JPS6246207B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は材料を連続的に〓和乃至こねまぜ処理
する混合装置に関する。

従来の連続混合機は、回転軸の周りに羽根、ブ
レイド等の撹拌用具を設けたロータを、固定容器
内で回転させる形式のものであつたから、通常
は、ロータの外周と固定容器内壁の間に空隙があ
る。従つて、材料が空隙を通り抜けるときに圧縮
又は剪断が行われるが、押しつぶされることがな
く、完全な混合又はこねまぜが完成するまで長時
間を要していた。

また、従来の連続混合機は、ロータに撹拌用具
を設けるためにロータの構造が複雑であつて製造
コストが高く、しかも、ある型式の機械のロータ
は他の型式の機械と互換性がなく、機械の機種が
異なるごとにロータの種類も増えるという欠点が
あつた。

本発明の主たる目的は、ロータ軸に固着された
回転リングと円筒形容器に固着された固定リング
の間に、多数のボールを保持し、このボールの自
転と公転により刻々と変動する多数の押圧点にお
いて材料に対し押圧力を作用させ、かつ多数のボ
ールで形成されている多数の通路の間で、分岐と
合流を繰り返すことにより材料の混合を行うとい
う、新規な原理に基づく連続混合装置を提供する
ことにある。

本発明の他の目的は、ロータ軸と円筒形容器の
間の混合機構が、回転リングと固定リングとボー
ルの３種類の部品により構成された連続混合装置
を提供することにある。

本発明の他の目的は、回転リングと固定リング
とボールがエンジニアリングセラミツクにより成
り、耐久性と化学的安定性にすぐれた連続混合装
置を提供することにある。

第１図に本発明実施例の縦断面図を示し、第２
図に第１図の−断面図を示す。

はじめに本発明の要部である混練室の構成を説
明する。

円筒形固定容器１は鉛直に支持され、その中に
円柱形ロータ軸２が貫通している。固定容器１と
その内壁面に嵌合する固定リング３にはそれぞれ
軸方向の半円形溝が刻まれ、丸キー４が各固定リ
ング３を固定している。ローク軸２とその外周に
嵌合する回転リング５にはそれぞれ軸方向の半円
形溝が刻まれ、丸キー６が各回転リング５をロー
タ軸に固着している。固定リング３と回転リング
５の間には多数のボール７……７が、支持具なし
に、殆ど接触し合うほど密に配設され、挟持され
ている。これらのボールはロータ軸２の回転につ
れて、自転しながら公転する。固定リング３と回
転リング５及びボール７はエンジニアリングセラ
ミツクでつくられる。最下端の固定リングの下端
には弾性体８があり、最上端の固定リングは段部
９で変位が規制されていて、各段のボールとそれ
を挟むリング３，５の間は常に適当な圧力で密着
している。

混練室１の上方からななめ上方に材料投入口１
０が開口し、ロータ軸２の根元部は軸受１１，１
２により支持され、ロータ軸２の投入口出合部に
は材料を下方へ押込むスクリユー１３が設けら
れ、ローク軸２の根元の端は減速機付きモータ１
４の出力軸１５にカツプリングしている。混練室
１の下端には材料を吐出するノズル１６が設けら
れている。このノズル１６は混練室の固定容器１
の下端の内径と嵌合し、且つ、弾性体８の下端を
受けている。そして、ボルトナツト１７の調節に
より弾性体８の押圧力を加減できるようになつて
いる。

第３図に、上記実施例の固定リング３、回転リ
ング５の断面形状並びにボール７の関係部分を拡
大して示す。固定リング３の形状は、混練室の軸
に対し対称であり、且つ、その軸と垂直な平面に
対し対称な回転体であつて、ボールの半径Ｒより
もやや大きい曲率半径をもつ２つの彎曲面と、固
定容器１の内壁面に嵌合する外径の外周面を有し
ている。回転リング５の形状は、混練室の軸に対
し対称であり、且つ、その軸と垂直な平面に対し
対称な回転体であつて、ボールの半径Ｒよりもや
や大きい曲率半径をもつ２つの彎曲面と、ロータ
軸２の外周に嵌合する内径の内周面を有してい
る。

本発明の変形実施例として、装置全体を水平に
設置し、或いは傾斜して設置することができる。
また、弾性体８は最上段固定リングの上端に設け
てもよく、或いは、ロータ軸に段部を形成して最
上段回転リングの上端に設けてもよい。

