JPS6222398B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は回転軸に取り付けた回転翼内に高温
側の熱媒体と低温側の熱媒体の流通路を設けた特
殊な熱交換器に関するもので、熱交換率の向上と
占有スペースの節減を目的とする。

一般に熱交換器は第１図に示すように、複数の
平板状フイン１を所定間隔をあけて並設し、これ
に熱媒体管２をジグザグ状に配設した構造を採つ
ており、別に設置した送風機３によつて平板状フ
イン１の間隙に圧送される熱媒体Ａと、熱媒体管
２内を流通させる熱媒体Ｂとの間で熱交換を行な
う。

ところが、上記従来の熱交換器であると送風機
３を別に設置するため、これを収容するスペース
を必要とし装置が大型になる欠点を有する。また
送風機３より圧送される熱媒体Ａはどの平板状の
フイン１の間隙に対しても均一に圧送されず圧送
むらが起き、このため圧送量が少ない熱媒体Ａが
流通する平板状のフイン１の部分では熱伝達率が
低下する。更に各板状のフイン１は平行に並設さ
れるため、圧送される熱媒体Ａの後流は整流作用
により境界層が厚くなり、このためにも熱伝達率
が低下する。従つて上記従来の熱交換器では上述
した理由により熱交換率は頭うちの状態になる。

この発明は平板状のフインを用いた従来の熱交
換器の上述した欠点に鑑みこれを改善するため、
両端を固定パイプに軸受及び密封装置を介して回
転自在に支承され、上記両固定パイプに連通する
流入口及び流出口を両端に有し、上記流入口及び
流出口から半径方向外方の周面に放射線状に独立
して開口する複数の流通路を形成した回転軸と、
上記回転軸の流入口に取付けられ、回転軸の回転
で半径方向外方への流体圧送力を発生する誘導羽
根と、上記回転軸の流出口に取付けられ、回転軸
の回転で軸方向の流体排出力を発生するスクリユ
ーと、上記回転軸の外周面等配位置に取付けた複
数の回転翼と、夫々が所定の半径方向隙間を存し
て上記回転軸の外周部に同芯的で、かつ、上記回
転翼の翼面に交叉させて配設され、一方の熱媒体
Ａの軸方向の流通路を形成する複数の筒状フイン
と、上記筒状フインを半径方向にジグザグ状に挿
通させ、両端を上記回転軸の外周の流入口側流通
路と流出口側流通路とに接続し、内部を他方の熱
媒体Ｂが流通する複数の熱媒体管とからなり、上
記両固定パイプを他方の熱媒体Ｂの供給路及び排
出路として利用し、回転軸の回転で、誘導羽根及
びスクリユーにより、他方の熱媒体Ｂの圧送力を
付与し、かつ、回転翼で一方の熱媒体Ａの軸方向
圧送力を付与して回転軸の外周部の筒状フイン部
分で熱交換を行わせるようにした熱交換器であつ
て以下この発明の一実施例を図に従つて説明する
と次の通りである。

第２図乃至第４図において４は中実の回転軸で
あつて、両端部には軸受５ａ，５ｂと密封装置６
ａ，６ｂのハウジングが穿設してあり、上記軸受
５ａ，５ｂの内輪に嵌着された固定パイプ７ａ，
７ｂによつて支持される。８は図示しない動力伝
達装置によつて上記回転軸４を回転駆動するため
該回転軸４に嵌着させたＶプーリである。

上記回転軸４の一端部のハウジングの底部には
固定パイプ７ａを流通する熱媒体Ｂの流入口９が
設けられ、更にこの流入口９を放射線状に分岐さ
せ回転軸４の外周面に小径の開口を有した複数の
流通路１０を穿設する。１１は上記夫々の流通路
１０に植設される誘導羽根で流入口９へ流入する
熱媒体Ｂを小径の開口へ向けて圧送する。

