JPS6230135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動販売機に内蔵されているコイン払
出し装置に関する。

従来の技術 自動販売機にはつり銭払出し用に自給式のコイ
ン払出し装置が内蔵されているものである。第１
図〜第４図に示すようにつり銭払出し装置は、コ
イン払出し機１０と下部ホツパ１４と上部ホツパ
１５などから構成されており、前記コイン払出し
機１０は、コイン収納筒体１１と、コインはめ込
み孔１２ａを有し、前記筒体１１の中の底部に配
設された円盤１２と、この円盤１２をコイン払出
し信号によつて矢印イ方向に回転させて所定数の
コイン２を払出す駆動モータ１３とから構成され
ている。前記コイン収納筒体１１の上端開口部に
前記下部ホツパ１４が嵌合しており、下部ホツパ
１４の上端開口部内に前記上部ホツパ１５の下端
開口部が嵌入している。上部ホツパ１５の内部は
固定仕切板１６によつて自給部１９とコイン一括
投入用の元詰部２０とに区切られている。コイン
投入口１７に投入されたコイン２は選別するコイ
ン選別機４０を介してこの選別機４０からのびる
シユート１８に流れる。シユート１８は途中から
二手に分かれており、一方の枝部１８ａの下端開
口部は上記自給部１９の上方に位置し、他方の枝
部１８ｂの下端開口部は上方が開口したキヤツシ
ユボツクス４１の上方に位置している。４２は上
記シユート１８内の分岐部に配設された切換ゲー
トであつて、自給部１９の両側壁に配設されたフ
オトスイツチが自給部１９の内部がコイン２で満
杯になつたのを検知するまで枝部１８ａへコイン
２を流し、満杯検出後は枝部１８ｂへコイン２を
流すように切換ゲート４２が切換えられる。２２
は元詰部２０の上端開口部に配設された開閉蓋、
２５はコイン払出し装置１０から払出されたコイ
ンをコイン取出口２７へ送るシユートである。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、上部ホツパ１５の
下部にはくびれ部１５ａがあり、しかもそのほぼ
中央に固定仕切板１６が位置しているので、びれ
部１５ａの位置でブリツジ現象が発生してコイン
２が詰まりやすく、スムーズにコイン払出し機１
０に流れない。さらに、円盤１２を矢印イ方向へ
回転させてコイン２を払出していくと、この円盤
１２の上に載つているコイン２が矢印イ方向へ引
つ張られて、下部ホツパ１４の内部においてコイ
ン２が渦を描きながら流動して、その渦の中心ロ
からコイン２が吸い込まれて払出され、この渦の
中心ロが自給部１９に対応しているので、自給部
１９の内部のコイン２が元詰部２０の内部のコイ
ン２に比べて優先的に払出されて元詰部２０への
コイン２の補充回数を減少させることができる。
しかし従来の構成では、コイン払出し時に渦が生
じるということは、換言すると、コイン２に押し
上げる力Ｐが作用するということであり、鉄板な
どで形成されている前記固定仕切板１６がこの押
し上げる力Ｐに対抗する障害物となり、その反力
により円盤１２がスムーズに回らなくなり、極端
な場合には円盤１２が回らなくなつて、払出し不
能になつてしまう。

本考案はコイン収納ホツパの内部のコインがブ
リツジ現象により詰つたりせず、しかもコインを
スムーズに払出せるコイン払出し装置を提供する
ことを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案のコイン払出し装置は、コイン収納ホツ
パの底部にコインはめ込み孔を有する円盤を配設
し、この円盤をコイン払出し信号によつて回転さ
せて所定数のコインを払出すよう構成するととも
に、上記ホツパの内部をコイン投入口内に投入さ
れたコインを受け取る自給部とコイン一括投入用
の元詰部とに区切る固定仕切板を設け、この固定
仕切板の下端部分を弾性材料からなる弾性仕切板
で形成したことを特徴とする。

