JPS6223838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抄紙機ドライヤーの表面に圧接せし
めたドクターブレードで該ドライヤー表面に付着
した垢等を取り除くようにした抄紙機ドライヤー
のクリーニングドクター装置に関するものであ
る。

また本考案は、そのようなクリーニングドクタ
ー装置において、ドライヤー表面に水等の液体
（以下、実施例では水とする）を間欠的に吹きつ
けることにより、ドライヤー表面に付着した垢等
のドライヤー表面に対する付着力を低下せしめも
つてドクターブレードのドライヤー表面に対する
クリーニング効果の向上を図るとともに、ドクタ
ーブレードを水によつて冷却して過熱によるドク
ターブレードの熱歪等を未然に防止しもつてドク
ターブレードの耐久性を向上せしめ得るようにし
た抄紙機ドライヤーのクリーニング装置を提供す
ることを目的としてなされたものであり、一方向
に回転せしめられる抄紙機ドライヤーのドライヤ
ー表面に薄板状のドクターブレードの刃先を、前
記ドライヤー表面に対するすくい角を適宜周期で
変化せしめ得る如く圧接してなる抄紙機ドライヤ
ーのクリーニング装置において、前記抄紙機ドラ
イヤーの表面に近接対向する位置に、前記ドクタ
ーブレードの刃先よりややドライヤー回転方向後
方側位置へ向けて前記ドライヤー表面上に間欠的
に水等の液体を噴射し得る如くした適宜の液体噴
射装置を配置したことを特徴とするものである。

以下、本考案の抄紙機ドライヤーのクリーニン
グドクター装置を第１図及び第２図に示す第１実
施例並びに第３図及び第４図に示す第２実施例に
基づいて説明する。

先ず、第１実施例のクリーニングドクター装置
Z₁を説明すると、このクリーニングドクター装置
Z₁は、薄板状のドクターブレード６を支持してそ
の刃先６ａをドライヤー１の表面１ａに圧接せし
めるためのブレード支持装置２とドライヤー１の
表面１ａに水を吹きつけるための液体噴射装置８
とを有している。このクリーニングドクター装置
Z₁のブレード支持装置２は、本出願人が先に出願
した（特願昭55−86202号）クリーニングドクタ
ー装置におけるブレード支持装置と同一の基本構
成を有している。即ち、このブレード支持装置２
は、適宜の薄板状のドクターブレード６と、該ド
クターブレード６を挾持するためのブレードホル
ダー４をその軸方向外周面に突設してなる直管状
のブレード支持部材３と、該ブレード支持部材３
を回転且つ摺動自在に支持するための支軸１４
と、ブレード支持部材３に突設したレバー１７の
先端に取りつけられるとともに供給空気圧力が適
宜周期で変化せしめられる一対のエアーシリンダ
１８，１８より構成されブレードすくい角調整装
置としても作用するブレード押付け装置１３とを
有しており、該ブレード押し付け装置１３のエア
ーシリンダ１８，１８を伸長させてブレード支持
部材３を矢印Ａ方向に回動させることにより、ド
クターブレード６の刃先６ａを該ドクターブレー
ド６を適度に撓曲させた状態でドライヤー表面１
ａに押しつけることができるようになつている。
又、このドクターブレード６とドライヤー表面１
ａとの間に形成されるドクターブレード６のすく
い角θは、ブレード押付け装置１３の空気圧力を
変化させてドクターブレード６の撓曲量を変化さ
せることにより調整される。尚、この実施例にお
いては、一定周期ですくい角θを変化させるよう
にしている。尚、第１図において符号１６は、ブ
レード支持部材３を支軸１４の軸方向に往復動せ
しめるためのブレード摺動装置である。

