JPS6237626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフインガーカツターの位置決め治具に
関するものである。

フインガーカツターとは接合加工物（一般に木
材片若しくは加工材）にジグザグ状の切削溝を加
工する場合に使用されるカツターで、このカツタ
ーは円形状の基板部に数個の刃を突設してある
（実施例では二枚刃型）。このような構成のフイン
ガーカツターを数枚重畳して前記のジグザグ状の
切削溝を加工するのである。そうしてこのフイン
ガーカツターの切れ味が悪くなつた時は、一般の
カツターと同様に研磨する必要がある。このよう
な場合従来はそれぞれのフインガーカツターの刃
寸法を目視で定めて、一枚ずつ研磨する方法と
か、前記刃寸法をマジツクインク（登録商標名）
で印した後、その印しに従つて一枚ずつ研磨する
方法とか等で行われていた。これらの研磨方法で
は、前述の如く一枚ずつの研磨であることから、
当然のことながら仕上刃の寸法に誤差を生じ、数
枚のフインガーカツターを重畳した場合に、その
刃先位置が不揃となり、研磨後に再度修正研磨す
る必要があり、手間を要し作業能率が悪いこと、
熟練を要すること、研磨コストが高くなること、
刃の研磨ロスが多くなり、不経済であること等の
欠点があつた。

上記に鑑み本考案は、複数枚のフインガーカツ
ターを同時に研磨することができるフインガーカ
ツターの位置決め治具を提供することにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。

１はベツドで、このベツド１にはテーブル２が
設けられている。そしてテーブル２上には蟻嵌合
され往復動（図面では左右方向）する往復台３が
設けられており、この往復台３には刃物取付用の
担持軸４を備えた担持部材５が立設されている。
６はテーブル２の後部に立設された砥石台で、こ
の砥石台６には砥石軸７を介して砥石８が、また
この砥石８を駆動するモータ９等が装設されてい
る。このように構成された刃物研削機は公知であ
る。そこで本考案は、前記担持部材５の担持軸４
に挿設され、かつ担持軸４に例えば固定ボルト等
の固止具１０で固止される取付部１１を有する位
置決め杆保持用の支持部材１２を構成し、この支
持部材１２の長手方向に向つて長孔１３を開設す
る。そしてこの長孔１３にその基部１４ａが挿設
される位置決め杆１４を設けると共に、この位置
決め杆１４を固止具１５で長孔１３の適所に固止
したとき、この位置決め杆１４は前記担持軸４と
略平行状態となるように構成されている。尚位置
決め杆１４には砥石挿入用の切欠部１６と、この
切欠部１６に連設されかつフインガーカツター１
８の刃背面１８ａに当接する当部１７とがその長
手方向に向つて設けられている。

本考案は以上のように構成してなり、担持部材
５の担持軸４に支持部材１２の取付部１１を挿設
し、その支持部材１２が第２，３図のように担持
軸４の後方に位置し、かつ上方へ傾斜するように
固止具１０をもつて固止する。そうしてスペーサ
１９を介して数枚のフインガーカツター１８を担
持軸４に挿設した後、固止具２０をもつてフイン
ガーカツター１８を仮り締めする。ついで位置決
め杆１４の当部１７を例えば一枚のフインガーカ
ツター１８の刃背面１８ａに当接し、その位置で
固止具１５を螺入して位置決め杆１４を固止す
る。そしてその他のフインガーカツター１８の刃
背面１８ａを順次前述と同様に位置決め杆１４の
当部１７に当接した時点で、再度固止具２０を螺
入するとすべてのフインガーカツター１８が所定
位置で固止される。ここでスイツチ（図示せず）
をONとすると、往復台３がテーブル２上を往復
動すると共に、モータ９がONとなり砥石８が回
転する。これによつてフインガーカツター１８の
刃先が砥石８で研磨され、しかも挿設されている
フインガーカツター１８の刃先が略均等に研磨さ
れるのである。そして研磨が終つたならば、スイ
ツチをOFFとし、ついで固止具２０を螺戻して
担持軸４よりフインガーカツター１８を脱抜す
る。ついでこんどはフインガーカツター１８の他
の刃先を研磨するのであるが、この場合はすでに
位置決め杆１４が所定位置に固止されているの
で、フインガーカツター１８を担持軸４に挿設し
た後、その刃背面１８ａをこの位置決め杆１４の
当部１７にそれぞれ当接する。そうして固止具２
０を螺入するとフインガーカツター１８が所定位
置に固止される。そこで前述と同様な研磨作業を
なした後、それが終了した時点で、前述と同様に
フインガーカツター１８を脱抜すれば、この実施
例におけるフインガーカツター１８の研磨作業が
終了するのである。

本考案は以上のように構成したので、数枚のフ
インガーカツターを一度に、かつ略均等に研磨す
ることができる効果があつて、研磨精度、作業性
が向上する。また、それ程の熟練を要さず、前述
の研磨作業が可能となる。更に位置決め杆を支持
部材に摺動可能としたので、数種のフインガーカ
ツターに適用可能である。また、位置決め杆に切
欠部を設けたので砥石の回転の邪魔とならず、当
部を設けたのでフインガーカツターの取付位置の
正確性が期待できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は刃物
研削機の正面図、第２図は要部の拡大斜視図、第
３図は要部の拡大側断面図、第４図は要部の拡大
平面図である。 １……ベツド、２……テーブル、３……往復
台、４……担持軸、５……担持部材、６……砥石
台、８……砥石、１１……取付部、１２……支持
部材、１４……位置決め杆、１６……切欠部、１
７……当部、１８……フインガーカツター、１８
ａ……刃背面、１９……スペーサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツドに設けたテーブルと、このテーブルに往
   復動自在に設けた往復台及び立設された砥石台
   と、この往復台に設けた刃物取付用の担持軸を備
   えた担持部材と、前記砥石台に設けた砥石軸とを
   装備してなる刃物研削機において、前記担持部材
   の担持軸に挿設され、かつ所定位置に固止具をも
   つて固止される取付部を有する位置決め杆保持用
   の支持部材と、この支持部材の長手方向に設けた
   長孔にその基部が摺動自在に挿設され、かつ所定
   位置に固止具をもつて固止され、しかもその固止
   状態で前記担持軸と略平行状態となる位置決め杆
   と、この位置決め杆に砥石挿入用の切欠部及びフ
   インガーカツターの刃背面に当接される当部とを
   設け、前記担持軸に適宜寸法のスペーサを介して
   数枚のフインガーカツターを嵌着すると共に、そ
   のフインガーカツターの刃背面に位置決め杆の当
   部を当接する構成としたフインガーカツターの位
   置決め治具。