JPS6240162Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 情報処理装置の外部記憶装置として使用される
磁気デイスク装置において、磁気記録媒体に情報
を記録／再生する磁気ヘツドは、その良否試験
が、磁気ヘツドを試験装置に仮固定し、磁気記録
媒体に実際に情報を記録／再生することで行われ
る。本考案は、このように磁気ヘツドなどの試験
を行うときのように、磁気ヘツドアーム等のワー
クを仮固定する装置に関する。

〔従来の技術〕

第４図イは磁気ヘツド駆動装置の平面図、ロは
イ図のロ−ロ断面図である。１は磁気ヘツドアー
ムであり、そろ先端に磁気ヘツド２が取り付け支
持される。この磁気ヘツドアーム１は、駆動軸３
に固定されたアーム支持体４に固定される。この
固定のために、駆動軸３の接線方向の位置決め面
Ａと、該位置決め面Ａと垂直方向の位置決め面Ｂ
と、磁気ヘツドアーム１の上下方向の位置を規定
する位置決め面Ｃとをそれぞれ設けてある。また
磁気ヘツドアーム１には、位置決め面ＡとＢとの
間に、矩形の取り付け穴５が開けられており、該
穴５に固定アーム６の先端の固定ヘツド６ａが嵌
入する。該固定アーム６と一体のネジ棒６ｃは、
アーム支持体４の貫通４ａを貫通し、ナツト７が
螺合されている。

ネジ棒６ｃは、位置決め面Ａ，Ｂとある角度
（例えば45度）を成しており、取り付け穴５の該
ネジ棒６ｃと直交する辺５ａは45度の傾斜が付い
ている。したがつて固定ヘツド６ａを穴５に嵌入
させた状態で、ナツト７を締め付けると、固定ヘ
ツド６ａの傾斜面６ｂが取り付け穴５の傾斜面５
ａを押圧し、磁気ヘツドアーム１が、位置決め面
Ａ，ＢおよびＣ方向に押圧される。すなわち１つ
の固定アーム６を締め付けるのみで、３方向の位
置決め固定ができる。こうして磁気ヘツドアーム
１をアーム支持体４に固定した状態で、磁気デイ
スク８を矢印a₁方向に回転させると共に、駆動軸
３で磁気ヘツドアーム１を回転させることによ
り、磁気ヘツド２が所定のトラツクにシークされ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

磁気ヘツド２の良否試験は、磁気ヘツド２が磁
気ヘツドアーム１に搭載された状態で、磁気デイ
スク８に磁気ヘツド２をシークさせることで行わ
れる。したがつて試験装置も、磁気ヘツドアーム
１を一時的に仮固定できることが必要である。し
かも製品である磁気ヘツドアーム１の現状のまま
で、着脱が容易なように仮固定しなければならな
い。

本考案の技術的課題は、仮固定装置におけるこ
のような要求を満たし、磁気ヘツドアームなどの
ようなワークを試験装置などに容易に着脱可能に
仮固定する装置を実現することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この問題点を解決するために講じた本考案によ
る技術的手段は、被固定物品であるワークに開け
られた取り付け穴の少なくとも一部の内壁に傾斜
面が形成されているワークを仮固定する装置にお
いて、該取り付け穴の傾斜面と対応する位置に、
該傾斜面を押しつける押さえ部を有する押さえブ
ロツクを、該取り付け穴に挿入し、押さえブロツ
クの下面に着脱する真空吸引用のパイプを設けた
構成になつている。

