JPS6216358B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、空気管路注油器に関し、詳細に
は、空気工具などに接続される圧縮空気管路内に
潤滑剤を自動的に噴射する装置に関する。

より詳しく云えば、本発明は、包囲体の軸線に
沿つて中央に延びる均一な直径の空気通路と、該
空気通路の両端部においてそれぞれ空気管路に連
結せしめられる空気入口と空気出口を区画する手
段と、前記空気通路を囲む環状室を区画するスリ
ーブとを含む包囲体と、 前記環状室内に配置され前記室を前記空気通路
の空気出口に隣接する潤滑剤用の油溜めと前記空
気通路の空気入口に隣接する空気圧力室とに分割
する弾性の隔膜と、 前記空気通路の前記空気入口に隣接し、前記空
気通路内の空気を前記空気圧力室へと向ける手段
と、 前記包囲体により担持され、前記油溜めを前記
空気通路に接続する潤滑剤通路及び計量管と、並
びに玉状の弁部材及び前記潤滑剤通路及び計量管
を閉じる位置へと該弁部材を押圧するコイルばね
を含む逆止弁とからなる計量手段とからなる空気
管路注油器に関している。

〔従来の技術と問題点〕

上記の種類の空気管路注油器は、米国特許第
2604289号から公知のものである。この空気管路
注油器の潤滑油通路は、潤滑剤の油溜めから空気
通路の中央へと半径方向に延びたボアである。こ
の潤滑油用のボアに直径方向で向かい合うように
して逆止弁が設けられており、この逆止弁はパド
ルを含んでいる。このパドルは通路における圧力
に応答可能なものであり、それによつて弁部材を
持ち上げるようになつている。

しかしこのパドルは空気流に対する大きな障害
となる。またこのパドルは可動な部材であるか
ら、故障する可能性がある。パドルを修理又は交
換するためには注油器をほぼ完全に分解しなけれ
ばならない。さらにばねの故障及び／又は弁部材
の故障があつた場合も、注油器の分解を必要とす
る。その上、従来技術による空気管路注油器は作
動中における調整手段を何一つ含んでおらず、計
量手段に外部からアクセスすることはできなかつ
た。

本発明の基礎にある問題点は、上記した如き空
気管路注油器において、計量手段が空気流に対し
て殆ど障害とはならず、かつ調整や修理の目的で
外部からアクセス可能なように配置されているよ
うにすることである。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために、本発明で
は上記の如き空気管路注油器において、前記潤滑
剤通路は前記油溜めから軸方向に延び、前記計量
管は前記溜めから遠い方の前記潤滑剤通路の端部
から前記空気通路へと半径方向に延びることと、
前記逆止弁は前記計量管と直径方向で向かい合う
ように配置されており且つ前記空気通路へと半径
方向に延びて前記弁部材を前記計量管に隣接して
位置せしめるスリーブを含み、前記コイルばねは
該スリーブ内に配置され前記弁部材を前記計量管
に対して押圧することと、前記コイルばねによる
前記計量管への前記弁部材の押圧力は前記油溜め
から前記計量管への潤滑剤の圧力によつてのみ克
服されるように調整されていることを特徴とす
る、空気管路注油器を提供するものである。

添付図面はこの発明による空気管路注油器１０
の現在好適な実施例を示すが、これは中室円筒管
１４を含むケーシングたる包囲体１２からなり、
該管１４は、該管の軸線に沿つて延びる均等な直
径の空気通路１６を中央に区画している。入口ヘ
ツド１８は管１４とその一端部で一体をなし、通
路１６と心を合わせるテーパ付雌れじ開口２０を
含み、空気入口を区画している。出口ヘツド２２
は管１４の反対端部にねじ込まれ、空気通路１６
と心を合わせたテーパ付雌ねじ開口２４を含み、
空気出口を区画している。空気管路は適当な取付
金具（図示なし）を使用して開口２０，２４に連
結することができる。

