JPS62758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は家庭用として汎用される小型噴霧器の
噴射装置に関するものである。

乳液等の化粧品、エアゾール製品あるいはスプ
レーポンプ等の噴霧器の噴射装置は弁棒（ピスト
ン）を復動自在に支持するコイルバネを付勢する
押下げ操作時にノズル釦にコイルバネの一定の回
転力が作用するから指、掌の接触面に抵抗感や不
快感を与えたり、ノズル釦が不用意に回動してノ
ズル方向性を不安定にしたりして取扱い使用上に
不便を感じさせている。

上述したことに鑑み本考案は相反する巻き方向
を有するコイルバネにより弁棒（ピストン）を支
持させ、常に確定したノズル方向性を安定維持形
成し、的確なしかも円滑な噴霧作動を行なわしめ
ることを目的とする。

以下、本考案の実施例を示す図面について説明
すれば、第１図はエアゾール製品等の小型圧力噴
霧器に使用した場合のバルブ構成要部の断面図で
あり、１は弁ハウジング、２は吸上管、３は密封
ガスケツト、４は弁棒、５は弁棒の首部に設けた
弁オリフイス、６はバルブ構成端を密閉するマウ
ンテンキヤツプ、７はマウンテンキヤツプの中央
膨出部、８はノズル釦である。

９はコイルバネで上端のコイル部９ａを弁棒４
の底面凸部４ａに嵌合したり、その他弁棒４の底
面に受け止めて弁棒に一体的に固定し、下端を弁
ハウジング１の底面１ａを受け止めして弁棒４を
復動自在に支持する。

第２図は前記したコイルバネ９のコイル部９
ａ，９ｂを拡大したコイルバネ９の斜視図であ
り、第１図からも明らかなようにコイルバネ９は
弁棒側と弁ハウジング底側とに相反する異なる捲
込方向端を形成する。

即ち、コイルバネ９は長さ寸法を一線で形成す
る場合には長さ中心から上方と下方とに同一径、
同じピツチ、かつ同じ巻数で一方は右捲き、他方
は左捲にして異なる方向に折返し連続捲込形成
し、各端側に異なる方向性のコイル部９ａおよび
９ｂを形成する。又コイルバネ９は長さ寸法を２
線で形成する場合には同じ金属線を使用して長さ
寸法の略半づつを同一径、同ピツチ、かつ同じ巻
数で異なる方向に捲込み形成し、上側と下側とに
それぞれコイルバネ９を連続配置して組合わせ使
用する。更にコイルバネ９は前記した一連のも
の、あるいは組合わせのものの他の変形実施例と
して長さ寸法を２以上に偶数区分し異なる巻込方
向部分を交互に連続形成することや右巻き、左巻
きのものを２以上で偶数配置したりすることがあ
る。尚、今までの説明はエアゾール製品等の圧力
容力を例として詳述したがポンプの場合も同じで
あり、詳細な説明を省略する。

以上のように構成される噴射装置はノズル釦の
押下げ操作時において付勢されるコイルバネに生
じる回転力が部分的で小さく、しかも中断され、
相殺消滅するから弁棒に作用することなくノズル
釦を軸方向に円滑に操作できる。ノズル釦の押下
げ力を解除するとコイルバネの復元力により従来
と同様に弁棒を押し上げバルブ構成部を旧状態に
形成する。

本考案は以上のようにコイルバネの長さ寸法を
偶数区分し、これらを同一径、同じピツチ、かつ
同じ巻数で右巻き、左巻きとに交互に連続形成し
て弁棒を支持したことにより付勢されるコイルバ
ネに生じる回転力を中断して相殺消滅させるから
弁棒及びノズル釦の軸方向移動を極めて円滑にで
き、確定したノズル方向性を常時安定して維持で
き、意図する放出箇所に的確に噴射できる等大き
な特徴をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１図はバルブ構成部の要部の断面図、第２図
はコイルバネの一部拡大斜視図である。 １……弁ハウジング、３……密封ガスケツト、
４……弁棒、９……コイルバネ、９ａ，９ｂ……
異なる方向のコイル部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁ハウジング内にハウジングと外部とに通じる
   開閉自在の弁オリフイスを有する弁棒をコイルバ
   ネを介して復動自在に支持する噴射装置におい
   て、前記弁棒４を支持するコイルバネ９を、その
   長さ寸法をいくつかの同一寸法に偶数区分し、同
   区分部分を同一径、同一ピツチ、同一巻数、かつ
   異なる巻方向性のコイル部９ａ，９ｂで交互に連
   続形成した噴射装置。