Ｆ
（Vθ、Ｎ））として与えられることから、演算回
路６５は入力された信号VθとＮとによつて、１
回当りの噴射量V_Q1を演算し、求めた噴射量V_Q1
を乗算回路３３に入力する。乗算回路３３は、こ
の１回当りの噴射量V_Q1と回転数検出装置３２に
よつて検出された単位時間当りの回転数Ｎを掛合
せて、最終的に単位時間当りの主燃料の噴射量
V_Qを、第２図について説明したように加算回路
３４に出力し、以後の処理を行なう。

以上の説明から明らかなように、本発明は、補
助燃料供給装置として燃料霧化装置を備えたデイ
ーゼルエンジンにおいて、霧化した燃料の供給量
を主燃料の供給量に対してほゞ一定の比率となる
ように制御する制御装置を設けるとともに、エン
ジン温度を検出する手段を設け、エンジン温度が
低いときには、主燃料の供給量に対する補助燃料
量の比率を一段階高めるようにしたことを特徴と
するデイーゼルエンジンの補助燃料供給装置を提
供するものである。

本発明によれば、したがつて、デイーゼルエン
ジンの冷間時における着火性、燃焼性の悪さを、
霧化燃料の供給量の増量によつて補償することが
でき、あわせてエンジン騒音の低下をも図ること
ができる利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るデイーゼルエ
ンジンの燃料供給系統を示す全体概略説明図、第
２図は本発明に係る補助燃料の供給方式を示すグ
ラフ、第３図は本発明の一実施例に係る補助燃料
制御回路のブロツク説明図、第４図および第５図
は主燃料の単位時間当りの噴射量を検出する他の
検出方式を夫々示す概略説明図である。 １……デイーゼルエンジン、２……燃料噴射ノ
ズル、３……燃焼室、４……吸気通路、７……燃
料霧化装置、８……燃料タンク、９……燃料噴射
ポンプ、２３……制御回路、２８……噴射量検出
装置、３２……回転数検出装置、３３……乗算回
路、３４……加算回路、３５……エンジン温度検
出装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃料噴射ノズルから燃焼室に噴射する主燃料
   に加えて、霧化した補助燃料を吸気通路に供給す
   るようにしたデイーゼルエンジンの補助燃料供給
   装置において、 補助燃料の供給量を制御する制御装置を設け、
   該制御装置によつて主燃料量にほゞ比例した量の
   補助燃料を吸気通路に供給するようにする一方、
   エンジン温度を検出する装置を設け、エンジン温
   度が低いとき主燃料量に対する補助燃料量の比率
   を大きくするようにしたことを特徴とするデイー
   ゼルエンジンの補助燃料供給装置。