JPS6214171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、流水に直角な断面が梯形水路等に設
けられる可動堰である転倒ゲートに関するもので
ある。

一般に農業用水や工業用水などに利用、治水さ
れる河川の水路には可動堰として転倒ゲートが多
用されているが、ゲートの設置にはその設置位置
の上下流の水路断面を堀削しなおし転倒ゲートの
設置可能な水路断面とすると共に流水断面の急激
な変化はないようにすることが必要で建設工期は
長くコスト高とならざるを得ない。

特に河川水路断面は通常水平な床面と両側傾斜
面とによつて形成される梯形断面が多く、該水路
にゲートを設ける場合、流水抵抗を押えるために
阻害物となる壁等の阻害面積以上にゲート近辺の
上下流の水路巾を広げ導流壁を附設することが試
みられている。しかし水路断面変化に伴う流水の
乱流を起しやすく堆砂転石等の残留傾向のほかに
護岸手段を強化しなければならなくなつて土木工
事費も厖大となる不経済があると共に、中央扉体
の転倒駆動が問題で安定した操作が保証できず、
保守保安がやつかいであつた。

本考案は、ゲートを起立して水路を閉ざした
り、倒伏時に水路断面の一部又は全部を開き水路
阻害をなくして安全な操作が可能で両ウイング形
式或いは片ウイング形式においても、ゲートにこ
じれ等の力が加わることなく円滑にゲートの転動
駆動操作ができて保守保安も簡素化できるゲート
を提供することにある。

本考案は、水路にゲートを流れ方向へ起伏可能
にヒンジ部で枢支配備した転倒ゲートにおいて、
ヒンジ部のある中央扉の側端にヒンジ部のある端
部扉を連設すると共に中央扉に回動自在に枢着し
た補助扉体を前記端部扉に収納しうるように装備
してゲートが構成され、該中央扉を開閉するよう
に中央扉に扉体下流側でリンク機構を介して駆動
部に連結された駆動アームを設け、この駆動アー
ムに別のリンク機構を介して前記端部扉を連結
し、該端部扉と前記補助扉体とが摺動可能に連接
配備されていることを特徴とする転倒ゲートであ
る。

図示のものにおいて、中央扉１とその両側又は
片側に端部扉２とから水路用のゲートを形成し、
各扉の下部に扉を起伏させるための駆動軸３，４
を設け、該駆動軸３，４を夫々リンク機構５，６
又はチエン、その他の伝達機構を介して駆動用の
油圧シリンダ７に連結してある。この駆動軸３，
４はトルクチユーブを用いねじりモーメントと水
圧による曲げモーメントに耐えうるように固定板
８の軸受部９で軸支されており、水路底面に平行
に沿設されて水平部分と傾斜部分との交点は等速
ジヨイント１０で連結され両側からのねじり操作
を円滑に伝達できるようになつている。

前記中央扉１はスキンプレート１′を持つた矩
形状のゲートで、水密ゴム１２又は合成樹脂など
の可撓性板の水封部を介して端部扉２を両端に連
設し上端にスポイラー１１を有し下端にヒンジ部
１″で転倒自在に構成されている。

そしてこの端部扉２は三角形のゲートで、下部
に駆動軸４となるヒンジ部を有していて起伏可能
に設けられ、前記中央扉１の連接端部にウイング
カバー１３を備え、このウイングカバー１３に収
容される扇状の補助扉体１６が、中央扉の端桁に
ヒンジ１４でピン１５をもつて旋回自在に連結さ
れている。

なお前記端部扉２は下部に曲面を有する摺動板
１７を備え、且つウイングカバー１３の裏側に水
密ゴム１８の反発力に抵抗させるライナー１９を
備えている。また駆動アーム７′は前記油圧シリ
ンダ７のロツド７″で往復動するトルクアームと
してリンク機構５，６を介して駆動軸３，４に連
結され等速ジヨイント１０で水平駆動軸と傾斜駆
動軸とを連動するように中継してある。

