JPS6225170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はベビーキヤリーに関するものである。

従来のベビーキヤリーとしては、板状体の隅部
に下げ紐を設けたもの、あるいは、浅い箱状体の
隅部に下げ紐を設けたものがあり、何れも小児を
水平に寝かせたまま運搬するためのものであつ
た。しかしながら、これら従来品には小児を固定
する機能がなかつたので安全性の点で問題がある
と共に、その使用態様が限定されてしまうといつ
た不具合があつた。

また、自動車に小児を同乗させる場合は小児専
用の補助椅子が開発されているが、これらは自動
車専用であつて他に利用することはできなかつ
た。

本考案は、これら従来の問題点に鑑みてなされ
たものであり、従来に対比して使用態様を多様化
できると共に、運搬される小児の安全性を向上で
きるベビーキヤリーを提供することを目的として
いる。

上記目的を達成するため、本考案では小児の胴
体部分を収容する大きさに縫製された袋と、該袋
を表面に縫着した平板状の本体と、前記袋の底部
両側にそれぞれ設けた脚挿入用の孔と、前記本体
の表面における袋の開口側端部にたすきがけ可能
に装着した左右一対の安全ベルトと、前記本体の
各隅部に左右一対で止着され、少なくとも一端が
固定部の反対側の本体隅部に着脱自在に装着され
た下げ紐と、前記本体の裏面一端に他端に向つて
開口する差込み孔を形成した背袋とを具備するこ
とにより、袋に胴体部分を挿入した小児を寝かせ
た状態で下げ紐によつて本体を水平状態で運ぶこ
とができると共に、必要に応じて自動車のシート
等にも本体を確実に装着することができ、しか
も、万一にも小児が袋から不用意に脱落すること
を防止してベビーキヤリーの安全性を向上させる
ようにしている。

次に本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

硬質板を芯材２として平板状に縫製された本体
１の表面に袋３が縫着されている。前記袋３は、
小児の胴体部分を収容するに充分な大きさに形成
されており、その底壁の左右両端部には脚を挿入
することができる孔４，４を設けることにより、
袋３に胴体部分を入れた小児の脚を孔４，４から
出すことができるようにしている。

前記本体１における袋３の開口部両端に一対の
安全ベルト５，５が固定されており、該安全ベル
ト５，５は互いに交叉させて各ベルトの先端が本
体１の両側隅部に設けた止め金６，６に着脱自在
に装着されている。

また、本体１の各隅部には左右一対の下げ紐
７，７が止着されており、該下げ紐７，７は一端
は本体１の隅部に固定されているが、他端は固定
部の反対側の隅部に設けられた止め金８，８に着
脱自在に装着されている。

一方、前記本体１の裏面一端部（上端）には、
他端に向つて開口する差込み孔９を形成した背袋
１０が設けられている。

本考案は上記の構成であつて、本体１を水平に
して袋３の内部に小児の胴体部分を挿入し、脚を
孔４，４から袋３の外部に出す。この状態で安全
ベルト５，５をたすきがけして小児の上体を拘束
し、次いで下げ紐７，７の長さを適当に調整す
る。

すると、小児は脚及び腕が拘束されない状態で
胴体部分のみが本体１に確実に保持されるので、
下げ紐７，７によつて本体１を水平状態にして運
ぶことができ、小児を寝かせた状態で安全に運ぶ
ことができる。尚、このように下げ紐７，７によ
つて本体１を吊して運ぶ場合は、下げ紐７，７の
装着部分を互いに交換して下げ紐７，７を袋３の
上方でたすきがけにクロスさせて装着することが
でき、この場合は安全性を向上させることができ
る。

さらに、下げ紐７，７の握り位置を変更するこ
とで本体１の傾斜角度を最高角度に調整すること
もできる。

次に、本体１を自動車のシート１５に装着する
ときは、本体１の裏面に形成されている背袋１０
の差込み孔９をシートバツク１６の上端（ヘツド
レスト）に挿入して背袋１０をシートバツク１６
に被ぶせ、下げ紐７，７を止め金８，８から外し
てこれをシートバツク１６の背部に回して相互に
結合することにより本体１をシート１５に固定す
る。

なお、実施例では本体１の裏面で、背袋１０の
内側に補助止め金１１，１１が設けられると共に
該補助止め金１１，１１を外部に引出すための切
欠孔１２が背袋１０に形成されている。この他、
本体１内には芯材２と共にウレタンフオーム等の
緩衝材１３が収容されており、本体１の端面を縫
着するラインフアスナー１４を開閉して芯材２、
緩衝材１３とを交換可能にしている。

そして下げ紐７，７を止め金８，８から外し、
補助止め金１１，１１を切欠孔１２から背袋１０
の外部に引出して下げ紐７，７の先端部を係合さ
せれば、該下げ紐７，７を背負い紐として本体１
を背負うことができるが、これらの構造は任意で
ある。

以上説明したように本考案は、小児の胴体部分
を収容する袋が形成された本体を下げ紐によつて
吊下げて運ぶことができるため、小児はもとよ
り、従来ではベビーキヤリーの使用が不可能であ
つた生後間もない乳幼児までをも寝かせた状態で
安全に運ぶことができる。又、胴体部分を袋に挿
入して上体を安全ベルトで本体に拘束できるの
で、万一にも袋から小児が抜出すおそれがなく安
全性が向上する。

さらに、背袋を自動車のシートに装着し、下げ
紐を止め金から外してシートの背面に回して下げ
紐を相互に結合することにより、自動車のシート
に本体に固定し、小児を安全に自動車に同乗させ
ることができる効果がある。

この他、下げ紐は本体に対して着脱自在になつ
ているから、装着部分で下げ紐の長さを調整して
本体の持運び角度を変更すれば、小児をよりいつ
そう安全に運ぶことができることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を組立て表面側から見た斜視
図、第２図は同じく裏面側から見た斜視図、第３
図は本体部分の断面図、第４図は本体を自動車シ
ートに固定した場合を示す斜視図である。 １……本体、２……芯材、３……袋、４……
孔、５……安全ベルト、６……止め金、７……下
げ紐、８……止め金、９……差込み孔、１０……
背袋、１５……シート、１６……シートバツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小児の胴体部分を収容する大きさに縫製された
   袋と、該袋を表面に縫着した平板状の本体と、前
   記袋の底部両側にそれぞれ設けた脚挿入用の孔
   と、前記本体の表面における袋の開口側端部にた
   すきがけ可能に装着した左右一対の安全ベルト
   と、前記本体の各隅部に左右一対で止着され、少
   なくとも一端が固定部の反対側の本体隅部に着脱
   自在に装着された下げ紐と、前記本体の裏面一端
   に他端に向つて開口する差込み孔を形成した背袋
   とを具備するベビーキヤリー。