JPS6147328B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、角度的に不整列の軸の間において回
転運動を伝達するための可撓性継手、特に関節継
手に関するものである。

本発明は、抗井掘削用ネジ型ダウンホールモー
タにおいて、旋回運動を成すロータを、ドリルビ
ツトを結合された支持ユニツトの軸と連結するた
めのユニツトとして最適であろう。

また本発明は、掘削工程中に抗井方向を変える
ように設計された被制御傾斜掘り用ターボドリル
において使用することもできる。また本発明は前
記以外の機械、たとえばネジ型ポンプにおいて使
用することもできる。

ネジ型ダウンホールモータおよびネジ型ポンプ
においては、相互に連結された２個の関節継手が
使用され、また被制御傾斜掘用ターボドリルにお
いては、１個の関節継手が使用される。

ダウンホール機構において枢着ユニツトを使用
する場合、駆動部材から被駆動部材まで、即ちド
リルビツトまで、これらの枢着ユニツトによつて
大軸方向スラストの伝達が行なわれる（たとえ
ば、マルチプルスタート駆動部材を備えたネジ型
ダウンホールモータにおいては、トルクは4000〜
5000Nｍに達し、軸方向スラストは100〜150kN
に達する）。

関節ユニツトを使用する場合の他の特色は、ダ
ウンホールモータを抗井の中に配置する必要か
ら、ユニツトの直径寸法が厳しく制限されること
である。

ネジ型ダウンホールモータの可撓性継手として
は米国特許第3260069号明細書に開示のものが公
知である。この継手は上接続部と下接続部を含
み、これらの接続部に対して管状セグメントが備
えられ、これらのセグメントに有形ローブとロー
ブスペースが備えられ、これらのスペースによつ
て一方のセグメントのローブが隣接セグメントの
ローブスペースと遊隙をもつて嵌合する。セグメ
ントの中心中空部の中にスペーサ要素が配置さ
れ、各スペーサは両端面にボールを収容するため
の球形ソケツトを作られている。この可撓性継手
は外部から弾性素材のブーツの中に包囲されて、
その内部に潤滑剤を保持する。上接続部と下接続
部はそれぞれロータとモータ出力軸に連結され
る。

この可撓性継手によるトルク伝達は隣接管状セ
グメントのローブの相互作用によつて実施され、
また軸方向スラストはスペーサ要素とそのソケツ
ト中に嵌合されたボールとによつて伝達される。

管状セグメントのローブ相互間に遊隙が存在す
るが故に、管状セグメントは相互に角度的に転位
されることができ、その結果この継手は所要の可
撓性を得る。しかしながら、この可撓性継手が作
動しているとき、管状セグメントのロープが絶え
ず相互の上を摺動し、その結果、高ユニツト荷重
条件においては、接触面において、摩擦損と摩耗
とを生じる。

さらに、スペーサ要素とボールとによつて軸方
向スラストが伝達される場合にも、これら要素の
面が摺動係合しているので、摺動摩擦と摩耗が生
じる。

また先行技術においては、ロータとネジ型ダウ
ンホールモータ出力軸とを連結するために使用さ
れる関節継手が公知である（米国特許第3357208
号明細書）。この関節継手は、内側歯列を備えた
外側継手半体と、前記内側歯列と協働する外側歯
列を備えた内側継手半体と、内側継手半体を相互
に連結する管と、軸方向スラスト伝達手段と、シ
ールとを含む。軸方向スラスト伝達手段は、スラ
ストバーを含み、これらのスラストバーは、その
接触点が歯列の中央を通る面の中にあるように外
側継手半体と内側継手半体の中に固着される。

継手半体の歯列の中のバツクラツシによつて継
手の角度的不整列が実施され、これによつてトル
ク伝達が実施される。継手の連続角度プレセツシ
ヨン移動の故に、継手半体の歯列面によるトルク
伝達に伴つて、その接触面の強度の摺動作用と摩
擦とが生じる。

そのほか、歯列が角度をもつて作動するとき、
継手半体の歯列上において、明白に不均一な荷重
分布が存在する。角度的に対して垂直の面の中に
ある歯が最も荷重を受けるからである。これらの
歯の縁接触がひずみと、その破断とを生じる。

