JPS621281Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 舗装道路の路床および路盤は交通量等から、あ
る定まつた締め固めが行われており、通常図面に
示す様な構造である。

しかし年月が経過した場合や特に地下水の豊富
な地域に作られた舗装道路では、路床、路盤にゆ
るみが生じる。

このゆるみが進行すると図面に示す様に舗装下
面が空洞化する。

この空洞が大きくなると載荷された自動車等の
重量によつて舗装が破壊陥没するに至る。

この様な陥没現象は、日本全国の舗装道路で起
こつており、舗装道路の維持管理上重要な問題と
なつている。

本考案は、この様な問題を解決するため舗装陥
没の危険箇所を事前に発見するだけでなく、常に
舗装道路状態の診断をなし得る舗装路盤の診断走
行車に係るものにして、その構成を実施例を示す
添付図面について詳述すると次の通りである。

路面１の表面温度を測定する赤外線放射温度計
のような温度測定計２を備えた検出部３を走行車
４に付設する。

この走行車４内に路面１の表面温度の変化を記
録する記録装置５を設ける。

この場合赤外線放射温度計と同様に路面１の表
面温度を測定し得るものであれば、その他の温度
計を採用しても良い。

また記録装置５で得られる温度変化のデータ
と、その時の走行車４の走行スピードと、所定の
演算データとにより空洞状態を作図または数字や
他の記号で表示する記憶装置を併設して置けば、
例えば予め始発地点より数百メートル毎に区切
り、その何番目の区切り部分の陥没部の状態を知
りたいと指示することにより直ちにその箇所の陥
没の分布が記録テープで打ち出されることにな
る。

また検出部３を走行車４に付設するに当たつて
は走行車４の前方に支持筒６により水平突設する
と検出部３が路面１以外からの温度影響を受ける
ことが少なくなり、それだけ精確に路面１の表面
温度を測定出来ることになるし、また１個の検出
部３で路面１の全巾の温度を測定し得ない広巾の
路面１を測定する場合等には検出部３を路面１巾
方向に多数並列せしめることにより、路面１全巾
に亘る温度測定を１回の走行でなし得て能率がよ
くなる。

図中符号７は路床である。

出願人は、晴天の日は日射によつて舗装路面に
ほぼ一様な熱が与えられて、この日射熱の一部は
地下へ伝達されるもののこの熱伝達過程で、地下
が同一物性を持つたもので構成されていれば、そ
の場所全体は均熱な熱を受け、路面温度も一定値
を示すが、路面下に空洞が生じると、その縦断面
方向に於ては空気と土砂との全然物性的にも異な
る物質が層をなして存在することになり、一方の
空気には断熱作用がある為当然その場所の路面の
表面温度は空洞のない健全な路面の表面温度と異
なることを見い出したのである。

このことは下方に空洞のある路面部分の熱容量
が比較的小さくなるためその路面部分の表面温度
は日中比較的高温となり、逆に夜間比較的低温と
なるという考案と実際の路面での表面温度の測定
結果との一致をみたことからも確かな現象として
確認された。

本考案は上述のように路面１の表面温度を測定
する温度測定計２を備えた検出部３を走行車４に
付設し、この走行車４内に路面１の表面温度の変
化を記録する記録装置５を設けたから、この検出
部３で路面１の表面温度の変化を測定し、これを
記録装置５で記録すれば、この記録データから空
洞８の有無やその空洞８の位置、大きさ、深さな
どを確実に推定し得ることになる。

而かもこの記録データの採取をするには被測定
対象の路面１に走行車４を運転するだけでよいか
らそれを安全に且つ能率良く而かも容易になし得
るなど舗装９の下層である路盤１０内部の空洞８
を確実に探知して危険な舗装９の陥没事故を未然
に防止するのに威力を発揮する舗装路盤の診断走
行車を提供することになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す説明図である。 １……路面、２……温度測定計、３……検出
部、４……走行車、５……記録装置、６……支持
筒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 路面の表面温度を測定する温度測定計を備え
   た検出部を走行車に付設し、この走行車内に路
   面の表面温度の変化を記録する記録装置を設け
   た事を特徴とする舗装路盤の診断走行車。 ２ 検出部を走行車の前方に支持筒により突設せ
   しめた実用新案登録請求の範囲第１項記載の舗
   装路盤の診断走行車。 ３ 検出部を路面巾方向に多数個並列せしめた実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の舗装路盤の
   診断走行車。