JPS621024Y2

JPS621024Y2 -

Info

Publication number: JPS621024Y2
Application number: JP6494081U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-02
Filing date: 1981-05-02
Publication date: 1987-01-10
Also published as: JPS57176378U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、建設機械、土木機械、農業機械等
の装軌車両における転輪装置、さらにくわしく言
えば片持ち支持形の上転輪装置に関するものであ
る。

第１図は油圧シヨベルの一例を示し、走行体の
フレーム３の前後には遊動輪５、駆動輪６が支持
されており、両輪５，６間には無端状の履帯４が
かけ渡されている。履帯４の上がわはフレーム３
に取付けた上転輪１に支えられ、履帯４の下がわ
はフレーム３に取付けた下転輪２で受けられてい
る。上転輪１はフレーム３との間に土砂等が堆積
しやすいことから、できるだけフレーム上面には
土砂の付着を助長しないよう固定物を設けないよ
うにし、堆積した場合にも除去しやすいように、
片持ち構造とし、回転不能になるのを防止するの
が通例である。上転輪１は、走行中における履帯
４の張力の下向きの荷重成分および履帯４の上が
わ部の重量を支持する。

つぎに、従来の上転輪装置を第２図および第３
図により説明する。

軸７は軸受８にしまり嵌め嵌合させられ、ロー
ルピン９で固定されている。軸７の軸受８がわの
外周面部には潤滑油の漏れを防ぐＯリング１０が
取付けられている。軸受８はボルト締め、あるい
は溶接によりフレーム上面部３ａに固定されてい
る。

上転輪１の穴にはブツシユ１１Ａ，１１Ｂが圧
入されており、両ブツシユ１１Ａ，１１Ｂは軸７
にはめこまれている。上転輪１と軸受８との対向
部には、潤滑油を密封するためのメカニカルシー
ル１２が設置されており、上転輪１の反軸受がわ
の端部にはカバー１３がボルト１４により固定さ
れており、軸７のカバーがわの端面部には、スラ
ストプレート１５がボルト１６により固定されて
いる。カバー１３の中央部にはプラグ２２が取付
けられており、カバー１３の上転輪１への嵌合部
にはＯリング２３が取付けられている。

上転輪１の中央内部には油溜め１７が設けら
れ、カバー１３の内部には油溜め１８が設けられ
ている。軸７の軸心部には油溜め１８に開口する
油道１９が設けられ、軸７の半径方向には、一端
を油道１９に開口させ他端を油溜め１７に開口さ
せた油穴２０Ａと、一端を油道１９に開口させ他
端をメカニカルシール油溜め部２１に開口させた
油穴２０Ｂとが設けられ、軸７の下がわ部にはブ
ツシユ１１Ａ，１１Ｂとの間に隙間を形成する油
溝２４Ａ，２４Ｂが設けられている。

この上転輪装置における注油は下記のようにし
て行う。第３図に示すように、軸７の油道１９
に、外周面部にＯリング２６を取付けた円管状の
注入治具本体２５を挿入し、カバー１３のボルト
締付面がわを上面にして注入治具本体２５の穴２
５ａを通して潤滑油３０を注入する。注入した潤
滑油は、油穴２０Ｂを経て油溜め部２１に導かれ
る。油溜め部２１内の空気は、油溝２４Ａを経て
油溜め１７に至り、さらに、油穴２０Ａ、注入治
具本体２５と油道１９の内周面との隙間２７を通
つて油溜め１８へ、あるいは油溝２４Ｂ、ブツシ
ユ１１Ｂの油溝２８、カバー１３の油溝２９を通
つて油溜め１８に至り、プラグ２２の穴から大気
中へ放出させられる。油溜め部２１中に潤滑油が
充満されると、上記空気通路を通つて油溜め１８
に油が充満する。油溜め１８の空気は上記のよう
に放出させられる。注入油量は油溜め１８を充満
する程度で第２図の上転輪の取付け状態において
油面３０ａに達する。

上述した従来の上転輪装置においては、軸７に
油道１９、油穴２０Ａ，２０Ｂ、油溝２４Ａ，２
４Ｂを加工し、ブツシユ１１Ｂに油溝２８を設け
てある。これらの油通路は潤滑油注入用であつ
て、外力に対する軸の曲げ強度、摺動面の耐摩耗
性、生産性等からみると損失である。また、長期
稼動後、油量を点検する際、プラグ２２が上転輪
１の回転中心線上にあるため、上がわの正常油面
３０ａとプラグ２２の穴の下面との間に十分潤滑
油がある場合には、プラグ２２をはずすと潤滑油
が流出するため、実際の油面がわからない。した
がつて、上記の油面の変動期間での油もれを初期
に検知できない。さらに、現地で潤滑油を補給す
る際、上転輪１は第２図の状態になつているの
で、油穴２０Ｂ，２０Ａが上向きに位置するよう
にしないと（第３図は下向きである）潤滑油は軸
７の下面までしかはいらない。しかし、油穴２０
Ｂ，２０Ａの位置は外部からはわからない。か
つ、注入治具本体２５は長く、Ｏリング２６で封
止する形状であるため、その挿入、引き抜きに変
間がかかり、その間注入した潤滑油が流出する。

この考案は、軸に油の通路を加工せず、潤滑油
の注入を容易、確実に行うことができる上転輪装
置を提供することを目的とするものである。

以下、この考案の一実施態様を第４図および第
５図により説明する。第４図において、第２図お
よび第３図と同じ符号をつけたものは、同じも
の、もしくは相当するものを表わす。

