JPS6218410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、トラツクミキサ車の回転ドラムに
関する。

周知のようにトラツクミキサ車は、コンクリー
トプラントで練り混ぜた生コンクリートを分離し
ないように、かつ適正品質を維持するように回転
ドラムで撹拌しながら打設現場まで運搬したり、
あるいは水、セメント、細骨材、粗骨材等をプラ
ントで各々計量して回転ドラムに投入し、回転ド
ラム内で生コンクリートを作りながら撹拌走行し
そのまま運搬、排出するものである。

ところで、従来のトラツクミキサ車は、回転ド
ラム内に投入された生コンクリートを分けて排出
した場合に、生コンクリートの排出量あるいは回
転ドラム内に残つている生コンクリートの正確な
量を検出することができず、作業者の推定にたよ
るより方法がなかつた。このために、一台のトラ
ツクミキサ車に積載された生コンクリートを数ケ
所の生コンクリート打設現場に分割して排出する
ような場合に、個々の現場において正確に受注量
を満たす量だけ排出することが不可能である等の
不都合を生じるものであつた。

この考案は上記の事情に鑑みてなされたもので
あつて、その目的とするところは、生コンクリー
トの排出量と回転ドラム内に残つている生コンク
リートの量を正確に計量できるようなトラツクミ
キサ車の回転ドラムを提供することであり、その
特徴とするところは、回転ドラムを構成するドラ
ム本体の底板の内面に径の異なる複数の環状体を
上記ドラム本体の回転中心を中心として同心円状
に設けた点である。

以下、この考案を図面を参照して説明する。

第１図および第２図はこの考案の実施例を示す
ものであり、符号１は走行車両のフレームであ
る。このフレーム１の上部には横断面形状が円形
のドラム本体２が中心軸線（回転中心）０を傾斜
させ、かつ中心軸線０を中心に回転自在に取付け
られている。このドラム本体２の上部には開口部
２ａが形成され、底部には底板２ｂが設けられて
いる。更にドラム本体２の側壁の内周面には、開
口部２ａから底板２ｂにかけて２条のブレード
３，３が螺旋状に取付けられており、このブレー
ド３，３は、ドラム本体２が一方に回転するとド
ラム本体２内に投入された生コンクリートを混練
あるいは撹拌し、また他方に回転すると生コンク
リートをドラム本体２の開口部２ａから排出させ
るようになつている。一方、底板２ｂの内面に
は、丸棒を曲げて環状に形成して成る径の異なる
複数の環状体４ａ，４ｂ，…がドラム本体２の中
心軸線０を中心に同心円状に、溶接等により固着
して設けられている。この環状体４ａ，４ｂ，…
は、ドラム本体２内に残された生コンクリートの
量を表示するものであり、各々の環状体の径の大
きさは、ドラム本体２内の生コンクリートの収容
容積に対する液面高さの関係を予め計算あるいは
実際の計測により知り、上記関係にもとづき定め
られたものである。

一方、ドラム本体２の開口部２ａの近傍にはホ
ツパ５が配設されている。このホツパ５は、フレ
ーム１に取付けられた支持台６に支持されてお
り、ドラム本体２の開口部２ａ側の側壁には投入
口５ａが形成されている。更に、ドラム本体２の
開口部２ａ近傍のブレード３，３には、ホツパ５
の投入口５ａに連絡するようにチヤージングシリ
ンダ７が取付けられているが、前記ブレード３，
３などとともにこれらの基本構造は周知のもので
ある。

次に、上記のように構成された装置の作用につ
いて説明する。

まず、コンクリートプラントにおいて、一定量
の生コンクリートをホツパ５の上部からドラム本
体２内に投入し、ドラム本体２を回転させて生コ
ンクリートを撹拌しながら生コンクリート打設現
場に運搬する。この場合、ドラム本体２内に投入
された生コンクリートは、コンクリートプラント
において正確に計量されている。そして、生コン
クリート打設現場においてドラム本体２内に積載
されている生コンクリートを排出する場合には、
ドラム本体２を撹拌時に対して逆回転させること
により開口部２ａより生コンクリートを排出させ
る。そして、上記現場における生コンクリートの
必要量がドラム本体２内に積載された量より少な
い場合、現場において必要な量に近い量の生コン
クリートを排出した後、一度ドラム本体２を任意
の回転位置で停止させ、作業者がホツパ５の上部
から頭を入れてチヤージングシリンダ７を介して
ドラム本体２内を覗く。そして、生コンクリート
の表面と環状体４ａ，４ｂ，…の位置関係により
ドラム本体２内の生コンクリートの残量を計量し
排出量を割出す。

このようにして、ドラム本体２内の生コンクリ
ートの残量を正確に計量できるようにしたから、
特定の生コンクリート打設現場において必要な量
の生コンクリートを供給した後、ドラム本体２内
に生コンクリートが残つた場合、当該残余の生コ
ンクリート量を知り、該残余量の生コンクリート
を必要とする他の生コンクリート打設現場（残余
生コンクリート引取業者）に速やかに供給するこ
とができる。この場合、生コンクリートの量が正
確に分つているので、その取引価額を容易に算出
できる。また、上記と逆に、必要打設量と比較し
て不足生コンクリート量の確認がいつでもでき、
追加注文を早く出せるため、作業のロスが少なく
工事も早く終ることが可能となる。

以上、詳細に説明したようにこの考案によれ
ば、回転ドラムを構成するドラム本体の底板の内
面に径の異なる複数の環状体を上記ドラム本体の
回転中心を中心として同心円状に設けたから、ド
ラム本体内に積載されている生コンクリートの量
を正確に計量することができる。このために、ド
ラム本体内に積載された生コンクリートを数ケ所
の生コンクリート打設現場に分割して排出する場
合にあつても、個々の現場に必要な量を正確に排
出することができる。また、この環状体を底板に
取付けることにより底板の強度を増すことができ
る等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案による実施例を
示す図であつて、第１図はこの考案による回転ド
ラムの一部を破断した概略構成図、第２図は第１
図に示す回転ドラムの要部を示す正面図である。 １……フレーム、２……ドラム本体、２ａ……
底板、３……ブレード、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ
……環状体、０……中心軸線（回転中心）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドラム本体の内周面にブレードを備え、走行車
   両のフレームに周方向に回転自在に設けられた、
   トラツクミキサ車の回転ドラムにおいて、上記ド
   ラム本体の底板の内面に、径の異なる複数の環状
   体を上記ドラム本体の回転中心を中心として同心
   円状に設けたことを特徴とするトラツクミキサ車
   の回転ドラム。