JPS6220962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、可変抵抗器の改良に関するものであ
る。

従来の可変抵抗器は、カーボン或は巻線等で構
成された抵抗体を刷子が摺接するものであつたの
で、抵抗体が摩耗して接触不良を生じ易く、抵抗
値が変化する欠点もあつた。これを解決するため
に、刷子に代えて押圧子を設け、それと抵抗体と
の間に変形可能な導電性部材を介在させて、導電
性部材を局部的に抵抗体に接触させ、該接触位置
を押圧子の移動により移動させるもの（実開昭49
−103532号公報参照）がある。しかし、導電性部
材を変形させる必要上、大なる操作力を必要と
し、円滑な操作の妨げとなるばかりか、導電性部
材の熱、疲労等による経年変化により寿命が短く
なる。

本考案は、前記欠点のない可変抵抗器を提供す
ることを目的とするものであつて、第１図はその
実施例を示すものである。

１は絶縁物で構成された皿形のケースであつ
て、その円筒形の内周面には抵抗体２が塗布され
ている。抵抗体２の両端は、端子３，４にそれぞ
れ接続されている。５はケース１の底１ａの中央
に回転自在に支持された操作軸であつて、これに
腕６が固定されている。腕６はケース１の内周面
に向つて延びており、その先端には突出片７が出
没自在に支持されている。突出片７は、ばね８に
よつて突出方向に付勢されている。９は導電性材
料で構成された円筒リングであつて、ケース１内
面の抵抗体２内面の直径よりも小で、半径よりも
大なる直径を有し、抵抗体２と突出片７との間に
介在されている。円筒リング９は出力端子１０と
可撓性のあるリード線１１で接続されており、ケ
ース１の底１ａ、及び、蓋（図示せず）によつて
軸方向に移動しないように規制される他は、特に
円筒リング９を支持するものはない。

突出片７は、ばね８の力で円筒リング９を抵抗
体２に圧接するので、円筒リング９と抵抗体２と
は、大小二つの円が内接した状態となり、その接
点Ｐは、腕６の回転位置によつて決まる。すなわ
ち、操作軸５を回転させて腕６を回動させると、
それに応じて接点Ｐが移動する。この接点Ｐの移
動により、端子３，１０間及び端子１０，４間の
抵抗値が変化する。

ところで、円筒リング９は抵抗体２に対して摺
接するのではなく、転動しつつ接しているだけで
ある。したがつて、抵抗体２はころがり摩擦を受
けるだけで、すべり摩擦を受けないのでほとんど
摩耗しない。

本考案は以上のように、導電性のリングが、抵
抗体に対して摺動することなく、その接触位置を
変えるので、摺接による抵抗体の摩耗を防止する
ことができ、摩耗を原因とする接触不良や、抵抗
値の変化を防止することができる。また、導電性
のリングは変形させる必要がないので、操作力が
増大することがなく、軽快な操作ができる。さら
に、弾性変形をさせる従来のものは、抵抗体から
の発熱及び疲労により弾性が劣化し、所望の弾性
変形が期待できなくなつて、使用不能に到るおそ
れがあるが、本考案では導電性のリングを変形さ
せないのでそのような欠点も生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の正面図である。 １……ケース、２……抵抗体、５……操作軸、
６……腕、９……円筒リング、１０……出力端
子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒形の内面を有する絶縁性のケースと、前記
   内面に設けた抵抗体と、前記ケースの軸線上に配
   置した操作軸と、該操作軸によつて回動操作され
   る腕と、前記ケース内の抵抗体内面の直径より小
   で、半径より大なる直径を有し、かつ、出力端子
   に接続された導電性のリングとからなり、該リン
   グは前記腕によつて、その内面を外向きに加圧さ
   れることにより変形することなく、その外面を前
   記抵抗体に圧接され、かつ、前記腕の回動に伴な
   つて転動することを特徴とする可変抵抗器。