カバー１３の内がわ端面の上下部にはそれぞれ
油溝３１Ａ，３１Ｂが設けられており、外がわ端
面の上下部にはそれぞれ上プラグ３２、下プラグ
３３が設けられており、上プラグ３２の穴はカバ
ー１３に設けた油穴３４を介して油溜め１８の上
端部および油溝３１Ａにつらねられ、下プラグ３
３の穴はカバー１３に設けた油穴３５を介して油
溝３１Ｂにつらねられている。油溝３１Ａ，３１
Ｂは上転輪１に形成した環状油室３６につらなつ
ている。

油溜め１７は、上転輪１に対称に設けた油穴３
７Ａ，３７Ｂを介して環状油室３６につらねられ
ているとともに、上転輪１に対称に設けた油穴３
７Ｃ，３７Ｄを介して油溜め２１につらねられて
いる。

この考案の上転輪装置における潤滑油の注入
は、上プラグ３２、下プラグ３３を取りはずし、
下プラグ３３の穴に注入管３８ａの先端部にゴム
ブツシユ３８ｂを取付けた注入治具３８のゴムブ
ツシユ３８ｂを密着させて行う。注入された潤滑
油は、油穴３５、油溝３１Ｂ、環状油室３６、油
穴３７Ａを通つて油溜め１７に流入し、ついで油
穴３７Ｃにはいる。この際油の注入量と同量の空
気は、油溜め２１、油穴３７Ｄを通つて油溜め１
７内の空気とともに、油穴３７Ｂ、環状油室３６
の上部、油溝３１Ａ、油穴３４、上プラグ３２の
穴を経て外部に排出させられる。注入油量に応じ
て油面は上昇し、第４図の状態でのスラストプレ
ート１５の上面と油溝３１Ａとで形成される油道
の環状油室３６に面する位置まで油面が到達する
と、連通効果で油溜め２１，１７の油面も同じ高
さまで達し、それ以上油を注入すると、油溜め２
１，１７の空気は油溝３１Ａの逃げ道を油でふさ
がれ、油面は上昇せず、油は油溜め１８にはじめ
てはいる。さらに油の注入を続け、油溜め１８内
の油面が油穴３４の下面に達すると、油は上プラ
グ３２の穴から外部に流出するに至る。この状態
で、上プラグ３２を締込み、さらに注入治具３８
を取りはずし、下プラグ３３を締込む。このよう
にして油の注入が完了する。なお、注入治具３８
を取りはずしても、プラグ３２を締込んであるゆ
え、内部の注入油は下プラグ３３の穴から流出す
ることはない。したがつて、注油完了時における
油溜め２１，１７の油面は３９の位置となり、油
溜め１８の油面は４０の位置となる。この油面の
差は短時間（上転輪１の10回転程度）で均一化さ
れ、油溜め１８の油面４０は注油完了時より上昇
し、上プラグ３２の穴を沈める位置まで上がる。
したがつて、長期稼動後、機械を水平にして、上
プラグ３２を上がわに位置させ（カバー１３が上
転輪１とともに回転するので）上プラグ３２をは
ずして中から油が流出してくるか否かで、潤滑油
量を点検できる。

以上説明したこの考案によれば下記の効果が得
られる。

(1) 軸に油の通路を加工しないので、その強度を
増大し、かつ、生産性を向上することができ
る。

(2) 横置き（第４図の取付け状態）で潤滑油の注
入を行うことができるので、現地での油の補給
が容易になる。

(3) 油量の点検は上プラグをはずすことで行え
る。

(4) 現地で油を補給する際、注入治具の押付け、
取外しが容易なので、補給時間を短縮でき、か
つ、外部に油を流出させないですむ。

【図面の簡単な説明】

第１図は油圧シヨベルの一例を示す側面図、第
２図は従来の上転輪装置を示す断面正面図、第３
図は第２図の上転輪装置における注油態様を説明
するための説明用断面図、第４図はこの考案の一
実施態様を示す断面正面図、第５図は第４図の上
転輪装置における注油態様を説明するための説明
用断面図である。１・・上転輪、３・・フレーム、８・・軸受、
９・・ロールピン、１１Ａ，１１Ｂ・・ブツシ
ユ、１２・・メカニカルシール、１３・・カバ
ー、１４・・ボルト、１５・・スラストプレー
ト、１６・・ボルト、１７・・油溜め、１８・・
油溜め、２１・・メカニカルシール油溜め、３１
Ａ，３１Ｂ・・油溝、３２・・上プラグ、３
３・・下プラグ、３４，３５・・油穴、３６・・
環状油室、３７Ａ，３７Ｂ，３７Ｃ，３７Ｄ・・
油穴。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

フレーム３に固定した軸受８に軸７を取付け、
その軸７に、中央内部に油溜め７を設けた上転輪
１をブツシユ１１Ａ，１１Ｂを介して支持させる
とともに、軸受８と上転輪１との間にメカニカル
シール１２を設置し、上転輪１の反軸受がわ端部
に、内がわ部に油溜め１８を設けたカバー１３を
取付けた上転輪装置において、カバー１３の内が
わ端面部には油溝３１Ａ，３１Ｂを設け、外がわ
端面部には上プラグ３２と下プラグ３３を設け、
上プラグ３２の穴をカバー１３に設けた油穴３４
を介して油溜め１８の端縁がわにつらね、下プラ
グ３３の穴をカバー１３に設けた油穴３５を介し
て油溝３１Ｂにつらね、油溝３１Ａ，３１Ｂを上
転輪１の内部に形成した環状油室３６につらね、
油溜め１７を、上転輪１に設けた油穴３７Ａ，３
７Ｂを介して環状油室３６につらねるとともに、
油穴３７Ａ，３７Ｂの反対がわにおける上転輪１
部に設けた油穴３７Ｃ，３７Ｄを介してメカニカ
ルシール１２の油溜２１につらねたことを特徴と
する上転輪装置。