JPS6244461B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複数の撮像管を備えるテレビジヨン
カメラの夫々の垂直偏向コイルを直列接続し、こ
れらの偏向コイルにその平均電流が定電流化され
た垂直偏向電流を供給するための定電流回路を設
けたテレビジヨンカメラの垂直偏向回路に関す
る。

ルミナンス用とクロミナンス用の２つの撮像管
を備えた２管式のテレビカメラ、或いはＲ，Ｇ，
Ｂの３つの撮像管を備えたテレビカメラにおいて
は、垂直偏向回路を簡単にするために各撮像管の
垂直偏向コイルを直列に接続し、共通の駆動回路
から垂直偏向電流を夫々供給するようにしたもの
がある。この場合、このままでは、各偏向コイル
には同一の偏向電流が流れることになるが、各コ
イルには製造上の寸法誤差があるので、各撮像管
における偏向量は同一ではない。このため、この
ようなテレビカメラから得られる画像には色ずれ
が生ずる。従つて、このような色ずれを補償する
ために、各偏向コイルに流れるDC電流の平均値
を別々に調整する、いわゆるレジストレーシヨン
の調整（或いはセンタリングの調整）が行われ
る。

第１図はレジストレーシヨンの調整回路を備え
る従来の垂直偏向回路を示している。第１図の垂
直偏向回路は３管式のテレビカメラ用の回路であ
つて、Ｒ，Ｇ，Ｂの各撮像管の垂直偏向コイル１
Ｒ，１Ｂ，１Ｇは夫々直列に接続されている。こ
れらの直列接続された偏向コイル１Ｒ，１Ｂ，１
Ｇは演算増幅器２の出力端子に接続されている。
そしてこの演算増幅器２から供給される垂直偏向
電流ｉ_Dが第１図の実線ｉ_Dで示すように偏向コイ
ル１Ｒ，１Ｂ，１Ｇ及び抵抗３を通つて接地電位
に流される。上記演算増幅器２の−入力端子に
は、のこぎり波状の垂直偏向信号が抵抗４を介し
て供給されると共に、抵抗３の一端から得られる
偏向電流検出信号が抵抗５を介して供給される。
また演算増幅器２の＋端子は接地電位となつてい
る。従つて、この構成によつて、第１図に示す垂
直偏向回路は各偏向コイル１Ｒ，１Ｂ，１Ｇに流
れる偏向電流ｉ_Dの平均値が常に一定となるよう
な定電流回路となつている。

偏向コイル１Ｒと１Ｂの接続点Ａには抵抗６を
介して可変抵抗７が接続され、この可変抵抗７の
両端には＋Ｖ及び−Ｖの電源電圧が供給されてい
る。そして可変抵抗７の可動端子の電圧を調整す
ることによつて、第１図の点線Ｉ_Rで示す調整電
流Ｉ_Rが変化し、コイル１Ｒを通る電流が増減す
る。この場合、Ａ点から抵抗６の方向に電流Ｉ_R
が流れる場合には、偏向コイル１Ｒを流れる偏向
電流ｉ_Dに調整電流Ｉ_Rが加算される。また抵抗６
からＡ点に向かつて電流Ｉ_Rが流れる場合には、
既述のように偏向電流ｉ_Dの平均値は一定に保た
れるようになつているので、電流Ｉ_Rが流れ込ん
だ分だけ偏向コイル１Ｒの電流が減少する。

また偏向コイル１Ｒと１Ｂとの接続点Ａは、抵
抗８を介して連動した二連の可変抵抗器９の一般
の可変抵抗９ａに接続されている。また偏向コイ
ル１Ｂと１Ｇとの接続点Ｂは、抵抗１０を介して
可変抵抗器９の他方の可変抵抗９ｂに接続されて
いる。そして可変抵抗９ａの両端には＋Ｖ及び−
Ｖの電源電圧が供給され、また可変抵抗９ｂの両
端には可変抵抗９ａとは逆方向に−Ｖ及び＋Ｖの
電源電圧が供給されている。従つて、Ａ点及びＢ
点には、大きさが等しく極性が逆の電圧が供給さ
れる。このためＡ点には、第１図の一点鎖線で示
す調整電流Ｉ_Bが流入（流出）し、Ｂ点からは、
これとほぼ同じ量の電流Ｉ_B′が流出（流入）す
る。そして可変抵抗器９を調整することによつて
この調整電流Ｉ_B（＝Ｉ_B′）を調整することがで
きる。なおこの電流Ｉ_Bは偏心コイル１Ｂのみを
流れて他のコイル１Ｒ，１Ｇには流れないように
なつている。

