JPS6219541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （関連産業分野） 本考案は、あらかじめ決められた区間で継続的
に輸送をくり返す場合に使用される容器即ち、通
い箱に関するものである。さらに詳しく言えば、
公知海上コンテナ内に複数個積載して荷物輸送す
るのに使用される小型の通い箱に関するもので、
復路が空になつた場合、その輸送費用を極力節約
し、かつ反復使用が可能で、しかも軽量かつ堅牢
で、さらに組立ての容易な折りたたみ式通い箱に
関するものである。

（従来技術） 従来、内・外国間を輸送する通い箱は、例えば
JIS規格Z1403に開示されている輸出品包装用の
枠組箱のように木製で分解不可能な箱が主体で、
目的地において解体するいわゆる使い捨て方式で
あり、資源保護の観点から問題であつた。又例え
ば実公昭57−55188号公報に開示されているよう
な六面体を構成する各部分が取外し出来る構造の
ものもあるが、分解組立が面倒であり、又各構成
部材の紛失等大量輸送には不適当な構造であつ
た。

（考案の解決しようとする問題点） 本考案は叙上の従来技術の問題点に鑑みて考案
されたもので、通い箱の反復使用が可能で、構成
部分点数を極力少くし、かつ分解組立が容易な通
い箱を提供するものである。

（問題点の解決手段） 下面にフオークポケツトが短辺側と長辺側とに
設けられ、チヤンネル材で補強された床板と、直
立させたとき該床板の相対向する端辺の横枠材に
設けた水切片の外側に下端部が係合するよう二重
蝶番を介して横枠材に蝶着した折りたたみ可能な
端板と、前記床板の長辺側の側枠材に設けた上向
きの溝内に下端が嵌入され、側縁が前記端板の側
縁に対し外側からボルト締めにより取付可能な側
板と、前記端板と側板を直立させた状態で被冠さ
れ、隅部に端板と側板の上部隅に設けた下部垂下
片を具えた蓋板とからなるものである。

（考案の実施例） 第１図は本考案を実施した通い箱である。１は
床板で長方形をなし、下面にフオークリフトの爪
を挿入するフオークポケツト２が短辺側と長辺側
とに設けられている。３は床の相対向する短辺に
蝶着された端板で、４は床の相対向する長辺と前
記端板３の側縁に対し着脱可能にとりつけられた
側板、５は蓋板である。

床板１は縦横のチヤンネル材１ａ，１ｂで補強
されている。床板１の短辺側には横枠材６があ
り、これに２重蝶番７を介し、端板３が折りたた
み可能に蝶着されている。８は横枠材６の頂部内
側に一体に立設された水切り片である。端板３は
組立てられたときその下端が水切り片８の外側に
位置している。

端板３は２重蝶番７によつてとりつけられてい
るので、第４図に示す如く、最初、上部蝶番７ａ
にて折れてまず水平となり、次に下部蝶番７ｂに
て折れて床板１に接するよう下降する。第５図は
端板３と側板４との関連構成を示し、端板３の側
縁の側枠材３ａと側板４の側枠材４ａとが面接触
し、その部分でボルト９で外側から固定される。
ボルト９は外側で締付作業ができるようになつて
いる。

第６図は床板１の隅部の一例を示し、１０は床
板１の側枠材で、該側枠材１０と横枠材６との交
る隅部には当て板１１が固着されている。当て板
１１にはその短辺側にロープを掛けるための切り
込み１２が設けられている。１３は当て板１１の
上部に固着されたボツクスで、第７図の如く端板
３と側板４とを直立させて組立てたとき、端板３
の側枠材３ａの下部が、このボツクス１３の側面
にて位置決めされる。

第８図は側板４と床板１の側枠材１０との関連
構成を示し、側枠材１０の上部には側板保持片１
４が垂直にとりつけられていて、側板４はその下
端がこの保持片１４と側枠材１０の垂直面とで形
成される溝１５（第９図）内に嵌つて保持され
る。

第１０図は蓋板５の隅部を示し、１６は蓋板５
の隅部に固着された隅部材である。隅部材１６に
は側方に開口する空隙１７があり、該空隙１７の
隅角部にロープ掛け棒１８が固着されている。隅
部材１６の外側下部には下部垂下片１９が一体に
設けられている。

第１１図は上記下部垂下片１９に対応する部分
の端板３と側板４の隅部構造を示す。即ち、端板
３と側板４は上部隅に切欠き部２０，２１を夫々
有し、この切欠部に前記下部垂下片１９が丁度嵌
り位置決めされるようになつている。

