JPS6145499B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はペンキ等の液体を流体力により微細化
し噴霧するスプレーガン類に使用するための噴嘴
又はノズル、さらに詳言すればスプレーガンに用
いる調節自在の噴霧ノズルに関する。

本出願人に対し1976年２月３日付で付与された
米国特許第3936002号にはペンキ類などの液体を
流体力によつて微細化しこれを噴霧するスプレー
ガンに使用する可調節の噴嘴又はノズルが開示さ
れている。これによれば、この噴嘴本体はスプレ
ーガンに貫設された流体通路に連通したかたちで
スプレーガンに装着されている。噴霧ノズル本体
には部分的に弁腔部が貫設され、この弁腔部と交
差して噴霧ノズル本体内に溝が形成され、これに
よつて噴霧ノズル開口を形作り、さらに弁腔部と
スプレーガンの流体通路との間をノズル本体の流
体腔部によつて連通しているのである。こうして
加圧流体はスプレーガンから弁腔部へ向けて移動
した後ノズル開口から流出するのである。このノ
ズル開口から放出されるフアンスプレーの調節の
ために、外側の調節つまみによつて弁腔部内で弁
棒を可動ならしめてノズル開口を可変しこれによ
りフアンスプレーの噴射を変えさせるようにして
いる。もう一つの1976年２月20日付出願に係る米
国特許出願第659755号には本願に直結しない別な
可調節噴霧ノズルが開示されている。本発明は以
下に述べるごとく、上記の基本発明をさらに改良
したものであり可調節噴霧ノズルの機能をより一
層高め有利ならしめたものである。

流体作動型のスプレーガンのノズル開口を通過
する液体の圧力及び流速は極めて大きいので、こ
うした液体に露出したノズル部分には非常に強い
浸食作用がはたらく。このため、ノズル部品は浸
食に対する抵抗力の高い材料で作る必要があるこ
とが判明した。この場合最良の材料は炭化タング
ステンである。ところで、この炭化タングステン
などの材料は極めて脆く破損又は亀裂が入りやす
いという難点がつきまとつていた。すなわち、可
調節にした弁棒を浸食力の強い部品としてこの炭
化タングステンで作つた場合に上述した難点が一
層際立つてくるのである。細長くその殆んどの長
さに何の支えもない状態で組込された場合、弁棒
は脆い材料で作られていると破損しやすくなると
いうデリケートな問題が生じる。実際上、噴霧ノ
ズル又はスプレーガンを落としたような場合、急
激な衝撃が弁棒に作用してこれを破損させるとい
うことは応々にして問題になつていた。もう一つ
の問題は使用するペンキによつては弁棒の周辺に
付着して長期間使用しないうちにこれが固化する
ことである。この状態で操作者がノズル開口を拡
大しようとすると弁棒は脆くも破損することがし
ばしばであつた。

従つて、本発明は、上述のごとき弁棒の破損又
は折損を防止し噴嘴又はノズルの不作動につなが
る問題を事実上解決した流体力による液体噴霧用
の可調節スプレーガンを実現し提供しようとする
ものである。

上述の本発明における目的は、これから詳述す
るように、弁棒を鋼等のねばり強い材料で形成し
この弁棒の先端部に硬度が大きく浸食に対する抵
抗力も高い材料を接合することによつて達成され
る。弁棒はその先端部がスプレーノズルを通る液
体の強い浸食作用にさらされるからこの部分だけ
でも硬度の高い耐浸食性の材料で作る必要がある
と言える。この弁棒の残余の部分は硬くて脆い材
料よりもむしろねばりのある材料で形作る方が衝
撃や引張力の加わつた際に弁棒の折損を避けこれ
を効果的に予防し得る。

