JPS6230521Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建設機械等の重機の積降し、搬送に利
用される特装自動車に関し、さらに詳しくは車体
全体が後傾し且つ荷台が前後にスライドするもの
に係る。

従来には実公昭55−19710号公報で提案されて
いる貨物自動車における荷台傾斜移動装置（第１
図）があり、荷台１はシヤーシーフレーム２の後
端に軸３で後傾揺動自在に取付けられている可動
フレーム４とともに軸３を支点として後傾自由で
あり、また可動フレーム４に沿い後方にスライド
繰出し自由であるが、以下の欠点がある。

荷台１はダンブローダークイプであつて、積
み降ろし中における一切の負荷、荷重を、可動
フレーム４後端から垂設れている荷台支持部材
５と後輪６とで支え受けるもので、前後方向の
ズレおよびピツチング、左右方向のズレおよび
ローリングを避けられない機構構造であり、積
み降し中に荷台１が可動して甚々不安定で作業
者に多大の危険感を抱かせるばかりか、事故を
招く危惧がある。

荷台１の支桁は後傾状態でシヤーシーフレー
ム２と分離して、そのため過荷重で軸３部分の
シヤーシーフレームが折損する危惧さえある。

荷台１は軸３を支点として言わばシーソーの
状態にあり、その繰出しおよび戻り移動時に急
に後傾したり復動したりする恐れがあり、その
シヨツクで積荷が荷台１から落下する危険をは
らむばりか、車体および積荷の損壊を免れず、
慎重な操作を要求される機構々造上の問題があ
る。

積荷の揚げ降ろし作業は、ａ）油圧シリンダ
７の接地部材８を降ろし着地させる。ｂ）荷台
１を繰出す。ｃ）油圧シリンダ７を縮動させて
荷台１後端を着地させる。ｄ）荷台１がシヤー
シーフレーム２上に載乗するまで油圧シリンダ
７を伸動させる。ｅ）荷台１を元にスライド戻
す。ｆ）油圧シリンダ７を縮動させる。以上の
６工程の段階的に順に行なわなければならない
煩らわしさがあり、作業能率が著しく劣る。

荷台１を可動フレーム４に取付けるめには、
荷台１を可動フレーム４の高さまでつり上げ、
次でその高さおよび水平状態を維持しつつ水平
移動させて可動フレーム４の後方から嵌込むよ
うに取付けなければならず、その嵌込み作業中
にレールとコロ９とが互いに衝突して損傷する
危惧さえあつて、製作上でも作業が非能率であ
り面倒である問題がある。

本考案は叙上問題点を一挙に解決し且つ荷台の
繰出し時に着地する荷台下にはコロ等が一切存在
せずに、常に良好なスライド具合を得られるよう
に改良したものであり、シヤーシーフレームにお
けるキヤビン後側に車体を後傾可能なストローク
を有する左右の昇降シリンダを設けると共に荷台
載架位置の上面にガイドレールを沿設し且つ後部
側面に荷台における縦根太を支承案内する後部ガ
イドローラを具設し、さらにシヤーシーフレーム
後端に車体後傾時に着地する接地足を垂設し、該
ガイドレール前方にそのレール面に沿い転動可能
なコロを備えた前部台車を取付け、前部台車と後
部ガイドローラに荷台を載せると共に前部台車と
荷台を一体に連結し、荷台にこれを前後移動せし
めるスライド駆動装置を連繋したことを特徴とす
る。

以下図面に基づいて本考案の実施の一例を詳細
に説明する。

車体１０はシヤーシーフレーム１１におけるキ
ヤビン１２後位置に車体を後傾し得るストローク
を有する左右一対の昇降シリンダ１３，１３を鳥
居２２とともに取付けると共に荷台載架位置上面
にガイドレール１４，１４を夫々沿設し且つ後部
の両外側面には荷台１９における縦根太２０，２
０を支承案内する後部ガイドローラ１５・，１
５・を具設し、さらにシヤーシーフレーム後端に
は車体後傾地に着地する接地足１６を垂設し、両
ガイドレール１４，１４前方にはこれに案内され
るコロ１８を備えた前部台車１７・を取付け、こ
れらの前部台車１７と後部ガイドローラ１５に荷
台１９を載せると共に前部台車１７と荷台１９を
一体に連結し、荷台１９にはこれを前後に移動可
能なスライド駆動装置２１を連繋させている。

ガイドレール１４，１４は断面略コ字状で、シ
ヤーシーフレーム１１上面にその開放面側を外側
として夫々沿設固定されていて、面一で一直線状
の内側レール面１４ａに沿い前部台車１７をその
コロ１８が上下および左右方向の動きを規制され
つつ転動しながら前後移動自在に案内且つ支承し
ている。

前部台車１７は前後の連杆２３，２３で一体化
されている左右一対の台板２４，２４内面側にコ
ロ１８，１８を夫夫軸支していて、左右のガイド
レール１４，１４に沿い走行自在に跨がつてい
る。又、前部台車１７は両台板２４上部の荷台乗
せ面２４ａに荷台１９を載乗すると共に両台板２
４外側面に荷台１９の縦根太２０，２０を夫々沿
接させてボルト２５で一体に連結している。この
前部台車１７数は荷台１９長さに比例して増減す
る。また一機の前部台車１７重量は人力によつて
取扱い可能な重さに設定されている。

