JPS6229054B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、顎骨整形の目的で使用されるブラケ
ツトとしての緊締保持装置にする。

二枚の扁平な支持フランジ（歯に直接接着させ
ることも、また熔着したバンドを介して歯に固定
することも可能なものであり、以下それぞれを接
着乃至熔着フランジと称する）とその間に位置す
る保持アイとが設けられており、保持アイの肩が
針金の載着部として用いられかつ回動錠止部材に
よつて閉鎖可能である形式の当該装置において
は、所謂ベツグ・ライト・ワイヤー法（Begg―
Liget―Wire―Technique）のために丸針金が用
いられ、この場合ブラケツト内における適当な遊
隙と丸針金の実現可能な点載着とが、治療を成功
させる前提条件となる。なお、このほかにも所謂
エツジワイズ法（Edgewise―Technique）が周
知のものとしてあり、この場合出来るだけ広く歯
幅に亘つて角針金を長く案内することが望まれ
る。この角針金案内は、例えば針金をその軸線を
中心にして回動させることにより、トルクを垂直
な歯軸線に対して作用させることなどを可能なら
しめる。

本発明の課題は、一つのブラケツトで両技法を
実施しうるようにして、連続的な治療を行なう場
合、先づ初めベツグ・ライト・ワイヤー法で着手
し、次いでエツジワイズ法による咬合調整のた
め、出来るだけ歯幅全体に亘り角ブリツジで制御
案内されたトルク及びアンギユレーシヨンがブラ
ケツトを介して歯軸線に作用することを可能なら
しめることにある。

この課題を解決するため、本発明によれば、Ｕ
字部材が保持アイの肩ウエブの上に差嵌め可能で
あり、Ｕ字部材の基底部が角針金の載設及び案内
部として用いられており、その後で角針金が回動
錠止部材によつて固定可能である。このような措
置により、丸針金治療に引き続いて、進んだ治療
に際しての角針金法をも同一のブラケツトを用い
て施すことが可能になる。

次に図示の実施例につき本発明を説明する： 図から明らかなように、本発明の場合も原発明
におけるのと同じく、当該緊締保持装置は、二枚
の扁平な接着乃至熔着フランジ１，２と両フラン
ジ間に位置する保持アイ３並びにピン支承部とか
ら成つており、この場合肩ウエブ４は単に間接的
に針金載着部５として用いられ、かつ支承ピンと
閉鎖突起７とを有する回動錠止部材６によつて閉
鎖可能である。更に該回動錠止部材６は、閉鎖突
起７の反対側に、ピングリツパ９を介して錠止調
整を行なうための袋穴８を有している。

保持アイ３は、フランジ片１，２と共にΩ状の
横断面を呈しており、この場合回動錠止部材６は
フランジ１，２と平行に旋回しうるように支承さ
れていて、その閉鎖突起７を介して両フランジ
１，２間に係合する。この場合回動錠止部材６は
一方の側で閉鎖突起７を有し、他方の側で板ばね
１０を介して摩擦接続状態で保持アイ３に旋回可
能に保持されている。

本発明においても、保持アイ３は両フランジ
１，２間に矯正ばねを挿入するための縦溝１１を
有しており、この矯正ばねを収容するため、符号
１２のところが穿孔されている。更に、フランジ
１，２を有する当該装置は該当する歯Ｚに直接接
着することも出来るし、或いは特に図示されては
いないが、バンドを介して歯に固定することも可
能である。

原発明の場合、ベツグ・ライト・ワイヤー法を
実施するため丸針金が用いられているの対し、本
発明においては、エツジワイズ・法を実施するた
め角針金が用いられる。そのため、歯Ｚに固定さ
れたブラケツトのところでは、Ｕ字部材１４が保
持アイ３の肩ウエブ４の上に嵌められ、その基底
部１５が角針金５を載せかつ案内するのに用いら
れる。次いでこの角針金５は、第１図及び第２図
の矢印で示された回転方向Ａ，Ｂから明らかなよ
うに、回動錠止部材７を介して固定されうる。こ
の場合Ｕ字部材１４は、肩ウエブ４の背後におけ
る推し上げにより、内向きの突起１６を有するＵ
字脚の端部で係止される。

第３図の場合には、挿入すべきＵ字部材１４と
して連続した帯材１７が用いられており、この帯
材１７は、鉗子１９を用いて矢印Ｃ方向へ回動す
ることにより、予め設けられた折取りノツチ１８
のところから折取られ、これによつて、固定され
たブラケツト１―１２のところにおけるセツトが
著しく簡易化され、治療の促進に役立つ。なお、
この場合図示されてはいないが、帯材１７の端部
をグリツプにしておいてもよい。