以下添付図に従つて詳述することにする。第１
図において、１０は１２で一部分のみを示したス
プレーガン等の噴霧器に保持ナツト１４によつて
装着される噴霧ノズルを示し、ここでは断面図が
示されている。噴霧ノズル１０は噴霧ノズルハウ
ジング１６、弁調節用組立体１８、及び弁ハウジ
ング２０をそなえている。噴霧ノズルハウジング
１６は腔部２２そなえていて、この腔部２２には
弁ハウジング２０を押嵌めし得るようになされて
いる。ねじ切りした内腔部２４が腔部２２と同軸
的かつこれに連通して設けられており、この内腔
部２４は弁調節用組立体１８を受入れるようにさ
れている。ノズルハウジング１６は流体腔部２６
の上流端に噴霧器１２を通る腔部（図示されてい
ない）に連通して従つて高圧流体のタンク（図示
されていない）に連通して設けられている。その
下流端部には流体腔部２６がノズルハウジング１
６の腔部２２と交差している。ガスケツト２８は
噴霧ノズルハウジング１６の面３０と噴霧器１２
との間にあつて、保持ナツト１４の締付けに際し
て噴霧ノズル１０に流入してくる流体の漏れを防
止するはたらきをする。

弁ハウジング２０は高圧高速の液体を通過させ
るため硬度が高く浸食性に対しても強い材料で作
られた中心を抜ける長手方向の弁腔部３２が設け
られている。高い耐浸食性を要するため好適な材
料としは炭化タングステンその他セラミツク、サ
フアイア等が挙げられる。噴霧開口３４はハウジ
ング２０に削設等により作られ弁腔部３２と交差
する溝３６によつて形成される。噴霧開口３４に
対向しこれに軸合わせしたスロツト付き腔部３８
が弁ハウジング２０内で同じく弁腔部３２に交差
して設けられている。噴霧開口３４の下方には、
腔部３２に詰つた粒子や破片を鋭い先の用具で取
去るために拡開部分４０が設けられている。スロ
ツト付き腔部３８は、弁腔部３２の拡開部分４０
の一部だけでなく噴霧開口３４全体を取り囲むよ
うな寸法にされている。弁ハウジング２０はハウ
ジング１６の腔部２２内に押嵌めされていて、ス
ロツト付き腔部３８がハウジング１６の流体腔部
２６に心合わされることによりタンク内の高圧下
に噴霧開口３４に対し流体が連続的に通過するよ
うになされている。噴霧ノズルハウジング１６に
は又噴霧開口３４に心合わせされ噴霧ノズル１０
からフアンスプレーとして流体を放出させる開口
４２が設けられている。

弁調節用組立体１８は、組立体ハウジング４
４、弁棒組立体４６及び弁棒組立体保持体４８に
より構成される。組立体ハウジング４４は噴霧ノ
ズルハウジング１６の雌ねじ付き腔部２４に嵌め
合いになる雄ねじ付き部分５０をそなえ、これに
よつて弁調節用組立体１８がハウジング１６に対
して螺合可能で調節自在ならしめられるようにし
てある。腔部５２が組立体ハウジング４４内中央
に設けられていて弁棒組立体保持体４８により腔
部５２内に保持された弁棒組立体４６を受入れる
ようにされている。

弁棒組立体４６は弁棒５４、軸部分５６さらに
保持用頭部５８をそなえる。弁棒５４はその一端
が押込み、溶接等により軸部分５６に結合され、
その他端は組立体ハウジング４４の基部において
絞り開口６０を通つて弁ハウジング２０の弁腔部
３２に挿入されている。腔部５２内の弾性ワツシ
ヤ６２はペンキ等の液体が腔部５２に流入して硬
化し弁棒組立体４６を妨げたり折損しないように
封止体としてはたらく。腔部５２内を弁棒組立体
４６が下向きに運動しないように制限するため
に、保持用頭部５８には組立体ハウジング４４の
腔部５２内の肩部６６に突き当たる肩部６４が設
けられている。弁棒組立体４６を腔部５２内に保
持するために、弁棒組立体保持体４８には腔部５
２の雌ねじ部分７０と嵌合し得る雄ねじ部分６８
が設けられ、又保持体４８の基部７２は組立体ハ
ウジング４４の腔部５２内の肩部７４に当接する
ようにされている。かくして保持体４８の基部７
２と腔部５２の肩部６６との間に形成される空間
は、保持用頭部５８の上面７６と保持体４８の基
部７２との間及び肩部６４と６６との間に極めて
僅かな隙間を作り出し得る。上述の配置により弁
棒組立体４６を組立体ハウジング４４に対して
“浮動”させこれによつて弁棒を噴霧ノズル１０
に伝わる衝撃から或程度まで遮断するとともに、
弁調節用組立体１８が噴霧開口３４の調節中噴霧
ノズルハウジング１６にねじ込んだり引抜いたり
する時にトルクが弁棒５４に加わらないようにす
ることができる。