後部ガイドローラ１５はシヤーシーフレーム１
１後部の両外側面に夫々取付けられている前部の
ブラケツト２６，２６に夫々軸承されていて、そ
のローラ面で荷台１９の縦根太を前後スライド可
能に支承案内している。又、後端の後部ガイドロ
ーラ１５はそのローラ面の外周に鍔１５ａを備え
ていて、ローラ面から縦根太２０が左右に脱落し
ないように規制している。

荷台１９は横根太２７…と、これらを支承する
左右の縦根太２０，２０を備えていて、前側の横
根太２７は荷台乗せ面２４ａ，２４ａに跨がつて
載乗し且つ前側の縦根太２０，２０が左右の台板
２４，２４外側面に一体に沿着されていて、前部
台車１７と一体に連結している。また左右の縦根
太２０，２０後部は後部ガイドローラ１５に支承
案内されていて、この後部ガイドローラ１５およ
びガイドレール１４に導かれて前後にスライド自
在である。

スライド駆動装置２１は油圧シリンダであり、
シリンダ２１ａはその基端がシヤーシーフレーム
１１側に連結され、ロツド２１ｂ先端は荷台１９
側に連結されていて、その駆動力により荷台１９
を前後移動し得るようにしている。このスライド
駆動装置２１はその他の油圧モーター、シリンダ
等を駆動要素として、ワイヤー、チエーン等を伝
達要素とする装置等によつて構成することも妨げ
ない。

上記昇降シリンダー１３，１３、スライド駆動
装置２１はコントロールレバー２８，２９によて
遠隔操作されるようにしてある。

又、荷台１９後端にはシヤーシーフレーム１１
の後端左右に設けられた係止孔３０，３０に嵌合
係止するノツクピン３１，３１を突設していて、
このノツクピン３１，３１は荷台１９の繰出しに
ともない係止孔３０，３０から外れる、一方荷台
１９の定位置では係止孔３０，３０に嵌合係止し
て、荷台後部が浮上がらぬようロツクしている。
これにより、走行中における荷台１９後部の浮上
りを完全に抑止して、安定した走行状態が確保さ
れる。

したがつて本考案によれば次の利点がある。

車体全体を後方側に傾斜状態として、積み降
ろし作業できて、建設機械等の重機を或る傾き
角すなわち車体傾斜角に固定化し静止状態下で
安全に積み降ろしできる。

積み降ろし中には、車体のメインフレームで
あるシヤーシーフレームに一体化されている前
後の昇降シリンダおよび接地足が四点着地して
いて、車体は微動だもせずに安定姿態を呈し安
全である。

荷台のスライデイングが一直線で、摺動周り
に局部的な負荷、荷重が加わらず、故障がな
い。

シヤーシーフレームと荷台がガイドレールお
よび台車を媒体として、前後移動中も分離せず
過荷重に強い特徴がある。

積荷の揚げ降ろし作業を、ａ）昇降シリンダ
を伸動させて四点着地させる。ｂ）荷台を繰出
す。ｃ）荷台を元にスライド戻す。ｄ）昇降シ
リンダを縮動させる。ことの４工程で安全に行
なえるばかりか、上記ａ），ｂ）そしてｃ），
ｄ）を夫夫同時に並行させて、揚げ作業および
降ろし作業を夫々１工程で能率よく行なうこと
ができる。

荷台の取付け作業を、ガイドレールに所要数
の前部台車を夫々入力車により備えた後、この
前部台車および後部ガイドローラ上に荷台を乗
せ且つ前部台車と荷台を連結させて一体化し
て、簡単且つ容易に組立てすることができ、レ
ールやコロを損傷させずに迅速に製作できる特
徴がある。

荷台はその前後を、荷台前側に連結して、ガ
イドレール上をともにスライドする前部台車
と、シヤーシーフレーム後部に固定した後部ガ
イドローラとによつて、夫々支承案内されてい
て、荷台の後部下面にはコロ等が一切存在せ
ず、着地時における泥等の付着によりスライド
不調になる等の憂いが全くなく、常に円滑なス
ライド状態を呈して、重機をスムーズに積み降
ろしできる特徴がある。

積み降ろし中における荷台を、後部ガイドロ
ーラと、これの近くにスライド位置した前部台
車双方で支承して、重荷重を分坦支持し、シヤ
ーシーフレームを重荷重から保護して堅牢であ
る機構々造上の特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側面図、第２図は本考案
特装自動車の一実施例を示す側面図、第３図は
−線に沿える拡大縦断面図、第４図は−線
に沿える拡大縦断面図、第５図は−線に沿え
る拡大縦断面図、第６図は部分拡大斜視図で一部
切欠して示す。第７図は部分拡大縦断側面図、第
８図は積み降ろし状態の斜視図である。 図中、１０は車体、１１はシヤーシーフレー
ム、１２はキヤビン、１３は昇降シリンダ、１４
はガイドレール、１５は後部ガイドローラ、１６
は接地足、１７は前部台車、１８はコロ、１９は
荷台、２０は縦根太、２１はスライド駆動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤーシーフレームにおけるキヤビン後側に車
   体を後傾可能なストロークを有する左右の昇降シ
   リンダを設けると共に荷台載架位置の上面にガイ
   ドレールを沿設し且つ後部側面に荷台における縦
   根太を支承案内する後部ガイドローラを具設し、
   さらにシヤーシーフレーム後端に車体後傾時に着
   地する接地足を垂設し、該ガイドレール前方にそ
   のレール面に沿い転動可能なコロを備えた前部台
   車を取付け、前部台車と後部ガイドローラに荷台
   を載せると共に前部台車と荷台を一体に連結し、
   荷台にこれを前後移動せしめるスライド駆動装置
   を連繋した特装自動車。