このようにして偏向コイル１Ｒにはｉ_D±Ｉ_Rの
電流が、また偏向コイル１Ｂにはｉ_D±Ｉ_Bの電流
が、更にまた偏向コイル１Ｇにはｉ_Dの電流が
夫々流れる。従つて可変抵抗７及び可変抵抗器９
を夫々調整することによつて、各撮像管の垂直偏
向量を均一にすることができ、これによつて画像
の色合せ（レジストレーシヨン）を行うようにし
ている。

しかし第１図に示すレジストレーシヨンの調整
回路においては、Ａ点とＢ点との間に電位差があ
るので、Ｉ_BとＩ_B′とが等しくならない。このた
め正確なレジストレーシヨンの調整を行うことが
できない。また可変抵抗７及び可変抵抗器９の各
可変抵抗９ａ，９ｂのインピーダンスが低いの
で、例えばＡ点の電位の変動によつてＩ_R及びＩ_B
が変動する。この場合、例えば、コイルの温度特
性等によつてＩ_Bが変動すると、Ａ点の電位が変
化し、これによつてＩ_Rが変化するというような
相互干渉の問題が生ずる。

本発明は上述の問題にかんがみてなされたもの
であつて、３本の撮像管を備えるテレビジヨンカ
メラの夫々の垂直偏向コイルを直列接続し、これ
らの偏向コイルにその平均電流が定電流化された
垂直偏向電流を供給するための定電流回路を設け
たテレビジヨンカメラの垂直偏向回路において、
上記偏向コイルの２つの接続点から分岐電流を流
出もしくは流入させるために上記接続点の夫々に
電流検出抵抗を出力端に有する２つの定電流回路
を接続してある。更に一方の定電流回路の上記電
流検出抵抗の検出電圧を双方の定電流回路に帰還
する帰還路を設けてある。上記各定電流回路の出
力端の電位を各定電流回路に付属した可変抵抗の
調整により増減して上記分岐電流を調整する。こ
れにより上記偏向コイルの上記平均電流を調整
し、上記３本の撮像管の垂直偏向量をほぼ等しく
する。

このように構成することにより、偏向コイルの
接続点の電位変動又は接続点間の電位差に影響さ
れない、正確で安定なレジストレーシヨン調整を
可能にしている。

以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第２図は本発明の一実施例を示すレジストレー
シヨンの調整回路を備える垂直偏向回路の回路図
である。なお第２図において第１図と同一の部分
には同一の符号が付されている。

第２図に示すように、コイル１Ｒと１Ｂとの接
続点Ａは抵抗２５を介して演算増幅器２７の出力
に接続されている。そしてこの抵抗２５の両端の
電圧は抵抗３９及び４１を介して演算増幅器２９
の＋及び−の入力端子に供給される。従つて、抵
抗２５を流れる電流値に応じたレベルの出力が演
算増幅器２９の出力から得られる。この演算増幅
器２９の出力は抵抗３６を介して演算増幅器２７
の−入力端子に供給される。またこの−入力端子
には可変抵抗３１によつて調整される調整電圧が
抵抗３５を介して供給される。また＋入力端子は
接地電位となつている。そしてこの演算増幅器２
７の＋と−の入力端子間の電圧差が零となるよう
に帰還ループが動作して、コイル１Ｒに定電流化
された調整電流Ｉ_RがＡ点に流入するかまたはＡ
点から流出する。この調整電流Ｉ_Rは可変抵抗３
１の調整によつて変化させることができる。