先行技術（米国特許第4157022号参照）におい
てダウンホール流体モータ用の他の関節継手が公
知である。この継手は、ヨークを備えた２個のヘ
ツドと、それらの間に配置されたセンタークロス
とを含む。これらのヨークとセンタークロスの開
口を通して、相互に直角方向にピンが挿通され、
一方のピンは一体構造であり、他方のピンは２部
分から成る。ヨークの内側面とセンタークロスの
外側面との相互作用により、またピンと、ヨーク
およびセンタクロスの開口の面との相互作用によ
つて、トルク伝達が実施される。この継手は潤滑
システムを備え、このシステムは、継手中の潤滑
剤の圧と、継手を包囲する流体の圧とを平衡する
給油器を備える。

この関節継手の欠点は、トルクおよび軸方向ス
ラストの伝達が相対的摺動運動を成すように係合
した要素面を通して実施され、継手の過度の摩耗
および耐久性の減退を生じることである。

また、モスコー、出版社“ゴストツプテフイズ
ダツト（GosToptekhizdat）”出版のクリロフ
（Krylof）A.V.著”単一ネジポンプ
（SingleScrew Pumps）”、1962年、58頁、第４１
図に記載の関節継手も公知である。この継手は２
個の円筒形継手半体と、これらを包囲するケージ
と、ころとを含む。継手半体の外側面上と、ケー
ジの内側面上とに、円筒形断面の縦方向みぞ穴が
形成されており、これらのみぞ穴の軸線は継手半
体とケージの軸線に対して平行である。継手半体
とケージの中間の前記みぞ穴の中に円筒形ころが
配置されている。継手半体の端面に球形ソケツト
が作られ、これらのソケツトはそれぞれスラスト
部材を収容し、スラスト部材の末端も球形を成
す。継手の角度的不整列は、みぞ穴の壁面ところ
との間の遊隙の存在によつて実施される。トルク
伝達は、継手半体およびケージの中のみぞ穴の面
と、これらみぞ穴の中に収容されたころとの相互
作用によつて実施される。軸方向スラストは、ス
ラスト部材を介して一方の継手半体から他方の継
手半体に伝達される。

前述の各継手において見られた主な欠点、即ち
接触面間の相対滑りがこの関節継手においても見
られる。この関節継手の揺動（プレセツシヨン）
運動に際して、継手半体のみぞ穴の面はころの面
の上を、ころ軸線に沿つて摺動し、摺動略は継手
の角度的不整列の大きさと、継手半体の軸線から
ころの面までの距離とによつて限定される。

この公知の関節継手の他の欠点は、駆動継手半
体と被駆動継手半体の側面に作用する逆方向応力
の偶力の作用で、ころの軸線が継手半体のみぞ穴
とケージの軸線に対して角度的に不整列となるよ
うにころが回転する傾向を示すことである。この
ような条件においてみぞ穴面に対してころが縁接
触する結果、ころの急速な摩耗または破断を生じ
る。このような欠点の故に、関節継手のトルク伝
達能力が大巾に制限される。

そのほか、前記関節継手が作動しているとき、
ころとみぞ穴面との接触部に作用する応力の方向
が、接触点において半径に対して直角に引かれた
方向と一致しないが故に、ケージに対して外向き
くさび応力が生じることである。

本発明は、簡単な信頼性の高い構造により継手
要素間の最小限摩擦損をもつて、大トルクと大軸
方向スラストを伝達することのできる高耐久性の
関節継手を提供することを目標としている。

本発明は、円筒形ケージの中に取付けられたこ
ろを介して相互に動的に連結された２個の円筒形
継手半体から成る関節継手において、本発明によ
れば、前記継手半体の相互に対向する端面はグル
ーブを備え、このグルーブの中に前記ケージが遊
隙をもつて設置され、また前記ケージと継手半体
の中に実質放射方向の同軸孔が作られ、これらの
孔の中に前記ころが遊隙をもつて設置され、継手
半体は前記孔の中にころを保持するための手段を
備えるにある。

継手半体とケージの孔の中にころが放射方向に
配置され、またころと孔の壁面との間、およびケ
ージと継手半体のグルーブとの間に遊隙が存在す
るので、角度的に不整列の軸の連結のために、関
節継手の半体の角度的不整列を成すことができ
る。この場合、一方の継手半体の他方継手半体に
対する角度揺動（プレセツシヨン）は、ケージと
継手半体の中の孔の壁面上をころが相対運動する
ことによつて実施され、最小限の摩擦損を伴う。

