JPS6216664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、屋内、部屋に設置する各設置物に対
し、壁や床との調和を事前に、立体的・視覚的に
感知知得し得るようにした色合せ選定器に関する
ものである。

最近、室内インテリヤ関係の開発、研究が進み
各家庭で使用される調度品或は設備類のごとき設
置物も色彩豊かでカラフルになる傾向が著るし
い。例えば浴槽、台所、ピアノ、各種家具等は、
従来これらの素材が本来有している素朴な色かま
たはせいぜい数種類の単調でしかも無模様のもの
が多かつたのであるが、近頃は前記設置物や部屋
の壁もさまざまな色彩のものが登場し、特に色彩
感覚に豊む若に人々に受好される傾向にある。

しかし、このように各設置物がカラフルになる
につれて、それが設置される屋内、部屋の壁、或
いは窓、カーテン等バツクとの間で色の調和が特
に要求されるものである。しかるに、各種の色の
調和はむずかしくせつかく配置した設置物が屋
内、部屋のバツクにマツチせず、色の取合せに失
敗したと感じる人が少なくない。

このような失敗をなくすために従来は一般に多
数枚の色のちがう色彩カードが用意してあつて、
それらを適当に選択して机上に並べることによ
り、例えば調度品の１つである家具とそのバツク
の壁との色の調和を調べて購入する家具の色彩を
決めている。しかし、部屋とは本来立体的なもの
であり、前記家具等も部屋の３方向から壁や床が
交わる隅部に置かれるものであるから、前記のよ
うに単に色彩カードを並べてみただけでは、実際
に家具を部屋に設置した場合の色彩的メイージを
脳裏に想像することはむずかしい。

本考案は前述の欠点を改良したもので、設置物
が実際に屋内、部屋に設置された場合の色の調和
を正しく思い浮べることができる色合せ選定器を
提供するものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は色合せ選定器の本体１を半ば開いた状
態の斜視図、第２図は同じく展開した状態の正面
図で、また第３図Ａ〜Ｅにおいて、２ａ，２ｂ，
２ｃ，２ｄ，２ｅはそれぞれ異なる状態の室内の
内部で線図模様で描き或いは描かない透明カード
であり、前記色合せ選定器本体１に差込み使用せ
られる。

さらに詳しく説明すると、選定器本体１は台紙
３の一側辺に表紙４が開閉自在に取付けられ、他
側辺に枠５が同じく開閉自在に取付けられてい
る。台紙３の上には区画線６で互に分割されてな
り、それぞれ色彩、図柄模様が異なる多数枚を重
ね合せてなる複数組、実施例では２組の色彩カー
ド７と８が一例として示すリング式止め部材９で
各組毎に開閉自在に取付けられている。前記２組
の色彩カード７と８を分割する区画線６の形は後
の説明からわかるように本考案の要件の１つとな
し、２つの線６ａ，６ｂは夾角ほぼ150゜をなし
ていて、その頂点イが屋内、部屋の隅角線６ａ，
６ｂが屋内、部屋の隅線に該当するようになつて
いる。

枠５はボツチ孔５ａを有しており、透明板１０
を貼着した補助枠１１を該枠５の内側に当てが
い、これに設けたボツチ１２，１２を前記ボツチ
孔５ａに嵌着して止める。ボツチ１２及びその孔
５ａは枠５及び補助枠１１の１辺または２辺に設
け、残る他の辺を開口部１３として、これから前
記透明カード２ａ，２ｂ，…を任意に取替えなが
ら挿入する。表紙４は色合せ選定器本体１が不使
用のときに枠５を内側に位置させて、その上を閉
じるカバーとなるとともに、使用時には表紙４を
開いてその上に一方の色彩カード７を乗せたとき
それを受ける役目を兼ねる。また、表紙４の内側
に収納部４ａを設けてあるから、その開口４ｂか
ら多数枚の透明カード２ａ，２ｂ，…を収納する
ことができる。

前記透明カード２ａ，２ｂ，２ｃ，…は既述の
ように各々が複数枚からなる多数組用意されてお
り、各透明カードとを室内、部屋の内部が投象図
法ないしは透視図法で描かれている。すなわち、
互に直角に交わる２つの壁面１４，１５及び床面
１６を表現するため３方向から直線１７ａ，１７
ｂ，１７ｃが描いてあり、各直線が交叉する位置
（但し、図では示されていない）が部屋の隅角で
ある。

しかして、このようにして３本の直線１７ａ，
１７ｂ，１７ｃで描かれる屋内、部屋において、
例えば透明カード２ａにおいては壁面１４，１５
に沿つて設置された設置物としての流し台の着色
された絵１８が、床面１６には床材が線図１９
で、さらに壁１４には、窓の絵２０がそれぞれ線
図で描かれている。また、透明カード２ｂにおい
ては壁面１４，１５に沿つて設置したピアノの着
色された絵２１が、同じく透明カード２ｃには家
具の着色された絵２２が、それぞれ描かれてい
る。透明カード２ｄは一方の壁１４にカーテンの
着色された絵２３と窓の線図２４が描かれてい
る。透明カード２ｅにあつては、壁１４，１５、
床１６ともタイルが張つた状態に線図で区画表示
してあり、その隅に模様を有し、または有しない
ステンレスの浴槽の着色された絵２５が描いてあ
る。前記各透明カード２ａ，２ｂ，…はそれぞれ
各数枚からなり、各透明カードに記載される台所
の着色された絵２０、ピアノの絵２１等はそれぞ
れ色彩や図柄等の異なる色が着色されている。な
お、屋内、部屋の内部には設置物を着色された絵
で描かないで直線１７ａ，１７ｂ，１７ｃで空部
屋の状態に表示してもよい。図中、２６は透明カ
ードの小孔、２７は色彩カードのインデツクスを
示す。

