JPS629240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は袋に関し、更に詳細には袋の口部又は
底部を紐又はテープにより開封可能な袋に関す
る。

例えば、砂糖などをポリエチレン袋に所定量詰
めてなる小袋を複数個まとめて包装する袋は、比
較的に厚手のクラフト紙から形成されている。こ
のような袋を刃物等を使用することなく開封する
ことのできる袋の提供が望まれた。刃物等を使用
することなく袋を開封する手段として袋の壁面内
側に紐又はテープを固着し、これを引き上げるこ
とにより壁面を引き裂いて開封することは既に知
られている。しかしながら、特に袋の口部若しく
は底部を当該袋の横方向に亘つて開封しようとす
る場合、袋の口部若しくは底部は折り返えし用の
フラツプが貼着されて複数層を構成しているため
紙厚が非常に厚く、単にテープの引張だけでは容
易に開封できないという問題があつた。

従つて、本考案の目的は、開封用のテープを用
いて袋の口部若しくは底部の少なくとも一端を容
易に開封し得る袋を提供することにある。

以下、本考案の袋を添付図面に示された好適な
実施例を参照して更に詳細に説明する。

本考案における一つの好適な袋の例として、第
１図に展開状態にして示されたブランク１１が示
されている。このブランク１１は全体として長尺
の紙を袋の断才寸法においてそれぞれ階段状に切
断して得られる。このブランク１１の形状から明
らかなように、袋１０として形成された時、該袋
１０は相対向する壁面１２，１３と、この壁面の
両側縁にそれぞれ連接し且つそれぞれ折り曲げ線
１４ａ，１４ｂ，１５ａ，１５ｂによつて区画さ
れたまち部１４，１５とを備えている。この袋１
０は、口部側において壁面１３から伸長する折り
返えし用のフラツプ１６を備えている。しかし、
ブランク１１から袋１０を形成する際、実際に折
り返えされる部分は単にフラツプ１６のみではな
く一方の壁面１２の端縁１７に沿う僅かな一部分
も折り返えし線１８によつて共に折り返えされ
る。

叙上の如き袋１０は、これがブランク１１から
形成され且つ内容物が入れられると、その口部お
よび底部が第４図に示されるようにその内圧によ
り角形に形成される。すなわち、第１図に示され
るような両端を階段状に切断したブランク１１か
ら成る袋１０の場合、例えば、少なくとも口部又
は底部たる一端（本実施例では口部）は、折り返
えし線１８とまち部１４又は１５の折り込み線１
４ｃ又は１５ｃとの交点ｅ又はe′と、折り曲げ線
１４ａ，１４ｂ又は１５ａ，１５ｂ上の点ｆ，ｇ
又はf′，g′とをそれぞれ結ぶ線１９ａ，１９ｂ又
は２０ａ，２０ｂが折り込まれることによつて角
形を区画するものである。

このような袋１０において、第２図および第３
図に示されるように、壁面１２の口部側には該壁
面の両側縁から僅かに間隔をあけた位置に端縁１
７から縦方向に伸びる切り込み線２１ａ，２１ｂ
が形成されている。この切り込み線２１ａ，２１
ｂとの間における壁面１２の内側には、該切り込
み線から内側へ進入し袋１０を横断する開封用紐
又はテープ２２が固着されている。この切り込み
線２１ａ，２１ｂの切り込み深さ、換言すれば開
封用テープ２２の位置は、壁面１２の端縁１７か
ら折り返えし線１８までの折り返えし幅の２倍の
長さより長い寸法位置にある。すなわち、第３図
および第４図から明らかなように、前記開封用テ
ープ２２は、壁面１３のフラツプ１６が壁面１２
の端部と共に折り返えし線１８によつて折り返え
された時壁面１２の折り返えされた部分が開封用
テープ２２上を被うことのないようにその折り返
えされて重ね合わされる部分から外れるような位
置に配置される。その理由は、壁面１３のフラツ
プ１６を壁面１２の端部と共に折り返えす際、折
り返えされた該端部までも開封用テープ２２上を
被うと当該テープ上に重合される紙の厚さが厚く
なり過ぎ、容易に引き破ることができなくなるた
めである。