ころ保持手段は、継手半体外部から弾性ガスケ
ツト上に遊隙をもつて設置されたケーシングの形
を成すことが適当である。

ケーシングと継手半体との間に遊隙が存在する
こと、およびケーシングを設置したガスケツトの
弾性の故に、関節継手の角度的弾性を生じ、また
弾性ガスケツト上にケーシングを設置することに
より、関節継手の内部スペースを周囲媒質から離
間し、潤滑剤の漏れを防止し、また研摩性掘削液
が内部に進入することを防止する。

各継手半体の端面上のグルーブを外壁と内壁を
有する円筒形環状グルーブの形に作り、前記ケー
ジを、継手半体のこのグループの中に遊隙をもつ
て設置された中空円筒体に作り、前記グルーブの
外壁と内壁の中に放射孔を作り、これらの孔の中
に収容されたころをこのグループの内外壁面とケ
ージとに対して当接させることが好ましい。

このような構造により、ころの角度的不整列、
ならびに接触面に対して直角方向と略一致する方
向へのころのトルク誘導外周応力の伝達が防止さ
れる。このようにして、トルクの伝達は最良接触
条件で実施され、また各ころは対称的に荷重を受
け、３接触点を有する。

遊隙の存在により、荷重を受けたケージはグル
ーブの内壁と外壁に対して自己整列され、またこ
ろも、ケージと継手半体の放射孔の中において自
己整列される。これらすべてのことが、関節継手
の荷重担持能力を増大し、大トルクの伝達におけ
るその動作を確実なものにし、またその構造をコ
ンパクトな簡単なものにする。

ケージと継手半体の孔の壁面上のころの運動が
転動に帰着するが故に、この関節継手は、高い荷
重担持能力と共に、すぐれた信頼性と耐久性とを
示す。

関節継手の他の好ましい実施態様においては、
各継手半体の端面におけるグルーブは、その継手
半体の外周部に環状ツバが形成されるように作ら
れ、ケージの各端面に環状グルーブが作られて両
壁を成し、これら両壁の中間に継手半体のツバが
遊隙をもつて収容され、ケージの両壁と継手半体
のツバの中に放射孔が延在し、これらの放射孔の
中に設置されたころが前記ケージグルーブの両壁
と継手半体のツバの上に当接する。

関節継手のこの実施態様は前記のすべての利点
を備える。

そのほか、この実施態様は、ケーシングと弾性
ガスケツトの形状を変更することによつて得られ
た継手の可撓性の改良等の追加的特性を有する。
継手半体の外径を減少させることにより、ケーシ
ングの内側面と継手半体の外側面との遊隙が増大
されるからであり、継手半体の全外径は同一に保
持され、その荷重担持能力は全く低下しない。

継手半体の端面はその中心部において、一方の
継手半体から他方の継手半体へ軸方向スラストを
伝達するための手段を適当に備えることができ
る。

このようにして、この関節継手は、角度的不整
列軸の間において同時にトルクと軸方向スラスト
を伝達する必要のある状態において、たとえばネ
ジ型ダウンホールモータ、ネジ型ポンプ、および
被制御傾斜掘り用ターボドリルにおいて使用する
ことができる。

一方の継手半体から他方の継手半体へ軸方向ス
ラストを伝達する手段は、継手半体の対向接触端
面の形に形成され、これら端面の少なくとも一方
は球形に形成されることが好ましい。

継手半体の接触端面のこのような実施態様は、
ころを軸方向スラストの作用から解放し、また継
手半体の角度的揺動運動に際してその相互当接面
の相対的転動を可能にするものである。

一方の継手半体から他方の継手半体へ軸方向ス
ラストを伝達する手段は、両方の継手半体の中間
に設置されたインサートの形に形成することが望
ましい。

このようにインサートの形に形成すれば、関節
継手の製造が簡略化される。

以下本発明を図面に示す実施例について詳細に
説明する。

以下においては、本発明をネジ型ダウンホール
モータについて応用した実施例について述べるの
であるが、この例は単に説明のためであつて、制
限的でないことを了解されたい。本発明は、旋回
路を動くロータを備えたネジ型ポンプ、および被
制御傾斜掘用ターボドリルについても有効に使用
される。

