JPS6251574B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は固定刃および可動刃間の隙間を切断物
に応じて調整可能な刈込機に関する。

刈込機は固定刃上に可動刃が摺動自在に設けら
れて構成されているが、従来、この種の刈込機
は、第１図に示すように、固定刃３上を摺動する
可動刃４を板状のバネ１２を介してガイドブツシ
ユ１３で押え、その上に安全カバー１０を冠着
し、かつ下方からネジ６を挿通すると共にその先
端部に蝶ナツト１１を螺合せしめ、固定刃３に対
し可動刃４を摺動自在に構成していた。

しかしながら、上記構成の刈込機においてはそ
の使用に際し、先ず第２図ａに示すように、可動
刃４および固定刃３間に枝１４が導入され、かつ
可動刃４が矢印で示すように枝１４に喰い込んで
いくとき、同図ｂに示すように、Poの分力Po′が
固定刃方向に働き、可動刃４はδ_１固定刃３より
下方に喰い込むこととなる。この結果、固定刃３
と可動刃４との間に刃先干渉が生じｃ図に示すよ
うに両者間にそれぞれδ_２，δ_３の刃摩耗が生
じ、またｄ図に示すように切断された枝１４の端
部の切口が悪くなると共に、切味の寿命が短いと
いう問題があつた。

また、上記の対策として第１図に示すように安
全カバー１０にスペーサ１５を設けてフロートさ
せると、第３図ａに示すように枝１４がＭのモー
メントを受け可動刃４は上方に浮き固定刃３と可
動刃４との間にδ_４の隙間が生じ、同図ｂに示す
ように可動刃４が枝１４に喰い込むときPo′の分
力を受けδ_５の隙間となる。その結果、同図ｃに
示すように可動刃４および固定刃５の刃先干渉は
なくなり摩耗がなくなるが、ｄ図に示すように枝
１４の切口の端部は隙間が生じたために悪くなる
という欠点があり、更に枝１４の径、樹種の違い
により枝１４の切味が一定しないという欠点があ
つた。

本発明は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは櫛状の固定刃上を摺動する
櫛状の可動刃を有する刈込機において、可動刃に
ギヤツプ調整ネジを設けて固定刃と可動刃とのギ
ヤツプを刈る切断物に応じて任意に調整可能な刈
込機を提供するにある。

以下、図面に沿つて本発明を説明する。

第４図ないし第７図は本発明にかかる刈込機の
実施例を示すもので、これらの図中、１はその前
部に握り部１ａが、また後部にスイツチ部２を有
するハンドル１ｂが設けられているハウジング本
体であり、上部に向つて突出している突出部１ｃ
内には駆動用モータが内蔵されていると共に、こ
の突出部１ｃの下部から前方部１ｄ内にかけては
モータの回転運動を前後運動に変換する周知の駆
動機構が内蔵され、かつハウジング本体１の前方
からは長手の固定刃３および可動刃４有してなる
切断部材５が突設されている。

固定刃３はその両側に刃歯３ａが等間隔に連設
されて櫛状を呈し、かつその長さ方向の中央部の
適宜の箇所に孔３ｂに形成されていると共にその
根元部はハウジング本体１に固定されている。ま
た、固定刃３上に設けられる可動刃４は固定刃３
と同様に櫛状を呈し、かつ根元部はハウジング本
体１内のカム、連結リンク等からなる周知の駆動
機構（図示せず）に連結され前後に摺動自在に構
成されるものである。

しかして、６は固定刃３の下側から孔３ｂに挿
通された可動刃４を固定刃３に取付けるためのネ
ジで、このネジ６にはその外周部に形成されたネ
ジ部と螺合するネジ穴が中央部に貫設された略円
柱状の調整ネジ７が進退自在に設けられている。
そして、調整ネジ７の外周部にはリング状に溝７
ａが形成され、この溝７ａに可動刃４の長孔の両
縁部が遊嵌されている。また、８はネジ６を介し
て調整ネジ６の上部に取付けられたリング状のス
プリングワツシヤ、９は同じくネジ６を介しスプ
リングワツシヤ８の上部に取付けられたスペーサ
であり、このスペーサ９には安全カバー１０が嵌
め込まれている。１１はスペーサ９の上端から突
出しているネジ先端部に螺合された締付用の蝶ナ
ツトである。

このように本発明では可動刃４がネジ６に対し
進退自在に螺合された調整ネジ７に嵌め込まれて
取付けられているために、使用に際して蝶ナツト
１１を適宜ゆるめて調整ネジ７を右または左に回
転させることにより固定刃３と可動刃４との間の
ギヤツプδを無段階に調整することができる。そ
して、使用状態に応じ好適なギヤツプを設定した
後は蝶ナツト１１を締付けて固定すれば良い。し
たがつて、使用に際して刃先干渉による刃摩耗を
防止し得、かつ切断物の種類に応じて切口、切味
の良好なギヤツプδを選ぶことができ、切味が良
く長寿命となるものである。

なお、第６図はギヤツプδを広くし太い枝を切
断する場合、また第７図はギヤツプδ′を狭く
し、細い枝を切断する場合を示す。

以上のように本発明によれば、櫛状の固定刃上
に可動刃が対向して摺動自在に配設されてなる刈
込機において、前記可動刃にこの可動刃と固定刃
との間に形成したギヤツプを調整するギヤツプ調
整手段を設け、このギヤツプ調整手段は、固定刃
に可動刃を取付けるネジと、このネジに対し進退
自在に螺合され、かつ外周部に形成された溝に、
可動刃の長孔の両縁部が遊嵌して取付けられた調
整ネジにて構成しており、ギヤツプ調整手段は部
品点数が少なく、かつ簡易構成であり、このギヤ
ツプ調整手段により、切断物の違いに応じて可動
刃と固定刃と間に最適のギヤツプを容易に設ける
ことができ、切味が良く、刃摩耗を減少させ得る
利点がある。

また、可動刃と固定刃にギヤツプを設けること
により、可動刃と固定刃の摺動摩耗がなく長寿命
となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の刈込機の断面説明図、第２図ａ
〜ｄおよび第３図ａ〜ｄは同上の動作説明図、第
４図は本発明にかかる刈込機の全体を示す斜視
図、第５図は同上の部分斜視図、第６図および第
７図は本発明の固定刃と可動刃との取付状態を示
す断面説明図である。 １……ハウジング本体、３……固定刃、４……
可動刃、６……ネジ、７……調整ネジ、８……ス
プリングワツシヤ、９……スペーサ、１０……安
全カバー、１１……蝶ナツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 櫛状の固定刃上に可動刃が対向して摺動自在
   に配設されてなる刈込機において、前記可動刃に
   この可動刃と固定刃との間に形成したギヤツプを
   調整するギヤツプ調整手段を設け、このギヤツプ
   調整手段は、固定刃に可動刃を取付けるネジと、
   このネジに対し進退自在に螺合され、かつ外周部
   に形成された溝に、可動刃の長孔の両縁部が遊嵌
   して取付けられた調整ネジからなることを特徴と
   した刈込機。