JPS6224250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数本の光フアイバを位置決めして整
列させる光フアイバ整列用端末具に関するもので
ある。

テープ状多心光フアイバ心線を相互に接続した
り、或はテープ状多心光フアイバ心線と単心光フ
アイバ心線とを分岐接続する場合には、心線被覆
を剥いで露出させた複数本の光フアイバを端末具
内に引込んで先端側をこの端末具の先端から突出
させておき、該端末具内ではその先端側に一定ピ
ツチで並設された各フアイバ位置決め溝に各光フ
アイバをそれぞれ嵌め込んで整列させると共に接
着剤で各光フアイバがずれないように固定して端
末処理部を形成し、この端末処理部をコネクタハ
ウジング内に収容し、この端末処理部の先端から
整列して突出された各光フアイバをコネクタハウ
ジング内のフエルールの各フアイバ心合せ溝に嵌
め込んで多心光フアイバコネクタを形成し、これ
らコネクタを向い合せてガイド手段で心合せ接続
することにより各光フアイバを一括して接続する
ことが検討されている。

しかしながら従来の端末具にあつては、蓋が基
板とほぼ同じ長さの一枚ものであつたので、各フ
アイバ位置決め溝に各光フアイバを嵌め込んだ
後、蓋をする際に、光フアイバがそのフアイバ位
置決め溝から抜け出し易く、整列状態を乱し易い
欠点があつた。また、従来の端末具にあつては、
その先端にフアイバ位置決め溝を設けて各光フア
イバの位置決め固定を行つていたので、この端末
具の先端から突出した各光フアイバをコネクタフ
エルールの各フアイバ心合せ溝に嵌め込む際に、
各光フアイバの露出部分の基部が動かず、各フア
イバ心合せ溝への嵌め込み作業がやりにくい欠点
があつた。更に、フアイバ位置決め溝とコネクタ
フエルールのフアイバ心合せ溝との位置関係がず
れていた場合には、光フアイバに曲げが加わり伝
送損失が増加する欠点があつた。

本考案の目的は、蓋をしめる際に光フアイバが
基板のフアイバ位置決め溝から脱出するのを防止
でき、また光フアイバの先端に自由度をもたせて
整列させることができ、且つ伝送損失の増加を防
止できる光フアイバ整列用端末具を提供するにあ
る。

本考案は、基板とその蓋とを備え、前記基板上
にはその基部から先端に向つて、光フアイバ心線
を収容する心線収容溝と、前記光フアイバ心線か
ら出された光フアイバを個別に位置決めするフア
イバ個別位置決め溝群とが順次設けられている光
フアイバ整列用端末具において、前記基板上には
前記フアイバ位置決め溝群の先に、仕切のないフ
アイバ間隔調整用一括収容溝が設けられ、前記基
板の先端には前記フアイバ間隔調整用一括収容溝
と前記フアイバ個別位置決め溝群とを覆うフアイ
バ押え差込みキヤツプが該基板の先端から所定の
範囲内で長手方向に摺動自在に差込み装着され、
前記フアイバ押え差込みキヤツプが被されてない
前記基板上の箇所には蓋が被せられていることを
特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。本実施例の光フアイバ整列用端末具は、
第１図乃至第４図に示す基板１と、第５図乃至第
７図に示すフアイバ押え差込みキヤツプ２と、第
８図乃至第１１図に示す蓋３とから成つている。

基板１上には、その基部から先端側に向つて、
溝幅が一定な心線収容溝４と、溝幅が徐々に狭く
なるフアイバ間隔変更用一括収容溝５と、各光フ
アイバを個別に位置決めするＶ溝よりなるフアイ
バ個別位置決め溝６を複数並設したフアイバ個別
位置決め溝群７と、溝幅が一定で仕切のないフア
イバ間隔調整用一括収容溝８とが順次設けられて
いる。フアイバ間隔変更用一括収容溝５の広幅部
における幅方向の両端寄りの位置には、幅方向の
両端側に位置する光フアイバの間隔変更を徐々に
行わせるための１対のフアイバガイド９が突設さ
れている。フアイバ個別位置決め溝群７の位置を
含む基板１の先端には、基板１の幅を狭くする切
込み部１０が長手方向に沿つて設けられ、且つこ
の切込み部１０に対応した基板１の下面の幅方向
の両側には差込み凹部１１が長手方向に沿つて設
けられている。基板１の基部側の下面には、ずれ
止め突起１２が設けられている。

フアイバ押え差込みキヤツプ２は、基板１の先
端からフアイバ個別位置決め溝群７の箇所まで被
せることができる長さを有し、上部にはフアイバ
押え板部１３を備え、このフアイバ押え板部１３
の下には基板１の先端を差込む基板差込み穴１４
が設けられ、且つフアイバ押え板部１３の幅方向
の両側には側板部１５を備え、これら側板部１５
の下には基板１の差込み凹部１１に係合される内
向きの係止部１６が設けられた構造となつてい
る。このような差込みキヤップ２は、基板１の先
端から嵌合され、切込み部１０の末端まで長手方
向に沿つて摺動されて、フアイバ個別位置決め溝
群７とフアイバ間隔調整用一括収容溝８とを覆
う。