本発明は、第４図に例示するように、水平に設
けた複数個の連続混合装置２１，２２，２３を、
接続用パイプ２４，２５により直列に接続して使
用することができる。この場合、接続用パイプの
ひとつを真空ポンプに連通させて、混合中に発生
するガスを排気し、或いは得られた混合物が嫌気
性（空気に触れると変質するようなもの、例えば
ある種の接着剤、コーキング材等）である場合に
混合室内を減圧状態に保ち、更に積極的に不活性
ガスを導入することができる。

また、第５図に例示するように、鉛直に設けた
複数個の連続混合装置２６，２７，２８をノズル
に替わる接続用パイプ２９，３０を用いて、直列
に接続して使用することができる。

本発明によれば、１個のボールが２個の押圧点
を有し、通常は数百個のボールをそなえているか
ら、数百乃至千数百点に及ぶ押圧力が材料に対し
同時に作用することになり、微細なすりつぶしと
混合が極めて能率的に行われる。また、混練室が
回転リングと固定リングとボールの３種類の部品
のみにより構成されており、しかも、その積み重
ねの段数を定めるだけで混合時間等を加減するこ
とができるので、構成が簡素化されると共に、小
数の部品点数で豊富な機種を製造することができ
る。更に、材料の粘性、混練室に作用する押圧力
等が定まれば混練室の通過速度が定まるので、発
熱を抑えた設計が容易であり、特に冷却装置を付
設する必要がない。

また、本発明によれば、固定容器１と固定リン
グ３の間に軸方向のキー４を設け、ロータ軸２と
回転リング５の間に軸方向のキー６を設けて軸方
向変位自在に嵌合しているので、組立作業、分解
清掃作業ともに容易になり、加えて、市価のボー
ルベアリングを用いていないので、独自の材料の
ボールを採択することが可能となり、例えばエン
ジニアリング・セラミツク等の強度、耐摩耗性、
耐薬品性にすぐれたボールを使用することが可能
になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の縦断面図である。第２
図は第１図の−断面図である。第３図は第１
図の部分拡大図である。第４図及び第５図は本発
明応用例を示す概要構成図である。 １……固定容器、２……ロータ軸、３……固定
リング、４……丸キー、５……回転リング、６…
…丸キー、７……ボール、８……弾性体、９……
段部、１０……材料投入口、１６……ノズル、１
７……ボルトナツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 材料供給口と材料吐出口の間に設けられた円
   筒形固定容器と、その円筒形固定容器の中心を上
   記材料吐出口近傍まで貫通するロータ軸と、その
   ロータ軸の上記材料供給口出合部に設けられた、
   材料を軸方向へ押圧するスクリユーと、そのスク
   リユーと上記材料吐出口の間に設けられた混練室
   を有し、その混練室には、上記固定容器の軸に対
   称であり且つその軸と垂直な平面に対し対称に形
   成された回転体であつて、ボールの半径Ｒよりも
   やや大きい曲率半径をもつ２つの彎曲面と、上記
   固定容器内壁面に嵌合する外径の外周面を有する
   固定リングと、上記軸に対し対称であり且つその
   軸と垂直な平面に対し対称に形成された回転体で
   あつて、上記ボールの半径Ｒよりもやや大きい曲
   率半径をもつ２つの彎曲面と、上記ロータ軸外周
   に嵌合する内径の内周面を有する回転リングが交
   互に配設され、且つ、上記固定リングの彎曲面と
   上記回転リングの彎曲面により規定されるドーナ
   ツ状空間内に、多数の上記ボールがその位置及び
   隣接ピツチを規制されることなく転動自在に挟持
   されており、上記固定リング、ボール、及び回転
   リングのつみ重ね構造体の一端に弾性体を設けて
   軸方向に押圧し、上記固定リングは上記固定容器
   に対し軸方向変位自在に嵌合され、上記回転リン
   グは上記ロータ軸に対し軸方向変位自在に嵌合さ
   れている連続混合装置。 ２ 上記固定リング及び上記回転リングがエンジ
   ニアリングセラミツクにより構成されている、特
   許請求の範囲第１項記載の連続混合装置。 ３ 上記ボールがエンジニアリングセラミツクに
   より構成されている、特許請求の範囲第１項記載
   の連続混合装置。