この等速ジヨイント１０はケーシング３０にブ
ツシユ２９，２８を介して嵌合されたフオーク２
０と球面シヤフト２１とをピン２２止めしたスリ
ーブ２３，２４と中間スリーブ２５を介した自在
継手となつている構成のもので、該球面シヤフト
２１を嵌挿する連結軸２７，２６で傾斜駆動軸に
また前記フオーク２０を水平駆動軸に連結し駆動
伝達できるようになつている。

図中３１はアーム、３２はリンクレバー、３３
は取付用リブ、３４はシール用の可撓片、３５，
３６は補強用リブ、３７は取付片、３８はピツト
で水路両側上方に設置され油圧シリンダ７等が配
備され、油圧シリンダ７は抜水位置の陸上に設置
されることとなるので、保守、点検が簡便であ
る。

なお前記補助扉体１６の水密は伸縮ゴムによつ
て行ない、これら水密ゴムの中央扉１との結合は
前面で固着、端部扉２との摺動部は補助扉体１６
の背面に適当な角度をもたせて取付ける。又、端
部扉２は下部に曲面を施した摺動板１７を有して
いるので、背面から前面への水密ゴムの接合は無
理なく行なえて便利であり必要に応じこれを一体
化することも可能である。さらに端部扉２の収納
カバーの裏面には水密ゴム１８の反発力に抵抗さ
せるライナー１９が取付けられており、これが起
立時に土砂等を排除する機能をも有している。

さらにまた前記リンク機構に代えてスプロケツ
ト比を適宜選択することでチエン駆動機構とした
り他の伝達機構を選んで用いることができる。

しかして油圧シリンダ７の往復動によつて駆動
軸３，４へ回転運動が与えられゲートとなる中央
扉１及び端部扉２を起伏運動させるもので水路の
流れに対して継めなしに転倒され、この倒伏時に
補助扉体１６が前記中央扉１の動きに連動してヒ
ンジ１４のピン１５を中心として摺動して端部扉
２内に収納され起立時には端部扉２から開いて空
間部が発生しないようにし、いずれにしても水圧
を受ける阻害物とならないようになつている。即
ちゲートとなる中央扉１と端部扉２は油圧シリン
ダ７で同調しながら個々に起立転倒しこれに伴つ
て補助扉体１６がこじれ等の力が加わることなく
微小水圧と水密ゴムの抵抗のみを受けもつて稼動
しながら端部扉と平行に摺動して水密状態を保持
し適確で円滑なゲート転倒操作が可能となる。

