JPS6222254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱間圧延されたストリツプの先端部
をマンドレル径に沿わせるようその直前で挾圧成
形し、可及的容易且つスムースにこれを巻き取ら
せるようにしたダウンコイラに関するものであ
る。

熱間圧延機で圧延され、ホツトランテーブル上
を搬送されたホツトストリツプをコイル状に巻き
取るためには、通常ダウンコイラが用いられてい
る。

このダウンコイラは、従来第１図に示すように
ストリツプＳの尾端が仕上げ圧延機を抜けた後の
バツクテンシヨンの保持を行なうピンチロール１
とストリツプＳを誘導するスロートガイド２、ま
た、ストリツプＳをマンドレル３へ巻きつかせる
ためのラツパロール４およびラツパガイド５、ラ
ツパロールガイドエプロン６等によつて構成され
ピンチロール１を通過したストリツプＳをスロー
トガイド２を介してラツパガイド５に案内させ、
ラツパロール４の押圧力により発生したストリツ
プＳとマンドレル３間の摩擦力およびストリツプ
Ｓの後方が仕上げ圧延機またはピンチロール１に
拘束されているために生じるバツクテンシヨンと
によつて巻き締めされる形でマンドレル３に巻き
つけられるようにしたものである。尚、ストリツ
プＳが前記マンドレル３に数巻きされると、ラツ
パロール４およびラツパガイド５はシリンダ動作
により、外方へ後退移動するようになつている。

しかし、この種の従来のダウンコイラにあつて
は、圧延後のストリツプＳをラツパロール４とマ
ンドレル３の間隙ａに案内させた後、ラツパガイ
ド５に沿つてマンドレル３に巻きつかせるように
したものであるが、熱間圧延後のストリツプの先
端形状が悪く、特に上方向へ湾曲または曲折して
いるような場合には、これがラツパガイド５に突
掛かるという事故が発生し、その結果、ストリツ
プの巻取り不能やラツパガイドを破損させる等の
問題を生じさせるものであつた。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので
あり、ダウンコイラーのピンチロールとマンドレ
ル間に、略中央部を軸支されて下端に設けられた
下型を走行ストリツプの下方で一定距離だけ支承
可能に揺動追従させ得るようにした揺動体を設
け、しかも、該揺動体の軸にはこれに嵌着された
クランクと該クランクに連結された偏心昇降可能
な上型を備えて、ピンチロールを通過して走行す
るストリツプの先端を前記上型と下型間で、マン
ドレル方向へ湾曲させるよう追従しながら挾圧成
形し、これをマンドレルとラツパガイドとの間隙
に可及的容易且つ確実に臨ませ得るように構成し
たストリツプ先端成形装置を具備したダウンコイ
ラを提供するものである。

以下、本考案のダウンコイラを第２図および第
３図に示す一実施例に基づき詳細に説明する。

第２図は本考案のストリツプ先端成型装置を具
備したダウンコイラを示すものであり、このダウ
ンコイラを示すものであり、このダウンコイラ
は、ピンチロール１とマンドレル３間にストリツ
プ先端成型装置が配設されており、熱間圧延され
て且つピンチロール１およびスロートガイド２を
介して搬送されたストリツプＳの先端部を、この
ストリツプ先端成形装置でラツパロール４および
ラツパガイド５と前記マンドレル３との間隙ａ間
に巻き込みが容易に行えるように該先端部を下方
向へマンドレル３外面に沿うような形状に湾曲成
形させて、ストリツプＳがラツパガイド５等に突
掛かることなく容易且つ確実にマンドレルに巻き
付けさせるようにしたものである。

すなわち、前記ストリツプ先端成形装置は、前
記ピンチロール１とマンドレル３間のストリツプ
走行位置上方に垂下状に配設されて、その略中央
部を偏心軸１３ａで軸支された揺動体９と、該揺
動体９の下端に設けられ、前記走行中のストリツ
プＳの下方を支承して、一定距離だけ矢印ロで示
したような揺動追従し得るようにした下型７と、
該下型７に対設され、図中に示すイのような軌道
に沿つて偏心昇降動作を行なわせるようにした上
型８とからなり、前記ストリツプＳの先端部が、
前記下型７位置に差しかかつた時点で、前記上型
８をこれに接近させ、前記ストリツプＳの先端部
に追従してこれを瞬間的に下方向へ湾曲成形させ
るようにしたものである。

