JPS6232376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可撓性磁気シートを安定化板を用いて
浮上回転させるようにした磁気記録再生装置に関
するものであり、その目的は、経時変化或は環境
変化等による安定化板の変形に伴なう、ヘツド位
置での磁気シート浮上量の変化を吸収して、常に
安定したヘツドと磁気シートの当接状態を得るよ
うにしたものである。

可撓性磁気シートを安定化板を用いて浮上回転
させる、所謂エアフイルム方式の磁気記録再生装
置に於ては、安定化板からの磁気シートを載置す
る高さにより、ヘツド位置での磁気シート浮上量
は決定される。このため従来の方法では、経時変
化或は環境変化等による安定化板の変形に伴な
い、ヘツド位置での磁気シート浮上量は大きく変
化するため、常に安定したヘツド出力を得ること
は困難であつた。また安定化板の変形による磁気
シート浮上量の変化を吸収して、ヘツド出力を得
るためにヘツド挿入量を予め磁気シート浮上量の
変化分を見込んで、余分に増加させておく方法も
考えられるが、この場合には、磁気シート寿命が
極端に短かくなるという欠点があつた。

本考案は、かかる問題を解決する一手段を提供
するものであり、以下図面を参照して、その一実
施例を説明する。

図面において、１は基板であり、この基板１に
はモータ２が取付けられている。このモータ２の
シヤフト３には回転駆動軸４がネジ５で固定され
ている。この回転駆動軸４のフランジ部には駆動
ピン６が植設され、磁気シート７を載置するシー
ト台８に設けられた溝部９と係合して、シート台
８に回転駆動を与える。なおシート台８は回転駆
動軸４上でその軸方向に摺動可能な如く嵌合され
ている。また回転駆動軸４とシート台８との間に
は、圧縮ばね１０が介在してあり、常時シート台
８を上方向に付勢している。基板１に植立された
スタツド１１上には安定化板１２が載置され、ネ
ジ１３により固定されている。この安定化板１２
の下面にはヘツド保持具１４が固定されており、
先端に磁気ヘツド１５を固着したヘツドベース１
６が、前記磁気ヘツド１５が安定化板１２を貫通
して、安定化板上に突出するよう前記ヘツド保持
具１４にネジ１７で固定されている。

前記シート台８のフランジ部にはリング状のス
ラスト板１８が、又安定化板１２の下面にも同様
のスラスト板１９がそれぞれ固定されている。前
記スラスト板１８及び１９の間には、ボール群２
０がリテーナ２１により保持された状態で介在し
てあり、これでスラスト軸受けを構成している。
シート台８の上面には磁気シート７が載置され、
シート押具２２を介してネジ２３で固定されてい
る。なおシート台８の外周と、安定化板１２の中
心穴部とは適度な隙間２４が設けられており、磁
気シート７回転時には前記隙間２４とスラスト軸
受け部との隙間より流入する空気により、磁気シ
ート７を安定化板１２上で安定浮上回転させるこ
とができる。なお、より効果的な流入空気流を得
るために、安定化板１２下面に第４図に示すよう
に放射状凹溝部２５を形成している。また防塵、
防湿のために、カバー２６が基板１にネジ２７で
固定されている。

次に動作について説明する。モータ２が回転す
ると、回転駆動軸４と一体的にシート台８も回転
状態となる。この時シート台８は圧縮ばね１０に
より常時上方向に付勢されており、スラスト板１
８及び１９，１９の間に介在するボール群２０と
接触回転を行なう。磁気シート７を載置するシー
ト台８の上面と安定化板１２との段差は予め一定
量に設定されており、磁気ヘツド１５の位置する
所で、磁気シート７は安定化板１２より一定量浮
上して、安定回転する。この時磁気シート７は、
安定化板１２より一定量突出した磁気ヘツド１５
と軟接触し、最適な磁気ヘツドと磁気シートの当
接状態が得られる。

次に経時変化或は環境変化等により、安定化板
１２が変形した場合について説明する。今安定化
板１２が凹状に変形すると、それに応じてシート
台８は回転駆動軸４上でばね１０の力に抗して摺
動下降する（第５図）。しかし磁気シート７を載
置するシート台８と安定化板１２との段差は不変
であるから、磁気ヘツド１５位置に於ける磁気シ
ート７の浮上量も一定状態に維持することができ
る（可撓性磁気シートの浮上特性として、安定化
板の平面性に追従する性質がある）。更に磁気シ
ート７の浮上量が一定になることに加えて、磁気
ヘツド１５は安定化板１２の下面にヘツド保持具
１４を介して一体的に固定されているので、磁気
シート７に対する磁気ヘツド１５の挿入量も又、
一定になり、極めて安定な磁気シートと磁気ヘツ
ドの当接状態を得ることができる。

又安定化板１２が逆に凸状に変形した場合に
は、シート台８は回転駆動軸４上でばね１０の付
勢力により摺動上昇し、同様に磁気ヘツド１５位
置に於ける磁気シート７の浮上量を一定状態に維
持することができる。

なお、実施例ではスラスト軸受け部を安定化板
の下方に構成したが、スラスト軸受け部を安定化
板の上方に構成したものでも差支えない。

以上のように本考案によれば経時変化或は環境
変化等により、安定化板が変形しても、磁気ヘツ
ド位置に於ける磁気シートの浮上量を常に一定に
維持することができ、常に安定した磁気ヘツドと
磁気シートの当接状態を得ることができ、磁気シ
ートの浮上量は常に一定であるので、従来のよう
に、むやみに磁気ヘツドの突出量を増加させる必
要がなく、磁気シートの長寿命化が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す装置の平面
図、第２図は同装置の側断面図、第３図は同要部
の側面図、第４図は安定化板中心部の下面図、第
５図は安定化板変形時側断面図である。 １……基板、２……モータ、３……シヤフト、
４……回転駆動軸、７……シート、８……シート
台、１０……ばね、１２……安定化板、１５……
磁気ヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中心部がシート台に固定された可撓性磁気シ
   ートを、安定化板上で回転せしめ、その磁気シ
   ートに磁気ヘツドにより信号を記録再生する磁
   気記録再生装置において、前記シート台を回転
   駆動軸にその軸方向には摺動可能に係合すると
   ともに、そのシート台を前記安定化板にスラス
   ト軸受を介して弾性的に押圧し、かつ回転して
   安定化板上で浮上した前記磁気シートに対し前
   記磁気ヘツドが当接する構成としたことを特徴
   とする可撓性磁気シートを用いた磁気記録再生
   装置。 (2) 磁気ヘツドを安定化板に取り付けると共に、
   その安定化板より所定距離だけ突出する構成と
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の可撓性磁気シートを用いた磁気記
   録再生装置。