JPS6242843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラツク、バス等の大型車輌用の近
傍俯瞰装置に関するものである。

従来前記の大型車輌には左折安全対策として３
ミラーを用い、あるいはドアに新設窓を設ける等
の手段を施しているが、これらの安全装備は運転
者が見忘れれば全く役に立たない。特に車体左折
時運転者は操作に忙しく、安全確認の場所も多い
ため、サイドミラーだけに頼りがちで折角の左折
安全対策も無駄になるおそれがある。

このような点を改善するため、方向指示スイツ
チを操作すると、超音波警報装置によつて車輌側
方の指定範囲の障害物の有無を検知すべくなした
車輌用側方接触警報装置が提案されているが（特
開昭53−27932号公報参照）、この装置では障害物
の種類および車輌との相対動き等を運転者が視認
することができない。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善
し、方向指示器の操作と連動して運転者に注意を
促し、運転席と反対側の車体前部および側方の視
野と車体中部および後部の側方付近の視野とを一
動作で視認できるようにすることを目的とする。
なお、本考案の装置は、国内向の車輌のように運
転席が右にある場合には左折時に、外国向きの車
輌のように運転席が左にある場合は右折時に用い
るものである。

次に右運転席左折時の本考案の一実施例を添付
面図について説明する。

図において、１は車体２の前部における運転席
と反対側のコーナ（左コーナ）上部に設けられ車
体前部の側方および前方付近を視野とする凸面鏡
で、車体２内のインストルメントパネル３の上又
は中左側に上記凸面鏡１の像を運転者のアイポイ
ント５に導くための平面鏡４を上向きに設置し、
この平面鏡４にカバー６をかぶせる。なお、第４
図に示す実施例では、カバー６をインストルメン
トパネル３と一体に設けてパネル３の中に平面鏡
４を位置させ、第７図及び第８図の実施例におい
てはカバー６′，６″をインストルメントパネル３
と別体に形成してあり、平面鏡４は何れもインス
トルメントパネル３の上に突出させている。そし
て第７図のインストルメントパネル３はその一部
に凹入部３′を形成してある。

カバー６，６′，６″には凸面鏡１に向く面と運
転者に向いた面にそれぞれ窓孔７及び８をあけ、
運転者に向いた面の窓孔８が画面８′となり、こ
の画面８′が車体中部および後部の側方付近を視
野とする後写鏡９を視認する視線の近くなるよう
に平面鏡４を設置する。１０は警報ランプで、平
面鏡４の近傍例えばカバー６，６′，６″に設け、
第６図に示すように左側方向指示器Ｌと連動する
ように結線し、左方向指示器ＬのスイツチSWを
閉じると、警報ランプ１０も同時に点滅するよう
に構成する。同図において、Ｆは点滅装置、Ｖは
電源で、第９図に示すように警報ランプ１０とブ
ザー１０′とを併用することもでき、警報ランプ
は小形白熱電球の他にLED等の発光素子の利用
も考えられる。さらに警報ランプを赤外線警報装
置のような盲域検知装置と連動させ、車体近傍に
人又は物体が近接した時に警報ランプを点滅させ
て運転者に注意を促すこともできる。

前記凸面鏡１は、適当な位置、曲率の選択によ
り、小さな鏡面で車体前部の側方および前方付近
の広い視界を俯瞰的に見られるものとする。また
平面鏡４は適当な位置、大きさ、角度を選択し
て、凸面鏡１の映像を運転者が明確に見えるよう
にする。

カバー６，６′，６″は凸面鏡１の映像以外の太
陽光等が運転者のアイポイントに入射するのを防
ぎ、かつ運転者側の画面８′は映像を他物から際
立たせる目的で額縁状に形成することが望まし
い。

図示実施例の警報ランプ１０は、画面８′の額
縁に埋込み、左方向指示器Ｌと連動させている
が、上記警報ランプの外に、車体左側及び前部の
レーダーセンサーＳと電気的に連けいし、車体側
近位置を知らせるための警報ランプを２乃至３個
設け、後方照射装置１１又はゾーン照射装置１
１′を形成し、障害物が側近の後方、中央、前の
どこに入つているかをランプで運転者に知らせる
ことも可能である。

本考案の車体近傍俯瞰装置は、前記の如き構成
よりなるので、運転者が左折時に方向指示器のス
イツチを操作すると、平面鏡の近傍に設けられて
いる警報ランプが点滅して運転者に平面鏡の方向
に注意を向けることを促がし、これにより運転者
が平面鏡の方向を見ると、その平面鏡は、車体の
中部および後部の側方を視野とする後写鏡を視認
する視線の近傍で、かつ、凸面鏡による車体前部
の側方および前方付近を視認することができるよ
うに設けられているので、運転者は平面鏡による
運転席と反対側の車体前部および側方の視野と車
体の中部および後部の側方の視野とを一動作で視
認することができ、かつ、平面鏡の映像が車輌進
行方向と同じ向きの映像になるため、車体と対象
物との相対位置関係が視認しやすくなつて安全上
好ましい効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車の車体近傍俯瞰装
置の実施例を示す正面図、第２図は側面図、第３
図は斜視図、第４図は平面鏡設置部の縦断面図、
第５図は運転者から見た視野の一例を示す斜視図
第６は結線図、第７図及び第８図は平面鏡設置部
の他の実施例を示す縦断面図、第９図はランプと
ブザーを併用した例を示す結線図である。 １……凸面鏡、２……車体、３……インストル
メントパネル、４……平面鏡、６……カバー、
７，８……窓孔、１０……警報ランプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体前部における運転席とは反対側のコーナ上
   部に設けられ車体前部の側方および前方付近を視
   野とする下向きの凸面鏡と、上記凸面鏡近傍に設
   けられ上記車体中部及び後部の側方付近を視野と
   する後写鏡と、上記運転席から上記後写鏡を視野
   する視線の近傍でかつ上記車体内部インストルメ
   ントパネルに設けられると共に、上記凸面鏡の像
   を運転者に導く平面鏡と、方向指示器の操作と連
   動して運転者の注意を促す上記平面鏡の近傍に設
   けられた警報ランプとから構成されたことを特徴
   とする自動車の車体近傍俯瞰装置。