〔作用〕

この技術的手段によれば、まず押さえブロツク
を、その押さえ部が取り付け穴の傾斜面上に位置
するように、取り付け穴に挿入する。そして真空
吸引用のパイプを押さえブロツクの下面に当接さ
せ、真空吸引すると、該押さえブロツクが下方に
真空吸引され、引つ張られる。そのため押さえブ
ロツクの押さえ部がワークの取り付け穴の傾斜面
に押し付けられ、その結果ワークは傾斜面で受け
る分力の方向に押し付けられる。そして引続き真
空吸引を行つている状態で、試験などの処理を行
ない、処理終了後は真空吸引を中止し、真空吸引
用のパイプを大気に開放すると、押さえブロツク
は真空吸引用のパイプから開放される。次いで取
り付け穴中の押さえブロツクを取り出して、次の
ワークをセツトし、その取り付け穴に押さえブロ
ツクを挿入して、真空吸引することで仮固定を
次々と行う。

〔実施例〕

次に本考案による仮固定装置が実際上どのよう
に具体化されるかを実施例で説明する。第１図は
本考案を磁気ヘツドアームの仮固定に適用した第
１実施例を示すもので、イは平面図、ロはイ図の
ロ−ロ断面図である。１は磁気ヘツドアームで、
試験装置のアーム支持体４に仮固定される。試験
装置のアーム支持体４も、第４図の磁気デイスク
装置のアーム支持体４と全く同様に、３つの位置
決め面Ａ，Ｂ，Ｃを有している。８は仮固定用の
ブロツクであり、ワークとなる磁気ヘツドアーム
１の取り付け穴５に丁度嵌入できる大きさと形状
になつている。すなわち磁気ヘツドアーム１の取
り付け穴５の傾斜面５ａと対応する位置に、該傾
斜面５ａを押圧するための押さえ部８ａを有して
いる。この押さえ部８ａは、安定性を良くするた
めに、傾斜面５ａと同じ角度で傾斜が付けられて
いる。他の３つの側面は、取り付け穴５の他の内
壁と同様に垂直になつている。９は真空吸引用の
パイプであり、その先端が押さえブロツク８の下
面に密着するように、押さえブロツク下面８ｃお
よびパイプ９の先端は、精度良く平らに仕上げら
れている。パイプ９は、真空吸引用のポンプに接
続される。

この装置で、磁気ヘツドを試験装置にセツトす
るには、磁気ヘツドアーム１をイ図のように試験
装置のアーム支持体４にセツトした状態で、押さ
えブロツク８を磁気ヘツドアーム１の取り付け穴
５に挿入する。すると押さえブロツク８の下面が
パイプ９の先端に密着するか、わずかの間隔で対
向する。そして大気開放側のバルブV₁を閉じた
状態で、ポンプ側バルブV₂を開けて真空吸引用
のポンプに接続する。するとパイプ９中が排気さ
れて負圧となることで、押さえブロツク８が下方
に引つ張られる。このときに押さえブロツク８の
傾斜面８ａが磁気ヘツドアーム１の取り付け穴の
傾斜面５ａに押し付けられる。そのため、磁気ヘ
ツドアーム１は矢印a₂方向に押し付けられ、第４
図の製品の場合と同様に、磁気ヘツドアーム１が
位置決め面Ａ，Ｂ，Ｃの３方向に押し付けられ、
磁気ヘツドアーム１が試験装置のアーム支持体４
の正確に位置決め固定される。

磁気ヘツドアーム先端の磁気ヘツドの試験は、
パイプ９で押さえブロツク８を吸引保持している
状態で行われる。試験が終了すると、大気開放バ
ルブV₁を開けて、パイプ９中を大気圧にすれ
ば、押さえブロツク８は開放されて自由となる。
そのため、該押さえブロツク８を取り付け穴５か
ら取り出し、磁気ヘツドアーム１をアーム支持体
４から取り外して、次の磁気ヘツドアームをセツ
トし、押さえブロツク８で仮固定して試験を行
う。

試験装置のアーム支持体４に、押さえブロツク
８の脚部８ｂを丁度挿入できるガイド孔４ａを開
けることで、押さえブロツク８が上下方向へのみ
移動可能となる。そのため押さえブロツク８を吸
引して下方に引つ張る際に、押さえブロツク８の
水平方向の移動を規制して、取り付け穴５の傾斜
面５ａを確実に位置決め面Ａ，Ｂ，Ｃに押し付け
ることができる。

