JPS6242445B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は引出形しや断器に関するもので、特
に閉鎖配電盤などに収納される引出形しや断器
で、引出装置の誤操作を防止する鎖錠装置を備え
る引出形しや断器に関するものである。

引出形しや断器の従来の構造は第１及び２図に
示すように、しや断器１は閉鎖配電盤２内に収納
され、閉鎖配電盤２は図示しない絶縁物等で支持
された接触子３を具え、他方しや断器１はしや断
部を内蔵したタンク４により支持されたブツシン
グ５を有し、ブツシング５の先端には、接触子３
と接離可能な接触子６が取付けられている。

しや断器１は引出装置７を備え、台車８に設け
た車輪９で配電盤２に関し移動可能で、引出装置
７の操作で配電盤２から引出される。引出装置は
引出操作用ハンドル１０を軸１１上に装架し、軸
１１は軸１２と共にそれぞれ歯数の異なるスプロ
ケツト１３，１４を固定支持し、スプロケツト１
３，１４にはこれらを連結するチエーン１５が掛
けられている。一端が軸１２に固定されたクラン
クレバー１６は他端に突起部１７を具えてスプロ
ケツト１４を連動する。閉鎖配電盤２には固定さ
れたピン１９に一端が枢着されたレバー１８は他
端にクランクレバー１６の突起部１７と係合する
凹部２０を具え、引張ばね２１により閉鎖配電盤
２に連結され、ばねで上方向に引張られ、クラン
クレバー１６との係合がはずれないよう構成され
ている。

以上のように構成されている従来のしや断器１
は閉鎖配電盤２の外で、しや断器１の引出装置７
を第１図に示す断路状態に保持し、人力により閉
鎖配電盤２内の断路位置まで挿入し、この位置
で、しや断器１の挿入方向に突き出したクランク
レバー１６の突起部１７と、閉鎖配電盤２に枢着
されたレバー１８の凹部２０とを係合させて、そ
の位置から引出操作レバー１０を上方向（図で時
計方向）に回動させると、スプロケツト１３、チ
エーン１５、スプロケツト１４を介してクランク
レバー１６が下向きに、図で時計方向に回動し、
レバー１８とのリンク機構により規定のストロー
クだけ閉鎖配電盤内に向つて移動し、接触子３，
６が係合し、しや断器と閉鎖配電盤の接続操作が
行なわれる。

しかしながら、この従来の構造の引出装置の場
合、閉鎖配電盤２の外でしや断器１の引出装置を
誤つて第２図に示す接続状態、すなわち引出操作
用ハンドル１０を上方へ回動された位置に保持
し、そのまま、人力で盤内へ挿入した場合、しや
断器側のクランクレバー１６が挿入方向へ突き出
していないため、通常は断路位置において係合す
るはずのクランクレバー１６とレバー１８とが係
合出来ず、そのまま接続位置まで挿入されるとい
う恐れがあつた。

このような場合、機械的にしや断器のストロー
クは規制されていないため、閉鎖配電盤側の接触
子３としや断器側の接触子６との係合寸法も正規
寸法に規制されず、機械的損傷、また場合によつ
ては、電気的事故にも発展しかねない欠点があつ
た。

この発明は以上にかんがみてなされたもので、
しや断器の引出装置に簡単な鎖錠装置を設け、上
記の欠点のない引出形しや断器を提供することを
目的とし、閉鎖配電盤内の断路位置へ挿入する時
点において、クランクレバー１６の位置が誤つて
いれば、しや断器の挿入接続操作が出来ない様
に、鎖錠装置が構成されたことを特色としてい
る。