本考案は台形転倒ゲートにおいて、台形水路両
側の側方ピツト内に設置された油圧シリンダによ
つて、扉体下流側に扉体と平行に配置した駆動軸
を回転させ、この末端にリンク機構を設けて中央
扉体を開閉すると共に端部扉体は中央扉体と動作
が異なるため、同一動力源から調整可能な別リン
ク機構を設けて中央扉体に同調させ、さらに中央
扉体にピン結合された補助扉体が端部扉体に摺動
して開閉する構成となつていることにより転倒ゲ
ートとして水路阻害をなくして安全な操作が可能
で両ウイング形式或いは片ウイング形式において
も、ゲートにこじれ等の力が加わることなく円滑
にゲートの転動駆動操作ができるほか駆動軸は扉
体と分離して構成されているため、万一の事故に
も扉体を解体することなく容易に補修することが
出来るし、保守保安が簡素化でき、しかもゲート
倒伏時に阻害物をなくして用いられ、従来必要と
されていた土木工事も削減できて経済的な水路ゲ
ートに構成することができる等の実用上の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は正面図、第３図は第
２図線における拡大縦断面図、第４図は第２
図線における拡大断面図、第５図は一部の拡
大正面図、第６図はその平面図、第７図は第５図
Ａ部の拡大縦断面図、第８図は扉体連結部の一部
切欠平面図、第９図はその正面図、第１０図は第
９図線における断面図、第１１図は端部扉の
正面図、第１２図はその側面図、第１３図はその
背面図、第１４図は補助扉体の正面図、第１５図
はその側面図、第１６図はその背面図、第１７図
はその平面図、第１８図はウイングカバーの正面
図、第１９図はその側面図、第２０図は駆動部の
一部切断正面図、第２１図は第２０図−線に
おける側面図、第２２図は第２０図−線にお
ける側面図、第２３図は第７図−線における
拡大断面図である。 １……中央扉、１′……スキンプレート、１″…
…ヒンジ部、２……端部扉、３，４……駆動軸、
５，６……リンク機構、７……油圧シリンダ、
７′……駆動アーム、８……固定板、９……軸受
部、１０……等速ジヨイント、１１……スポイラ
ー、１２……水密ゴム、１３……ウイングカバ
ー、１４……ヒンジ、１５……ピン、１６……補
助扉体、１７……摺動板、１８……水密ゴム、１
９……ライナー、２０……フオーク、２１……球
面シヤフト、２２……ピン、２３，２４，２５…
…スリーブ、２６，２７……連結軸、２８，２９
……ブツシユ、３０……ケーシング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 水路にゲートを流れ方向へ起伏可能にヒンジ
   部で枢支配備した転倒ゲートにおいて、ヒンジ
   部のある中央扉の側端にヒンジ部のある端部扉
   を連設すると共に中央扉に回動自在に枢着した
   補助扉体を前記端部扉に収納しうるように装備
   してゲートが構成され、該中央扉を開閉するよ
   うに中央扉に扉体下流側でリンク機構を介して
   駆動部に連結された駆動アームを設け、この駆
   動アームに別のリンク機構を介して前記端部扉
   を連結し、該端部扉と前記補助扉体とが摺動可
   能に連接配備されていることを特徴とする転倒
   ゲート。 ２ 前記ヒンジ部が水路底面に沿設されるもので
   あつてトルクチユーブで等速ジヨイントで連結
   されているものである実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のゲート。 ３ 前記中央扉が、矩形状のゲートでスキンプレ
   ートを有するものであつて、水封部を備えて端
   部扉を水密状態下に両側端に連設されているも
   のである実用新案登録請求の範囲第１項又は第
   ２項記載のゲート。 ４ 前記端部扉が、三角形のゲートで、下部にヒ
   ンジ部を有して起伏するものであつて、前記中
   央扉の連接端部にウイングカバーを備えている
   ものである実用新案登録請求の範囲第１項乃至
   第３項のいずれか一つの項記載のゲート。 ５ 前記端部扉が、下部に曲面を有する摺動板を
   備えたものである実用新案登録請求の範囲第４
   項記載のゲート。 ６ 前記端部扉が、ウイングカバーを有するもの
   であつて、該カバーの裏側に水密ゴムの反発力
   に抵抗させるライナーを備えているものである
   実用新案登録請求の範囲第４項又は第５項記載
   のゲート。 ７ 前記補助扉体が、扇状のゲートであつて、前
   記中央扉の端桁にヒンジでピン止め連結されて
   いるものである実用新案登録請求の範囲第４項
   乃至第６項のいずれか一つの項記載のゲート。 ８ 前記駆動アームが、油圧シリンダに連結され
   て往復動するトルクアームであつて、等速ジヨ
   イントを含む駆動軸を介してリンク機構に連結
   されるものである実用新案登録請求の範囲第４
   項乃至第７項のいずれか一つの項記載のゲー
   ト。 ９ 前記駆動アームが、中央扉を開閉する水平駆
   動軸と傾斜駆動軸とから成り、両軸間に等速運
   動をするジヨイントを介在配備したものである
   実用新案登録請求の範囲第８項記載のゲート。