尚、前記揺動体９の上端には、クランク１０に
より偏心押動可能に支持された作動杆１１を軸１
２をもつて枢着しており、前記クランク１０を作
動させることにより、前記揺動体９を前記偏心軸
１３ａ部を支点として揺動させるようにしたもの
である。

更に上記上型８は、前記揺動体９の偏心軸１３
ａに嵌着されたクランク１３の下方に昇降杆１４
を介して高さ調整可能に連結され、搬送されるス
トリツプＳの厚さに適応して、偏心昇降し得るよ
う構成したものであり、例えば、第３図の一実施
例に示すように、前記昇降杆１４の下端に調節体
１５のねじ部１６を螺嵌し、上型８に固定した連
結ボルト１７を上記調節体１５内においてナツト
１８、受座１９を介してベアリング２０で支持
し、上型８を回転させることなく、上型８の上下
位置を調節し得るようにしたものである。また、
２１は調節体１５に固定された前記ベアリング２
０の保持用支承板である。

尚、前記上型８の高さ調整機構には、ストリツ
プＳの先端成形時の反力および衝撃に対応する充
分な強度が与えられていることは勿論である。

本考案のダウンコイラは、以上の如く実施例で
示したようなストリツプ先端成型装置を具備して
なるものであり、これを使用する場合には、ピン
チロール１およびスロートガイド２を通過したス
トリツプＳの先端部がストリツプ先端成形装置に
差しかかつた時点でクランク１０を回転させると
共にクランク１３をそれに同調するよう回転させ
ることにより、揺動体９は、作動杆１１の前進動
作によりクランク１３の偏心軸１３ａを支点とし
て揺動し下型７を前記ストリツプＳに追従移動さ
せると共に、昇降杆１４が偏心下降動作して上型
８を降下させ、該上型８と前記下型７間で前記ス
トリツプＳの先端部を挾圧せしめ、下方向へ湾曲
成形するものであり、成形完了後は、更に前記各
クランク１０，１３の回転により上型８および下
型７は元位置に復帰される。更にまた、前記先端
成形後のストリツプＳは、マンドレル３方向へ搬
送されマンドレル３と、ラツパロール４およびラ
ツパガイド５との間隙ａに容易且つ確実に臨みマ
ンドレル３にスムースに巻き取られるものであ
る。

尚、上記各クランク１０，１３の回転は、図示
されていないが、例えば一方のクランク１３にモ
ータを直結し、このクランク１３の回転を他のク
ランクおよび連結杆等を介して、他方のクランク
１０に伝達するように構成することにより、完全
に同調させることができ、これらの動きと速度は
ストリツプの走行に対応して決定されるものであ
る。

更に上記実施例では、クランクの回転を利用し
ているがエアーシリンダ等の作動機構を採用する
ことも可能である。

よつて、本考案のダウンコイラは走行するスト
リツプの先端部を、その走行動作に支障を及ぼす
ことなく、下方へ湾曲成形させてラツパガイド等
に対する突掛り等の悪影響を防止するようにした
ものであるため、上記従来の欠点を解消し、容易
且つ確実にストリツプの巻取り操業を行ない得る
ようにした価値高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のダウンコイラを示す側面図、
第２図は本考案の一実施例を示す一部縦断側面
図、第３図は、本考案の上型の上下位置調整機構
の一実施例を示す縦断面図。 Ｓはストリツプ、１はピンチロール、３はマン
ドレル、７は下型、８は上型、９は揺動体、１３
はクランク、１３ａはクランク軸、１４は昇降
杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱間圧延機で圧延されたストリツプをピンチロ
   ールを介してマンドレルにコイル状に巻き取るた
   めのダウンコイラにおいて、前記ピンチロールと
   マンドレル間のストリツプ走行位置に垂下状に配
   設され、その略中央部を軸支されて、下端に設け
   られた下型を前記走行中のストリツプの下方で一
   定距離だけ支承可能に揺動追従させ得るようにし
   た揺動体と、該揺動体の軸に嵌着されたクランク
   に連結された偏心昇降可能な上型とからなり、前
   記ストリツプの先端を前記上型と下型間で、その
   通過時に追従して挾圧成形し得るよう構成したこ
   とを特徴とするストリツプの先端成形装置を具備
   したダウンコイラ。