JPS6222414A - 鉄心の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は変圧器などに用いられる非晶質磁性合金薄板か
らなる鉄心に焼鈍を行なう鉄心の製造方法に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近時、変圧器などに用いる巻鉄心および積層鉄心の材料
として、非晶質磁性合金薄板を用いることが検討されつ
つある。非晶質磁性合金薄板は、金属（ｐｇ、Ｃｏ、Ｎ
ｉ等）と半金属元素（Ｂ。

Ｃ，８１，Ｐ等）を主成分として超急冷法によシ製造さ
れたもので、従来からの鉄心材料であるけい素鋼板に比
して鉄損（損失）が４〜／４と小さく、磁気特性に優れ
ている。

しかし、非晶質磁性合金薄板は、超急冷法によシ製造す
るために、急冷時の歪により鉄損の増大など磁気特性が
極端に低下しておシ、本来の優れた磁気特性が得られな
い。このため、非晶質磁性合金薄板からなる鉄心は、鉄
心組立後に歪取り焼鈍を行なって非晶質磁性合金薄板の
歪を除去し、鉄損の減少などの非晶質磁性合金本来の磁
気特性の回復を図っている。

しかして、この焼鈍を行なう場合には、次の点が重要で
ある。非晶質磁性合金薄板は焼鈍温度条件が狭く、且つ
焼鈍時間も短いために、鉄心内部の温度分布が均一にな
るように短時間で昇温しないと、熱応力により磁気特性
が低下して、その本来の優れた磁気特性の回復を図るこ
とができみい。

非晶質磁性合金材料の焼鈍温度は、その種類によりても
異なるが、現在変圧器用鉄心材料として最も適切とされ
ているアライド社製ＭＥＴＧＬＡＳ　２６０５　Ｓ　２
では、３９０〜４１０℃程度が適切である。

従来、非晶質磁性合金薄板からなる鉄心に対する焼鈍方
法としては、外部加熱方式、すなわち鉄心を電気ヒータ
を熱源とする恒温槽の内部に入れ、電気ヒータの加熱に
よシ恒温檜の内部を焼鈍温度に上昇させて鉄心を加熱す
る方式が採用されている。

しかしながら、この焼鈍方法は、電気ヒータの輻射熱に
よシ鉄心を外部から加熱するので、加熱効率が悪く鉄心
内部まで良好に加熱されず。

鉄心の表面と内部の温度分布が不均一となる。

そして、鉄心全体を均一な温度分布とするために、さら
に鉄心を加熱すると、鉄心表面が長時間高温にさらされ
ることになシ、非晶質磁性合金薄板の磁気特性が少化す
るという問題がある。

また、この焼鈍方法では、鉄心の加熱昇温時の酸化を防
止するために、恒温槽の内部を非酸化雰囲気、例えばＮ
２ガス雰囲気にする必要がある。

このため、恒温槽に加えてＮ２Ｗスを取り扱う設備を必
要として設備面で不利であシ、また恒温槽に対し鉄心を
出し入れする毎にＮ２ガスの排出、注入を行なわなけれ
ばならず、作業性が悪いという問題がある。

〔発明の目的〕

本発明は前記事情に基づいてなされたもので、非晶質磁
性合金薄板からなる鉄心に対する歪取シ焼鈍を良好に且
つ経済的に行なえ、非晶質磁性合金本来の優れた磁気特
性を発揮できる鉄心を得ることができる鉄心の製造方法
を提供することを目的とするものである。

〔発明の概要〕

本発明の鉄心の製造方法は、非晶質磁性合金薄板からな
る鉄心を焼鈍するに際して、非晶質磁性合金薄板の焼鈍
温度よりも低い温度の融点を有する金属材例えば、錫、
鉛からなる合金を、非晶質磁性合金薄板の焼鈍温度まで
加熱して溶融し、溶融した金属材の溶湯中に鉄心を浸漬
して鉄心を加熱するもので、鉄心全体を短時間で均一に
加熱して焼鈍を行なうことができ、特に焼鈍に際して鉄
心を非酸化雰囲気中に置く必要がなく、経済的に有利に
焼鈍を行なうことができるものである。

〔発明の実施例〕

以下本発明を図面で示す実施例について説明する。

まず、第１図で示すように非晶質磁性合金薄板２からな
る鉄心１１例えば非晶質磁性合金薄板２を巻回してなる
鉄心１を形成する。非晶質磁性合金薄板２としては、例
えばアライド社製ＭＥＴＧＬＡＳ　２６０５　Ｓ　２を
用いる。この非晶質磁性合金材料の焼鈍温度は、３９０
〜４１０℃程度である。

次に、第２図で示すように前記非晶質磁性合金薄板２の
焼鈍温度（３９０〜４１０℃）よシ低い温度の融点を有
する金属材３を用意し、この金属材３を容器４の内部に
て非晶質磁性合金薄板２の焼鈍温度まで加熱して溶融さ
せる。この金属材３としては、例えば重量比で錫２０チ
、鉛８０％からなる合金を使用する。この合金は、比重
が１０．２、固相線温度が１８３℃である。

