JPS6225649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は保冷庫の如き冷凍機が設置されてい
ない場所における食品等の冷却用あるいは医薬品
等の保冷用に使用される蓄冷体の保持容具に関す
るものである。

近年、薄肉アルミニウム製缶容器に低粘度の液
状蓄冷剤を充填し、蓄冷剤充填後の缶容器内の空
間に不活性ガスを加圧封入した蓄冷体が実用化さ
れてきた。

また、上記蓄冷体はアルミニウム製缶容器にて
製造されているので熱伝導性がよく、充填した蓄
冷機の凍結が短時間で行え、使用時の冷却効果も
速効型であつて雰囲気内を冷却する速度が速いな
どの効果を奏するとともに冷凍食品、冷菓その他
の対象物の温度領域に最適な蓄冷体が実用化され
ている。

しかしながら、蓄冷体の缶容器１個１個を取り
扱うには多大な労力と時間がかかるので適当な容
器に多数個の蓄冷体を収納して取り扱つていた
が、容器と蓄冷体を固定していないので再凍結の
際の出し入れや保冷庫内への装着が不便である等
の難点があつた。

この考案は、上述した事情に基づいてなされた
ものであり、蓄冷体の一定数量を所定のコンテナ
ーに収納し、このコンテナー自体を積み重ねた
り、保冷庫又は保冷車等内に吊り下げたりするこ
とができるように構成し、常に所定数の蓄冷体を
一括して取り扱いできるようにした蓄冷体の保持
容具を提供するものである。

以下、この考案を実施例を添付した図面に基づ
いて具体的に説明する。第１図イ，ロないし第２
図はこの考案による一実施例である蓄冷体１を収
納した保持容具を示す断面図及び斜視図である。
上記蓄冷体１は第１図ロに示したようにアルミニ
ウム製缶容器を外被として、低粘度の液状蓄冷剤
を充填し、缶容器内の空間にN₂，CO₂又は両者の
混合ガス等の不活性ガスを内圧を加えて封入して
蓋をした構造であり、蓄冷体１の融点調整は添加
剤の成分、配合及び添加量を加減することにより
行うことが可能で、用途に応じた融点に設計され
ている。

また、上記保持容具は図示の如く、プラスチツ
ク成形による上方が開放したコンテナー２を含ん
でおり、該コンテナー２の４辺の側壁は通気性を
よくするために網目状になつている。コンテナー
２の内部に並べて収納された蓄冷体１は通常は単
体で取り外さないので、両端が前記コンテナー２
の側壁内面にねじ等にて取り付けられる押え板３
でコンテナー２の底部に上方から固定されてい
る。

さらに、上記コンテナー２は多段に積み重ねが
できるように底部の両端部に一対の互いに平行な
凸条からなるガイド４，４が設けられており、持
ち上げ用把手５を設けた相対向する側壁６，６は
他の側壁７，７より高く形成すると共に側壁６，
６の上部には上段に積み重ねたコンテナー２の底
部の前記ガイド４，４係合する凹状のガイド８，
８が形成されている。なお、このガイド８，８は
必須のものではなく、前記ガイド４が側壁６，７
のコーナー部間に係合する場合は省略してもよ
い。

なお、上記コンテナー２の底板には蓄冷体１か
らの結露水が落ちるので、適切なドレン受けを設
けておくことは勿論であり、取り扱いに際しては
側壁６，６に設けた把手５により持ち運びするも
のであり、保冷庫１０内に使用する場合には第３
図に示す如くフツク１０内に使用する場合には第
３図に示す如くフツク１０ａに把手５部を適宜吊
り下げるようにしてもよい。

また、上記コンテナー２を多段に積み重ねて台
車（図示せず）に載置すれば保冷庫、保冷車への
搬入、搬出が容易になるばかりでなく、再凍結庫
への搬入、搬出も容易になる。しかも、上記コン
テナー２の側壁７，７が大きく切欠いてあるの
で、コンテナー２を多段に積み重ねても空気が側
壁７，７を通過し易くなるとともにコンテナー２
自体が網目状に形成されているので、保冷庫、保
冷車及び再凍結庫にて熱効率が非常に良好とな
る。

第４図ないし第５図はこの考案による他の実施
例であり、プラスチツク成形による上方が開放し
た箱状のコンテナー２０は通気性をよくするため
に対向する長辺の側壁が網目状になつており、短
辺の側壁２１，２１の相対向面には把手２２、且
つ、積み重ね用の凸状のガイド２３が設けられて
いる。上記積み重ね用のガイド２３の下方で底部
には積み重ね用の凸状のガイド２３が係合する積
み重ね用の凹状のガイド２４が設けられている。
もちろん、これらガイド２３，２４によらず、底
面に前記凸条のガイド４のみを用いて積み重ね用
とすることもできる。

また、上記コンテナー２０の底部には結露水を
所定の片隅に導くよう突堤２５が設けられてお
り、ドレンパイプ２６が取り付けられるようにな
つている。

なお、上記結露水を導く突堤２５は、必ずしも
ジグザグ状に設ける必要がなく所定の片隅に流れ
るように底部を傾斜させてもよい。また、上記コ
ンテナー２０内に収納する蓄冷体１の並べる際に
は突堤２５を蓄冷体１相互の仕切りとして使用す
ることもできる。

第６図イ，ロはこの考案による他の実施例を示
す断面図であり、コンテナー３０，４０の底部に
も熱交換のための通気性をよくするために網目状
の開口を設け、蓄冷体１を傾斜して収納し、押え
板３３，４３にて固定したものである。この場
合、蓄冷体１を伝わつて落下する大半の結露水は
底部の網目状の節々を伝わつてコンテナーの両側
部又は中央部に集合され、ドレンパイプ２６にて
排水される。

以上詳細に説明したように、この考案による蓄
冷体の保持容具は、蓄冷体の一定数量をコンテナ
ー内に収納できるように構成され、しかも取り扱
い中に蓄冷体が移動したり、落下したりしないよ
うに固定されたものであつて、この蓄冷体を収納
したコンテナーからなる保持容具は多段に積み重
ねたり、あるいは保冷庫内に吊り下げて使用した
りすることができるものである。

従つて、この保持容具を使用すれば、冷凍機が
設置されていない場所における食品、医薬品その
他の冷却用、保冷用に最適である等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロはこの考案による実施例を示す蓄
冷体と保持容具の断面図、第２図は同上斜視図、
第３図は使用状態の一実施例を示す説明図、第４
図ないし第５図はこの考案による他の実施例を示
す斜視図及び断面図、第６図イ，ロはこの考案に
よる他の実施例を示す要部の断面図である。 １…蓄冷体、２…コンテナー、３…押え板、４
…ガイド、５…把手、６，７…側壁、８…ガイ
ド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上方が開口した箱状のコンテナーと、蓄冷体と
   押え板とからなり、 前記コンテナーの少なくとも対向する一対の側
   壁を網目状とし、且つ対向する両方の側壁に持ち
   上げ用把手を形成し、更に少なくとも底面両端部
   に一対の互いに平行な凸条または凹状の積み重ね
   用ガイドを設けるとともに、 前記コンテナー内にアルミ製缶容器からなる前
   記蓄冷体の一定数量を収納し、両端が前記コンテ
   ナーの側壁に取り付けられる押え板にて前記蓄冷
   体を上方からコンテナーの底部に固定してなる蓄
   冷体の保持容具。