JPS6237032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はゴム管が外れた時またはゴム管を取付
けずにガスコツクを開いた時、あるいはガスコツ
クより数種のガス器具へガスを供給した時のよう
に無負荷や多流量状態でガスが流れると作動し、
ガスを止めてしまう弁装置を備えたガスコツクに
関するものである。このような弁装置を備えると
ともに、弁装置のリセツトを閉子の回動でガス通
路を閉じる操作で行なえるようにしたものが、実
開昭53−36729号公報に示されている。しかしな
がら、ここにおける弁装置は閉子よりもガス流出
側における通気路内に設置されたものであり、そ
して弁装置の弁体のリセツトは閉子側からすれば
引き降ろすことで行なうことになるために、リセ
ツト棒に該当する操作ピンに加えて連結杆を用い
た上でガス通路とは別に設けた空間にこれら操作
ピン及び連結杆を配置することによつて弁体を下
方へ押圧するリセツト操作を行なえるようにして
いるものであり、更には連結杆を介して操作ピン
を駆動するために閉子に切欠を設けているもの、
この切欠は通気孔とは全く別に設けられているも
のであつた。このために弁体をリセツトするため
の部材が２つ必要である上に、専用の配置スペー
スを確保しなくてはならず、またそのための加工
も必要なものであり、リセツト手段のストローク
を大きくとることも２部材の連結の点から困難で
あつて、確実の弁体のリセツトを行なえるもので
はなかつた。

本考案はこのような点に鑑み為されたものであ
り、その目的とするところは弁装置の弁体のリセ
ツトを簡単に且つ安全に行えるガスコツクを提供
するにある。

しかして本考案は、自重にて降下してガス通路
を開くとともに所定流量以上のガスの圧力にて浮
上してガス通路を閉じる弁体を備えた弁装置を閉
子に至るガス流入側の通気路内に配設し、閉子の
通気孔の孔縁に一端が連続し且つ他端が閉子の外
面に連続する周方向の切欠を閉子に設け、閉子と
弁装置との間に閉子側にばね付勢されて配された
リセツト棒の一端を閉子の切欠面及び外面に接触
自在とするとともにリセツト棒の他端を弁装置に
おける浮上時の弁体に接触自在としたことに特徴
を有しているものであつて、以下本考案を図示実
施例に基き詳述すると、第１図及び第２図に示す
実施例にあつては、筒状のコツク本体１の中央部
には閉子１０が設けられ、この閉子孔１０には通
気孔８を穿設した閉子３を回動自在に装着してあ
る。１１はこの閉子３の操作軸であり、操作軸１
１と閉子３とは回転子１２によつて連結されてい
る。コツク本体１の上端は水平方向に屈曲されて
ソケツト（図示せず）接続用のプラグ１３が連結
されている。コツク本体１の下端にはリセツト棒
７、コイルばね２３、弁装置５、Ｏリング１５を
介在させてフランジ管１４を連結し、内部に閉子
３へ至る流入側の通気路４を設けてある。更にこ
の構成を詳述すると、フランジ管１４のコツク本
体１への接続側端面に設けた段部２５に弁装置５
の外周に設けた鍔部１６を収納してある。弁装置
５は上方に位置する一端開口径がやや小さくなる
ように設けられ且つ前部外周には前記鍔部１６を
有する円筒体１７と、この円筒体１７内を上下動
自在とされた球状の弁体６と弁体６の抜け落ちを
防止するストツパ１８とから構成され、弁体６が
浮上して円筒体１７の一端開口縁に接すると通路
を閉じるようになつている。また弁装置５と閉子
３との間に配設したリセツト棒７は第３図に示す
ように円筒部２１中央に支持脚２４を介して軸部
２２を設けたものであり、軸部２２の一端は円筒
部２１一端よりかなり突出させてあると共に軸部
２２の他端も円筒部２１の他端より突出させてあ
る。そしてこのリセツト棒７は閉子３と弁装置５
との間にコイルばね２３を介して摺動するように
納めてあり、リセツト棒７はコイルばね２３によ
つて閉子３側にばね付勢させてあり、リセツト棒
７の軸部２２一端は閉子３の周面に弾接するよう
になつている。一方、閉子３には軸部２２が接触
する部分に第４図に示すように切欠９を設けてあ
る。この切欠９は閉子３の通気孔８の孔縁に連続
する外周面の径を連続的に変えるために周方向に
設けたものであり、切欠９によつて外周面から通
気孔８の孔縁に至るにつれて閉子３の径が小さく
なるようにしてある。