次いで、壁面１３のフラツプ１６が壁面１２の
端部と共に折り返えされて接着封緘されるが、そ
の際にも当該フラツプ１７の全体が開封用テープ
２２を被うことのないように、その両側部を除い
てその縁部即ち端縁に凹入部２３を形成してい
る。すなわち、第３図および第４図に明瞭に示さ
れるように、袋１０が脹らんだ時に角形を形成す
べく折り曲げられる前述したまち部１４の折り曲
げ線１９ａ（第３図においては袋１０が脹らんだ
時に折られるであろう仮想の折り曲げ線１９ａ）
と折り返えし線１８とによつて区画された三角形
領域にほぼ重なるフラツプ１６の両側端部分２４
ａ，２４ｂは切り込み線２１ａ，２１ｂおよび開
封用テープ２２上を被い、それ以外の部分即ちそ
の両側端部分間では当該開封用テープ２２へ至ら
ないようにコ字状にその端縁即ち縁部がカツトさ
れて凹入部２３を形成している。これにより、各
側端部分２４ａ，２４ｂによつて切り込み線から
の内容物の漏れは阻止され且つ開封用テープ２２
の大部分を被つている紙部分は僅か壁面１２だけ
であり、従つて、開封時における開封用テープ２
２による袋口部の引き裂き開封が非常に容易に行
なえる。

前述した実施例では袋１０の口部について説明
したが、本考案における袋は、開封用テープおよ
びフラツプに形成された凹入部が袋の底部にあつ
てもよく、或いは口部および底部の両方に存在さ
せてもよい。

尚、本実施例の他の用途としては、２枚の紙を
接着剤で線状に接着して１層化した紙を使用した
階段切紙袋（ピンチバツグ）に適用した場合、部
分的に紙が接着されているため２層を容易に開封
することが出来、しかも粉状等のものを入れても
全くもらないという利点がある。

以上説明したように、本考案の袋によれば、袋
の口部若しくは底部たる端部を開封すべく壁面の
内側に該壁面を横断するような形で開封用テープ
を固着した時、当該端部を封緘するフラツプの大
部分が開封用テープを被うことなく貼着されるた
め、当該テープによつて引き裂かれる紙の厚さを
非常に薄くでき、そのためテープによる袋の引き
破りによる開封が非常に容易となる。しかも、
又、紐又はテープを袋の内側につけるために接着
剤を使用するがテープを挾み入れた切り込み部分
から表面に出てきた所は両端の凸部でカバー出来
るし、更に、加工のためのガイドもこれによつて
曲ることなく出来るし挾み入れ部から内容物がも
れる心配も完全にとめられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の袋を展開した状態
のブランクを示す平面図、第２図は本考案の一実
施例に係る袋の形成途中を示す袋の部分的な斜視
図、第３図は前記袋の口部部分を示す平面図、第
４図は本考案の前記袋に内容物を入れて脹らんだ
状態の口部を示す部分的な斜視図である。 １０……袋、１２，１３……壁面、１４，１５
……まち部、１６……フラツプ、２１ａ，２１ｂ
……切り込み線、２２……開封用テープ、２３…
…凹入部、２４ａ，２４ｂ……両側端部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する壁面および該壁面の両側部における前
   記２つの壁面間に設けられたまち部を備える袋に
   おいて、当該袋の少なくとも口部側若しくは底部
   側の一端が、前記一方の壁面から伸長する折り返
   えし用のフラツプと、前記他方の壁面の両側部に
   形成された切り込み部と、該切り込み部を介して
   該切り込み部間における前記他方の壁面の内面に
   固着された開封用テープとを含み、前記折り返え
   し用のフラツプが折り返えされて前記一方の壁面
   に接着固定された際、当該折り返えし用のフラツ
   プがその横方向両側部を除いて前記開封用テープ
   を被うことのないようにその縁部に凹入部を形成
   していることを特徴とする袋。