JPS6242141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内燃機関のシリンダ内への給気を
自在とする吸気管から空気圧縮機への給気を自在
とする連結管を分岐し、共通の吸気管を通じてシ
リンダ内と空気圧縮機とに給気する形式とした内
燃機関の給気系装置に関するものである。

例えば、排気ターボ過給機を備えた内燃機関で
は排気ターボ過給機によつてシリンダ内に加圧空
気を供給する。

一方、自動車、船舶等において圧縮空気を必要
とするものにあつては、エンジンの出力の一部を
取出して駆動する空気圧縮機を備えている。

これら排気ターボ過給機と空気圧縮機は、とも
に外気を吸入し、これを圧縮するので、１つのエ
アクリーナに接続した１つの吸気管を、排気ター
ボ過給機への給気用と空気圧縮機への給気用とに
共用させることが多い。この場合、空気圧縮機が
アンロード状態となつたときに生じる吸気管への
空気の吹返しで、吹返し空気中に含まれるオイル
ミストが吸気管に入り、排気ターボ過給機のコン
プレツサの翼車等に付着する。さらに翼車等にオ
イルミストが付着すると、これに内燃機関のシリ
ンダから吹返されるカーボン等が付着しやすくな
り堆積する。毎分10万回転にも及ぶ回転を行なつ
ている排気ターボ過給機のコンプレツサの場合、
翼車に僅かな付着物が付着しても機能が大幅に低
下してしまう。また排気ターボ過給機を備えない
通常の内燃機関も同様に給気管へのオイルミスト
の付着によりカーボン等が堆積し、吸入抵坑が増
大することになる。

そこで、空気圧縮機からの吹返し空気が吸気管
に入らないようにした内燃機関の給気系装置の開
発が望まれていた。

この考案は、前記要望に応えた内燃機関の給気
系装置を提供するもので、空気圧縮機の吸入口に
設ける逆止弁を、空気圧縮機からの圧縮空気を貯
える空気貯槽内の圧力が所定値を越えたとき開放
状態に保たれる逆止弁とする一方、この逆止弁と
吸気管とを結ぶ連結管の内容積を、空気圧縮機の
行程容積よりも大きく形成しておき、空気貯槽内
の圧力が所定値を超えると、空気圧縮機は空気を
圧縮することなく、連結管内との間で単に空気の
出し入れを繰返すだけとなるようにした点に特徴
がある。

ついで、この考案の装置を実施例により図面を
参照しながら説明する。

図面にはこの考案の装置の実施例を一部を欠除
した系統説明図で示してある。図面に示したよう
に、矢印ａで示す外気をエアクリーナ１を介して
吸込み、排気ターボ過給機Ａのコンプレツサ２へ
の流通を自在とした吸気管３の中間部には、空気
圧縮機Ｂの吸入口４に取付けてある逆止弁５への
吸気管３からの空気流通を自在として連結管６を
接続してある。

空気圧縮機Ｂはエンジンの出力の一部で往復動
されるピストン７を内蔵し、吐出口８に設けた逆
止弁９及び配管１０を介して空気貯槽１１に接続
してある。

一方、前記逆止弁５は、スプリング１２により
閉止習性を与えられた弁本１３を内蔵している。
弁体１３には前記空気貯槽１１内の空気の圧力を
背面に受けているアンローダ弁１４の弁体１５と
一体のプツシユロツド１６を当接させてある。

弁体１５は所定圧に耐えるスプリング１７によ
り支えられており、ガバナーｇを介する配管１８
を通じて空気貯槽１１内の圧力が所定値に高まる
と、ガバナーｇを介して、スプリング１７を圧下
させて、弁体１３をスプリング１２の弾発的押圧
力に坑して押下げ、逆止弁５を開放する。開放さ
れた逆止弁５は、空気貯槽１１内の圧力が減じて
アンローダ弁１４の弁体１５が旧態に戻されない
限り開放状態に保たれる。

逆止弁５が開放状態となつていることにより空
気圧縮機Ｂのシリンダ１９内と連通状態に保たれ
る連結管６は、内容積を、空気圧縮機Ｂのシリン
ダ１９の行程容積よりも大きく形成してある。

連結管６の内容積を大きくするには長さを増大
してもよいが、長さを増大することが実用上問題
となる場合には、図中に仮想線で示し符号２０を
付した所要内容積のタンクを連結管６の途中に設
けておくようにする。