蓋３は、差込キヤツプ２で覆われない基板１の
部分を覆う長さを有し、溝幅が一定な心線押え溝
１７と、溝幅が徐々に狭くなるフアイバ押え溝１
８とが順次設けられている。また、この蓋３には
溝内に開口する複数の接着剤注入孔１９があけら
れ、且つこの蓋３の基部側表面にはずれ止め突起
２０が設けられている。

第１２図及び第１３図はこのような基板１と、
差込みキヤツプ２と、蓋３とからなる光フアイバ
整列用端末具２１を、複数本の単心光フアイバ心
線２２の集合端部に一括して装着して端末処理部
を形成する過程を示したものである。各単心光フ
アイバ心線２２は、その端末の心線被覆２３を剥
いでそれぞれ光フアイバ２４を所定長露出させ
る。基板１の先端にはフアイバ押え差込みキヤツ
プ２を第１２図に示すように、フアイバ個別位置
決め溝群７がその長さ方向の半分ほど被されるよ
うに差込み装着する。かかる状態で各単心光フア
イバ心線２２の光フアイバ２４をフアイバ個別位
置決め溝６に差込んで位置決めする。この場合、
各フアイバ個別位置決め溝６の先端側の上部に
は、差込みキヤツプ２のフアイバ押え板部１３が
存在して光フアイバ２４の先端側を仮押えしてい
るので、各フアイバ２４がフアイバ個別位置決め
溝６から脱出するのを防止しつつ各光フアイバ２
４の位置決め作業を行うことができる。また、こ
のとき、各単心光フアイバ心線２２は、その心線
被覆２３の先端部を基板１の心線収容溝４に収容
し、各光フアイバ２４はフアイバ間隔変更用一括
収容溝５とフアイバ個別位置決め溝６とフアイバ
間隔調整用一括収容溝８とを通つて基板１の先端
から所要長突出するようにする。このような状態
で各単心光フアイバ心線２２は、その心線被覆部
２３の先端側が相互に密接するように並べられて
一括して心線収容溝４内に収容される。また各光
フアイバ２４はそれぞれフアイバ個別位置決め溝
６に個別に嵌め込まれて相互間隔が一定になるよ
うに位置決めされる。フアイバ個別位置決め溝群
７の幅は心線収容溝４の幅よりも狭く、これに応
じて光フアイバ２４の間隔も狭くする必要がある
が、心線収容溝４とフアイバ個別位置決め溝群７
との間には溝幅が徐々に狭くなるフアイバ間隔変
更用一括収容溝５を設けてあるので、隣接する光
フアイバ２４の相互間隔を徐々に狭めて行くこと
ができ、従つて光フアイバ２４に急激な曲げが加
わらず、伝送損失の増加を防止できる。また、整
列した光フアイバ２４のうち外側の光フアイバ２
４はフアイバガイド９で支持されているので、フ
アイバ間隔の変更時に一番多く曲げが加わる一番
外側の光フアイバ２４の急激な曲げを緩和するこ
とができる。

第１２図に示すようにして各単心光フアイバ心
線２２及びその光フアイバ２４のセツトができた
ならば、差込みキヤツプ２を第１２図で左方向に
移動させて基板１の段部に突き当る状態（正常な
装着状態）にする。しかる後、フアイバ間隔変更
用一括収容溝５内の各光フアイバ２４を接着剤で
仮止めした状態で、差込みキヤツプ２が被されて
ない基板１上の部分に蓋３を被せ、接着剤注入孔
１９より溝内に接着剤を注入し、内部の心線２２
及び光フアイバ２４を基板１と差込みキヤツプ２
と蓋３とに固定すると共に基板１と差込みキヤツ
プ２及び基板１と蓋３とを固定する。なお、この
ときフアイバ間隔調整用一括収容溝８内には接着
剤が入らないようにする。かくして第１３図に示
すような複数の単心光フアイバ心線２４の端末を
端末具２１で一括して処理した端末処理部が得ら
れる。このような端末処理部においては、端末具
２１の先端から突出されている各光フアイバ２４
はフアイバ間隔調整用一括収容溝８内にあつてフ
リーなので、突出している各光フアイバ２４の間
隔調整をコネクタフエルールのフアイバ心合せ溝
に合せ容易に行うことができる。従つて、このと
きにも光フアイバ１８には急激な曲げが加わら
ず、伝送損失の増加を防止できる。