同様にして回転軸４の他端部のハウジングの底
部には固定パイプ７ｂに流出する熱媒体Ｂの流出
口１２が設けられ、更にこの流出口１２を放射線
状に分岐させた回転軸４の外周面に小径の開口を
有し、上記流通路１０と同数の複数の流通路１３
を穿設する。１４は回転軸４の穿設部に固着した
スクリユーで、流出口１２に圧送される熱媒体Ｂ
を吸引し、更に圧力を加えて固定パイプ７ｂの内
部に圧送する。

１５は両端を上記流通路１０，１３の夫々の小
径の開口に接続した複数の熱媒体管であつて、途
中を半径方向に迂回させて配管してあり、回転軸
４の軸方向より見て熱媒体Ｂの放射線状の流通路
１６を形成する。上記熱媒体管１５は熱の良導体
によつて形成され、小径の開口の軸方向距離に応
じて半径方向にジグサグ状に往復迂回させて配管
する。

上記構成にて固定パイプ７ａ内を流通し流入口
９に流入した熱媒体Ｂは誘導羽根１１によつて分
岐させた各流通路１０内に圧送され、更に各熱媒
体管１５で形成される放射線状の流通路１６内を
流通した後、各流通路１３を経て流出口１２に流
出する。そして流出口１２でスクリユー１４に吸
引され更に加圧されて固定パイプ内７ｂを流通す
る。

尚、ここで回転軸４の回転方向に対して熱媒体
管１５に所定の方向のネジレ角を持たせて配管す
ることによつて、回転軸４と熱媒体管１５を一体
に回転させたとき、熱媒体Ｂが受ける遠心力を回
転軸４の軸方向にも及ばせることが出来る。

１７は回転軸４に取り付けられる複数の回転翼
であつて、回転軸４と両固定パイプ７ａ，７ｂと
によつて隔離された外部の熱媒体Ａを回転翼１７
内に導入し、その圧送方向を熱交換する条件に応
じて熱媒体Ｂの流通方向と並行、或いは対向させ
る。上記複数の回転翼１７は直接基部を回転軸４
の外周面に固着してもよいし、また熱媒体管１５
によつて串刺し状に支持してもよい。更には、後
述する複数の筒状フイン１８を介して回転軸４と
一体結合しても良い。

１８は上述した複数の筒状フインで、夫々は所
定の隙間を隔てて回転軸４に同芯に配設される。
上記筒状フイン１８は熱の良導体で形成すると共
に、挿通させた熱媒体管１５によつて串刺し状に
支持され回転軸４と一体結合される。そして筒状
フイン１８の円周と上記複数の回転翼１７の翼面
とを交叉させ、両者によつて区割された熱媒体Ａ
の流通路１９を多数形成する。

上記構成とした熱交換器は回転軸４と一体に熱
媒体管１５、筒状フイン１８及び回転翼１７を回
転駆動することにより、固定パイプ７ａの熱媒体
Ｂが前述したように圧送されて複数の熱媒体管１
５で構成される放射線状の流通路１６を流通し、
次いで固定パイプ７ｂ内を流通し外部と隔離され
た適当な空間に貯溜される。一方回転軸４の外部
に存在する熱媒体Ａは回転翼１７によつて、例え
ば熱媒体Ｂと対向した方向に、熱媒体Ａの多数の
流通路１９内に導入され、途中筒状フイン１８よ
り露出した熱媒体管１５と接触しながら後方へ圧
送される。そして、熱媒体Ａを低温側、熱媒体Ｂ
を高温側とした場合、熱媒体Ｂの熱は各熱媒体管
１５及び各熱媒体管１５を介して夫々の筒状フイ
ン１８に移動し、上記圧送される熱媒体Ａとの間
で熱交換を行なわせる。

