JPS6244348Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、騒音・振動をレベル化して記録す
る装置に関する。

すなわち、この考案は騒音・振動等の測定に使
用される記録装置を複数台同時に使用する際に、
各記録装置の記録紙の紙送り速度を同一にして記
録を採ることを可能とする装置を提供するもので
ある。更に詳しくは、複数台の記録装置の中の任
意の一台でもつて、他の記録装置の紙送り速度を
制御し、測定記録に供されている全ての記録装置
の紙送り速度を完全に等しくすることを可能とす
るものであり、したがつて各記録装置から得られ
た測定値の相関を容易にとることができるもので
ある。

近時、騒音・振動に関して多点同時測定の要請
が強くなつているが、従来の記録装置は、１チヤ
ンネルのものが多く、多点同時測定に際しては複
数台の使用を余儀なくされる。しかも、記録装置
を含めた測定系は、それぞれが完全に独立してお
り、各記録装置に対して、通常の操作により同じ
速度に設定しても、互いに相対的な差が生ずるこ
とは不可避であつた。したがつて、その差が微弱
であつたとしても長時間の記録の後に、記録され
た測定値間の所定時刻における関係を正確に知る
ことが不可能であつた。

これに対して従来は、交流電源の使用できる条
件という制約下での測定を前提とし、交流電源用
の同期電動機を使用して、前記記録装置を機械的
に外部駆動することにより、複数の記録装置の紙
送り速度を同一にしていた。しかし、この方法で
は交流電源を必要としており、これは測定点の設
定にあたり非常な制約を課されること等を意味
し、しかも各記録装置にそれぞれ同期電動機を必
要とする等、不都合な点が多々存在するものであ
つた。

本考案は、上記不都合を一挙に解消するもので
あり本考案に係る記録装置の中から任意の一台を
選んで制御すれば、他の複数の記録装置の紙送り
速度を同一にすることができるものである。した
がつて多点同時測定の要請に適確に対処でき、事
後の測定データの解析を正確に行なわしめ、しか
も交流電源の不要により、測定に際しての種々の
制約を解除でき、また同期電動機を不要とし、測
定を簡便とし得る。さらに任意の記録装置のみを
制御すればよく、測定記録の間、全ての記録装置
に測定者が付き添う必要がなくなり、省力化にも
寄与し得る利便が存する。

以下、本考案の一実施例を図に沿つて説明す
る。第１図は、本考案に係る記録装置の記録紙送
り駆動の電動系を示すブロツク図である。１は最
高の紙送り速度に必要なパルスを発生するパルス
発生器であり、２は最高の紙送り速度から最低の
紙送り速度まで切り換えることができるようにす
るため、いくつかの分周比をとる分周器である。
３は単相のパルスから順次位相のずれた複数相の
パルスモータ駆動用パルスを発生する位相分割器
である。４は後述のパルスモータの各相のコイル
に、対応する相のパルスに応じた必要な電流を供
給する駆動回路である。５は、紙送りの動力を発
生するためのパルスモータである。６は切り換え
スイツチであり、後述する子器として使用する場
合には、図示するごとく一方の切換端子ｂ側に接
続してOFF状態にし、また逆に親器として使用
する場合、及び単体でのみ使用される場合には他
方の切換端子ａ側に接続してON状態となし、自
己が有するパルス発生器１から発生するパルスを
利用するものである。本考案で問題とする多点同
時測定の場合（紙送り速度を同一にする必要ある
場合）において、子器として使用される場合は切
り換えスイツチ６はｂ点と接続され、自己のパル
ス発生器１とはOFF状態となつており、自己の
パルスを使用し得ない。しかし、このOFF状態
にあるときは、他の記録装置、すなわち親器のパ
ルス発生器からのパルスを端子７より取り入れ駆
動される。本器が親器となる場合には、切り換え
スイツチ６はａ点と接続し、すなわちON状態に
設定され、記録７より自己のパルスを電気ケーブ
ル（図示せず）を介して、他の記録装置の位相分
割器へ分岐させる。

