JPS6242322Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はジヤー炊飯器等の内鍋の底面の球面度
などの曲面を測定する自動検査装置に関する。

ジヤー炊飯器等における内鍋とこれを支持する
加熱器等を備えた筐体底面との間には、計画され
た相互間の一定の隙間関係が保たれる必要があ
る。

特に鍋の球面状底面と、これに接し鍋を保持す
る筐体の内底面との接触状態は炊飯器の性能を左
右する重要性を持つている。機械加工品の場合は
寸法精度は保持されやすいが、プレス加工品の場
合は難かしいので、プレス加工によるこの種鍋の
寸法検査は特に精密に行なわれる。一般にこの種
量産品の検査は抜取検査が通例で、例えば200個
の生産毎に１個を抜取つて、これをＲゲージ、ス
キマゲージ、あるいはデツプスゲージ等で精密測
定し検査を行なつている。こうした手作業による
検査は測定に時間を要し、また、作業も煩雑でミ
スを生じやすかつた。

本考案は電子カウンタ、コンパレータ、制御装
置等に接続されるダイヤルゲージ型リニヤエンコ
ーダを備えた検査ゲージ型枠を生産ラインに設け
ることにより全品の寸法検査を自動的に行ない、
その測定値をデイジタル表示すると共に良否判別
ならびに選別を行なつて検査作業の迅速化、高能
率化を図り品質管理に大きく寄与しうる装置を提
供するものである。以下図面に示す実施例に従つ
て内容を詳述する。

第１図において１は検査ゲージ型で前後に被測
定物（本例では鍋）位置決め用ガイド片２を有し
下面は鍋底の球面半径より僅かに大径の半径をな
して鍋底面に接するようになつている。３は検査
ゲージ型１に植設された吊杆で支持杆４に上下滑
動自在に支持され、かつ、支持杆４と検査ゲージ
型１の間において吊杆３に嵌入されたスプリング
５により下方に付勢されるようになつている。支
持杆４の両端部にはガイドロツト６の下端が固着
され、支持杆４の中央には上下動用エアシリンダ
ー７のピストンロツド７′が固着される。ガイド
ロツト６は固定枠８の上部横梁８′の上面に立設
されたガイドボス９に嵌挿されてエアシリンダー
７の作動に伴いガイドボス９を案内として上下に
滑動しうるようになつている。即ちエアシリンダ
ー７が作動しそのピストンロツド７′が上下する
と検査ゲージ型１はガイドロツト６の案内によつ
て振れることなく正しく上下に移動するようにな
つている。１０はストローク調整用ストツパーで
ガイドロツト６の上端に装架された横杆１０′の
中央に取付けられている。横杆１０′はガイドロ
ツト６の安定性を増す役目もする。固定枠８の一
方の上部にはリミツトスイツチ１１，１１′の支
持台枠１２がガイドロツト６に対向する状態に設
けられる。ガイドロツト６にはリミツトスイツチ
１１，１１′作動用の接触子１３が固着されて、
エアシリンダー７が作動してガイドロツト６が上
下動すると接触子１３がリミツトスイツチ１１あ
るいは１１′に接触してそれらの回路を開あるい
は閉として検査ゲージ型１の位置を実線で示す位
置あるいは鎖線で示す位置に静止させるように働
く。１４は検査ゲージ型１の中央上面に装着され
たダイヤルゲージ型リニヤエンコーダでその測定
子１４′は検査ゲージ型１の下面から突出して被
測定物の鍋底面中央に接するように設けられてい
る。測定子１４′のストロークｌ（第２図参照）
は本例では10mmあり0.01mm変位する毎に測定値を
符号化してそのパルス信号を電子カウンタ１５に
送り測定値をデイジタル表示する。電子カウンタ
１５で表示された値は第３図参照２進化10進法
（BCD）コード出力に変換されてコンパレータ１
６に送られ、さらに、制御装置１７に送られる。
制御装置１７からは選別指令、警報指令等が出力
され一連の選別警報装置１８を駆動する。１９は
鍋移送用コンベヤ、２０は駆動用モータである。

