JPS6212516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は聴覚に障害のある人々を対象とし、特
に有声性（喉頭振動の有無および強さ）鼻音性
（鼻振動の有無および強さ）などの訓練をおこな
う発声訓練装置に関するものである。

聴覚障害者を対象とした有声性，鼻音性などの
発声訓練に対しては従来、喉頭部あるいは鼻翼に
手をあててその部位の振動状態を感知して訓練を
おこなう方法や、コンタクトマイクロホンをあて
て喉頭あるいは鼻の振動を検知し、メータの振れ
もしくはブラウン管オシロスコープなどによる波
形として視覚化し、表示された振れの強さもしく
は波形の振巾から、有声と無声の判別をおこなつ
て有声性の訓練をおこなつたり、鼻音発生の訓練
や逆に不必要な鼻音化をなくす訓練などがおこな
われている。

しかしながら上述したように手をあてておこな
う方法では振動状態を十分正確に知ることが困難
である。またコンタクトマイクロホンをあててお
こなう方法では、訓練試行の様子がメータの振れ
あるいはブラウン管の波形などとして視覚化され
て表示されるが、筋肉の運動である発声に対して
実際の筋感覚とは必らずしも直感的に結びつきに
くくわかりにくい。また発声訓練はかなりの時間
にわたつて精神を集中しておこなう必要があるの
でメータやブラウン管に注意を集中することは被
訓練者にとつてかなり疲労を与える。さらに前記
従来の方法ではメータやブラウン管を用いるため
に装置が大型になる欠点がある。

本発明は上記観点に立ち、有声性や鼻音性など
の訓練に際して発声の正しさ、あるいは誤りの程
度を正確にかつ、直感的にわかりやすく知覚でき
る簡易な発声訓練装置を提供することを目的とす
るものである。

以下、図面に示した実施例とともに本発明につ
いて詳細に説明する。

第１図において、１は被訓練者が発声すること
によつて生ずる情報を検出する検出手段、２は信
号を被訓練者へ触覚的に伝える伝達手段、３は検
出手段１によつて得られた信号をもとに伝達手段
２を駆動する伝達駆動手段である。

なお、被訓練者が発声することによつて生ずる
情報の検出手段１は、たとえば喉頭振動および鼻
振動の検出に対しては、超小型の加速度トランス
ジユーサなどの既存の振動ピツクアツプによつて
実現される。また信号を被訓練者へ触覚的に伝え
る伝達手段２としては、機械的な振動・圧縮空気
などの流体の圧力・感熱式印字装置などにみられ
るサーマルヘツドなどの熱的刺激電極からの微弱
な電気刺激などを用いる方法が考えられる。しか
し流体の圧力による方法に対しては圧縮装置が小
型化を妨げるという難点があり、熱的刺激による
方法では温度変化の応答性に難点があり、電気刺
激による方法に対しては不快感があるなどの難点
がある。

従つて、伝達手段としては電磁式あるいは圧電
式などの通常の機械的振動発生装置を用いること
が望ましい。

さらに検出手段１からの信号を処理して伝達手
段２に与える伝達駆動手段３は、通常のトランジ
スタやオペレーシヨナルアンプなどによつて構成
され、検出手段１からの信号を増巾ないし、変調
などの信号処理をして伝達手段２を駆動する。

第２図は被訓練者の発声による振動情報を検出
する検出手段としての振動ピツクアツプおよびこ
の振動情報に応じた信号を被訓練者に触覚的に伝
達する手段としての振動子の取付方法を示してい
る。同図において、４および５はそれぞれ鼻音性
訓練のための振動ピツクアツプと振動子であり、
振動検出部位の近傍にそれぞれの触覚的伝達手段
である振動子の５および７を配置している。

本発明による発声訓練例えば鼻音性の訓練で
は、振動ピツクアツプから得られた信号を鼻振動
の強さに応じて増幅し、振動子を通じて直接被訓
練者の皮膚に感知できる振動としてリアルタイム
でフイードバツクさせるため、被訓練者が年少で
あつても鼻音の訓練であることの認識が容易であ
り、また訓練試行の結果の正誤の判定、および振
動の強さの程度から正しさあるいは誤まりの程度
も把握できる。また振動子を被訓練者の皮膚に固
定させることができるので、被訓練者はかなり自
由な姿勢でも訓練が可能である。

第３図は、本発明の発声訓練装置に用いられる
伝達駆動手段の一実施例を示すブロツク線図であ
る。この伝達駆動手段は、検出手段により検出さ
れた信号ａを増巾する増巾器８と、この増巾器８
の出力の包絡線を検出する包絡線検波器９と、包
絡線検波器９の出力信号６を変調波として振巾変
調をおこなう変調器１０と、変調器１０の出力信
号を増巾して被訓練者へ触覚的に伝達する伝達手
段を駆動する駆動回路１１と、変調器１０に搬送
波成分を与える数十〜1KHzの発振器１２から構
成される。

なお、第４図ａ〜ｄは第３図の各部信号波形図
である。

本実施例によれば、被訓練者の発声によつて生
ずる情報の信号波形を、包絡線検波器９によつて
そのエンベロープ波形を取出しこのエンベロープ
波形により発振器１２からの単一周波数波を振巾
変調する。そして変調器１０の出力波形が駆動回
路１１を経て被訓練者に触感として伝達される。
このように伝達駆動手段を本実施例のように、入
力と出力とで信号周波数を異ならせしめるように
構成することにより、伝達手段の出力が検出手段
の入力となつて生じるハウリングを防止すること
ができる。

以上のごとく本発明は被訓練者の発声により振
動する部位より振動情報を検出する検出手段と、
前記振動情報に応じた信号を被訓練者の振動検出
部位の近傍において触覚的に伝達する伝達手段
と、前記検出手段により検出された振動情報をも
とに前記伝達手段を駆動する伝達駆動手段とによ
り発声訓練装置を構成したので有声性や鼻音性な
どの訓練に際して従来の方法では知覚できにく
い、鼻音性あるいは有声無声の区別等の訓練の種
別や発声の状態を正確にかつ直感的にわかりやす
く知らせることができ、また被訓練者の疲労を大
巾に軽減させることができ、さらに装置の小型化
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である発声訓練装置
のブロツク線図、第２図は振動ピツクアツクおよ
び振動子の取付状態の斜視図、第３図は本発明発
声訓練装置における伝達駆動手段の詳細な構成を
示すブロツク線図、第４図は第３図に示す伝達駆
動手段の各部信号波形図である。 １……検出手段、２……伝達手段、３……伝達
駆動手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被訓練者の喉頭部，鼻翼など被訓練者の発声
   により振動する部位より振動情報を検出する検出
   手段と、前記振動情報に応じた信号を被訓練者の
   振動検出部位の近傍において触覚的に伝達する伝
   達手段と、前記検出手段により検出された振動情
   報をもとに前記伝達手段を駆動する伝達駆動手段
   とを備えたことを特徴とする発声訓練装置。 ２ 伝達駆動手段として検出手段により検出され
   た振動情報の振動周波数を変換し、周波数変換さ
   れた信号で伝達手段を駆動する手段を用いること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の発声訓
   練装置。 ３ 伝達手段として振動子を用いたことを特徴と
   する特許請求の範囲第１項または第２項記載の発
   声訓練装置。