しかして閉子３の通気孔８がガス通気路４と連
通するように閉子３をまわして閉子３を開けば、
ガスは弁装置５の通気孔１９を通じて閉子３から
プラグ１３そしてソケツト、ゴム管（図示せず）
を介してガス器具へと送られる。プラグ１３にガ
ス器具が正常に接続されているならば、この時に
流れるガスの流量では弁装置５の弁体６を浮上さ
せることはなく円筒体１７の一部に設けた通気孔
１９を通じてガスは送られる。この時、リセツト
棒７はコイルばね２３によつて閉子３側に押圧さ
れているためリセツト棒７の一端が切欠９面と接
触しながら通気孔８内に位置する。この際リセツ
ト棒７の円筒部２１の一端がコツク本体１の段部
２に当接し、リセツト棒７の閉子３側への移動を
停止させていると共にリセツト棒７は弁装置５よ
りやや離れて弁体６の作動を損害しない状態とな
つている。そしてガス器具等からゴム管が外れた
り、あるいはプラグ１３に何も接続せずに閉子３
を開いた時のように無負荷でガスが流れる時に
は、自重にて円筒体１７の下部に位置していた弁
装置５の弁体６が正常時よりも流量が増大したガ
スの圧力によつて浮上して弁装置５を閉じてしま
う。従つてガス洩漏を防止し得るものである。こ
のようにガス圧によつて閉じてしまつた弁装置５
は、操作軸１１にて閉子３を閉方向にまわすこと
でリセツトすることができる。即ち、開状態にお
ける閉子３の通気孔８一端内に上端が位置してい
るリセツト棒７の軸部２２の一端は、閉子３の閉
操作による回転につれて切欠９面へと接触点を移
し、閉子３の径変化によつて次第に弁装置５側に
押し出される。そしてリセツト棒７の軸部２２の
他端が弁体６を押圧する。このとき閉子３と弁装
置５との間の通気路４は閉子３にてガスの流通を
遮断されており、ガス圧力の変動がないために、
弁体６は自重で降下して弁装置５を完全に開くこ
とができるものである。

第５図に他の実施例を示す。これは前記実施例
においては弁装置５の弁体６が自重にて降下して
ガス通路を開くようにしている関係上、設置する
際に方向が単一に限定されてしまうのに対して、
二方向を選択し得るようにしたものであつて、弁
装置５はフランジ管１４内の略45゜に傾いた通気
路４中に納められ、鍔部１６下面が段部２５に、
鍔部１６の上面片半部が第６図に示すようなコツ
ク本体１に上端が当接するカラー２７の下端に押
さえられて定位置に取付けられる。そしてこの実
施例におけるリセツト棒７はその全体がコツク本
体１内を摺動するのではなく、その円筒部２１が
コツク本体１に螺着され、円筒部２１から内方に
延出した支持脚２４によつて支持された中空の内
筒部２８に軸部２２が軸方向に摺動自在に貫装さ
れたものであり、軸部２２一端には一体にばね受
け片２９が設けられ、他端には抜け止め用のスト
ツプリング３０が取り付けられている。内筒部２
８一端とばね受け片２９との間に配設されたコイ
ルばね２３によつてばね付勢されている軸部２２
は、閉子３の開時に通気孔８内に一端が突出し、
弁装置５の動作を妨げることはない。そして無負
荷や過流量状態でガスが流れて弁装置５が作動
し、この弁装置５を閉じてしまつたならば、閉子
３を閉方向にまわすことでリセツト棒７の軸部２
２一端の接触点を前記実施例と同様に切欠９面か
ら閉子３の外周面に移すと、軸部２２が押し下げ
られて弁装置５の弁体６を押し、リセツトがなさ
れる。

以上のように本考案は、弁装置を閉子のガス流
入側の通気路内に配置し、閉子と弁装置との間に
閉子側にばね付勢されたリセツト棒を設け、閉子
に穿孔された通気孔の孔縁に一端が連続し、且つ
他端が閉子の外面に連続する周方向の切欠を設
け、リセツト棒の一端を閉子の切欠面及び外面に
接触自在とすると共にリセツト棒の他端を弁装置
における浮上時の弁体に接触自在としたので閉子
の閉操作のみで一旦作動して浮上した状態にある
弁体を下降させてリセツトすることができるのは
もちろんのこと、この閉子の動きはリセツト棒の
みを介して弁体に伝達されて弁体が押されるもの
であつて、確実に弁体の復帰がなされる上に、リ
セツト棒は閉子と弁装置との間のガス通路に配置
すればよいものであつて、リセツト棒を設けるた
めに専用の配置スペースを確保したり加工を行な
つたりする必要がなく、全体を大きくすることな
くリセツト棒を組み込むことができるものであ
り、更には閉子における切欠の一端が閉子の通気
孔に連続していることから、閉子を開いてガスを
流す際にリセツト棒の一端は通気孔に一端を位置
させるものであつて、リセツト棒のストロークを
大きく保つことができるためにこの点においても
弁体のリセツトを確実に行なうことができると同
時に閉子の開状態では弁装置のガス遮断動作を妨
げることがない位置にリセツト棒を位置させるこ
とができて、弁装置をその動作が確実になされる
状態にセツトすることができる特徴を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の正面図、第２図は同
上の縦断面図、第３図はリセツト棒の斜視図、第
４図は閉子の横断面図、第５図は他の実施例の縦
断面図、第６図はカラーの斜視図、第７図はリセ
ツト棒の斜視図であつて、１はコツク本体、３は
閉子、４は通気路、５は弁装置、６は弁体、７は
リセツト棒、８は通気孔、９は切欠を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コツク本体内に回転自在に装着された閉子に至
   るガス流入側の通気路内に、自重にて降下してガ
   ス通路を開くとともに所定流量以上のガスの圧力
   にて浮上してガス通路を閉じる弁体を備えた弁装
   置を配設し、閉子と弁装置との間に閉子側にばね
   付勢されて一端が閉子に接触するリセツト棒を設
   けるとともに前記閉子に穿孔された通気孔の孔縁
   に一端が連続し且つ他端が閉子の外面に連続する
   周方向の切欠を閉子に設けてリセツト棒の一端を
   この閉子の切欠面及び外面に接触自在とするとと
   もにリセツト棒の他端を弁装置における浮上時の
   弁体に接触自在として成るガスコツク。