このように、ドクターブレード６のすくい角及
びブレード押し付け力を周期的に変化させるよう
にすることにより、ドライヤー表面１ａに付着し
た垢等のかき落し作用がすくい角及びブレード押
付け力を変化させない場合に比して飛躍的に向上
するが、本考案はこのドクターブレード６による
ドライヤー表面１ａのクリーニング効果をなお一
層向上せしめるために、ドライヤー１の表面１ａ
に近接対向して該ドライヤー表面１ａに対して水
を吹きつけるための液体噴射装置８を配置してい
る。この液体噴射装置８は、霧状噴流を扇状に発
生するようにしたノズル１０，１０…を等間隔で
軸方向に適数個取付けた直管状のノズル取付管９
を、ブレード支持部材３側に取付けたサポート部
材１１，１１…で支持して構成されており、給水
管１２側に供給された水をタイマー制御によつて
間欠的に各ノズル１０，１０…から吹き出してド
ライヤー表面１ａの前記ドクターブレード刃先６
ａとの接触点よりややドライヤー回転方向後方位
置にしかもドライヤー１の幅方向に連続した状態
で吹きつけることができるようにしている。

上述の如く構成された本考案第１実施例のクリ
ーニングドクター装置Z₁によれば、ドクターブレ
ード６を矢印Ｒ方向に回転するドライヤー１の表
面１ａに圧接して該ドライヤー表面１ａ上に付着
した垢等をかき落す場合に、ブレード押付け装置
１３によつてドクターブレード６のすくい角θ及
びドライヤー表面１ａに対する接触圧力が周期的
に変化せしめられるとともに、液体噴射装置８か
ら間欠的に噴射された水によつて垢等がドクター
ブレード６に接触する以前に適度に湿らされドラ
イヤー表面１ａに対する付着力が弱められている
ため、ドライヤー表面１ａに付着した多数の垢を
付着力の相違あるいはかき落し時の固有の最適す
くい角度の相違等に拘わらず容易にドライヤー表
面１ａからかき落すことができ、ドクターブレー
ド６によるドライヤー表面１ａのクリーニング作
用が大幅に向上せしめられる。又、このドクター
ブレード６には、ドライヤー表面１ａとの接触に
よつて接触熱が発生するが、液体噴射装置８から
間欠的に噴射される水によつて強制的に冷却せし
められるため、ドクターブレード６が過熱して熱
歪等を発生したりすることを未然に防止して該ド
クターブレード６の耐久性を向上せしめることが
できる。さらに、垢の付着状態等に応じて水の噴
射時期を適宜に設定することにより水の使用量、
動力損失及び熱エネルギー損失を可及的に減少せ
しめることができる。

次に、本考案第２実施例のクリーニングドクタ
ー装置Z₂を説明すると、このクリーニングドクタ
ー装置Z₂は、前述した第１実施例のクリーニング
ドクター装置Z₁とほぼ同一の基本構成を有する
が、ただブレード押付け装置１３の構造即ち、ド
クターブレード６のすくい角の調整方法のみが第
１実施例のクリーニングドクター装置Z₁と相違し
ている。即ち、この第２実施例のクリーニングド
クター装置Z₂のブレード支持装置２は本出願人が
先に出願した（特願昭56−121210号）クリーニン
グドクター装置におけるブレード支持装置と同一
の構成を有するものであり、第１実施例のクリー
ニングドクター装置Z₁と同様に、ドクターブレー
ド６を取付けた直管状のブレード支持部材３の回
転軸２２を左右一対の軸受２３，２３で回転自在
に支承するとともに、ブレード支持部材３上に液
体噴射装置８を取付けている。このブレード支持
部材３の回転軸２２の両軸端２２ａには、回動レ
バー２４を介してブレード回転用シリンダ１９，
１９が装着されており、該ブレード回転用シリン
ダ１９，１９を伸縮させることによりブレード支
持装置２と液体噴射装置８とを一体的に回動させ
ることができる。一方、軸受２３，２３は、その
長手方向両側面に形成した凹状のガイド溝２９，
２９を支持基台２８のガイド用突状３１，３１に
摺動自在に係入せしめるとともに、その下面に形
成したラツクギヤ３０を該支持基台２５の内部に
収容したピニオンギヤ２５に噛合せしめており、
該ピニオンギヤ２５をその回転軸２６の軸端２６
ａに取りつけ回動レバー２７を介してブレードス
ライド用シリンダ２０で矢印Ｅ−Ｆ方向に回動さ
せることによりブレード支持装置２と液体噴射装
置８とを軸受２３，２３とともに一体的に矢印Ｇ
−Ｈ方向即ち、ドライヤー表面１ａに接近又は離
間する方向に進退せしめることができるようにな
つている。即ち、ブレードスライド用シリンダ２
０は、ドクターブレード６とドライヤー表面１ａ
との相対距離を調整して両者の当接位置（ドライ
ヤー表面１ａの周方向における）を変化させるこ
とによりドクターブレード６のすくい角を適宜に
変化させる如く作用し、これに対してブレード回
転用シリンダ１９，１９は、常時適宜押圧力でド
クターブレード６の刃先６ａをドライヤー表面１
ａに押し付けるブレード押付け部材として作用す
る。尚、ブレード回転用シリンダ１９は、常時、
ブレードスライド用シリンダ２０の空気圧力より
も小さい一定の空気圧力が作用するようにされて
おり、ブレード支持装置２のスライド位置換言す
ればドクターブレード６のすくい角の大小に拘わ
らずほぼ一定押圧力で該ドクターブレード６の刃
先６ａをドライヤー表面１ａに押し付けることが
できるようになつている。

