JPS6219162Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、家庭園芸用の組立小型温室に関す
るものである。

「従来の技術」 従来この種の両流れ屋根を有する組立小型温室
においては、両側軒屋根が棟部から30度ないし40
度の勾配で降下しており、その下り勾配により両
側軒端部が支柱上端まで下つて軒部が低くなる状
態であつた。

又、業務用大型構造の温室の例としては、実開
昭54−149953号公報に紹介された園芸ハウス、実
開昭53−158649号公報に紹介されたビニールハウ
ス又は、誠文堂新光社が昭和43年11月10日発行の
「施設園芸資材ガイド」（農耕と園芸別冊）P56の
図24の３に示された植物園芸用温室設計の例等が
あるが、之等の例は皆大型規模による業務用温室
の構造であつて、之を家庭園芸用の組立小型温室
に適用することは困難である。

「考案が解決しようとする問題点」 前記冒頭に述べた組立小型温室の例において
は、両側軒屋根の軒端部が支柱上端まで下つて軒
下が低いために両側壁面に設けた棚上へ載置した
鉢植え花木の上部が屋根に支えて枝葉が損傷する
ので、背高い花木は収納困難となる不都合があ
り、又、換気窓は軒屋根面に沿つて設けられるた
めに室内換気が不充分である等の欠陥が認められ
た。

そこで、本考案は上記二点の欠陥を排除するよ
う温室屋根の形状と構造を改良し、軒端部を高く
して背高い植物をも収納できる組立の容易な小型
温室を提供しようとするものである。

「問題点を解決するための手段」 上記目的達成のための技術的手段を実施例によ
り詳述する。

「実施例」 本考案の温室屋根の形状と構造は、第１図及び
第５図に示すように、両流れ屋根において棟部を
半円形状又は山形状の凸状に隆起させて形成した
隆起棟屋根１の左右両側面の中間部に一対の換気
窓ｈ，ｈを揺動開閉自在に設け、棟屋根１の両側
下端に続いて緩勾配の左右両軒屋根１０，１０を
設け、この両軒屋根の軒端部１０′，１０′を急勾
配に垂下させたものであるが、このような屋根を
構築するために次に述べる温室の軸組単位体を複
数個用意し、それらの軸組単位体を適宜間隔に並
立連結することにより温室の軸組みをなすもので
ある。

隆起棟屋根１は半円形状の複数棟梁２……でな
り、軒屋根１０は前記棟梁２の両側下端間を連結
支持する水平梁１１の左右両端から緩勾配で延び
る両軒梁１２，１２の各軒端部を円弧状に彎曲垂
下して急勾配に曲成した複数梁材でなるものであ
つて、前記水平梁１１上へ棟梁２を載設して棟梁
両下端と水平梁とを螺子１８とナツト１９で螺着
し、之を左右両支柱１３，１３の上端間に架着し
てなる複数の軸組単位体を構成する。

そして、前記軸組単位体を前後方向等間隔に並
立させ、各軸組単位体間の棟梁２の頂部を棟材
３，３′で、棟梁２の両側下端部を横架材１４，
１４で、棟梁１２，１２の軒端部を横桁材１５，
１５で夫夫前後方向に連結することにより組立構
成する。

尚、前記各棟梁間の中央部一区間空部を換気窓
となし、同部の棟材３′の両側に左右一対の天蓋
４，４を軸具５により夫夫揺動開閉自在に蝶着
し、該換気窓の前後側両区切り空間部には透明な
合成樹脂板６，６を棟梁２……上に沿つて彎曲張
設してあり、前記天蓋４は前後両棟梁の左右両片
上に沿つて空間部上を閉塞するよう枠材７と合成
樹脂板６とにより円弧面状に形成してあり、之を
室内において棟材３′両側部に枢着されたＬ形操
作杆８の下端に垂設した鎖９を引くことにより開
閉操作するよう構成する。

尚又、この屋根の前後両妻部においては、棟梁
２の左右両下端を螺着した水平梁１１両端下方に
束材１６，１６を立設し、該束材の各下端を前側
各支柱上端間に架設した横梁１７上に支持させて
あり、両妻部にも合成樹脂板６を張設している。

尚、図中、２′は棟梁２上へ合成樹脂板を止着
するための押板、１２′は軒梁１２上へ合成樹脂
板を止着するための押板、１４′及び１５′は同じ
様に横架材１４及び横桁１５上における合成樹脂
板の押板であり、１８は各部材間螺着用の螺子を
示し、１９はそのナツトを示す。

第５図に示すものは他の実施態様の温室屋根の
形状構造であり、この屋根は前述した温室屋根の
内、棟屋根と軒屋根とを変形したもので、隆起棟
屋根１を山形状の段設すると共に、両軒屋根１０
の軒端部をも山形状に屈折垂下して形成し、換気
窓の天蓋４も棟屋根に合致する形状に屈曲形成し
てあり、各部材の構成は前述の屋根部材に準じ対
応させて設けているものである。

「考案の効果」 本考案は棟梁、軒梁及び両支柱からなる複数の
軸組単位体を並立し之等を棟材、横架材及び横桁
材で連結することにより温室軸組を構築できるか
ら、その組立が簡単容易であり、むつかしい組立
技術を必要としないので、家庭園芸用の小型温室
として好適である。

そして、両軒屋根を緩勾配に設けその両軒端に
おいて急勾配に垂下したので、両軒屋根側方が軒
端部まで側壁支柱よりも高く形成され室内がゆつ
たりとするから、両側壁の棚上へ載置した鉢植え
花木の上端部が屋根に支えて当ることがないの
で、背高い花木をも収納でき、又温室内で作業者
の頭上空間が高いので作業が行い易い利点があ
る。

又、屋根の棟部を凸状に隆起させて棟屋根を高
く形成したので、室内の熱気が上昇して棟屋根下
方に溜り、棟屋根の両側方に換気窓を設けたか
ら、滞溜した熱気は素早く換気窓から排出される
と共に外部横方向からの空気の流入が迅速であつ
て、室内換気が至つて良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施態様を示す斜視図、第
２図は同屋根要部の分解図を示し、第３図は同屋
根一側部の部材結合状態を示す一部破断の説明
図、第４図は同屋根の天蓋の蝶着状態を示す説明
図、第５図は他の実施態様の屋根を示す斜視図で
ある。 １……棟屋根、２……棟梁、３，３′……棟
材、４……天蓋、５………軸具、６……合成樹脂
板、７……枠材、８……操作杆、９……鎖、１０
……軒屋根、１０′……軒端部、１１……水平
梁、１２……軒梁、１３……支柱、１４……横架
材、１５……横桁、１６……束材、１７……軒
梁、１８……螺子、１９……ナツト、ｈ……換気
窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平梁１１の左右両端から夫夫両側方へ緩勾配
   で延び両軒端部において急勾配に垂下させた軒梁
   １２，１２の前記水平梁１１上へ隆起伏の棟梁２
   を載設して棟梁下端と水平梁を螺着し、之を左右
   両支柱１３，１３の上端間に架着した複数の軸組
   単位体を前後等間隔に並立させ、各軸組単位体間
   の棟梁２の頂部を棟材３で、棟梁２の両側下端部
   を横架材１４，１４で、軒梁１２の軒端部を横桁
   材１５，１５で夫夫連結し、棟材３の中間部両側
   に天蓋４，４を揺動開閉自在に蝶着した温室の屋
   根。