JPS622389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、油、ガスの如き流体、特に油井、ガ
ス井等から採取された原油、天然ガスの如き腐蝕
性ガスを含む流体を輸送する流体輸送管の改良に
関するものである。

この種の流体輸送管は、一般に、プラスチツク
パイプと、このプラスチツクパイプの外側に金属
帯を螺旋状に多層に巻付けて形成された補強金属
層と、この補強金属層の外側に設けられた鎧装
と、この鎧装の外側に設けられたプラスチツクシ
ースとから成つている。しかし、補強金属層は金
属帯を多層に密着して巻付けて形成されているの
で流体輸送管内を輸送される流体内の腐蝕性ガス
がプラスチツクパイプ内を透過すると、補強金属
層の内側にこのガスが溜つて高圧となり輸送が停
止して内圧が低下すると、プラスチツクパイプが
外側から内側に向けて圧潰する虞れがあつた。
尚、補強金属層の金属帯を端縁間で鈎型に噛合せ
て一層とすると、ガスの透過性はよくなるが、プ
ラスチツクパイプ内からの圧力に耐えることがで
きなくなる。

本考案の目的は、プラスチツクパイプを透過し
た腐蝕性ガスが補強金属層の内側に溜まることが
ないようにしてプラスチツクパイプの圧潰を防止
し且つプラスチツクパイプからの圧力に耐えるこ
とができるようにした流体輸送管を提供すること
にある。

本考案の実施例を図面を参照してのべると、第
１図及び第２図は本考案に係る流体輸送管１０を
示し、この流体輸送管１０はプラスチツクパイプ
１２と、このプラスチツクパイプ１２の外側に設
けられた補強金属層１４と、この補強金属層１４
の外側に設けられた鋼線等の鎧装１６と、この鎧
装１６の外側に設けられたプラスチツクシース１
８とから成つている。図示の実施例では、プラス
チツクパイプ１２の内側に金属可撓管から成る内
部補強層２０が設けられている。

補強金属層１４は、第２図に示すように、金属
帯２２，２４，２６，２８を螺旋状に多層に巻付
けて形成されている。第２図から判るように、外
側の金属帯２４，２６，２８はその内側の金属帯
２２，２４，２６の端縁間を跨ぐように巻付けら
れている。これらの金属帯２２，２４，２６，２
８は第３図Ａ，Ｂに示すように多数の透孔２２
ａ，２４ａ，２６ａ，２８ａを有するが、その少
なくとも１つ、例えば金属帯２４は波付けされ、
他の金属帯２２，２６，２８は扁平である。従つ
て、各層の金属帯２２，２４，２６，２８はその
透孔を通して連通するので、プラスチツクパイプ
１２を透過した腐蝕性ガスはこれらの透孔及び波
付金属帯の隙間を通つて鎧装１６に達し鎧装を構
成する鋼線の間を通つてプラスチツクシース１８
を透過し外部に逃げるので補強金属層１４の内側
に溜まることがない。

本考案によれば、上記のように、多層の金属帯
から成る補強金属層は金属帯の透孔及び波付金属
帯のスペーサ作用によつてプラスチツクパイプを
透過するガスを外側に透過するので補強金属層の
内側で溜まつてプラスチツクパイプを圧潰するこ
とがなく、また補強金属層は多層金属帯から成つ
ているのでプラスチツクパイプからの圧力に耐え
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る流体輸送管の
横断面図及びその要部の縦断面図、第３図Ａ，Ｂ
は本考案に用いられる金属帯の斜視図である。 １０……流体輸送管、１２……プラスチツクパ
イプ、１４……補強金属層、１６……鎧装、１８
……プラスチツクシース、２２，２４，２６，２
８……金属帯、２２ａ，２４ａ，２６ａ，２８ａ
……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクパイプと、前記プラスチツクパイ
   プの外側に金属帯を螺旋状に多層に巻付けて形成
   された補強金属層とから成る流体輸送管におい
   て、前記補強金属層は少なくとも二層の金属帯か
   ら成り、その一方の金属帯は多数の透孔を有する
   扁平な金属帯であり、他の金属帯は多数の透孔を
   有する波付金属帯である流体輸送管。