作 用 この構成によると、固定仕切板の下端部分を弾
性仕切板で形成したため、払出されていくコイン
によつて弾性仕切板が押されて伸縮し、かつ振動
し、ブリツジ現象の発生を防止できる。また、コ
イン払出しにともなつて発生するコインの流動か
ら受ける押し上げ力Ｐによつても弾性仕切板が容
易に変形するため、円盤の回転を妨げることがな
い。

実施例 以下、本考案の一実施例を第５図〜第７図に基
づいて説明する。なお、全体構成は第１図〜第３
図に示した従来例と同様であるため、同一符号を
付けてその説明を省く。

第５図〜第７図では、上部ホツパ１５の内部を
自給部１９とコイン一括投入用の元詰部２０とに
区切る固定仕切板１６は、鉄板などから形成され
た仕切板本体５８の下部に切欠口５５を形成し、
この切欠口５５を塞ぐようにゴム板などの弾性材
料からなる弾性仕切板５６が取り付けられてい
る。５７は弾性仕切板５６の外周縁を固定仕切板
１６に固定するボルト・ナツトである。なお、前
記切欠口５５の上縁は上部ホツパ１５のくびれ部
１５ａよりα分だけ上方に位置している。

このように構成したため、くびれ部１５ａのと
ころでコイン２のブリツジ現象が発生しようとし
ても、払出されていくコイン２によつて弾性仕切
板５６が押されて伸縮し、かつ振動し、前記ブリ
ツジ現象の発生を防止でき、コイン２がくびれ部
１５ａに詰まることはない。また前述のようにコ
イン２が渦を描いて流動してコイン２に押し上げ
る力Ｐが作用しても、固定仕切板本体５８の下端
を上部ホツパ１５の下端までのばさずに容易に弾
性変形する弾性仕切板５６を配設してあるから、
押し上げる力Ｐによつて固定仕切板１６の下端部
分が変形し、円盤１２はスムーズに回転し、正常
にコイン２の払出しをつづけることができる。

上記実施例では、コイン２を筒体１１と上下両
ホツパ１４，１５とで分担して収納しているが、
これに限定されるわけではなく、上記筒体１１と
上下両ホツパ１４，１５とを一体的に連結したよ
うな形の一つのコイン収納ホツパを用いてもよ
い。

考案の効果 以上のように本考案によると、コイン収納ホツ
パの内部をコイン投入口内に投入されたコインを
受け取る自給部と、コイン一括投入用の元詰部と
に区切る固定仕切板を設け、この固定仕切板の下
端部分を弾性材料からなる弾性仕切板で形成した
ため、コイン収納ホツパのくびれ部において、コ
インがブリツジ現象をおこそうとしても、払出さ
れていくコインによつて上記弾性仕切板が押され
て伸縮し、かつ振動するので、前記ブリツジ現象
をおこすことはない。また、コインの払出しによ
つて生ずるコインの渦の押し上げる力に対して弾
性仕切板が変形し、その障害物とならないので、
円盤はスムーズに回転し、弾性材料の性質を有効
に利用してコインの払出しを正常につづけること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は従来例を示し、第１図は自動
販売機の縦断面図、第２図は第１図の−矢視
図、第３図は要部の斜視図、第４図は同要部の縦
断面図、第５図〜第７図は本考案の一実施例を示
し、第５図は本考案のコイン払出し装置の要部斜
視図、第６図は第５図の縦断面図、第７図は第６
図の−矢視図である。 ２……コイン、１２……円盤、１２ａ……コイ
ンはめ込み孔、１４……下部ホツパ、１５……上
部ホツパ、１６……固定仕切板、１７……コイン
投入口、１９……自給部、２０……元詰部、５５
……切欠口、５６……弾性仕切板、５８……固定
仕切板本体、ロ……渦の中心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイン収納ホツパの底部にコインはめ込み孔を
   有する円盤を配設し、この円盤をコイン払出し信
   号によつて回転させて所定数のコインを払出すよ
   う構成するとともに、上記ホツパの内部をコイン
   投入口内に投入されたコインを受け取る自給部と
   コイン一括投入用の元詰部とに区切る固定仕切板
   を設け、この固定仕切板の下端部分を弾性材料か
   らなる弾性仕切板で形成したコイン払出し装置。