JPS6234963Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は着用しない場合に嵩張ることなく簡単
に整理収納できるようにしたネクタイに関するも
のである。

ネクタイは周知の如く服装に合せて幾通りもの
ものを使用するので、殊に四季にわたるものを収
納整理するには、その形状からして不都合なもの
である。そして従来は細長いネクタイの洋服ダン
スの扉などに付設したハンガー部分に吊掛けるな
どして整理しているが、このような整理手段では
整理できるネクタイの量が限られていて、しかも
二つ折りしたものをハンガー部から吊り下げるこ
とになるので扉の開閉時に吊掛へ位置がずれ、た
いていは大剣部（着用時前側になる方）がその反
対の小剣部より重いのでずり下り、これが閉扉時
扉と下框部との間にはさまるなど、不都合なこと
になる。

そこで、吊掛け部に工夫を凝らしてずれが生じ
ないようにハンガー金具を採用しているが、この
場合は１個につき、ネクタイ１本乃至２本を吊掛
けるのが限度で整理するにも僅かな量となり、こ
れとても整理できる量が少なくなつてそれぞれ不
便である。さりとて、ネクタイを小さく畳むなど
して収納すれば、長時間の保存中に折りぐせがつ
いて使用時に不体裁となり、服飾としての効果が
減じ好ましくない。

このようにネクタイは一見何等問題のない物品
のようではあるが、意外とその始末に困るもので
あり、量が多くなる程に整理に困惑することは衆
知のことである。

本考案は斯かる問題点を解決して、着用時には
全く支障なくして在来のものと同様に取扱え、整
理する際にはハンガーのアームを挿通して支持す
ることができるので、懸け下げ長さを短かくで
き、しかも洋服ダンスなどに取付くネクタイ掛け
を利用した際、扉の開閉時に懸り吊け位置がずれ
て不具合になることもなく、僅かなスペースで効
果的に整理できる機能を所有せしめたネクタイを
提供することにある。

本考案ネクタイは、ネクタイにおける大剣部と
小剣部とを繋ぐ中間部において、大剣部に連接す
る着用時の結び目となる位置よりも中間部に寄つ
た位置と、小剣部に連接する部分の適所とに、少
なくとも２個所においてハンガー挿通孔を設けた
ものである。

以下本考案を一実施例について図面により詳述
すれば、図示のものは織生地によるネクタイに適
用したものであつて、ネクタイ１を構成する大剣
部２（着用時の表側になる部分）と小剣部３（着
用時に裏側に吊り下がる部分）との中間部４に
て、大劍部２の前垂れ部分に横結び部（着用時の
結び目になる部分）を加えた長さより中間側の位
置、即ち中間片４′と大剣部形成片２′との接ぎ目
５から約10cm程大剣部寄りの位置ａ（この数値に
限定するものではない）と、ネクタイ全体を大剣
と小剣とを合せて二つ折りした状態での前記位置
ａに対向する位置ｂとにそれぞれボタン孔状のハ
ンガー挿通孔６，６′を設けたものである。

このように構成したことによりネクタイ１を不
使用時収納整理するには、第２図に示す如く一端
を自由にした形状のネクタイハンガー１０に、ネ
クタイ中間部４に設けたハンガー挿通孔６，６′
を合せて、該孔６，６′にハンガー１０を通すこ
とにより、ネクタイ１はハンガー挿通孔６，６′
に通して丁度串刺しされた状態でハンガー１０に
吊り下げられるので、収納後にずれが生じること
はなく、吊り下げ長さが短かくなることにより例
えば洋服ダンスの扉などに取付けられたハンガー
の場合、その扉の開閉時にあふられて外れたり、
或いは扉の下端と開口部縁とにネクタイが挟まる
ようなことがなくなり、加えてネクタイがハンガ
ーのバーに前記したように串刺し状に支持される
から短かいバーであつても従来以上に多くのネク
タイを支持せしめることができ、重ねて吊り掛け
ることにならないので整理が正しくできて、しか
も１本のハンガー当り支持できる数も多くなり、
型崩れも生じないで効率よく整理収納できること
になる。

そして着用時には、ネクタイ１には唯整理のた
めのハンガー挿通孔６，６′が設けられているだ
けであるので、在来のものと同様に使用でき、全
く何んの支障もないのであり、該ハンガー挿通孔
６，６′は丁度カツターシヤツの襟の内側に位置
することになつて外観上は全く表われず、従つて
服飾品としての機能を何等阻害することはないの
である。

なお小剣側に配設したハンガー挿通孔６′につ
いてはこれを複数個所に設けておけば必要に応じ
てハンガーに対する挿し込み時その孔を選択する
ことによつて垂れ下り長さを変更し、より短かく
することもできるのである。

また、ハンガー挿通孔を中間片４部に設けたこ
とにより、当然孔縁かがりを付すことによりこの
中間片が固定されて、形成されるバイヤス地、殊
に引張力が強く作用するこの中間片４がよじれて
形崩れする現象を阻止する働きもなし好都合であ
る。なお、この整理のために設ける孔については
上記したようなボタンホール状のもののほか丸孔
を抜いて形成し、その孔縁をいわゆるハトメ金具
の如き補強具で固定してもよい。

叙上の如く、本考案ネクタイによればその全体
形状を何等変えることなく、整理のための孔を中
間部に設けたことにより、従来不便であつたネク
タイの整理収納が合理的に行なえるようになり、
多くの手数を要することなく製作できるので、コ
ストを高めることもない等、その実用的効果大な
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ネクタイの一実施例を示す斜視
図、第２図は使用態様の一例を示す斜視図であ
る。 １……ネクタイ、２……大剣部、３……小剣
部、４……中間部、６，６′……ハンガー挿通
孔、１０……ハンガー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネクタイにおける大剣部と小剣部とを繋ぐ中間
   部において、大剣部に連接する着用時の結び目形
   成位置より中間側へ寄せた位置と、小剣部に連接
   する部分の適所とに、それぞれ孔縁かがりしたハ
   ンガー挿通孔を設けたことを特徴とするネクタ
   イ。