第２図に示すごとく、鋼等のねばり強い材料で
作られた弁棒５４はその自由端７８に炭化タング
ステン等の高硬度で高い耐浸食性をもつ材料で作
られた先端部分８０をそなえている。先端部分８
０はろう接、溶接、溶射、エポキシ等の適宜手段
により弁棒５４の端部７８に接合されていてよ
い。この弁棒５４の先端部分８０は噴霧開口３４
に向かう通路内で弁棒５４に衝突するペンキ等の
噴出流体による浸食作用を少なくするために設け
られている。上述のごとく、弁棒５４はその破損
又は折損を防止するためにねばりの強い材料で作
られる。この弁棒の破損を防ぐために先端部分８
０の長さは弁棒の直径の５倍以下好ましくはこの
直径の３倍以下にするとよいことが判つた。又浸
食に対する抵抗を十分にするために先端部分８０
の長さは弁棒の直径の半分以上にするとよいこと
も判つた。いずれにしても、この先端部分８０の
長さは噴霧開口３４を十分な閉止状態にして弁棒
５４の耐浸食性の低い材料の部分が流体に露呈さ
れないようにするのである。

ハウジング２０の腔部３２内で弁棒５４を位置
を調節して噴霧開口３４の開口度を変るために、
調節用組立体１８のローレツト削り部分８２をつ
かんで回すことにより弁調節用組立体１８を噴霧
ノズルハウジング１６に出入りさせる。弁調節用
組立体１８の溝付き部分８８に係合自在なばねク
リツプ８６からなるラチエツト機構８４は、弁棒
５４の不測の又は偶発的な動き又は調節し過ぎを
防ぐはたらきをする。ばねクリツプ８６はねじ９
０によつて噴霧ノズルハウジング１６に固設され
る。弁調節用組立体１８が噴霧ノズルハウジング
１６から外れないように、ねじ９０の端部には腔
部２２に入り込んで組立体用ハウジング４４のチ
ヤンネル９４と協働ハウジング４４の同軸的運動
を制限するため小棒９２が設けられている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明により噴霧ノズルの拡大縦断面
図、第２図は第１図の噴霧ノズル内の弁棒の拡大
部分斜視図である。 １０…噴霧ノズル、１２…スプレーガン、１４
…保持用ナツト、１６…ノズルハウジング、１８
…弁調節用組立体、２０…弁ハウジング、２０，
２２…腔部、２４…ねじ付き腔部、２６…流体腔
部、３２…弁腔部、３４…噴霧開口、４６…弁棒
組立体、５４…弁棒、８０…弁棒の先端部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加圧液体供給源に連通した導管部材、噴霧器
   に噴霧ノズルハウジングを固着するための固着部
   材をそなえた上記ハウジング、該ハウジング内に
   あつて上記導管部材と連通するとともに上記ハウ
   ジング内の噴出開口で終端している流体用腔部、
   上記ハウジング内にあつて上記噴出開口に隣接す
   る上記流体用腔部に交差する弁腔部、該弁腔部内
   を調節自在に運動可能であつて上記噴出開口の寸
   法を変化するための先端部を高硬度耐浸食性材料
   で形成してなる弁棒、並びに上記噴霧ノズルハウ
   ジングの外部から上記弁腔部内の上記弁棒を調節
   自在に運動せしめるための部材、によつて構成し
   たことを特徴とする液体を流体圧により微細化し
   噴霧するようにした調節自在の噴霧器用噴嘴。