上述の記録装置は、それぞれのパルス発生器１
に発生するパルスを、所望の紙送り速度に設定す
べく、分周器２の分周比を決めて動作させる。こ
こでかような記録装置を複数個それぞれ独立にし
て用いて多点同時測定を行う場合、各測定点に設
置された各記録装置のパルスモータ５と位相分割
器３の機能が等しく、かつパルス発生器１のパル
スの周期が同じであれば、分周器２の分周比を同
じにすることにより、紙送り速度は各記録装置と
も同一にし得る。しかし、分周器２と位相分割器
３はデジタル回路であり、パルスモータ５を含む
紙送り機構は、そのトルク伝達が機械的であるた
めに同じにすることに問題は生じないが、パルス
発生器１のパルスの周期を、長時間にわたつて一
定に保持し、各装置間において全く同一にするこ
とは非常に困難である。したがつて多点同時測定
において、複数の記録装置は設定されたそれぞれ
の絶対的速度で動作するも、各装置間における相
対速度を同一にし得ないという従来と同様な問題
を生じる。

しかしながら、本考案者は前述したごとく切り
換えスイツチ６および入出力兼用の端子７をそれ
ぞれ記録装置に設けることにより、複数の記録装
置の中から任意の一台のパルス発生器１よりのパ
ルスを共通に使用することで上記問題点の解消に
あたつたものである。

以下、本考案に係る記録装置の使用状態を説明
する。

第２図において上述の記録装置を複数各測定点
に配置し、任意の一台を親器とし、親器の切り換
えスイツチ６をON状態とし他の記録装置を子器
とし、子器では切り換えスイツチ６をOFF状態
におき、電気ケーブル８をもつて親器の端子７と
各子器の端子７とを接続する。したがつて、親器
は自己のパルス発生器１に発生するパルスでもつ
て自己のパルスモータ５を駆動せしめると同時
に、親器のパルス発生器１に発生するパルスでも
つて子器のパルスモータ５を駆動せしめることが
可能となる。すなわち親器のパルス発生器１に発
生するパルスを親器および各子器が共通に使用す
ることにより、それらの紙送り速度を同一にする
ことができる。この場合、親器の分周器２の制御
によつて、それぞれの子器の分周器２の分周比も
同じにすることができる。

以上述べたごとく、本考案は紙送り駆動用とし
てパルスモータを用いた記録装置であつて、分周
器の出力側に自己のパルス発生器の系統からのパ
ルスと、他のパルス発生器の系統からのパルスと
を切り換える切り換えスイツチ、および入出力兼
用の端子とを備えたものである。従つて、多点同
時測定にあたり、任意の一台のパルス発生器のパ
ルスを、入出力兼用の端子と切り換えスイツチを
使用して全ての記録装置で共有にすることによ
り、紙送り速度を同一にし、記録された測定値を
いかなる時点においても、同一時刻での正確な比
較を行なうことができるものである。かくするに
つき複数の地点の振動、騒音を現地の状況に合せ
て複数のグループ（１台と１台に分ける場合、又
は１台と複数台に分ける場合、又は複数台と複数
台に分ける場合がある）に分けて測定したい場合
には、用意した複数の記録装置を必要に応じて分
けて各グループごとに別個のケーブルを接続する
と共に、各グループごとに親器を指定することに
よつてそれぞれ必要な紙送り速度で振動、騒音の
記録ができ、かくして多様な要求に対して適切な
測定ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る記録装置の紙送り駆動の
電動系の一実施例を示すブロツク図。第２図は本
考案の使用状態を説明するためのブロツク図。 １：パルス発生器、２：分周器、３：位相分割
器、４：駆動回路、５：パルスモータ、６：切り
換えスイツチ、７：端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の周波数のパルス出力を発生するパルス発
   生器と、このパルス発生器のパルス出力を可変の
   分周比で分周する分周器と、第１の切換端子及び
   第２の切換端子を有し上記分周器の分周出力を当
   該第１の切換端子に受ける切り換えスイツチと、
   この切り換えスイツチの出力端子側に接続された
   入出力兼用端子と、上記切り換えスイツチの出力
   端子及び上記入出力兼用端子に接続され当該切り
   換えスイツチの出力端子又は上記入出力兼用端子
   に与えられたパルスによつて駆動される記録紙送
   り用のパルスモータとを有する複数台の記録装置
   を具え、この複数台の記録装置の上記入出力兼用
   端子を共通のケーブルに接続すると共に、上記複
   数台の記録装置のうちの１台の記録装置の上記切
   り換えスイツチを上記第１の切換端子側に切り換
   えかつ残りの記録装置の切り換えスイツチを第２
   の切換端子側に切り換えることにより、当該１台
   の記録装置の分周器の分周出力パルスによつて上
   記複数台の記録装置全部の上記パルスモータを駆
   動することを特徴とする騒音・振動記録装置。