JPS6229403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は上下方向の直線操作によつてキヤツプ
を着脱させるための容器とキヤツプとの取付構造
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、容器口部を密封および開封するために、
容器に対して上下方向に直線的に操作するように
したいわゆるワンタツチキヤツプを実現する方法
が種々提案されているが、キヤツプを容器から取
出すときの操作性を良くすると密封性が損われ易
いという問題があつた。

この問題点を解決するための一方法として、実
開昭52−4353号公報に示す技術が提案されてい
る。この従来例は第６図ないし第８図に示すよう
な構成を有している。すなわち、容器（ボトル）
１は、口部を設ける肩部２をテーパ面に形成して
中央に首部３を突設し、これの上部には外周部を
フレヤー４ａに形成した口部４を拡張段部５を介
して連設し、口部４の先端に取り出し口６を設け
たものであつて、硬質合成樹脂等で成形されてい
る。また、キヤツプ７は、全体が可撓性を有する
軟質合成樹脂で成形され、外円筒部８と内円筒部
９を有する。外円筒部８は下方裾部８ａの下端面
を傾斜面８ｂに形成し、内円筒部９はこれの円周
等分数個所にスリツト１１を穿設して多数の弾性
脚片９ａを円状に列設すると共に各脚片の下端部
には内向きのフツク状爪片１０を設け、さらにこ
の爪片１０の下端面は傾斜面１０ａに形成してあ
り、内円筒部９中央上面には密封リング１２が突
設させられた構成となつている。そして、キヤツ
プ７を容器１に挿嵌すべく口部上方から嵌合して
押圧すると、弾性脚片９ａの下端傾斜面１０ａが
口部外周部のフレヤー４ａに沿つて拡開されなが
ら下降し、爪片１０が拡張段部５に弾発係止して
嵌着される。一方、第６図に示す矢印のようにキ
ヤツプの可撓性を利用して外円筒部８の裾部８ａ
を両側から指先で相対的に強くつまむようにして
加圧すると、加圧された裾部分が楕円状に変形す
ると共にテーパ肩部２に沿つてその位置を上昇さ
せる。これと同時に内円筒部９の各弾性脚片９ａ
も若干その列設した円形が変形して爪片１０が段
部５の係止から強制的に外され、キヤツプ７は口
部から離脱する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記従来例の技術であると次の
ような問題点が残されている。すなわち、 キヤツプの取り外しにおいて、外円筒部８の肉
厚を一定として楕円状に変形させることにより、
キヤツプ７を上方に移動させようとするものであ
るから、楕円形に変形させる分の大きな操作力が
必要であり、一方、変形を容易にするために肉厚
を小さくすると、キヤツプ７の強度が低下する。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、キ
ヤツプの強度を損うことなく簡単に軽い力でキヤ
ツプを外すことができるようにすることである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴は、キヤツプの外筒の下端部に屈
曲板状の梃子部材を、その一方の板部の先端がキ
ヤツプ装着時に容器の首部の基部近傍に位置する
とともに、その他方の板部が同キヤツプ装着時に
容器の胴部に沿うようにして、その折曲部近傍に
おいて回動自在に取付けたことにある。

〔作用〕

上記構成によれば、装着されているキヤツプの
外筒下端部の梃子部材の他方の板部をつまんで、
これを上方に引き上げることにより折曲部を中心
として梃子部材を回動させることができ、その結
果、梃子部材の一方の板部が容器肩部へ押しつけ
られ、この一方の板部の先端が支点となつて折曲
部近傍が外筒を押し上げるためキヤツプを容易に
はずすことができる。

〔実施例〕

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
すものである。この容器とキヤツプとの取付構造
においては、容器２１は、胴部２２と、この胴部
２２上方に延びるテーパー状の肩部２３と、この
肩部２３の上方に形成された首部２４と、この首
部２４の上方に首部２４よりも小径に形成された
口部２５とからなり、例えば硬質合成樹脂などに
よつて一体成形されたものである。そして、前記
首部２４は、その外周面が略平行に形成され、こ
の外周面の下部には半径外方向に突出したリング
状の係止突起２６が形成されている。

また、この容器２１に組み合せられるキヤツプ
２７は、容器２１の肩部２３に届く外筒２８と、
この外筒２８の内側に一定の間隙を置いて設けら
れた内筒２９と、この内筒２９の内側に間隙を置
いて設けられた密封部材３０とからなり、例えば
ポリプロピレンなどの軟質合成樹脂などで一体成
形されたものである。そして、前記外筒２８に
は、キヤツプ開口時に操作される梃子部材３１が
外筒２８の下端部にヒンジ３２を介して一体に取
り付けられている。この梃子部材３１は、長方形
の板体を略直角に折り曲げて断面形状をＬ字状に
したもので、折曲部３１ａ近傍が前記ヒンジ３２
に連結されている。そして、折り曲げられた一方
の板部（以下、押圧板部という）３１ｂは、第１
図に示すように、キヤツプ２７装着時その先端が
容器２１の首部２４の基部に届くようにキヤツプ
２７内方に取り込まれ、他方の板部（以下、把持
板部という）３１ｃは、胴部２２に沿うように容
器２１の外側に配置され、その先端部は容器２１
の外方に向つてわずかに湾曲している。また、前
記内筒２９の下部は、前記首部２４の係止突起２
６に係合する係止爪３３となつており、さらにこ
の係止爪３３の動きを容易とし係止をスムーズと
するためのスリツト３４…が内筒２９の下部に複
数形成されている。さらにまた、前記密封部材３
０は、前記口部２５よりわずかに嵌合内径が小さ
く形成されるとともにその先端部が漸次薄肉とな
つて半径内方向に湾曲している。