なお、図中符号２１は排気ターボ過給機Ａのタ
ービンであつて、排気弁２２の開放によつて内燃
機関のシリンダ２３内から排出される排気ガスで
回転される翼車２４を内蔵している。符号２５は
給気弁、２６はピストン、２６Ａは燃焼室、２７
は燃料噴射ノズル、２８はコンプレツサ２の翼
車、２９はタービン軸、３０は負荷への圧力空気
供給配管を示している。

また、図面にはシリンダ２３に排気ターボ過給
機Ａを直結し、かつ、シリンダ２３内から直接タ
ービン２１に排気ガスが流れるように表わしてあ
るが、これは原理を示しているに過ぎず、実際に
は、各シリンダ２３からの排気ガスを集めたエキ
ゾーストマニホールドからタービン２１への排気
ガス取出しを行ない、インテークマニホールドに
設けたコンプレツサ２から各シリンダ２３に加圧
空気を供給する。

さらに、この実施例ではアンローダ弁１４を、
プツシユロツド１６付きの弁体１５と、スプリン
グ１７とを有する弁としてあるが、これを逆止弁
５に一体に組付けてもよいし、空気貯槽１１内の
圧力が所定値を上回つたときに、逆止弁５を開放
状態に保持できるものであれば図示した以外の機
構からなるものであつてもよい。

しかし、いずれの場合にも連結管６の位置を空
気圧縮機Ｂよりも高い位置に設け、さらに吸気管
３の位置を連結管６の位置よりも高くしておくこ
とが望ましい。

この考案は、上記の構成としたので、外気ａは
吸気管３を通じて排気ターボ過給機Ａのコンプレ
ツサ２に供給され、空気圧縮機Ｂへの外気の供給
は、吸気管３から連結管６及び逆止弁５を通じて
行なわれる。

空気圧縮機Ｂの駆動で空気貯槽１１内の圧力が
設定値に達し、なおかつ、負荷での圧縮空気使用
がなければ、空気貯槽１１内の圧力を受けたアン
ローダ弁１４の弁体１５がスプリング１７を圧縮
して下降され、プツシユロツド１６を介して逆止
弁５の弁体１３を圧下する。スプリング１２の弾
発的押圧力に坑して弁体１３が押下げられると、
逆止弁５は開放状態となり、空気貯槽１１内の圧
力が減少しない限り逆止弁５の開放状態は保たれ
ることになる。

逆止弁５の開放によつて連通状態になつている
シリンダ１９と連結管６との間では、ピストン７
が下降することによりシリンダ１９内に連結管６
内の空気が流れ込む。つぎに、ピストン７が上昇
しても、吸入口４が逆止弁５の開放により開いた
ままのシリンダ１９内では圧縮は起らず、したが
つて、逆止弁９を押開いての空気吐出はないが、
シリンダ１９内に入つている空気の連結管６への
押出流動はある。

この場合、連結管６の内容積をシリンダ１９の
行程容積よりも大きくしてあるため、シリンダ１
９内から連結管６に押出された空気が吸気管３に
まで達することはない。即ち、逆止弁５が開いて
いる限り、シリンダ１９内と連結管６との間で
は、単に空気が出入り流動しているだけの反復と
なる。

この状態は、空気貯槽１１内の圧力が減少して
アンローダ弁１４の弁体１５が旧態に戻ることに
よつて解除され、後は正規の運転状態に戻る。

以上の説明から明らかなように、この考案の装
置は、空気圧縮機からの吹返し空気が吸気管に入
ることを防ぐことができるから、吸気管内をオイ
ルミストで汚損することがないし、排気ターボ過
給機付内燃機関の場合にも、排気ターボ過給機の
コンプレツサのオイルミスト付着に起因する能力
低下を確実に防止できるなどの優れた利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の装置の実施例を示す一部欠除
した系統説明図である。 Ａ……排気ターボ過給機、Ｂ……空気圧縮機、
１……エアクリーナ、２……コンプレツサ、３…
…吸気管、４……吸入口、５……逆止弁、６……
連結管、８……吐出口、９……逆止弁、１１……
空気貯槽、１２……スプリング、１３……弁体、
１４……アンローダ弁、１５……弁体、１６……
プツシユロツド、１７……スプリング、１９……
シリンダ、２０……タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関のシリンダ内への給気を自在とした吸
   気管と空気圧縮機の吸入口に設けた逆止弁を、空
   気圧縮機への給気を自在とする連結管を介して接
   続し、前記逆止弁を、前記空気圧縮機に接続した
   空気貯槽の所定値を超えた内圧で開放状態に保た
   れる逆止弁とする一方、前記連結管を、空気圧縮
   機の行程容積よりも大きい内容積の連結管として
   なる内燃機関の給気系装置。