上述の如く形成された第２実施例のクリーニン
グドクター装置Z₂は、前述した第１実施例のクリ
ーニングドクター装置Z₁と同様の作用効果を有す
る外に、ドクターブレード６の押付け力がすくい
角θの大小に拘わらずほぼ一定しているため、ド
クターブレード６の発熱量がさほど多くなく、該
ドクターブレード６の耐久性を一層向上せしめる
ことができるとともに、該ドクターブレード６の
発熱量が少ない分だけ液体噴射装置８からの水の
噴射量を減らせたり噴射間隔を長くしたりしてク
リーニングドクター装置Z₂全体としての運転経費
の低減化を図り得るという独自の作用効果もあ
る。

続いて本考案の抄紙機ドライヤーのクリーニン
グドクター装置の効果を説明すると、本考案のク
リーニングドクター装置は、ドライヤー表面に水
を吹きつけることにより該ドライヤー表面に付着
した垢等を適度に湿らせてその付着力を低下せし
めるようにしているため、ドクターブレードによ
つて該垢等を容易に取り除くことができ、ドクタ
ーブレードのドライヤー表面に対するクリーニン
グ効果が向上し延いては抄造される抄紙の品質向
上を図ることができるという効果がある。

又、ドライヤー表面に吹きつけられる水によつ
てドクターブレードを冷却することができるよう
にしているため、ドクターブレードがドライヤー
表面との摩擦熱によつて過熱し熱歪等を発生する
ということを未然に防止することができ、ドクタ
ーブレードの耐久性が向上するという実用的効果
もある。

更に、ドライヤー表面の汚れ状態等に応じて水
を該ドライヤー表面に適宜周期で間欠的に吹きつ
けるようにしているため、水の使用量、動力損失
及び熱エネルギー損失を最少限度に抑えることが
でき、抄紙機ドライヤー装置全体としての運転経
費の低減化を促進せしめることができるという効
果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例に係るクリーニング
ドクター装置の全体斜視図、第２図は第１図の
−縦断面図、第３図は本考案第２実施例に係る
クリーニングドクター装置の全体斜視図、第４図
は第３図の−縦断面図である。 １……抄紙機ドライヤー、１ａ……ドライヤー
表面、６……ドクターブレード、６ａ……ドクタ
ーブレードの刃先、８……液体噴射装置、θ……
すくい角。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方向に回転せしめられる抄紙機ドライヤー１
   のドライヤー表面１ａに薄板状のドクターブレー
   ド６の刃先６ａを、前記ドライヤー表面１ａに対
   するすくい角θを適宜周期で変化せしめ得る如く
   圧接してなる抄紙機ドライヤーのクリーニング装
   置であつて、前記抄紙機ドライヤー１の表面１ａ
   に近接対向する位置に、前記ドクターブレードの
   刃先６ａよりややドライヤー回転方向後方側位置
   へ向けて前記ドライヤー表面１ａ上に間欠的に水
   等の液体を噴射し得る如くした適宜の液体噴射装
   置８を配置したことを特徴とする抄紙機ドライヤ
   ーのクリーニングドクター装置。