JPS6212576Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、１枚のプラスチツク製シートに複数
個成形されている容器その他の成形品を個々の成
形品に切り離しやすくするための切り取り線を入
れるのに使用するトリミングプレス機に関するも
のである。

最近、野菜や果物などをそれらの流通過程で一
定量ずつ包装することが多く行われており、その
包装用具には、パツクあるいはトレーと称される
プラスチツク製の包装用容器が多く使用されてい
る。

従来この種の包装用容器は、１度に複数個分の
容器を成形できる金型を備えた成形機に、所定の
幅を有し、かつ長尺のプラスチツク素材、例えば
発泡ポリスチレンシートまたはペーパーを間欠的
に供給し、複数個の容器が相互に多少の間隔をお
いて連接する容器連接体を反覆して成形し、成形
機から搬出されてくる先頭の容器連接体を後続の
容器連接体から次々に切断した後、各容器連接体
をトリミングプレス機にかけて、個々の容器に切
り離しやすくするための切り取り線を入れるよう
にして、大量生産されている。

上記従来の生産工程においては、成形機の１回
の動作時間がトリミングプレス機の１回の動作時
間の約半分程度であるため、１台の成形機に１台
のトリミングプレス機を組み合せたのでは、トリ
ミング工程に遅れを生ずるので、１台の成形機に
２台のトリミングプレス機を組み合せる必要があ
る。

このように１台の成形機に２台のトリミングプ
レス機を組み合せると、生産設備に要する費用が
割高になるばかりでなく、成形機の搬出側で次々
に切断される容器連接体を２台のトリミングプレ
ス機へ別々に移送する装置あるいは人員と、２台
のトリミングプレス機を別々に操作する人員を必
要とし、それだけ生産コストが割高になるという
欠点を生ずる。

また、上記従来の生産工程においては、トリミ
ングプレス機に、雄型と雌型とから成る抜き型を
型合せしてトリミングプレスする構造のものが使
われることが多いが、その場合は、型代が高価に
なるのと、容器相互の間隔を型合せの都合上広く
とる必要があり、それだけ容器製品の歩留りが悪
くなるという欠点を生ずる。

本考案は、上記従来の諸欠点を解消しうるトリ
ミングプレス機を提供しようとするものである。

以下図面にもとずいて本考案の実施例を説明す
ると、１は成形機で、１度に複数個分の容器を成
形できる金型２と、容器成形用の素材を予熱する
予熱機３とを備えて成る。４は成形機１に供給す
るプラスチツク素材で、発泡ポリスチレンその他
のプラスチツク材にて所定の幅を有する長尺のシ
ート状に成形されている。５はプラスチツク素材
４を巻き取つたロールで、プラスチツク素材４を
成形機１へ間欠的に供給するように回転する。６
は成形機１の搬出側に設けたトリミングプレス機
で、成形機１により順次成形されて搬出されてく
る容器連接体７を受ける受台８と、受台８上に設
けた支柱９に昇降自在に支持されたプレス板１０
と、プレス板１０を昇降駆動する油圧シリンダ１
１と、プレス板１０の下面に固定した抜き刃１２
とから成る。なお、抜き刃１２は、容器連接体７
における各容器１３の周囲に切り取り線を入れら
れる輪郭形状を有する個々の刃１４を縦横に連
ね、その外周にベニヤ板などで成形したフレーム
１５をはめて成る。１６は抜き刃１２をプレス板
１０に固定したアングル材、１７は複数の刃１４
の内側にそれぞれ取付けた容器押えで、成形機１
により成形された容器連接体７から個々の容器１
３に切り離された容器自体を使用することもあ
り、各容器１３に嵌合するようにアルミ材などで
成形された容器押えを使用することもある。１８
はプレス板１０の上面側から下面へ貫通し、容器
押え１７の全部または一部の内側中央部に突出す
るように設けたノツク杆群、１９はノツク杆群１
８を連結す連結杆、２０は連結杆１９の中央部分
に連結し、ノツク杆群１８を昇降駆動するエアシ
リンダ、２１はトリミングプレス機６の搬入側に
設けたクランプ機構で、成形機１から搬出されて
くる各容器連接体７の移動方向と同方向に設けた
ガイドレール２２と、ガイドレール２２上を往復
移動する台車２３と、台車２３を往復駆動するエ
アシリンダ２４と、台車２３の両側に起伏自在に
枢着２５された支持杆２６の先端間に連結し、ト
リミングプレス機６に接近した容器連接体７と後
続の容器連接体７の境界位置へ押し付けられるク
ランプバー２７と、支持杆２６を起伏駆動するエ
アシリンダ２８とから成る。なお、エアシリンダ
２４には、容器連接体７の移動方向の長さに応じ
てストロークを変更できるストローク可変型のエ
アシリンダを使用することもある。２９は成形機
１とクランプ機構２１の間に設けたテンシヨンロ
ール、３０はトリミングプレス機６の搬出側にお
いてトリミングプレスの済んだ、すなわち切り取
り線入りの連接体７を後続の容器連接体７から切
断する切断刃で、例えば第４図示のように抜き刃
１２の搬出側に接近した個所に取付けたものなど
を用いる。３１は切断刃３０で切断された切り取
り線入り容器連接体７を積み重ねる整列台であ
る。