以下に図示する実施例に関して、この発明を説
明する。

この発明の引出形しや断器の設ける鎖錠装置は
第３〜５図に示すように構成され、引出装置の軸
１２に嵌合固定され、スプロケツト１４、クラン
クレバー１６と一体で回動する偏心カム２２を具
えている。内側２３が偏心カム２２と係合するコ
字形の昇降板２４はそれに設けたピン２５が台車
８に固着された案内板２６の上下に延長する案内
溝２７に係合することによつて、カム２２が回転
すると、上下動のみ可能となるようになつてい
る。昇降板２４に上端２８が取付けられたロツド
２９の下端にインタロツクピン３０が設けられ、
台車８に固着したブロツク３１により案内され、
ロツド２９が昇降板２４と共に上下動して台車８
の下端から突出しうるようになつている。閉鎖配
電盤２の床面にはストツパ３２が固着されインタ
ロツクピン３１と、しや断器１の出入方向におい
て同一線上に設置されている。

以上の構成から成る鎖錠装置の動作を説明する
と、第４図に示すように、しや断器１の引出装置
７は接続状態にあり、クランクレバー１６が断路
位置により180゜回転した状態で保持されている
と、この状態における偏心カム２２は軸１２に対
して下側に最大寸法回動した位置にあり、これと
偏心カムに従動する昇降板２４、ロツド２９、イ
ンタロツクピン３０も最下限位置にある。この状
態で人力によりしや断器１を第１図に示す断路位
置へ挿入しようとした場合、閉鎖配電盤２側に設
置されたストツパ３２にインタロツクピン３０が
当接し、しや断器の挿入は阻止される。又、これ
とは逆に正規の操作手順によれば、しや断器挿入
前のクランクレバー１６は第３図に示す位置にあ
り、偏心カム２２は軸１２に関して、上側に最大
寸法回動した位置にあり、これと動きを同じくし
て昇降板２４、ロツド２９、インタロツクピン３
０も最上限位置にある。従つて、この状態ではイ
ンタロツクピン３０は閉鎖配電盤２に設置された
ストツパ３２より上側に逃げた位置にあり、スト
ツパ３２に当接することなく、第１図に示す断路
位置へ、しや断器１を挿入できる。

また、閉鎖配電盤２に設置するストツパ３２の
位置は第１図に示す正規の挿入状態において、ク
ランクアーム１６と閉鎖配電盤２側のレバー１８
とが係合する位置（しや断器断路位置）の手前で
当接するように選べば、鎖錠装置で動きが阻止さ
れても、スムーズに切替えが行なえる。

また、上記実施例では、しや断器の場合につい
て説明したが、リンク機構により引出操作を行な
うタイプの他の開閉装置であつてもよく、上記実
施例と同様の効果を奏する。

以上のように、この発明によれば偏心カムを使
つた簡単な鎖錠装置で、しや断器接続時の誤操作
が防止でき、鎖錠装置は構造が簡単できわめて限
られたスペースに設置できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の引出形しや断器の構成の一例を
断路位置で示す側面図、第２図は第１図のしや断
器を接続位置で示す側面図、第３図はこの発明に
よる引出形しや断器の一実施例における鎖錠装置
のしや断器引出装置の断路状態における側断面
図、第４図は第３図に示す装置の接続状態におけ
る側断面図、第５図は第３及び４図の鎖錠装置の
斜視図である。 １……しや断器、２……閉鎖配電盤、７……引
出装置、８……台車、１０……引出操作用ハンド
ル、１２……引出装置の軸、１６……クランクレ
バー、１８……レバー、２２……偏心カム、２４
……昇降板、２９……ロツド、３０……インタロ
ツクピン、３２……ストツパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ しや断器側に設けられた引出装置の軸を支点
   として回動自在なクランクレバーと、閉鎖配電盤
   に設けられ前記クランクレバーと係合してリンク
   機構を形成するレバーとを備え、しや断器側の引
   出操作用ハンドルによつて前記クランクレバーを
   回動操作してしや断器を閉鎖配電盤に出し入れす
   る引出装置を備える引出形しや断器において、前
   記クランクレバーと共軸の偏心カムと、この偏心
   カムによつて昇降されるインタロツクピンと、閉
   鎖配電盤側に設けられてしや断器台車から突出す
   る前記インタロツクピンと当接するストツパとか
   らなる鎖錠装置を備えることを特徴とする引出形
   しや断器。