次に本考案の使用方法を説明すると、例えば第
１図のように台紙３から枠５と表紙４を開き、枠
５の内側開口部１３から線図模様を描いた任意の
透明カード２ａ，２ｂ，…を挿入する。この状態
で枠５を閉じ色彩カード７，８の上に沿わせるも
のである。このとき透明カード２ａ，２ｂ，…に
は線図模様で描いた部屋と、着色された設置物の
絵が描いてあるから、線図で区画された部分には
その下側に位置する色彩カード７，８の色が表示
される。したがつて、前記線図で描かれた壁面１
４，１５、床１６流し台２０ピアノ２１、家具２
２等がカラーで表示され残つた壁や床の部分は透
明であるから下方の色彩カード２ａ，２ｂ，…を
第１図２点鎖線のように開いて異なる色のものを
出せば、色彩カードで色が表示された壁や床と、
着色されている台所の流し台等の設置物との関係
において各色の調和を視覚的に感知することがで
きる。

とくにこのとき、色彩カード７，８の分割され
た隅角線６ａ，６ｂが丁度透明カード２ａ，２
ｂ，…の壁１４，１５と床１６との交わる直線１
７ａ，１７ｂと重なるような角度に設けられてい
るから、例えば第３図Ｅのように浴槽の着色され
た絵２５を描いた透明カード２ｅでその室内の色
調を調べるとき、床１６の一側に他の色彩カード
８の色が表示され、壁１４と１５の側に他方の色
彩カード７の色が表示されるので、各色彩カード
７と８の色を任意に変えてゆくことによつて、立
体である浴槽とそれに対する床及び壁との間の色
彩の調和を平面に描かれた絵として立体感覚で感
知することが可能となるものである。

なお第１図において一方の色彩カード７は、点
線２８の位置で分割し、その両側を別々に開くこ
とが出来るようにしてもよい。この場合は、点線
２８が透明カード２ａ，２ｂ，…の２方向の壁１
４，１５の交わりを表示する直線１７ｃと合致す
るから、各壁１４と１５が異なる色となる場合
（これはとくに一方の壁にカーテンや窓がある場
合に便利である）に、相互間の色の調和を調べる
うえで好都合となる。また、実施例では、枠５を
設け、かつその内側に透明板９を貼着した補助枠
１１を設けたが、これらは透明カード２ａ，２
ｂ，…を安定に保持するためであるから、必ずし
も設けなくても本考案の目的を奏することはでき
る。さらに、色彩カード２ａ，２ｂ，…はリング
式止め具９で枢支し、アルバムのように取外し可
能としているが、他の手段で開閉自在に台紙３に
保持されてもよい。

しかして、本考案は前記の構成としたので、色
彩カード７，８の上に透明カード２ａ，２ｂ，…
を載置したとき、着色の絵で表示された設置物の
周囲をかこむ透明の部分、すなわち線図で描かれ
た壁や床の部分が前記色彩カードによつて着色さ
れたごとき感を呈して透明カードに浮出るもので
ある。しかも、立体的である屋内、部屋の内部
が、透明カードには、設置物が立体的に描いてあ
り、且つその直線が色彩カードの区画線と合致す
ることにより、看者に立体的・視覚的な知得を与
え、実際に室内や部屋に於ける設置物と壁、床な
どの調和のイメージをより正確に脳裏に描き出す
ことが可能となり、従来のように色の取合せに失
敗することがないというすぐれた効果があり、そ
の取扱い操作も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案色合せ選定器の本体を半開きに
した状態の斜視図、第２図は同じく表紙を開き枠
を色彩カード上に当てがつた状態の正面図、第３
図Ａ〜Ｅは線図で屋内、部屋の状態を描いた透明
カードの正面図、第４図は透明カード２ｅを選定
器本体の色彩カード上に載置して色合せをしてい
る状態の正面図である。 １……選定器の本体、２ａ，２ｂ……透明カー
ド、６……区画線、７，８……色彩カード。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 台紙に表紙と枠とを開閉自在に取付けて色合
   せ選定器本体を構成し、この枠に開口部を有す
   る透明板を設け、この透明板に１枚宛挿入する
   屋内の内部状態を投象図法または透視図法で、
   且つ設置物自体は着色或いは着色されない実物
   絵で表示され、その周囲をかこむ壁や床等は、
   着色しない実物形状に描かれた多数枚の透明カ
   ードを設け、台紙は区画線で分割された複数組
   の色彩カードからなり、この区画線は所定の夾
   角を有する２つの隅角線が頂点で交わつてお
   り、さらにこの隅角線は前記各透明カードに壁
   や床等を描出するために引かれた直線が合致す
   ると共に、頂点が各透明カードの直線の延長線
   上にある屋内の隅角と合致するように設けられ
   ていることを特徴とする色合せ選定器。 (2) 前記色彩カードは、それぞれ色彩や図柄等が
   異なる多数枚からなり、選定器本体の台紙上に
   それぞれ止め具により互に反対方向に開閉自在
   に積載されてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の色合せ選定器。 (3) 前記色彩カードの一方は点線のところで分割
   されこの分割線と透明カードの２つの壁が直角
   に交わる位置を表現するために描いた直線と合
   致するように構成されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項の
   色合せ選定器。 (4) 前記透明カードは、複数枚具備されてあり、
   各透明カードには壁、床が線図で描かれた部屋
   の隅角部に流し台、浴槽等の設置物の着色され
   た実物絵が描かれていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項乃至第３項記載の色
   合せ選定器。