金属材３を加熱溶解するためには、電気ヒータを加熱源
とする、液化石油ガスを燃焼させて加熱源とする、高周
波加熱によるなどの方法を採用する。加熱溶解する金属
材３の温度を制御するために、加熱源を制御する制御装
置を設け、この制御装置によシ加熱源を制御して、金属
材３を所定温度まで加熱制御する。金属材３の温度は熱
電対なとＫより測定する。また、容器４は鉄心１を確実
に浸漬することができる深さを有するものを用いる。

次いで、溶解した金属材３の溶湯の温度を前記非晶質磁
性合金薄板２の焼鈍温度あるいはそれ以上の高さに保持
し、この状態で前記鉄心１を前記容器４の内部に入れ金
属材３の溶湯の中に一定時間浸漬して、金属材３の溶湯
によシ鉄心１を加熱して非晶質磁性合金薄板２の適正焼
鈍温度（３９０〜４１０℃）まで温度上昇させる。この
場合、鉄心１を金属材３の溶湯の内部に浸漬することに
より、鉄心１０表表面体に溶湯が直接接触する。また、
金属材３の溶湯は表面張力が大きく、鉄心１の表面に密
着する。とのため、溶湯の鉄心１に対する加熱効率が高
く。

溶湯の熱が鉄心１の表面から内部へ良好に伝達されるの
で、鉄心１は表面および内部とも均一な温度分布をもっ
て適正焼鈍温度に短時間に温度上昇する。しかも、鉄心
１は金属材３の溶湯中に浸漬されることによシ外部と直
接接触することがないので、鉄心１の非晶質磁性合金薄
板２の空気による酸化を防止することができる。

このため、この鉄心１の酸化を防止するために前記容器
４を非酸化雰囲気中に置く必要がなく、非酸化雰囲気を
つくるための特別な装置が不要である。なお、金属材３
の溶湯の表面張力が大きいために、鉄心１における非晶
質磁性合金薄板２の巻回層間の隙間に溶湯が浸入するこ
とがない。このことは、金属材３を溶湯から引き上げた
際に、前記非晶質磁性合金薄板２の眉間の隙間に溶湯が
残存し、この溶湯が各層の非晶質磁性合金薄板２相互を
電気的に接続して鉄心１の層間絶縁を破壊するという現
象の発生を防止できる効果がある。

そして、鉄心１が非晶質磁性合金薄板２の焼鈍温度まで
温度上昇した後に、鉄心１を金属材３の溶湯から引き上
げて容器４から取り出し、取シ出した鉄心１を自然冷却
する。この冷却過程において、鉄心１に直流磁界を印加
して磁気異方性を与えることによシ、非晶質磁性合金薄
板２の磁気特性をよシ効果的に改善することができる。

なお、前記した各工程において鉄心１を取り扱うことに
より、鉄心１における非晶質磁性合金薄板２の眉間の隙
間が変形拡大するおそれがあるので、これを防止するた
めに巻回した非晶　　　　。

質磁性合金薄板２全体を一時的に束ねて固定しておくこ
とが望ましい。

そして、焼鈍処理を終えた鉄心ｌに対しては、変圧器巻
線を巻回して変圧器要素を構成する。

なお、前述した実施例では、金属材の溶湯に鉄心を１個
づつ浸漬する場合について説明したが、これに限定され
ずに、鉄心をコンベアなどの搬送装置により金属材溶湯
槽へ連続的に搬送して溶湯中に浸漬するようＫすれば、
多くの鉄心を連続的に焼鈍処理することができる。

また、鉄心を浸漬する溶湯を形成する金属材としては、
実施例で示した錫−鉛合金に限定されず、鉄心を形成す
る非晶質磁性合金薄板の種類、すなわち焼鈍温度に応じ
て種々選択することができる。

本発明としては、巻鉄心を対象とすることに限らず、非
晶質磁性合金薄板を積層した積層鉄心も対象とすること
ができる。

〔発明の効果〕 以上説明したように本発明の鉄心の製造方法によれば、
鉄心を金属材の溶湯中に浸漬して加熱することによシ、
非晶質磁性合金薄板からなる鉄心を均一な温度分布で昇
温させて短時間に焼鈍を行なうことができるので、磁気
特性に優れた鉄心を得ることができ、また焼鈍に際して
鉄心を非酸化雰囲気中に置く必要がないので、非酸化雰
囲気を形成するだめの特別な設備が不要で、設備面で大
変経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の製造方法の一実施例にお
ける工程を示す説明図である。 １・・・鉄心、２・・・非晶質磁性合金薄板、３・・・
金属材、４・・・容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　非晶質磁性合金薄板からなる鉄心を焼鈍するに際して
   、前記非晶質磁性合金薄板の焼鈍温度よりも低い温度の
   融点を有する金属材を、前記非晶質磁性合金薄板の焼鈍
   温度まで加熱して溶融させ、溶融した前記金属材の溶湯
   中に前記鉄心を浸漬して加熱することを特徴とする鉄心
   の製造方法。