ケーシング壁たる円筒状のスリーブ２６はヘツ
ド１８と２２の間に捕促されそれらと共働して空
気通路１６の両端部の間に管１４を同軸に囲む環
状室２８を区画する。弾性で耐油構造の環状の隔
膜３０が、その一端部にあり周縁方向に連続した
ビード３２を入口ヘツド１８上の半径方向に面す
る肩部３４に当てて、スリーブ２６により密封圧
縮され捕促されている。隔膜３０の反対側の端部
で周縁方向に連続する第２のビード３６は出口ヘ
ツド２２に隣接する管１４に弾性的に引張力がか
かつた状態で配置されている。隔膜３０はその弛
緩した状態で（図面では示されていない）、ビー
ド３２からスリーブ２６と、出口ヘツド２２の内
面に沿つて延び又管１４に沿つてビード３６まで
延びている。従つて、隔膜３０は環状室２８を入
口ヘツド１８に隣接する環状空気圧力室３８と、
出口ヘツド２２に隣接する環状油溜め４０とに有
効に分割する。

空気圧力管４２は入口ヘツド１８と管１４の接
合部で管１４を、ある角度で通過している。空気
通路１６内の空気圧力管４２の端部４４は、空気
通路１６の軸線のまわりに配置され、ある角度で
切削即ち形成され、半径方向平面内で、空気入口
のねじ開口２０の方向に向けられる。従つて空気
圧力管４２は入口からの空気圧力を空気圧力室３
８に送る。環状弾性のＯ−リング４６が出口ヘツ
ド２２上の半径方向に向いた肩部４８に当ててス
リーブ２６により密封圧縮されて捕促されてい
る。潤滑剤通路５０は空気通路１６の軸線に平行
に、油溜め４０から出口ヘツド２２内へと延び
る。計量管５１は出口ヘツド２２に圧入され、潤
滑剤通路５０の油溜めから遠い端部から空気通路
１６内へと半径方向に延び、空気通路１６の中央
軸線に隣接する端部をもつ。止ねじ５２は軸線方
向で計量管５１に心を合わせて出口ヘツド２２内
にねじ込まれ、その内端部に挿入片５３をもち、
該挿入片５３は対向する計量管５１の半径方向外
方の平坦な端部と共働し、計量管５１の該端部の
有効開口サイズを変え、それによつて空気通路１
６を通して与えられた圧力降下に合わせて空気通
路１６に送られる潤滑剤の量を変える。

逆止弁５４は出口ヘツド２２により担持され、
空気通路１６内に空気流が無い場合、潤滑剤が計
量管５１から空気通路１６内に流れないようにす
る。逆止弁５４は、出口ヘツド２２にねじ込まれ
るヘツド５５と、計量管５１と心を合わせて直径
上で対向おり且つヘツド５５と一体で該ヘツドか
ら同軸に延びる中空のスリーブ５６とからなる。
コイルばね５８はスリーブ５６の内部に担持さ
れ、計量管５１の向かい合つた平坦な端部に当て
て玉状の弁部材６０を押圧する。第４図によく示
されている通り、弁部材６０は空気通路１６の中
央軸線のまわりに配置される。弁部材６０たる玉
の外径はスリーブ５６の内径より小さい。リング
６１はスリーブ５６を包囲し出口ヘツド２２のね
じ穴に係合しており、ヘツド５５を所望設定位置
に保持する。

第３図は、出口ヘツド２２内で油溜め４０から
軸線方向に、それから半径方向へと延びる充填通
路６２を含む、油溜め充填機構を示す。ねじ６４
は充填通路６２の溜めから遠い端部を閉じる。玉
状の弁部材６６が油溜め４０に隣接する充填通路
６２内の保持クリツプ６８により捕促され、ねじ
６４に加圧潤滑剤が逆流しないようにする。