コイル１Ｂと１Ｇの接続点Ｂは抵抗２６を介し
て演算増幅器２８の出力側に接続されている。そ
してこの抵抗２６の両端の電圧は抵抗４４及び４
６を介して演算増幅器３０に供給され、この抵抗
２６を流れる電流値に応じたレベルの出力がこの
演算増幅器３０から得られる。この演算増幅器３
０の出力は抵抗４３を介して演算増幅器２８の−
入力端子に供給され、またこの−入力端子には可
変抵抗３２によつて調整される調整電圧が抵抗４
７を介して供給される。従つて、調整電流Ｉ_Rを
流すための定電流回路と同様にして、定電流化さ
れた調整電流Ｉ_BがＢ点に流入するかまたはＢ点
から流出する。この調整電流は可変抵抗３２の調
整によつて変化させることができる。

抵抗２６を流れる調整電流を検出して得た演算
増幅器３０の出力レベルは演算増幅器２７の−入
力端子にも供給される。従つて、演算増幅器２７
の−入力端子には、調整電流Ｉ_Rを流すための制
御電圧と、調整電流Ｉ_Bを流すための制御電圧と
が加算して供給される。この結果、抵抗２５に
は、調整電流Ｉ_Rに重畳して、抵抗２６を流れる
調整電流Ｉ_Bと実質的に等しくかつ反対方向の電
流が流れる。そして抵抗２５，２６を流れる電流
Ｉ_Bは、Ａ点とＢ点との間の電位差に無関係に等
しくなる。なおこの場合、抵抗３６，３７及び４
３の抵抗値は夫々等しくなつている。このように
して、コイル１Ｒにはｉ_D±Ｉ_Rの電流が、またコ
イル１Ｂにはｉ_D±Ｉ_Bの電流が、更にまたコイル
１Ｇにはｉ_Dの電流が夫々流され、これらのＩ_R及
びＩ_Bを可変抵抗３１及び３２によつて調整すれ
ば、レジストレーシヨンの調整を行うことができ
る。

本発明は上述の如く、３本の撮像管を備えるテ
レビジヨンカメラの夫々の垂直偏向コイルを直列
に接続した各接続点に補助的な定電流回路を接続
して分岐電流を流し、この分岐電流を調整するこ
とによつて、上記複数の撮像管の垂直偏向量がほ
ぼ等しくなるようにしたので、直列接続された偏
向コイルの接続点の電位が変動しても上記分岐電
流が変動しないようにすることができる。また各
接続点に接続した２つの定電流回路の一方の定電
流回路の出力側の電流検出抵抗による検出電圧
を、双方の定電流回路に帰還するようにしたの
で、偏向コイルの２つの接続点に対し流入する分
岐電流及び流出する分岐電流を互いに等しくする
ことができ、接続点間に電位差があつても分岐電
流の大きさの設定を正確に行うことができる。従
つて各撮像管の垂直偏向量の相違によつて生ずる
画像と色彩との間、或いは複数の色彩間の位置ず
れの補償（色合せ）を確実且つ精密に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はレジストレーシヨンの調整回路を備え
る従来の垂直偏向回路を示す回路図、第２図は本
発明の一実施例を示すレジストレーシヨンの調整
回路を備える垂直偏向回路の回路図である。 なお図面に用いた符号において、１Ｒ，１Ｂ，
１Ｇ……垂直偏向コイル、２……演算増幅器、２
７〜３０……演算増幅器、２５，２６……電流検
出用抵抗、である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ３本の撮像管を備えるテレビジヨンカメラの
   夫々の垂直偏向コイルを直列接続し、これらの偏
   向コイルにその平均電流が定電流化された垂直偏
   向電流を供給するための定電流回路を設けたテレ
   ビジヨンカメラの垂直偏向回路において、上記偏
   向コイルの２つの接続点から分岐電流を流出もし
   くは流入させるために上記接続点の夫々に電流検
   出抵抗を出力端に有する２つの定電流回路を接続
   すると共に、一方の定電流回路の上記電流検出抵
   抗の検出電圧を双方の定電流回路に帰還する帰還
   路を設け、上記各定電流回路の出力端の電位を各
   定電流回路に付属した可変抵抗の調整により増減
   して上記分岐電流を調整することによつて、上記
   偏向コイルの上記平均電流を調整し、これによつ
   て、上記の３本の撮像管の垂直偏向量をほぼ等し
   くするように構成したテレビジヨンカメラの垂直
   偏向回路。