（組立て方法） 以上の構成であるから、通い箱を組立てるに
は、第２図に示す如く、床板１の両短辺に蝶着さ
れた端板３，３を２重蝶番のまわりに起して立設
する。次に側板４の下端を側板保持片１４，１４
の内側の溝１５内に挿入し、両側縁で外側から端
板３の側縁に対しボルト９にて複数個所外側から
固定する。２枚の側板４，４について同様に固定
したならば、蓋板５の下部垂下片１９を側板４と
端板３の上部隅部に設けた切欠き部２０，２１に
嵌合し被冠すると組立ては完了である。

なお通い箱は海上コンテナ内に積載して運ぶの
が一般的であるから蓋板５は被冠したままでもよ
いが、望むならば、ロープ掛け棒１８とコンテナ
下部の前記切り込み１２を利用して締付けるか、
あるいは他に緊締部材を設け、コンテナの側板あ
るいは端板に固定することも可能である。

以上の如く組立てられた通い箱は第７図の如く
吊りロープ２２を両端板３の下部に設けた切り込
み１２にかけ、上部でクレーン等で吊り上げるこ
とができる。

又船のオンデツキ又は陸上で積上げておくこと
もでき、このときは、前記ロープ掛け棒１８を利
用し、デツキ又は陸上等に設けられた緊締具とロ
ープ掛け棒１８間にロープを張つて緊締すること
ができる。

前記したように通い箱は一般には従来公知の海
上コンテナ内に複数個積載して輸送されるが、こ
の場合には蓋板５は被冠したままで緊締しないで
もよいが、必要ならば、上述の場合と同様、ロー
プ掛け棒１８にロープを掛け、海上コンテナ内の
ロープ固定具（図示しない）にロープを固定して
おけば、蓋板のみならず、通い箱自体もコンテナ
内で安定し、荷くずれ防止、コンテナ保護にとつ
て好適である。

（考案の効果） 以上本考案によれば、 １ 通い箱を分解したときには蓋板と、両側板
と、床板とこれに一体的に蝶着された端板の４
点部品と、ボルトのみの少数の部品構成となる
ので、分解輸送中における当該部品の紛失の恐
れも極めて少くなつた。

２ 長方形を有した床板端辺側に二重蝶番を介し
て端板を起倒自在にとりつけ、床板の長辺側に
は側板下部を前記床板の側枠材の溝に挿し込
み、側板の側縁を前記端板の側縁に対し外側か
らボルト締めできるようにしたので組立、又は
分解が非常に容易である。

３ 端板を折たたんだとき、二重蝶番によつて完
全に床面上に折りたたまれるので、極めてコン
パクト化でき、がたつきを防止できる。又水切
片の高さが高くなつても、二重蝶番方式で端板
を水平位置まで折りたたむことができるので、
何等問題とならず、従つて雨水の内部浸入を完
全に防止することができる。

４ 加うるに、３面が１側板の両端板で組立てら
れた状態で他の側面を取外した状態にして荷物
の搬出入をし、その後で取外されている側面を
簡単に外側から着脱できるので、荷物の搬出入
が容易にできるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る通い箱。第２図は同じく
分解図（ただし仮想線は側板を重ねた状態）。第
３図は端板下部の詳細斜視図。第４図は端板の折
りたたみ方を示す。第５図は側板の固定方法を示
す。第６図は床板の隅部詳細斜視図。第７図は通
い箱の隅部詳細斜視図。第８図は側板と床板との
係合部の斜視図。第９図は第８図と同一部分の正
面図。第１０図は蓋板隅部の斜視図。第１１図は
側板と端板の上部隅部斜視図。 図において；１……（通い箱の）床板、１ａ，
１ｂ……チヤンネル材、２……フオークポケツ
ト、３……端板、４……側板、５……蓋板、６…
…横枠材、７……２重蝶番、８……水切り片、９
……ボルト、１０……（床板の）側枠材、１１…
…当て板、１２……切り込み、１３……ボツク
ス、１４……側板保持片、１５……溝、１６……
（蓋板の）隅部材、１７……空隙、１８……ロー
プ掛け棒、１９……下部垂下片、２０，２１……
切欠き部、２２……吊りロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面にフオークポケツト２が短辺側と長辺側と
   に設けられ、チヤンネル材１ａ，１ｂで補強され
   た床板１と、直立させたとき該床板１の相対向す
   る端辺の横枠材６に設けた水切片８の外側に下端
   部が係合するよう２重蝶番７を介して横枠材６に
   蝶着した折りたたみ可能な端板３と、前記床板１
   の長辺側の側枠材１０に設けた上向きの溝１５内
   に下端が嵌入され、側縁が前記端板３の側縁に対
   し外側からボルト締めにより取付可能な側板４
   と、前記端板３と側板４を直立させた状態で被冠
   され、隅部に端板３と側板４の上部隅に設けた切
   欠き部２０，２１に嵌る下部垂下片１９を具えた
   蓋板５とからなることを特徴とする折りたたみ可
   能な通い箱。