第１図について述べれば、この図には本発明に
よる関節継手が使用されているネジ型ダウンホー
ルモータが図示されている。このモータ１の上端
は、地表にまで延びるドリルストリング２の下端
に対して連結されている。このモータは、揚降操
作に際してドリルストリングの内部に掘削液を出
入させるためのバイパス弁３を備えている。この
弁３の本体に対してステータ４が連結され、この
ステータはその内部にロータ５を収容し、このロ
ータの軸線はステータ軸線に対して偏心度ｅの値
だけ偏心されている。ロータ５の下端に対して複
式連結部６が取付けられ、この連結部は上関節継
手７、連結ロツド８および下関節継手９を含む。
関節継手７と９は同一構造であるから、その一方
の構造のみについて下記に説明する。

下関節継手９は支持ユニツト１１の中空軸１０
の上部と連結され、この支持ユニツト１１は、抗
井掘削工程においてモータの作動中に生じる軸方
向スラストおよび放射方向荷重を取上げるための
手段を備えている。ドリルビツト１２が中空軸１
０の下端に取付けられている。

このモータは下記のように作動する。

地表からドリルストリング２を通してポンプに
よつて送られる掘削液は弁３の中を通り、ロータ
５とステータ４との間隙に入り、ロータ５を回転
させる。ステータ４の下部から、掘削液はモータ
のハウジング１３と複式連結部６との間隙の中に
流入し、次に開口１４を通つて中空軸１０の内部
に入り、さらにドリルビツト１２を通して坑底に
入る。そこから、掘削液はドリルストリング２の
外面と坑井壁面との環状スペースを通つて地表ま
で戻される。

ネジ型モータ１の作動中に、そのロータ５はス
テータ４の軸線に対して常に移動させられ、旋
回、路の中を移動するが、モータの中空軸１０
は、ステータ４の軸線と一致した共通軸線に対し
て同心的に、支持ユニツト１１の中を回転する。

ロータ５の偏心運動は、本発明による関節継手
７と９を含む複式連結部６を用いて軸１０の同心
回転運動に変換される。関節継手７と９は、ロー
タ５に作用する液圧から生じるトルクと軸方向ス
ラストを伝達する。

本発明による関節継手は、２個の円筒形継手半
体１５，１６（第２図）、中空シリンダの形状を
成すケージ１７、およびころ１８とを含む。半体
１５と１６の相互に対向する端面は、円筒形環状
グルーブの形に作られたグルーブ１９を備える。
これらのグルーブはそれぞれ外壁２０と内壁２１
を有し、またケージ１７はこれらの半体のグルー
ブ１９の中に遊隙をもつて配置されている。半体
１５，１６の外壁２０と内壁２１の中に、またケ
ージ１７の中に、それぞれ実質同軸の放射方向孔
２２と２３が備えられ（第２図および第３図）、
これら孔の中にこの１８が遊隙をもつて配置され
ているので、これらのころ１８はそれぞれ外壁２
０と内壁２１およびケージ１７の上に載置され
て、半体１５と１６の間の動連結を成す。

ケージ１７と、半体のグループの壁面２０，２
１との遊隙、ならびにころ１８と、放射方向孔２
２，２３との遊隙は、第２図と第３図においてこ
の枢着連結部が荷重を受けていない状態で示され
ていることに注意しなければならない。これらの
遊隙の値は、関節継手の所要角度から選定され
る。関節継手にトルクを掛けると、これらの遊隙
の再分布が生じる。これについては後で述べる。

ころ１８は、関節継手の外周に向いた側に丸い
端部２４を備えている。

第２図について述べれば、各継手半体１５また
は１６において、放射孔２２，２３とその内部の
ころ１８は同一面に配置されている。専門家には
明らかなように、放射孔２２，２３ところ１８は
ケージ１７および半体１５と１６の中において他
の配置を取ることができ、各半体１５または１６
の中の放射孔２２，２３、およびケージ１７の一
部をそれぞれ収容した各半体のグルーブ１９は、
２以上の横方向面の中に配置することができ、あ
るいは互い違いに配置することができる。第３図
に図示のころ１８の数は一例として示したもので
あつて、本発明を限定するものではない。これら
のころの数は第３図に図示のものより多くしまた
は少なくすることができ、このころの数は、関節
継手の作動条件によつて決定される。ころ１８は
継手半体１５，１６およびケージ１７の素材より
固い素材で作られることが好ましい。