第４図には斜めに延びる基底載着面１５ａを有
するＵ字部材１４ａが示されており、これを用い
ることによつて所望のアンギユレーシヨンＤが予
め計画的に行なわれ、ブラケツト１―１２内への
組込みが行なわれる。第５図に示したＵ字部材１
４ｂは傾斜した基底面１５ｂを有し、傾いた案内
部２０を取付けるようになつているので、所謂ト
ルクＥをも予め計画することが出来る。

第６図〜第８図には、第１図〜第５図にそれぞ
れ相当する歯列矯正用角針金５を案内し乃至は取
付けるための、基底載着面１５を有するＵ字部材
１４と、傾いた案内部２０に用いる傾斜基底面１
５ｂを有するＵ字部材１５ｂと、斜めに延びる基
底載着面１５ａを有するＵ字部材１４ａとが遠近
法で示されており、これらの図からはＵ字部材の
係止突起１６と折取りノツチ１８とが明らかに見
てとれる。

追加の関係 原発明たる特願昭54−57603号（特公昭61−
21098号公報、特許第1354590号）は、顎骨整形術
に用いるブラケツトとしての緊締保持装置に関す
るものであり、二枚の扁平な接着乃至熔着フラン
ジとその間に位置する保持アイとが設けられてお
り、その肩が針金の載着部として用いられかつ回
動錠止部材によつて閉鎖可能であることを、その
要旨としている。

しかるに、丸針金を用いた所謂ベツグ・ライ
ト・ワイヤー法にのみ適用されるこの原発明に
は、出来るだけ広い歯幅に亘り長く角針金を案内
する所謂エツジワイズ法にも応用させるための改
良の余地のあることが、その後の研究結果判明し
た。

そこで本発明によれば、冒頭に述べた形式の緊
締保持装置において、Ｕ字部材が保持アイの肩ウ
エブの上に差嵌め可能であり、Ｕ字部材の基底部
が角針金の載設部及び案内部として用いられてお
り、その後で角針金を回動錠止部材で固定するこ
とが出来るようになつている。

従つて本発明は、特許法第31条の追加の特許の
要件を満たすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明によるブラケツトを
歯列矯正に際して装着したところを示す斜視図、
第３図は第１図及び第２図における装着の準備段
階を示す斜視図、第４図、第４ａ図及び第５図、
第５ａ図は引続き行なわれる歯列矯正に際して本
発明によるブラケツトを装着したところを示す斜
視図、第６図、第７図、第８図は第１図〜第５図
において使用されるＵ字部材の三つの実施態様を
示す斜視図である。 １，２……接着乃至熔着フランジ、３……保持
アイ、４……肩ウエブ、５……針金載着部、６…
…回動錠止部材、７……閉鎖突起、８……袋穴、
９……ピングリツパ、１０……板ばね、１１……
縦溝、１４，１４ａ，１４ｂ……Ｕ字部材、１５
……基底部、１５ａ……基底載着部、１５ｂ……
基底面、１６……突起、１７……帯材、１８……
折取りノツチ、１９……鉗子、２０……案内部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 顎骨整形術用に用いるブラケツトとしての緊
   締保持装置であつて、二枚の扁平な支持フランジ
   とその間に位置する保持アイとが設けられてお
   り、その肩がブラケツトを支持する線材などの載
   着部を形成しかつ回動錠止部材によつて閉鎖可能
   である形式のものにおいて、保持アイの肩ウエブ
   の上にＵ字部材を差嵌め可能であり、該部材の基
   底部が角針金の載設及び案内部として用いられて
   おり、斯くして角針金が回動錠止部材により固定
   可能であることを特徴とする装置。 ２ Ｕ字部材が内向きの突起を有するＵ字脚端部
   で肩ウエブの背後における衝き上げに際し固定係
   止を行なうことを特徴とする前記特許請求の範囲
   第１項記載の装置。 ３ Ｕ字部材に斜めに延びる基底載着面が設けら
   れていることを特徴とする前記特許請求の範囲第
   １項又は第２項記載の装置。 ４ Ｕ字部材がその基底面の両側に傾斜した案内
   部を取付けられていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項〜第３項のいづれか一項に記載の装
   置。 ５ Ｕ字部材が連続した帯材として折取り可能に
   並列されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項〜第４項のいづれか一項に記載の装置。 ６ Ｕ字部材バンドが各Ｕ字部材間に折取りノツ
   チを備えており、有利にはその端部がグリツプと
   なつていることを特徴とする前記特許請求の範囲
   第５項記載の装置。