第１４図及び第１５図は前述した基板１と差込
みキヤツプ２と蓋３とからなる光フアイバ整列用
端末具２１を、テープ状多心光フアイバ心線２５
の端末に装着して端末処理部を形成する過程を示
したものである。なお、この場合には、テープ状
をなす心線被覆部２４をフアイバ間隔変更用一括
収容溝５のところまで挿入した点、光フアイバ２
４の間隔が大幅な変更を受けない点が相違するだ
けで、あとは同様にして組立作業が行われるの
で、その説明を省略する。このようにテープ幅が
狭い場合には、基板１のフアイバ間隔変更用一括
収容溝５を省略し、心線収容溝４をフアイバ個別
位置決め溝群７のところまでのばすことができ
る。しかし、テープ幅が広いテープ状多心光フア
イバ心線２５の場合は、第１２図に示したものと
同様に心線被覆部２３の先端部は心線収容溝４に
収容する。

以上説明したように本考案に係る光フアイバ整
列用端末具は、基板のフアイバ間隔調整用一括収
容溝とフアイバ個別位置決め溝群の箇所をフアイ
バ押え差込みキヤツプで覆い、それ以外の箇所を
蓋で覆うようにすると共に特にフアイバ押え差込
みキヤツプは基板の先端から所定の範囲内で長手
方向に摺動自在に差込み装着される構造としたの
で、該フアイバ押え差込みキヤツプの装着位置を
正常な位置よりずらしてフアイバ個別位置決め溝
群の長手方向の一部だけを覆う状態にすることに
より、各光フアイバの各フアイバ個別位置決め溝
に対する位置決め作業を、これらフアイバ個別位
置決め溝からの光フアイバの脱出を防止しつつ容
易に行うことができる。また、光フアイバの位置
決め作業の終了後には、フアイバ押え差込みキヤ
ツプを長手方向に摺動させることにより、光フア
イバの脱出を防止しつつ容易に該フアイバ押え差
込みキヤツプを正常な取付け位置にセツトするこ
とができる。更に本考案では、基板上のフアイバ
個別位置決め溝群より先に仕切のないフアイバ間
隔調整用一括収容溝を設けているので、フアイバ
個別位置決め溝に収容された光フアイバがこのフ
アイバ間隔調整用一括収容溝を経てこの端末具の
外に突出されることになり、この端末具の外での
各光フアイバの位置の調整をフアイバ間隔調整用
一括収容溝を利用して容易に行うことができ、光
フアイバに急な曲げを与えるのを防止することが
でき、従つて、光フアイバの急な曲げによる伝送
損失の増加を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例で用いている端末具の基板の
一例を示す平面図、第２図は第１図の縦断面図、
第３図は第１図の拡大左側面図、第４図は第１図
の右側面図、第５図は本実施例で窯いている端末
具のフアイバ押え差込みキヤツプの正面図、第６
図は第５図の縦断面図、第７図は第５図の底面
図、第８図は本実施例で用いている端末具の蓋の
平面図、第９図は第８図の縦断面図、第１０図は
第８図の左側面図、第１１図は第８図の右側面
図、第１２図は本実施例の基板に複数の単心光フ
アイバ心線を差込みキヤツプで仮止めして装着し
た状態の平面図、第１３図は複数の単心光フアイ
バ心線に本実施例の端末具を装着した状態の縦断
面図、第１４図は本実施例の基板にテープ状多心
光フアイバ心線を差込みキヤツプで仮止めして装
着した状態の平面図、第１５図はテープ状多心光
フアイバ心線に本実施例の端末具を装着した状態
の縦断面図である。 １……基板、２……フアイバ押え差込みキヤツ
プ、３……蓋、４……心線収容溝、５……フアイ
バ間隔変更用一括収容溝、６……フアイバ個別位
置決め溝、７……フアイバ個別位置決め溝群、８
……フアイバ間隔調整用一括収容溝、１０……切
込み部、１１……差込み凹部、１３……フアイバ
押え板部、１５……基板差込み穴、１６……係止
部、２１……光フアイバ整列用端末具、２２……
単心光フアイバ心線、２３……心線被覆、２４…
…光フアイバ、２５……テープ状多心光フアイバ
心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板とその蓋とを備え、前記基板上にはその基
   部から先端に向つて、光フアイバ心線を収容する
   心線収容溝と、前記光フアイバ心線から出された
   光フアイバを個別に位置決めするフアイバ個別位
   置決め溝群とが順次設けられている光フアイバ整
   列用端末具において、前記基板上には前記フアイ
   バ位置決め溝群の先に、仕切のないフアイバ間隔
   調整用一括収容溝が設けられ、前記基板の先端に
   は前記フアイバ間隔調整用一括収容溝と前記フア
   イバ個別位置決め溝群とを覆うフアイバ押え差込
   みキヤツプが該基板の先端から所定の範囲内で長
   手方向に摺動自在に差込み装着され、前記フアイ
   バ押え差込みキヤツプが被されてない前記基板上
   の箇所には蓋が被せられていることを特徴とする
   光フアイバ整列用端末具。