継手半体１５，１６（第２図）の外側に、ころ
１８を放射孔２２と２３の中に保持するための手
段２５が配置される。この手段２５は、継手半体
１５，１６に対して放射方向遊隙をもつて弾性ガ
スケツト２７，２８の上に備えられたケーシング
２６から成り、これらのガスケツトは、継手半体
１５，１６の外側面とケーシング２６の内側面と
の間に配置され、これらのガスケツトはデイスク
２９，３０とロツクリング３１，３２とによつて
締りばめされて定位置に保持される。締めしろを
与え、また組立分解を容易にするため、ガスケツ
ト２７，２８の外面にテーパを備え、またケーシ
ング２６に対してそれぞれ対応のテーパ孔を備え
ることが好ましい。弾性ガスケツト２７と２８は
前記以外の方法によつて、例えばナツト／ネジ締
付によつて固定することもできる。

各要素間のすべての遊隙を含む継手内部スペー
スはグリースで満たされる。このグリースはケー
シング２６とガスケツト２７，２８によつて、継
手内部スペースから漏出することを防止される。
同時に、このケーシング２６とガスケツト２７，
２８は、研摩性液即ち掘削液が関節継手の内部ス
ペースの中に進入することを防止する。

継手半体１５，１６のそれぞれの対向面は、そ
の中心部に、一方の半体から他方の半体へ軸方向
スラストを伝達するための手段３３を備える。こ
の手段３３は、半体１５と１６のそれぞれの接触
端面の形を成し、これらの面の少なくとも一方、
例えば半体１５の端面は球形を成す。このような
構造は、継手半体１５と１６の角度不整列に際し
てそれらの端面の転動を可能にする。この球面の
半形は、継手半体の最大角度不整列において半体
の端面の接触点がこれら半体の中心部の限界内部
に保持され、球面とグルーブ１９の境界における
縁接触が存在しないように選ばれる。

前述の関節継手は下記のように作動する。

継手半体１５（第２図）はその上端において、
例えばネジ３４を介して、ネジ型ダウンホールモ
ータのロータ５に連結されている。継手半体１６
の下端に対して、ネジ３５を介して、連結ロツド
８が連結され、このロツド８はその他端において
下継手９（第１図）に対して連結されている。両
方の継手７と９は第２図に図示のように同一構造
であるものと理解されたい。

関節継手がロータ５から連結ロツド８に対して
トルクと軸方向スラストを伝達する際（第１
図）、この関節継手の角度的不整列状態において
は、継手半体１５と１６の角度形成（第２図）
は、ケージ１７と、グループの壁面２０と２１と
の間の遊隙、およびころ１８と、半体１５，１６
およびケージ１７の放射孔２２，２３の壁面との
間の遊隙によつて成される。その結果、ころ１８
（第４図）はグループの壁面２０，２１とケージ
１７に対して当接し、３点接触を示すので、ころ
１８の不整列が防止される。第４図から明らかな
ように、ころ１８は、接触面に対する直角方向と
実質一致した作用方向の応力P₁，P₂，P₃の荷重を
受ける。これらのころ１８は、両端において対称
曲げをもつて支持されているビームである。

ころ１８と放射孔２２，２３の径の差が小であ
るが故に、その接触面において曲率半径が大巾に
軽減され、その結果、接触点における負荷が低減
される。

各半体１５，１６のグルーブ１９の壁部２０，
２１とケージ１７との間の遊隙、およびころ１８
と、放射孔２２，２３の壁面との間の遊隙によつ
て継手半体１５，１６が揺動角度運動を成す場
合、ケージ１７はグルーブの外壁２０と内壁２１
に対して自己整列され、またころ１８も、ケージ
１７と継手半体１５，１６の放射孔２２，２３の
中において自己整列する。これによつて、関節継
手の各要素間の荷重平衡を生じ、また高いトルク
値における関節継手の荷重担持能力が増大され
る。継手半体１５と１６が揺動角度運動を成す際
に、ころ１８は半体１５，１６とケージ１７の中
の放射孔２２，２３の壁面の上を転動する。これ
は摩擦損を低下させ、関節継手の信頼性と耐久性
とを改良するのに有効である。