以上において、被測定物である鍋がコンベヤ１
９上を移送されてきてガイド２１に案内され、こ
の検査装置の中心位置に達すると、光電スイツチ
２２（第２図参照）が働いて、コンベヤを停止さ
せる。ついでエアシリンダー７が作動して検査ゲ
ージ型１が下降し、ガイド片２によつて被測定物
である鍋の位置ずれを修正し、リミツトスイツチ
１１′に接触子１３が接触してリミツトスイツチ
１１′を作動させて鎖線で示す所定位置で停止す
る。この時スプリング５によつて被測定物に対す
る加圧が柔げられるとともに、被測定面にゲージ
型１のゲージ面が沿うように押圧され、両面は少
くとも３点は接触し、最も接近した状態である。
この位置でリニヤエンコーダ１４の測定子１４′
が被測定物である鍋底面に接し測定を行なう。測
定は検査ゲージ型１の基準半径を設定しこのセン
ターにおける鍋底とのスキマを測定し、その測定
値は電子カウンタによりデイジタル表示される。
スキマの公差はその必要精度として上限と下限を
あらかじめ設定しておく。コンパレータ１６は設
定された上限値あるいは下限値と電子カウンタ１
５のデイジタル数値とを比較し、測定値がこの範
囲内であればOKの判断をしてOK信号を表示す
る。測定値が上限値を超えている場合は＋NG、
下限値を超えている場合は−NGの表示をしてそ
の出力を制御装置１７に送り選別、警報の各指令
を発し選別警報装置１８を駆動し、ラインよりの
排除あるいは警報を発する。

一連の測定がなされると制御装置の指令により
エアーシリンダー７は元の位置に復帰し検査ゲー
ジ型１も上昇して次の検査態勢を移る。本装置に
よれば、測定を自動的に行なつて良否の判定をし
不良の場合の選別指令の発信、および生産ライン
から不良品を除去する作業まで一連の工程内で自
動的に施行することができるので検査作業の省力
化が達成される。また、検査ゲージ型を被測定物
の正規の曲面半径より僅か大径の曲面形状とした
ことにより、ゲージ曲面と被測定面（鍋の底面）
の外周に近い部分とが、円環状に接触するように
接近し、実際に当接する個所はゲージ曲面と最も
接近した少くとも３箇所となり、従来の板状ゲー
ジあるいは点状のゲージ型にくらべ、最も厳密で
正確な測定値となり、品質の維持、向上を果たし
うるので、信頼度の高い製品を得ることができ
る。本考案は球面度検査装置として説明したが、
検査ゲージ型を選ぶことにより外径．内径、高さ
などの寸法測定あるいは歪、変形、金型の摩耗
度、破損の検出さらには工程もれなどにも応用さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる検査装置の一部切断正
面図、第２図は第１図の側面図、第３図はブロツ
ク図である。 １……検査ゲージ型、２……位置決め用ガイド
片、３……吊杆、４……支持杆、６……ガイドロ
ツト、７……エアシリンダー、９……ガイドボ
ス、１１，１１′……リミツトスイツチ、１２…
…支持台枠、１３……接触子、１４……ダイヤル
ゲージ型リニヤエンコーダ、１４′……測定子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に被測定物を前後に挟むようにしたガイド
   片を設け、正規の曲面半径より僅か大径の曲面形
   状を有し、その中央にスピンドルの動き量に応じ
   た数のパルスを出力し電子カウンタ、コンパレー
   タ、制御装置および選別警報装置に接続されたダ
   イヤルゲージ型リニヤエンコーダを取付けた検査
   ゲージ型と、該検査ゲージ型を上下方向に滑動自
   在にかつスプリングで付勢して支持した支持具
   と、該支持具をガイド材およびエアシリンダを介
   して滑動自在に支持し前記ガイド材に固定した接
   触子により上限点・下限点にて作動するリミツト
   スイツチを設けた支持台枠とよりなる曲面検査装
   置。