作動の際、空気通路１６内に空気流がない場
合、計量管５１が弁部材６０により閉じられ、空
気補給管への潤滑剤の通過は、注油器１０の全方
位で阻止される。空気が空気通路１６内を流れ始
めるのにつれて、空気圧力室３８内の空気圧力が
増加し、油溜め４０内から潤滑剤を潤滑剤通路５
０と計量管５１に通して弁部材６０を押圧する。
潤滑剤の圧力がコイルばね５８を克服するのに足
る場合、弁部材６０は計量管５１から離され、潤
滑剤は流通空気内に吸込まれる。透明な壁である
スリーブ２６により潤滑剤を収容している油溜め
４０が観察でき、該油溜め４０は空の場合充填通
路６２（第３図）を通して再充填することができ
る。理解されるように、止ねじ５２とヘツド５５
には包囲体１２の外部からアクセスすることがで
き、注油器の作動中容易に調節することができ
る。同様に弁部材６６はねじ６４の取除きを可能
にしており、空気管路を締切ることと、それから
注油器を取外すこととの双方もしくは一方を行わ
ずに溜めを充填することができる。止ねじ５２は
空気圧力の関数として計量管５１に送られる潤滑
剤の量を調節し、ヘツド５５は弁部材６０上の有
効ばね圧力を調節する。

〔発明の効果〕

本発明の空気管路注油器は、弁部材を作動する
ためにパドルその他の機構を必要としない。従つ
て計量手段は空気流に対して殆んど障害とはなら
ない。また本発明による潤滑剤の通路及び逆止弁
の特定の構造ゆえに、計量手段に対して外部から
アクセスを行うことができる。このことは、実際
の作動中においても弁の圧力が潤滑剤通路の有効
断面積を外部から調整することを可能ならしめ
る。計量手段の構成部品を修理又は交換すること
も、注油器を分解することなしに行える。

