JPS629802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、牛体から搾り取られた牛乳の一部を
分流してサンプルを採取する場合等に使用される
搾乳機の牛乳分流装置に関するものである。

従来のこの種の装置としては、例えば特公昭45
−36133号公報及び特公昭46−33811号公報に記載
されているように、テイートカツプクラスタから
ミルクパイプに至る通路の途中に集溜室（内部
室）を設け、この内部室に溝を介して容器を連通
させることにより、搾り取つた牛乳の一部を容器
に分流させるようにしたものがある。

ところが、従来のものは溝の径が一定であつた
ために、搾乳量の多少に応じて分流された乳量が
大きく変つてしまうため、容器の容量を大きくし
て収容量に余裕を持たせる必要があつた。このた
めに、装置が必要以上に大型化されると共に、重
量及びコストが上昇するなどの不都合があつた。

又、乳量が少ない場合は、容器に分流される牛
乳も僅かであるので、これをそのままサンプルと
して使用できないと共に、読み取り誤差も大きく
なるなどの不都合があつた。

従つて、牛乳をサンプリングする時は、一旦乳
量測定器内に貯留された牛乳を分流カツプに人為
的に分流するか、又は、乳量測定器の底部にコツ
ク等を取り付けて手作業でサンプリングをする必
要があつた。尚、この場合は、搾乳時間の経過と
ともに乳の成分が異なるので、乳成分を正確に検
査する必要がある時は必ずしも的確なサンプリン
グを行なえないという問題点があつた。

本考案は上記に鑑みてなされたものであつて、
搾乳量に応じて分流率を変化させることにより、
搾乳量の多少に関係なくほぼ一定量の牛乳を容器
に分流させることができるようにした分流装置を
提供するものである。

以下に本考案を図示された一実施例に基づいて
詳細に説明する。

図において、基板１には内部上面が一定曲率の
凹面２で形成されたキヤツプ３を締付固定して内
部室４を形成し、この内部室４の中央には前記凹
面２に向つて開口する入口ノズル５を基板１から
突出させることにより、牛乳と空気との混合体
（以下、混合ジエツトという）を凹面２の中央に
向つて噴出させた後に、内部室４の底部に一時貯
留するようにしている。５′は図示しないテイー
トカツプクラスタにミルクチユーブを介して接続
される入口管、６はシール材であり、前記入口ノ
ズル５の中心線と内部室４の中心軸とを一致させ
ている。

一方、前記キヤツプ３の円周部には、内部室４
の中心軸と平行なパイプ部７を形成し、このパイ
プ部７の内部に円筒８を回転自在に嵌挿してい
る。そして、パイプ部７の一部に切欠９を設けて
円筒８の周面を内部室４に露出させると共に、前
記凹面２の周縁下部に切欠９を介して開口する大
きさの異なる複数個の開孔１０，１１，１２を円
筒８に形成している。

又、前記基板１には、前記円筒８の内部、開
孔、切欠を介して内部室４に連通する容器１３を
着脱自在に取り付けると共に、内部室４の底部に
貯留した牛乳を図示しないミルクパイプ等に送り
出す牛乳排出口１４を設けている。１５は円筒８
に取り付けたハンドル、１６はシール材、１７は
ハンドルの合せフイン、１８は容器１３を基板１
に止着するピン、１９はピン１８を容器１３に係
合保持させるスプリングである。

上記の構成において、入口管５′から導入され
た混合ジエツトは、入口ノズル５から凹面２に向
つて噴出され、この凹面２に沿つて薄膜状に四散
する。このように四散した牛乳の大部分は内部室
４へと流下して牛乳排出口１４からミルクパイプ
等へと送り出される。

一方、キヤツプ３のパイプ部７の切欠９の部分
に向つて流れた牛乳は、該切欠９を介して内部室
４に露出された円筒８の周面に衝突し、切欠９を
介して開口する開孔１０，１１又は１２から円筒
８の内部に流入する。又、円筒８の内部は容器１
３に連通されているので、牛乳の一部が分流され
て容器１３に貯留される。

ここに、分流される牛乳の流量、つまり、牛乳
の分流率は、開孔１０，１１，１２の面積によつ
て変るので、ハンドル１５を操作して切欠９を介
して内部室４に開口する開孔１０，１１又は１２
を選択すれば、牛乳の分流率が変化する。従つ
て、乳量の多い牛体に対しては小さな開口を選択
開口させ、逆に、乳量の少ない牛の場合には大き
な開孔を選択開口させて分流率を大きくすれば、
搾乳量の多少に関係なくほぼ一定量の牛乳をサン
プリングできる。尚、搾乳量を検出する場合は、
開孔を一定にすれば良く、サンプリング及び流量
検出を行なう必要がない時は、開孔のない部分を
切欠９に一致させれば良い。

上記実施例では、分流用開孔を開孔で構成し、
円筒を回転操作し、開口する開孔を選択するよう
にしているが、分流用開孔の大きさを実質的に変
更できるようにしたものであればその具体的な構
造は任意である。又、実施例では、薄膜状に四散
する牛乳の流れの受容面積を変えるようにして分
流率を変化させているが、分流用開孔を内部室の
底部に設けても良い。

以上説明したように本考案によれば、分流用開
孔を一定にして分流量から搾乳量を知ることがで
き、あるいは、搾乳量の多少に応じて分流用開孔
を変えて分流率を変化させてほぼ一定量の牛乳を
サンプリングできるため、容器を必要以上に大き
くする必要がなく、分流装置を小型、軽量化でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
キヤツプの斜視図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面
図、第４図は円筒の斜視図である。 １……基板、２……凹面、３……キヤツプ、４
……内部室、５……入口ノズル、７……パイプ
部、８……円筒、９……切欠、１０，１１，１２
……開孔、１３……容器、１４……牛乳排出口、
１５……ハンドル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部上面を一定曲率の凹面で形成したキヤツ
   プと、該キヤツプと共に内部室を形成する基板
   と、キヤツプの凹面中央に向つて開口するよう
   基板から内部室に突出させた入口ノズルと、該
   ノズルからキヤツプの凹面を経て内部室に噴出
   された混合ジエツトの牛乳を分流して得た一部
   の牛乳を容器に導入する分割器と、該分割器に
   導入されない残部の牛乳を内部室から導出する
   牛乳排出口とを備えた牛乳分流装置において、
   前記分割器を、選択開閉される複数個の分流用
   開孔で構成したことを特徴とする搾乳機の牛乳
   分流装置。 (2) 分割器が、キヤツプの円周部に回転自在に支
   持された円筒で構成され、該円筒の外周面の一
   部を内部室に露出させる切欠をキヤツプに設け
   ると共に、大きさの異なる複数個の分流用開孔
   を円筒の周面の異なる位相位置に開設すること
   により、円筒を回転操作して内部室に開口する
   分流用開孔を選択するように構成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   搾乳機の牛乳分流装置。 (3) 分流用開孔が、キヤツプの凹面の周縁下部で
   内部室に開口する開孔で構成されていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又は
   第２項記載の搾乳機の牛乳分流装置。