しかして、このような構成の容器２１をキヤツ
プ２７で密封するには、キヤツプ２７の梃子部材
３１を第２図に示した状態に保つて、キヤツプ２
７を下方に移動させる操作によつて行われる。す
なわち、内筒２９を首部２４に被せると、まず係
止爪３３が首部２４の外周面に接触した状態にな
る。このとき、首部２４と内筒２９の接触させら
れる面が前述のようにそれぞれ軸線方向に対して
略平行であるため、嵌合操作によつてキヤツプ２
７の心出し（位置合せ）が必然的に行われてキヤ
ツプ２７が傾けられる現象が生じない。さらに、
キヤツプ２７が傾くことなく下方にまつすぐ下降
するため、密封部材３０は、その先端部分から口
部２５内に正確に嵌り込み、弾性変形して口部２
５を緊密に密封する。さらに、内筒２９の先端の
係止爪３３が係止突起２６に係止し、キヤツプ２
７は容器に強固に固着する。以上の操作において
は梃子部材３１は、第２図の状態を保つて何んら
閉栓操作を邪魔することがない。

また、キヤツプ２７を容器２１から取り外すに
は、外筒２８の梃子部材３１の把持板部３１ｃを
つまんで、これを上方に引き上げればよい。この
操作によつて、まず折曲部３１ａを中心点として
梃子部材３１全体が回動し、押圧板部３１ｂの先
端部が容器２１の肩部２３に押しつけられる。さ
らに、把持板部３１ｃを引き上げれば押圧板部３
１ｂの先端部が支点となり、折曲部３１ａ付近が
外筒２８を押し上げることになる。この際、梃子
の原理により把持板部３１ｃを引き上げる力の数
倍の力で外筒２８が押し上げられ、極めてわずか
の力でキヤツプ２７を上方に押し上げることがで
きる。したがつて、逆に口部２５と密封部材３０
との嵌着条件および係止突起２６と係止爪３４と
の係止条件を高めてキヤツプ２７と容器２１との
嵌着力を非常に大きくし、内容物の溢出を厳重に
防止した取付構造においても、比較的容易にキヤ
ツプ２７を取り外すことが可能となる。そして、
上記押し上げ力によつて、キヤツプ２７は若干傾
きつつ上方に移動することになるが、係止爪３３
が首部２４に摺接しつつ上方に移動するため、キ
ヤツプ２７は斜めに傾いて飛び出すことがない。
なお、キヤツプ２７を耐曲げ疲労性に富むポリプ
ロピレンで成形しておけば、前記ヒンジ３２は耐
久性に富むものとなり、多数回の繰り返し使用に
耐えるものとなる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案とキヤツプとの取
付構造によれば、 キヤツプを下方を押す単純な操作でキヤツプ
を装着でき、また梃子部材の把持板部を引き上
げる単純な操作でキヤツプを脱着できる。特
に、キヤツプの脱着は梃子部材の原理を利用し
ているので、極めて弱い力でキヤツプを外すこ
とができる。したがつて、キヤツプと容器との
嵌着力を強め、キヤツプを強固に容器に取り付
けた構造であつても、比較的簡単にキヤツプを
取り外すことが可能であり、よつてキヤツプと
容器との嵌め合いを強くでき、溢出しやすい水
溶液などの内容物を収容するのに好適となる。

梃子部材が容器外に露出しているのでキヤツ
プ脱着時の目印となり、スムースな脱着が行え
誤つてキヤツプを廻すことなどが行われない。
などの優れた利点を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
すもので、第１図はキヤツプを装着した状態の一
部断面図、第２図はキヤツプの断面図、第３図は
キヤツプの底面図、第４図は梃子部材を回動した
状態におけるキヤツプの断面図、第５図は取付状
態を示す斜視図、第６図ないし第８図は従来例を
示すもので、第６図はキヤツプを装着した状態の
一部断面図、第７図はキヤツプの縦断面図、第８
図はキヤツプの底面図である。 ２１……容器、２３……肩部、２４……首部、
２５……口部、２６……係止突起、２７……キヤ
ツプ、２８……外筒、２９……内筒、３０……密
封部材、３１……梃子部材、３３……係止爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下方向の直線操作によりキヤツプを着脱させ
   るようにした容器とキヤツプとの取付構造であつ
   て、 前記容器には、その肩部の上方に係止突起を有
   する首部が一体に形成されるとともに、この首部
   の上方に口部が一体に形成され、 前記キヤツプには、外筒と、この外筒の内側に
   前記容器首部の係止突起に係合する内筒が間隙を
   有して一体に形成され、 前記外筒の下端部に屈曲板状の梃子部材が、そ
   の一方の板部の先端をキヤツプ装着時に前記容器
   の首部の基部近傍に位置するとともに、その他方
   の板部が同キヤツプ装着時に前記容器の胴部に沿
   うようにして、その折曲部近傍において回動自在
   に取付けられていることを特徴とする容器とキヤ
   ツプとの取付構造。