また本発明の注油器では、空気が内部で流通し
ている時にのみ空気管路に潤滑剤が送られるので
あり、空気流がない時に余分の供給を行うような
心配はない。

さらに本発明の空気管路注油器は構造が簡単で
あつて経済的に製造することができ、長い寿命を
有し且つ信頼できる作動を行うものである。そし
てまたこの空気管路注油器は、空気管路に対して
どのような向きででも取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第２図の線１−１に沿い軸線方向平面
内で取つた、本発明による注油器の立面断面図。
第２図は第１図の注油器の入口端部の立面図。第
３図は第１図の線３−３に沿つてとつた部分断面
図。第４図は注油器の出口端部の立面図である。 １０……空気管路注油器、１２……包囲体、１
４……管、１６……中央空気通路、１８……入口
ヘツド、２０……ねじ開口、２２……出口ヘツ
ド、２４……ねじ開口、２６……スリーブ、２８
……環状室、３０……隔膜、３２……ビード、３
４……肩部、３６……ビード、３８……空気圧力
室、４０……油溜め、４２……空気圧力管、４４
……端部、４６……Ｏ−リング、４８……肩部、
５０……潤滑剤通路、５１……計量管、５２……
止ねじ、５３……挿入片、５４……逆止弁、５５
……ヘツド、５６……スリーブ、５８……コイル
ばね、６０……弁部材、６１……リング、６２…
…充填通路、６４……ねじ、６６……弁部材、６
８……保持クリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 包囲体の軸線に沿つて中央に延びる均一な直
   径の空気通路１６と、該空気通路の両端部におい
   てそれぞれ空気管路に連結せしめられる空気入口
   と空気出口を区画する手段１８，２０，２２，２
   ４と、前記空気通路を囲む環状室２８を区画する
   スリーブ２６とを含む包囲体１２と、 前記環状室２８内に配置され前記室を前記空気
   通路の空気出口に隣接する潤滑剤用の油溜め４０
   と前記空気通路の空気入口に隣接する空気圧力室
   ３８とに分割する弾性の隔膜３０と、 前記空気通路１０の前記空気入口に隣接し、前
   記空気通路１６内の空気を前記空気圧力室３８へ
   と向ける手段４２，４４と、 前記包囲体１２により担持され、前記油溜め４
   ０を前記空気通路に接続する潤滑剤通路５０及び
   計量管５１と、並びに玉状の弁部材６０及び前記
   潤滑剤通路５０及び計量管５１を閉じる位置へと
   該弁部材６０を押圧するコイルばね５８を含む逆
   止弁５４とからなる計量手段５０〜６１とからな
   る空気管路注油器１０において、 前記潤滑剤通路５０は前記油溜め４０から軸方
   向に延び、前記計量管５１は前記溜め４０から遠
   い方の前記潤滑剤通路の端部から前記空気通路１
   ６へと半径方向に延びることと、前記逆止弁５４
   は前記計量管５１と直径方向で向かい合うように
   配置されており且つ前記空気通路１６へと半径方
   向に延びて前記弁部材６０を前記計量管５１に隣
   接して位置せしめるスリーブ５６を含み、前記コ
   イルばね５８は該スリーブ５６内に配置され前記
   弁部材６０を前記計量管５１に対して押圧するこ
   とと、前記コイルばね５８による前記計量管５１
   への前記弁部材６０の押圧力は前記油溜め４０か
   ら前記計量管５１への潤滑剤の圧力によつてのみ
   克服されるように調整されていることを特徴とす
   る、空気管路注油器。 ２ 前記計量管５１は前記逆止弁５４に対面する
   平坦な端部を有し、前記弁部材６０は前記コイル
   ばね５８により該平坦な端部に対して着座するよ
   うになつている特許請求の範囲第１項記載の空気
   管路注油器１０。 ３ 前記逆止弁５４は、前記包囲体１２にねじ込
   まれ前記弁部材６０にかかる前記コイルばね５８
   の圧力を調節するためのヘツド５５を含むように
   なつている特許請求の範囲第２項記載の空気管路
   注油器１０。 ４ 前記ヘツド５５と前記スリーブ５６とは一体
   である特許請求の範囲第３項記載の空気管路注油
   器１０。 ５ 前記計量手段５０〜６１が、前記油溜め４０
   から遠い方の前記潤滑剤通路５０の端部において
   前記包囲体１２にねじ込まれており前記計量管５
   ０の横断面積を調節自在に変える手段５２，５３
   を含んでいる特許請求の範囲第３項記載の空気管
   路注油器１０。 ６ 前記包囲体１２により担持され前記油溜め４
   ０を潤滑剤で充填する手段６２〜６８を更に含ん
   でいる特許請求の範囲第１項から第５項のいずれ
   か１項に記載の空気管路注油器。 ７ 前記油溜めを充填する前記手段６２〜６８
   が、前記油溜め４０から前記包囲体１２の外側へ
   と延びる充填通路６２と、前記外側で前記充填通
   路６２内に取外し自在に収容されるようになつて
   いる閉塞用のねじ６４と、前記油溜めに隣接する
   前記充填通路の端部に配置され前記閉塞用ねじに
   向かう潤滑剤の逆流を防止するための逆止手段６
   ６，６８とからなつている特許請求の範囲第６項
   記載の空気管路注油器１０。 ８ 前記空気入口に隣接する前記手段４２，４４
   が、前記包囲体１２により担持され前記空気入口
   に隣接した所から前記空気圧力室３８へとある角
   度で延びる空気圧力管４２からなる特許請求の範
   囲第１項から第７項のいずれか１項に記載の空気
   管路注油器１０。 ９ 前記環状室２８を区画する前記スリーブ２６
   が透明材料でつくられ前記油溜め４０が眼で見え
   るような構造になつている特許請求の範囲第１項
   から第８項のいずれか１項に記載の空気管路注油
   器１０。