JPS6211921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、下着に係止して、セーターの下に着
るとあたかも下にブラウス類（Ｙシヤツ、カツタ
ー、ブラウス、プルオーバー等々）を着ているよ
うに見えるジレーに関するものである。従来衣服
に係止して着る周知のジレーは、本体が首まわり
から肩にかかる寸法が僅かしかなく、下着に係止
して着るとスーツのように首に添つた衿腰の高い
衿付き上着を着る場合はよいがセーターのように
衿のない上着を着ると体を少し動かしただけでも
下着との係止が見えて見苦しく、まして、衿肩明
の広いゆつたりした衿明きセーターと組合せて着
ることはとうていできなかつた。従つてジレー
は、首に沿つた衿腰の高いスーツのような上着を
着るか、又は、ジレーを直接上着の裏側に係止し
て着用していた。しかし、上着がニツト地のセー
ターの場合は直接ジレーを係止するには、セータ
ーの表面に係止具の取りつけが目立たぬように而
も頻繁な着脱に堪えるように係止具を取りつける
ことは困難であり、伸縮性のあるセーターにジレ
ーを係止すると、セーターの下に、あたかもブラ
ウスを着ているように見える効果は得られなかつ
た。又、係止方法も、縫着するもの、ジレーと下
着の合致する個所に多数の通孔を設けて、紐を通
して結ぶ着脱が面倒なもの、係止具が固いボタン
で係止部分が嵩ばり表面にひびくものなどよい方
法はなかつた。以上のように周知ジレーは服装簡
素化のための略装が却つて面倒な衣服となり実用
的衣服とはいえなかつた。本考案は上記の欠点を
解消し、どんな衿明きのセーターでも組合せるこ
とができ、ワンタツチで下着に係止して着るジレ
ーを提供するものである。

本考案の構造を図に基づいて説明するとジレー
本体１は、各図面が示すように、ほぼ肩巾に達す
る長さを底辺とし、高さを肩の首のつけ根からバ
ストライン辺り乃至バストラインとウエストライ
ンの中間あたりまでとした逆三角形状の前身頃と
底辺が前身頃と同寸、高さを前身頃より低くした
逆三角形状の後身頃を肩線で肩傾斜に合せて縫合
し、外縁頂点部２即ち左右の肩先と前身頃の中心
に布製フアスナー雄側、雌側、何れか３が取り付
けてある。

前身頃の前明きが下まで明いているもの、途中
まで明いているもの、ニツトのトツクリ衿などか
ぶるものでもよく、衿のあるものないもの任意で
ある。布製フアスナーは図面にあつては本体の表
面についているが裏面であつてもよい。

（本考案のジレーの係止相手の下着とは、ジレ
ーの上に着る、下に着るという意味での上、下で
はなく、肌着が衣服として表面に出して着るもの
でないのと同じ意味で肌着を含めて衣服として表
面に着ることのない衣服を指している） 上記のように構成されたジレーは、ジレーにつ
いている雄側又は雌側何れかの相手側のついた下
着に係止して、セーターなど上着と共に着用す
る。

本考案のジレーは以上のように構成されている
ので、 (1) ジレー本体は肩を覆う寸法、前身頃はセータ
ーとしては深いＶ明きを想定した寸法で作られ
ているのでよほど前を大きくくつた特殊デザイ
ンのセーターは別として、丸首明き、角明き、
Ｕ字明き、Ｖ字明きのもの、上記のもので衿肩
明が広いもの、後衿ぐりがネツクから放れたも
の等々、種々のセーターの衿ぐり線より大きな
寸法を含んでおり、而も上記機能をもつジレー
としては、逆三角形状に形成したことでセータ
ーとの重なる部分は最小限である。

(2) 前後身頃が三角形状であるので複数個同じ布
で作る場合裁ち合せができ裁断が合理的であ
る。

(3) 係止する相手が下着であることと、下着との
係止個所が両肩先と前後中心の頂点部であるこ
とでジレーは縦、横十字方向にバランスよく下
着と共に引張られ、体にフイツトする。

（下着は前後、裾を引いてスカート、スラツ
クスの中に入れるので縦方向に引張り、肩の頂
点部は、袖を手先方向に引張つて着るのでジレ
ーは十字方向にピンと引張られた状態とな
る。） (4) 各頂点が十字方向に引張られることと、各頂
点間が直線であることで頂点間は、ピーンと張
るので下着に密着し、頂点間は係止しなくても
よい。（身頃の中心を縦地にとる普通の裁断は
頂点間の直線はバイヤス地となり布の伸びが懸
念されるが布端の裁ち目処理の時テープを引る
ことで伸びは防止できる） (5) 係止具に布製フアスナーを用いたことによ
り、係止具の取りつけがミシン縫いによるしつ
かりした縫着ができ、頻繁な着脱に堪え、係止
具の脱落がない、着脱がワンタツチ方式で手間
を要さず、係止部分が平らで嵩高でなく、表面
にひびかない。

以上のような機能を有した本考案のジレーは、 (1) セーターとの組合せが自由にできる利用度の
高いジレーで価格高のブラウスの代りとなる実
用的、経済的な装いを提想とする。

(2) ジレー製造については、要尺、係止具を要せ
ず、縫製工程も削減し、コスト安となる。

(3) 下着がブラウス類のボデイーの役をなしたよ
うな状態で着用するので、セーターの下にあた
かもブラウスを着ているように見せる目的を充
分達し、略装であつても安心して着用できる。

(4) 着脱が簡単で、しかも係止具を縫着により取
りつけるので脱落することはなく、係止部分が
平らで目立たない。

(5) 係止相手の下着は、ジレー係止用の下着とし
て着用するばかりでなく、極普通の下着として
着用できジレーを係止することもできる実用的
下着として下着単品でも商品になり得る間接的
な利点もある。

以上本考案のジレーは実用的、経済的であり服
装の簡素化に貢献する効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例を示すもので後身
頃を展開した実施図、第２図、第３図は本考案の
ジレーのデザインの一例を示す実施図。 １は本体、２は外縁の頂点部、３は雄側、雌側
何れかの布製フアスナー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 央部に衿ぐりを設けて、係止具によつて着脱自
   在とした背抜きジレーに於てジレー本体１の前身
   頃を底辺がほぼ肩巾に達する長さ、高さが肩線上
   の首のつけ根からバストラインあたり乃至、バス
   トラインとウエストラインの中間あたりとした逆
   三角形状とし、後身頃を前身頃と同じ底辺、高さ
   が前身頃より低くした逆三角形状とし、底辺部を
   肩線にて肩の傾斜に合せて縫合し、前後身頃の外
   縁頂点部に雄側又は雌側の何れかの布製フアスナ
   ーを設けた、布製フアスナーで下着にとりつけセ
   ーターの下に着る背抜きジレー。