継手半体１５，１６の外側に設置されたケーシ
ング２６（第２図）は、遠心力作用によるころ１
８の関節継手軸線から離間する方向への放射方向
移動を防止する。ころ１８の末端部２４の丸い形
状は、ケーシング２６の本体の内側面の中にころ
１８が埋込まれることを防止し、また単体１５，
１６の外側面とケーシング２６の内側面との間に
遊隙が存在し、ケーシング２６を弾性ガスケツト
２７，２８上に設置することは、この関節継手の
揺動角度運動を可能にする。またこの継手内部に
グリースが存在することは、継手要素の接触面の
作動条件をさらに改良する。

この枢着継手に作用する軸方向スラストの伝達
は半体１５，１６の端面の相互作用によつて実施
され、この端面の少なくとも一方は球形に成され
る。

その結果、ころ１８は軸方向スラストの作用を
まぬがれる。関節継手が揺動角度運動を成す際
に、継手半体１５，１６の支持端面の相対運動
は、平面上の球体の転動運動に帰着する。

本発明による関節継手の他の実施態様は、２個
の円筒形半体３６，３７（第５図）と、円筒形ケ
ージ３８と、ころ３９とを含む。継手半体３６，
３７のそれぞれの端面にグルーブ４０が形成され
ているので、継手半体３６，３７の外周部に環状
ツバ４６が形成されている。ケージ３８の各端面
の中に環状グルーブ４２が形成され、このグルー
ブ４２はケージ３８の本体内部に２側壁４３と４
４を形成している。これらの側壁の中間に、それ
ぞれの半体３６，３７のツバ部４１が配置され
る。ケージ３８の両側壁４３，４４と、継手半体
３６，３７のツバ４１との中に、放射孔４５，４
６がそれぞれ作られている。この放射孔の中に、
ころ３９がケージ３８の両壁４３，４４と継手半
体３６，３７のツバ４１に対して遊隙をもつて当
接するように配置されている。

継手半体３６，３７とケージ３８の外側に、こ
ろ３９を放射孔の中に保持する手段４７が備えら
れ、この手段は、継手半体３６，３７上に配置さ
れた弾性ガスケツト４９上に設置されたケーシン
グ４８の形を成す。

ガスケツト４９は、継手半体３６，３７の円筒
部に備えられた段付プツシユの形を成す。この弾
性ガスケツト４９はケージ３８の外壁面４４に当
接し、また例えばワツシヤ５１とロツクリング５
２とによつてケーシング４８の内部に固定されて
いる。

継手半体３６，３７の端面間の軸方向スラスト
を取上げるため、一方の継手半体から他方の継手
半体へ軸方向スラストを伝達する手段が備えられ
る。この手段はインサート５３の形を成し、この
インサートの末端球面がそれぞれ継手半体３６，
３７の中心部の端面と協働する。

継手半体３６，３７の端面とこのインサート５
３の球面との接触がそれぞれ半体３６，３７の放
射孔４６の軸線を通る面の中で生じるようにイン
サートの軸方向サイズを定めることが好ましい。

このような軸方向スラスト伝達手段の実施態様
は、製造簡単で操作信頼度が高い。何故ならば、
インサート５３は継手半体３６，３７よりも高い
硬度の素材で製造することができるからである。

関節継手の内側スペースをグリースで満たし、
ケーシング４８と弾性ガスケツト４９によつてグ
リースをスペース内部に保持する。

前記の実施態様に対するこの関節継手実施態様
の利点は、弾性ガスケツト４９の形状とその固定
法の変更により、この実施態様がより大きな可撓
性を有することにある。このような利点は、継手
半体３６，３７の外径を縮小させることによつて
ケーシング４８の内側面と継手半体３６，３７の
外側面との放射方向遊隙を増大して得られ、枢着
継手全体の外径は同一に保持され、この継手の荷
重担持能力の低下を伴はない。

本発明の第２実施態様による関節継手は前記の
第１実施態様と全く同様に作動する。

ころ３９は、ケージ３８の両壁と２点において
接触し、また継手半体３６または３７のツバ部４
１と一点において接触する。

本発明による関節継手は、前記の説明から明ら
かなように、最小限度の転動摩擦損をもつて大き
なトルクおよび軸方向スラストを伝達できるが故
に、より高い信頼度と耐久性とを示す。本発明の
関節継手のこのような利点が、この継手を使用し
た機械の信頼度と耐久性とを改良することは理解
されよう。例えば、ネジ型ダウンホールモータに
おいてこの関節継手を使用すれば、抗井内部のダ
ウンホールモータの作動時間を延長することがで
き、従つて枢着継手の破損によるドリルストリン
グの引揚の必要性をなくし、その結果、費用の労
働力を消費する揚降操作の範囲を著しく縮小す
る。

