JPS623761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温度検知用光フアイバに関する。

温度を検知するための手段は種々あるが、これ
らは何れも集中定数型であるため、線条体の温度
を長手方向に検知する場合には多数の検出素子を
配列しなくてはならず、非常に不便であつた。

特に電線等の長尺体の温度検知の場合には上記
手段を採用することは実際上不可能であり、また
他の適切な手段も見い出し得ず、有効に対応し得
ないというのが現状である。

本考案の目的は、検出素子を分布定数型にする
ことによつて、長尺物等にも対応し得る温度検知
用光フアイバを提供することにある。

以下図面に示す実施例を参照しながら本考案を
説明する。

既知の通り光フアイバはコア１の外周をクラツ
ド２により被覆したものとして知られており、さ
らに図示の実施例ではクラツド２の外周をシース
３により被覆してあるが、本考案はかかる光フア
イバにおいて、そのコア２の外周に感温発色層４
を形成するようにしたものである。

感温発色層４は、後述の塗料をコア１の外周に
蒸着するか若しくは塗布することによつて形成さ
れるもので、非常に薄く、例えば数μｍ〜数百μ
ｍ程度に形成される。

そしてかゝる感温発色層４は、第２図に示すよ
うにコア１の外周全域に形成されるのが好ましい
が、第３図に示すようにストライプ状若しくはス
パイラル状等所望部分に形成してもよい。

感温発色層４に使用される塗料としては、電線
の連続許容温度、例えば90℃を越える温度で発色
するものが使用される。

そして発色及び退色は上記温度を基準に可逆的
であることが好ましい。

かゝる塗料の原料の１例としてエチルセルロー
スと発色剤たるコバルト金属塩とを用いることが
でき、使用に際してはエチルセルロースをベンゼ
ン又はトルエン等の溶剤で溶かして液状セルロー
スを得、これにコバルト金属塩を混合すればよ
い。

このような原料からなる塗料は常温でうす緑色
をしており、これが90〜100℃になると青紫色に
変化する。

次に、かゝる構成の光フアイバを用いて、電線
等のホツトスポツト（電線の一部の温度が高くな
る現象）等における温度検知を行なうには、先ず
光フアイバ１を検出すべき電線等のシース下か、
絶縁体内或いは導電体内の長手方向に埋設して一
体構成となし、かゝる状態で光フアイバ１の入射
端に白色光を入射させる。

電線等にホツトスポツトが生じていない場合に
は感温発色層４が発色しないため、出射端側の光
の色は入射光とほゞ同一であり、従つてホツトス
ポツトの不存在が確認される。

電線等にホツトスポツトが生じている場合には
感温発色層４が発色するため、該層４を通過する
光線は、該層４の色以外の色を吸収され、従つて
出射端側の光の色は発色した色とほゞ同一とな
り、入射光の色と同一性を保持しなくなり、従つ
てこの入射光と出射光との色の違いによりホツト
スポツトの存在が確認される。

尚、検出区間を所望数に分割することによりホ
ツトスポツトが何れの区間に存在するかを検出す
ることもできる。

上記構成に係る光フアイバの用途としては種々
あるが、特に被検知物が長尺、長大である場合に
は特に有効であり、前述の電線の温度検知はその
代表例と云える。

以上のように、本考案においては、検出素子と
してコアの外周に所定温度で発色可能な感温発色
層を備えた光フアイバが使用されるから、電線等
の長尺物の温度検知を長手方向にかつ連続的に行
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る光フアイバの側断面図、
第２図は第１図−線の横断面図、第３図は同
フアイバの変形例を示す横断面図である。 １……コア、４……感温発色層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光フアイバにおいて、コアの外周に所定温度
   で発色可能な感温発色層を備えてなる温度検知
   用光フアイバ。 (2) 感温発色層は、コアの外周に蒸着若しくは塗
   布されかつ所定温度で発色可能な塗料である実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の温度検知用
   光フアイバ。 (3) 感温発色層は、コア外周の全域若しくはスパ
   イラル状、ストライプ状等所望部分に形成され
   てなる実用新案登録請求の第１項記載の温度検
   知用光フアイバ。