JPS6223474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電動車椅子に設けられるコントロー
ルボツクスを、電動車椅子への乗り降りに邪魔に
ならず、しかも運転時に操作しやすい位置に設け
られるようにした電動車椅子に関するものであ
る。

（従来の技術） 電動車椅子は、バツテリを電源としてモータに
より車輪を回転させ、走行する椅子で、バツテリ
およびモータを座席の下に配置したものである。
そしてモータに指令を与えるコントロールボツク
スを右側のアームレストに固定して、椅子に座つ
た人が右手で操作して走行できるようにしてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように従来の電動車椅子はアームレスト
にコントロールボツクスを固定しているため、コ
ントロールボツクスが取り付けられている側のア
ームレストは乗り降りの際に手すりとして使用す
ることができない。また、利用者が乗り降りする
際には、コントロールボツクスのレバーやスイツ
チが利用者の服に引掛る等のトラブルが生じ、利
用者に余計な神経を使わせることになり、負担が
増すという問題点があつた。

本考案の目的は上記問題点を解決した電動車椅
子を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記問題点を解決するための手段と
して、電動車椅子を構成するにあたり、コントロ
ールボツクスをアームレストパイプに可動ブラケ
ツトを介して取り付け、該可動ブラケツトと前記
アームレストパイプとの結合部分に、パイプの嵌
合と該嵌合する内側のパイプ内部から外側のパイ
プに係合する突出部材、および外側のパイプに設
けられた、前記突出部材を内側に押圧可能な板ば
ねからなる位置固定用係止部材を設けたものであ
る。

（作用） 本考案は、上記構成にあたり、利用者が電動車
椅子から乗り降りする際に、位置固定用係止部材
の係止を外し、可動ブラケツトを動かしてコント
ロールボツクスをアームレストパイプより外方へ
離すことによつて、コントロールボツクスを乗り
降りに邪魔にならない位置へ移動させることがで
きるとともに、コントロールボツクス設置側のア
ームレストを手すりとして利用できるようにさせ
ることができ、体の不自由な利用者には乗り降り
が大変に便利になるとともに神経を使うことがな
くなり、身体的、精神的負担が軽くなる。

（実施例） 以下、本考案の図示実施例を説明する。

第１図で示すように、電動車椅子１のアームレ
ストパイプ２に平面を垂直にして取付板３を取り
付け、その取付板３に可動ブラケツト４のアーム
受け５を円筒状に形成して電動車椅子１の垂直方
向にアーム受け５の軸心を向けて固定する。可動
ブラケツト４には、第２図および第３図で示すよ
うに、アーム受け５の内径部に嵌合する垂直部分
６とコントロールボツクス取付台７を設けた水平
部分８を形成したアーム９を備える。アーム受け
５とアーム９の垂直部分６との嵌合部には、第３
図で示すように、運転時の配置関係において、同
一軸線上に同一直径の孔１０，１１を穿設し、ア
ーム９の内部には先端に孔１０，１１へ挿入可能
な太さを持つ突出部材１２を取り付けたスプリン
グ１３を、突出部材１２を孔１１の内側から外側
へばね付勢するように配設し、突出部材配設側と
反対側端面を垂直部分６の内面に固着する。アー
ム受け５の外周面には、板材の一端に孔１０側に
向けて突出させた突出部材１４を取り付け、板ば
ね１５の突出部材配置側端部をアーム受け５の外
周面から離れる方向に板材が反るようにして、他
端をアーム受け５の外周面に固着させる。アーム
９の水平部分８には、第４図で示すように、垂直
部分６側の取付板３当接箇所に孔１６をあけ、孔
１６へ挿入可能な太さを持つ突出部材１７を取り
付けたスプリング１８を、突出部材１７を孔１６
の内側から外側へばね付勢するように配設し、突
出部材配設側と反対側端部を水平部分の内面に固
着する。

このように構成された本考案の電動車椅子で
は、利用者が電動車椅子１から降りようとする場
合、手で板ばね１５を軽く押すと、板ばね１５の
突出部材１４が、アーム９の垂直部分６に設けた
スプリング１３の突出部材１２を押して、突出部
材１２をアーム受け５の孔１０から抜き、アーム
９の位置固定を解除する。位置固定が解除される
と、アーム９の水平部分に設けたスプリング１８
の突出部材１７が取付板３を押し、アーム受け５
の軸心を中心にしてアーム９を回動させる。アー
ム９が取付板３から離れる方向へ回動すると、コ
ントロールボツクス１９が利用者の降り乗りに邪
魔にならなくなる。さらにコントロールボツクス
１９が位置した箇所のアームレストパイプ２が利
用者の降り乗りに際して手すりとして使用できる
ようになる。

利用者が電動車椅子１に乗り込む場合、利用者
が座席に座つた後、手でコントロールアーム１９
をアームレストパイプ２側へ引き寄せると、アー
ム受け５に対してアーム９の垂直部分６が回動
し、スプリング１３に設けられた突出部材１２が
アーム受け５の孔１０に入り込み、アーム９とア
ーム受け５を突出部材１２により係止し、相互の
位置を固定する。この時、アーム９の水平部分に
組み込まれたスプリング１８の突出部材１７が取
付板３に押圧され、スプリング１８のばね付勢力
に抗して圧縮し、突出部材１７の先端を水平部分
８の孔１６へ引込ませ、突出部材１２による係止
が解除された時の回動用動力を保存する。

この実施例では、コントロールボツクス１９を
取り付けた可動ブラケツト４が外側に開き、利用
者の電動車椅子への乗り降りの邪魔にならなくな
る。片手１回の操作で可動ブラケツトを固定解
除、回動と２作動し、元へ戻して固定する場合も
片手１回の操作で行なえるため、体の不自由な利
用者には大変に便利である。構造が簡単でコンパ
クトになる。

（考案の効果） 以上のように本考案では、コントロールボツク
スをアームレストパイプに可動ブラケツトを介し
て取り付け、この可動ブラケツトとアームレスト
パイプとの結合部分に、パイプの嵌合とこの嵌合
する内側のパイプ内部から外側のパイプに係合す
る突出部材、および外側のパイプに設けられた、
前記突出部材を内側に押圧可能な板ばねからなる
位置固定用係止部材を設けたため、板ばねを外側
から押圧するのみの簡単な操作（ワンタツチ操
作）で行うことができる、位置固定用係止部材の
係止解除により可動ブラケツトを動作させて車椅
子からの乗り降りに支障のない位置まで移動させ
ることができる。これによりコントロールボツク
ス設置側のアームレストを手すりとして利用でき
るようになり、身体的、精神的負担が軽くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電動車椅子を示す斜視
図、第２図は本考案による可動ブラケツトを示す
斜視図、第３図は本考案によるアームの垂直部分
を示す部分断面図、第４図は本考案によるアーム
の水平部分を示す部分断面図である。 １……電動車椅子、２……アームレストパイ
プ、３……取付板、４……可動ブラケツト、５…
…アーム受け、６……アームの垂直部分、７……
コントロールボツクス取付台、８……アームの水
平部分、９……アーム、１０，１１，１６……
孔、１３，１８……スプリング、１２，１４，１
７……突出部材、１５……板ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コントロールボツクスをアームレストパイプに
   可動ブラケツトを介して取り付け、該可動ブラケ
   ツトと前記アームレストパイプとの結合部分に、
   パイプの嵌合と該嵌合する内側のパイプ内部から
   外側のパイプに係合する突出部材、および外側の
   パイプに設けられた、前記突出部材を内側に押圧
   可能な板ばねからなる位置固定用係止部材を設け
   たことを特徴とする電動車椅子。