以上説明したようにこの発明は、両端を固定パ
イプに軸受及び密封装置を介して回転自在に支承
され、上記両固定パイプに連通する流入口及び流
出口を両端に有し、上記流入口及び流出口から半
径方向外方の周面に放射線状に独立して開口する
複数の流通路を形成した回転軸と、上記回転軸の
流入口に取付けられ、回転軸の回転で半径方向外
方への流体圧送力を発生する誘導羽根と、上記回
転軸の流出口に取付けられ、回転軸の回転で軸方
向の流体排出力を発生するスクリユーと、上記回
転軸の外周面等配位置に取付けた複数の回転翼
と、夫々が所定の半径方向隙間を存して上記回転
軸の外周部に同芯的で、かつ、上記回転翼の翼面
に交叉させて配設され、一方の熱媒体Ａの軸方向
の流通路を形成する複数の筒状フインと、上記筒
状フインを半径方向にジグザグ状に挿通させ、両
端を上記回転軸の外周の流入口側流通路と流出口
側流通路とに接続し、内部を他方の熱媒体Ｂが流
通する複数の熱媒体管とからなり、上記両固定パ
イプを他方の熱媒体Ｂの供給路及び排出路として
利用し、回転軸の回転で、誘導羽根及びスクリユ
ーにより、他方の熱媒体Ｂの圧送力を付与し、か
つ、回転翼で一方の熱媒体Ａの軸方向圧送力を付
与して回転軸の外周部の筒状フイン部分で熱交換
を行わせるようにしたから、回転軸を回転駆動す
るのみで回転軸の外周の回転翼で一方の熱媒体Ａ
を軸方向に積極的に流通させ、かつ、同時に他方
の熱媒体Ｂの流通を誘導羽根とスクリユーとによ
つて促進することができ、コンパクトで熱交換効
率の高い熱交換器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は送風機を別体に設けた従来の熱交換器
の概略を示す図である。第２図乃至第６図はこの
発明に係る熱交換器の一実施例を示し、第２図は
その側面図を示す。第３図は第２図のＡ−Ａ線断
面矢視図を示す。そして第４図、第５図及び第６
図は第３図のＢ−Ｂ線、Ｃ−Ｃ線及びＤ−Ｄ線断
面矢視の展開図を示す。 ４……回転軸、９……流入口、１２……流出
口、１５……熱媒体管、１６……熱媒体Ｂの放射
線状の流通路、１７……回転翼、１８……筒状フ
イン、１９……熱媒体Ａの流通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両端を固定パイプに軸受及び密封装置を介し
   て回転自在に支承され、上記両固定パイプに連通
   する流入口及び流出口を両端に有し、上記流入口
   及び流出口から半径方向外方の周面に放射線状に
   独立して開口する複数の流通路を形成した回転軸
   と、 上記回転軸の流入口に取付けられ、回転軸の回
   転で半径方向外方への流体圧送力を発生する誘導
   羽根と、 上記回転軸の流出口に取付けられ、回転軸の回
   転で軸方向の流体排出力を発生するスクリユー
   と、 上記回転軸の外周面等配位置に取付けた複数の
   回転翼と、 夫々が所定の半径方向隙間を存して上記回転軸
   の外周部に同芯的で、かつ、上記回転翼の翼面に
   交叉させて配設され、一方の熱媒体Ａの軸方向の
   流通路を形成する複数の筒状フインと、 上記筒状フインを半径方向にジグザグ状に挿通
   させ、両端を上記回転軸の外周の流入口側流通路
   と流出口側流通路とに接続し、内部を他方の熱媒
   体Ｂが流通する複数の熱媒体管とからなり、 上記両固定パイプを他方の熱媒体Ｂの供給路及
   び排出路として利用し、回転軸の回転で、誘導羽
   根及びスクリユーにより、他方の熱媒体Ｂの圧送
   力を付与し、かつ、回転翼で一方の熱媒体Ａの軸
   方向圧送力を付与して回転軸の外周部の筒状フイ
   ン部分で熱交換を行わせるようにしたことを特徴
   とする熱交換器。