JPS6243186Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はメカニカルシールの改良に関するもの
である。

従来から静止型および外流型メカニカルシール
の一種として第１図に示すごときものが広く知ら
れ、かつ汎用されている。すなわち１は各種回転
機器のフランジの一部を示し、該フランジ１の軸
孔２内に支持された回転軸３との間に当該メカニ
カルシール４が装着されている。このメカニカル
シール４は断面略Ｌ字形を呈し軸方向に延びる後
端にＯリング６を嵌合されるとともに径方向に延
びた先端外周にノツクピン７およびコイルスプリ
ング８を係合された固定側の保持部材５にフロー
テイングシート９を嵌着する一方、回転軸３にセ
ツトスクリユー１１を用いて嵌着されたカラー１
２に従動する回転側の保持部材１０にシールリン
グ１３を嵌着し、このフローテイングシート９と
シールリング１３の対向端面によつて密封摺動面
１４を形成して前記軸孔２内に封入された被シー
ル液ａの外部ｂへの漏洩を阻止する構造となつて
いる。前記ノツクピン７はフランジ１に対する保
持部材５の廻り止めをなし、コイルスプリング８
は、該保持部材５を前方（図中右方向）へ押圧し
て密封摺動面１４に対して適切な面圧を付与す
る。１５はＯリング、１６はカラー１２（ひいて
は回転軸３）に対して固定部材１０を従動させる
ためのノツクピンである。

上記構成のメカニカルシール４は被シール液ａ
に対して前記密封摺動面１４および２本のＯリン
グ６，１５の介在によつて、とくにその作動初期
段階においては要求に充分応え得るシール構造を
構成するものであるが、前記両固定部材５，１０
をはじめとする接液部材の多くが通常の金属製で
あるため、作動時間が経過するに連れて摩耗、侵
食され、急速にシール性能が低下する欠点があつ
た。

本考案は以上の点に鑑みてなされたものであ
り、フランジの軸孔開口部に対して後端を挿入さ
れるとともに、該後端外周面と軸孔内周面間にＯ
リング等の弾性シール材を介装されたフローテイ
ングシートと、該フローテイングシートの先端外
周面に対して嵌合され、前記フランジとの間にス
プリングを介装されるとともに前記フランジに対
して廻り止めされた外周金属環と、回転軸に嵌着
されたカラーに固定されるとともに前記固定軸と
の間にＯリング等の弾性シール材を介装されたシ
ールリングとを有し、接液部材となる前記フロー
テイングシートとシールリングを超硬合金、シリ
コンカーバイト、セラミツク等の耐摩性および耐
食性に優れた材料から製してなり、部品点数を減
少して構造の簡略化を図るとともに長期耐久性に
優れたメカニカルシールを提供せんとするもので
ある。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、第２図において、本考案メカニカルシ
ール１７は回転機器のフランジ１と、該フランジ
１の軸孔２内に支持された回転軸３との間に装着
されている。すなわち１８は前記軸孔２の開口部
に対して後端を挿入されるとともに、該後端外周
面と軸孔内周面間にＯリング１９を介装されたフ
ローテイングシートであつて、該フローテイング
シート１８の先端外周に外周金属環２０が焼き嵌
めされている。該外周金属環２０とフランジ１間
にはコイルスプリング２１が弾装されるとともに
先端をフランジ１に螺合締着されたノツクピン２
２が、該外周金属環２０に対して係合されてい
る。このコイルスプリング２１とノツクピン２２
は円周方向に複数本が等配されるものとする。２
３は前記回転軸３にセツトスクリユー２４を用い
て嵌着されたカラー２５に対してノツクピン２６
の係合によつて従動するシールリングであつて、
該シールリング２３の内周段部にＯリング２７が
嵌着されている。

このメカニカルシール１７は、第１図に示した
従来品と同様に、フローテイングシート１８とシ
ールリング２３との対向端面によつて形成される
密封摺動面２８により軸孔２内に封入された被シ
ール液の外部ｂへの漏洩を阻止する静圧型、外流
型のメカニカルシールであつて、被シール液ａに
接するフローテイングシート１８とシールリング
２３は耐摩性および耐食性に優れた材料から製せ
られている。このようにすれば被シール液ａがた
とえばシリカを含んでいるような場合でも摩耗を
生じることがなく、当該メカニカルシール１７の
耐久性を向上させることができる。このとき前記
フローテイングシート１８の後端面と前記Ｏリン
グ１９との軸方向間隔ｍをきわめて狭く形成する
と、この隙間内に被シール液ａ中に含まれる介在
物が堆積しにくくなり、当該フローテイングシー
ト１８の作動性を損なわれることがなく、シール
性能に高結果をもたらすことができる。まらに前
記フローテイングシート１８と回転軸３との径方
向間隔ｎをなるべく広く形成すると、この隙間内
に前記介在物が詰まることもなく、作動性はさら
に向上する。

本考案のメカニカルシールは以上説明したよう
に、被シール液に接する部品の点数を減少させる
とともに、該接液部材を耐摩性、耐食性に優れた
材料によつて製したため、長期間にわたる作動後
もこれらの部材がほとんど摩耗することがなく耐
久性に優れたものとなり、本考案の実用的効果は
きわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のメカニカルシールの一例を示す
断面図、第２図は本考案の一実施例に係るメカニ
カルシールを示す断面図である。 １……フランジ、２……軸孔、３……回転軸、
４，１７……メカニカルシール、６，１５，１
９，２７……Ｏリング、７，１６，２２，２６…
…ノツクピン、８，２１……コイルスプリング、
９，１８……フローテイングシート、１２，２５
……カラー、１３，２３……シールリング、１
４，２８……密封摺動面、２０……外周金属環、
ａ……被シール液。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) フランジの軸孔内に封入された被シール液の
   外部への漏洩を阻止する外流型のメカニカルシ
   ールにおいて、前記軸孔開口部に対して後端を
   挿入され、該後端外周面と軸孔内周面間にＯリ
   ング等の弾性シール材を介装されたフローテイ
   ングシートと、該フローテイングシートの先端
   外周面に対して嵌合され、前記フランジとの間
   にスプリングを介装されるとともに前記フラン
   ジに対して廻り止めされた外周金属環と、回転
   軸に嵌着されたカラーに固定され、前記回転軸
   との間にＯリング等の弾性シール材を介装され
   たシールリングとを有し、前記フローテイング
   シートとシールリングの対向端面にて密封摺動
   面を形成し、かつ接液部材となるフローテイン
   グシートとシールリングを超硬合金、シリコン
   カーバイト、セラミツク等の耐摩性および耐食
   性に優れた材料から製してなることを特徴とす
   るメカニカルシール。 (2) 前記フローテイングシートの後端面と、該フ
   ローテイングシートに嵌合された前記弾性シー
   ル部材との軸方向間隔をきわめて挟く形成した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のメカニカルシール。 (3) 前記フローテイングシートと回転軸との径方
   向間隔をなるべく広く形成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載のメカニカルシール。