さらに、これらの機械の修理と搬送の費用が節
約される。

本発明の関節継手は構造簡単、製造容易、操作
便利であつて、また資格を必要とする保守管理を
要しない。

本発明の関節継手の応用分野は前記の例によつ
て限定されない。この関節継手は、不整列軸また
は交差軸の接続、特に高トルクおよび高軸方向ス
ラストの伝達の必要がある任意の機械および装置
において使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による関節継手を含むネジ型ダ
ウンボールモータの部分縦断面図、第２図は第１
図の−線に沿つて取られた部分縦断面図であ
つて、上関節継手を示す図、第３図は第２図の
−線に沿つた横断面図、第４図は第３図の部分
拡大図であつて、ころに作用する応力ダイヤグラ
ムを示す図、第５図は本発明の関節継手の他の実
施態様を示す縦断面図、また第６図は第５図の
−線に沿つて取られた横断面図である。 １５，１６……継手半体、１７……ケージ、１
８……ころ、１９……グルーブ、２２，２３……
放射方向孔、２５……ころ保持手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒形ケージの中に設置されたころによつて
   相互に動的に連結された２個の円筒形半体を含む
   関節継手において、継手半体１５，１６の対向端
   面は、グルーブ１９を備え、このグルーブの中に
   ケージ１７が遊隙をもつて設置され、このケージ
   １７と継手半体１５，１６は実質同軸の放射方向
   孔２２，２３を備え、これらの孔の中にころ１８
   が遊隙をもつて設置され、また継手半体１５，１
   ６は、ころ１８を孔２２，２３の中に保持する手
   段２５を備えることを特徴とする関節継手。 ２ ころ１８の保持手段２５は、継手半体１５，
   １６の外側から弾性ガスケツト２７，２８の上に
   遊隙をもつて設置されたケーシング２６の形に形
   成されることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   による関節継手。 ３ 各継手半体１５，１６の端面のグルーブ１９
   は外壁２０と内壁２１を有する円筒形環状グルー
   ブの形に形成され、またケージ１７は継手半体１
   ５，１６のグルーブの中に遊隙をもつて設置され
   た中空円筒体の形に形成され、このグルーブの外
   壁と内壁の中に放射孔２２が作られ、これらの孔
   の中に設置されたころ１８はグルーブの両壁２
   ０，２１とケージ１７とに当接することを特徴と
   する特許請求の範囲第１項または第２項のいずれ
   かによる関節継手。 ４ 各継手半体の端面に備えられるグルーブ４０
   は、各継手半体３６，３７の外周部に環状ツバ４
   １が形成されるように形成され、またケージ３８
   の各端面に環状グルーブ４２が形成され、このグ
   ルーブは両壁４３，４４を成し、これら両壁の中
   間に前記継手半体３６，３７のツバ４１が遊隙を
   もつて収容され、ケージ３８の両壁４３，４４と
   環状継手のツバ４１の中に放射孔４５，４６が延
   在し、これらの放射孔４５，４６の中に設置され
   たころ３９は、グルーブ４２の両壁４３，４４と
   継手半体のツバ４１とに当接することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項または第２項のいずれか
   による関節継手。 ５ 継手半体１５，１６，３６，３７の端面は、
   その中心部に、一方の継手半体１５，３６から他
   方の継手半体１６，３７に軸方向スラストを伝達
   する手段を備えることを特徴とする特許請求の範
   囲第３項または第４項のいずれかによる関節継
   手。 ６ 一方の継手半体１５から他方の継手半体１６
   へ軸方向推力を伝達する手段３３は継手半体１
   ５，１６のそれぞれの接触端面の形に形成され、
   これらの端面の少くとも一方は球形に形成される
   ことを特徴とする特許請求の範囲第３項または第
   ５項のいずれかによる関節継手。 ７ 一方の継手半体から他方の継手半体へ軸方向
   スラストを伝達する手段は、継手半体３６，３７
   の間に設置されたインサート５３の形に形成さ
   れ、また継手半体３６，３７と接触するその両端
   は球形に形成されることを特徴とする特許請求の
   範囲第４項または第５項のいずれかによる関節継
   手。