第２図は押さえブロツク８の別のガイド手段を
示す縦断面図である。この例は、アーム支持体４
にガイドピン１０が植設され、押さえブロツク８
にはこのガイドピン１０が挿入される孔８ｄが開
けられている。この実施例では、磁気ヘツドアー
ム１をアーム支持体４にセツトした状態で、押さ
えブロツク８のガイド孔８ｄにガイドピン１０が
挿入されるように、押さえブロツク８を取り付け
穴５に挿入するのみで、押さえブロツク８の横方
向の位置が規制される。

第３図は、真空吸引用のパイプによる押さえブ
ロツクの吸引をより確実に行なえるようにするた
めの実施例である。第１図、第２図の実施例で、
パイプ９の少なくとも先端部を、ゴムや軟質の合
成樹脂などで構成すれば、押さえブロツク８を下
方に吸引した際に、パイプ先端が負圧で短縮する
ことによつて、押さえブロツク８の下方への移動
が容易になり、磁気ヘツドアームの傾斜面５ａの
押し付けをより確実に行うことができる。なお、
押さえブロツク８の下面にゴムや軟質合成樹脂の
板ないしシートなどを貼り付けて、真空吸引時に
パイプ先端がゴムないしシートに食い込むように
することでも、同様な作用が行われる。

第３図はパイプの短縮がさらに容易に行われる
ようにするもので、剛体のパイプ９ａの先端に、
合成樹脂などの軟質材から成る蛇腹状のパイプ９
を継ぎ足した構成になつている。この構成におい
て、通常は蛇腹状パイプ９が伸びているため、押
さえブロツク８を磁気ヘツドアーム１の取り付け
穴に挿入すると、蛇腹状パイプ９の上端が直ちに
押さえブロツク８の下面８ｃに密着する。この状
態で真空吸引を開始すると、パイプ９，９ａ中が
排気され、負圧で蛇腹状パイプ９が矢印方向に短
縮して、押さえブロツク８が鎖線で示す位置まで
吸引下降される。このようにパイプ９を、負圧で
容易に短縮可能にすることで、押さえブロツク８
を容易に下方に吸引し下降させることができ、押
さえブロツク８の下降量を大きくする必要がある
ときに有効である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、ワークとなる磁
気ヘツドアームの取り付け穴に押さえブロツクを
出し入れ可能とし、かつ該押さえブロツクを真空
吸引するパイプを配設するのみで足り、簡単な構
造で、かつ簡単な操作で、ワークの仮固定および
取り外しを行うことができる。しかも仮固定装置
が小型でかつ上方から押さえブロツクを着脱で
き、また押さえブロツクの上側には特別な部材を
配設する必要がないため、磁気デイスクなどの邪
魔にならず、製品と同じ状態で試験を行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を磁気ヘツドアームの仮固定に
適用した第１実施例を示す平面図と断面図、第２
図は押さえブロツクの別のガイド手段を示す縦断
面図、第３図は真空吸引パイプの別の実施例を示
す縦断面図、第４図はワークを組み立てて製品化
した状態の平面図と縦断面図である。 図において、１は磁気ヘツドアーム、４はアー
ム支持体、５は取り付け穴、５ａは傾斜面、８は
押さえブロツク、８ａは傾斜面（押さえ部）、９
は真空吸引用パイプをそれぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被固定物品であるワークに開けられた取り付け
   穴の少なくとも一部の内壁に傾斜面が形成されて
   いるワークを仮固定する装置において、該取り付
   け穴の傾斜面と対応する位置に、該傾斜面を押し
   つける押さえ部を有する押さえブロツクを、該取
   り付け穴に挿入し、押さえブロツクの下面に着脱
   する真空吸引用のパイプを設けたことを特徴とす
   る仮固定装置。