次に、上記構成の制御について説明すると、成
形機１の金型２がプラスチツク素材４上に降下し
て容器連接体７の成形が終了し、容器連接体７の
搬出を開始する直前に、リミツトスイツチなどに
よりエアシリンダ２８に信号が伝わり、クランプ
バー２７がトリミングプレス機６に接近した容器
連接体７と後続の容器連接体７との境界位置を押
えつけるようにエアシリンダ２８が支持杆２６を
駆動する。するとリミツトスイツチなどによりエ
アシリンダ２４に信号が伝わり、エアシリンダ２
４が台車２３をトリミングプレス機６へ向けて走
行させると同時にクランプバー２７が上記境界位
置を押えつけたまま移行させ、トリミングプレス
機６に接近した容器接体７が受台８上に到達した
ところで、エアシリンダ２４の往動作が停止す
る。その停止をリミツトスイツチなどが検知し
て、油圧シリンダ１１、エアシリンダ２４、エア
シリンダ２８にそれぞれ接続したタイマーに信号
を伝え、それらのタイマーからは、上記各シリン
ダ１１，２４，２８へ、クランプバー２７が押し
上げられ、台車２３が元位置に戻り、プレス板１
０が降下して抜き刃１２を受台８上の容器連接体
７に突き当て、各容器１３の周囲に切り取り線を
入れた後、プレス板１０が元位置に戻るように各
シリンダ１１，２４，２８を動作させる信号が伝
えられる。上記各タイマーは、容器連接体７の移
動方向の長さや、個々の容器１３の深さに応じ零
から任意の時間までを設定できるようにしてあ
る。

なお、プレス板１０が降下する過程において、
容器押え１７が容器連接体７に接近するにつれて
降下速度を遅くし、容器連接体７が第８図示のよ
うに容器押え１７の真下からずれていても、容器
押え１７のテーパー内壁面３２が第９図示のよう
に個々の容器１３のテーパー外壁面３３に片寄つ
て接しつつ徐々に降下し、個々の容器１３を第１
０図示のように容器押え１７の真下の位置へ移動
させ、容器押え１７が各容器１３に嵌合するよう
にしてある。また、プレス板１０の上昇開始と同
時に、エアシリンダ２０に信号が伝わり、ノツク
杆群１８を容器押え１７内へ押し出させ、容器連
接体７が容器押え１７に密着したまま上昇しない
ように容器連接体７を容器押え１７から突きはな
すようにしてある。またトリミングプレス機６の
プレス板１０の昇降動作は、成形機１の金型２の
昇降動作に同調させてある。

以上の動作が１サイクルとなつて反覆すること
により、成形機１から順次搬出されてくる容器連
接体７に対し、個々の容器１３の周囲に人手で切
り離しやすい程度の切り取り線、すなわち、個々
の容器１３の周囲に一連の切れ目を入れると、複
数個の容器１３が受台８上でばらばらになつて収
拾がつかなくなるので、個々の容器１３の周囲に
ところどころでつながりのある断続した切れ目か
ら成る切り取り線が入れられる。

切り取り線を入れる抜き刃１２は、成形される
容器１３の大きさが変わるごとにそれぞれの容器
の寸法に合致する抜き刃と交換する。また受台８
の上面には、抜き刃の刃先をいためない板材、例
えばゴム板を取付けるとよい。

本考案は、包装容器以外の各種成形品のトリミ
ングプレス機としても使用できる。

本考案は、叙上のように構成したから、１台の
成形機につき１台のトリミングプレス機で間に合
い、抜き刃は薄い刃を木製の枠などにはめた簡単
な構造のものを受台で受け止めるので、安価な抜
き刃が使え、しかも容器連接体における容器相互
の間隔を狭めても切り取り線を入れることがで
き、容器製品の歩留りを向上できる。したがつて
包装容器の生産設備及びコストを割安にし、大量
生産を可能にして、安価な包装容器を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るトリミングプレス機の使
用を説明する略図、第２図は同トリミングプレス
機の一部を断面にした側面図、第３図は第２図の
側面と直角方向の側面において一部を断面にし、
一部を省略した側面図、第４図はプレス板に取付
けられた抜き刃を下から見上げた状態を示す図、
第５図は上記トリミングプレス機に設けられるク
ランプ機構の要部の側面図、第６図は同要部の平
面図、第７図は同要部の端面図、第８図はノツク
機構の一部と容器押えと包装容器との位置関係の
一例を示す図、第９図はノツク機構及び容器押え
が包装容器に接近した状態を示す図、第１０図は
容器押えが包装容器を押えた状態を示す図であ
る。 １……成形機、２……金型、４……プラスチツ
ク素材、６……トリミングプレス機、７……容器
連接体、８……受台、１０……プレス板、１１…
…油圧シリンダ、１２……抜き刃、１３……個々
の容器、１４……個々の刃、１７……容器押え、
１８……ノツク杆群、２０……エアシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １度に複数個分の包装容器その他の成形品を成
   形できる金型を備え、かつ間欠的に供給されるプ
   ラスチツク素材に上記金型を当てて成形品の連接
   体を順次成形する成形機から搬出されてくる成形
   品連接体を受ける受台と、受台上に昇降自在に支
   持したプレス板と、プレス板に取付けられ、かつ
   成形品連接体における個々の成形品の周囲に切り
   取り線を入れる抜き刃と、プレス板を成形機と同
   調して昇降駆動するシリンダその他の駆動機構
   と、抜き刃における個々の刃の内側に取付けら
   れ、かつプレス板の降下時に成形品連接体におけ
   る個々の成形品の全部または一部と嵌合する成形
   品押えと、プレス板を貫通し、成形品押えの全部
   または一部の内側へ突出するノツク杆群と、プレ
   ス板の上昇時にノツク杆群を成形品に押し当てる
   ように駆動するシリンダその他の駆動機構とから
   成るトリミングプレス機。