JPS6145071B2

JPS6145071B2 -

Info

Publication number: JPS6145071B2
Application number: JP54101215A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Tanaka
Original assignee: Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1979-08-10
Filing date: 1979-08-10
Publication date: 1986-10-06
Also published as: JPS5627075A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、波浪発電装置に関し、特別なメンテ
ナンスを要することなく、波浪のエネルギーを利
用して継続的に発電を行うことができる装置を提
供せんとするものである。

従来、例えば標識灯用のブイ等、電力を必要と
するブイとして、充電式或いは電気帯電式等の形
式のものが汎用されている。しかし、充電式のも
のにあつては、当然定期的に充電を行う必要があ
り、また電気帯電式のものにあつても定期的なメ
ンテナンスが必要となり、いずれにしても、その
都度、船舶等によりブイに赴き、煩雑且つ困難な
作業を行う必要がある。

本発明は以上の如き従来の不利・欠点を解消す
べく創案されたものであつて、メンテナンスを必
要とすることなく半永久的に発電を行い、電力を
標識灯等に供給することができる波浪発電装置の
提供をその目的とする。

このため本発明は、浮体内に、管壁に軸受付き
の軸体挿通孔を有する中空シヤフトと、一部が中
空シヤフト内に挿通した小径シヤフトとを各回転
可能に設け、上部に長手方向と直交する方向に軸
体が突設された振子体を、その軸体が前記軸体挿
通孔からシヤフト中空部内に挿通し、該軸体を支
点として揺動できるよう中空シヤフトから垂設
し、前記軸体と中空シヤフト内部の小径シヤフト
には互いに噛合する傘歯車を各設け、前記各シヤ
フトにはラチエツト機構を内蔵した対の歯車を設
け、前記ラチエツト機構により前記対の歯車が互
いに反対方向にのみシヤフトと一体回転するよう
にし、かかる歯車の回転をこれらと各噛合する歯
車及びこれら歯車が設けられたシヤフトを介して
発電機に伝えるようにしたことをその基本的特徴
とする。

次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する
と、第１図ないし第３図は本発明の一実施例を示
すものであつて、第１図は本発明を標識灯用のブ
イに適用した場合の概略図を示し、ブイ本体たる
浮体１内に振子体４、ギヤ機構、発電機３等を内
蔵せしめ、該浮体１をアンカー２によつて、洋上
の適所に浮設せしめるものである。

第２図及び第３図は浮体１内部の具体的構成を
示すものであつて、まず５は中空シヤフトで、該
中空シヤフト５は軸受６，６を介して回転可能に
軸支されている。しかして、かかる中空シヤフト
５の一端寄りの管壁部分には、軸受７を有する軸
体挿通孔８が設けられるとともに、該軸体挿通孔
８と180゜反対側の部分には軸部９が突設されて
いる。

また１０は小径シヤフトで、該小径シヤフト１
０はその略半側が前記中空シヤフト５の中空部に
挿通され、その挿通された側の一端が中空シヤフ
ト５内部に設けられた軸受部１１に軸支され、ま
た非挿通部側の端が他の軸受（図示せず）に軸支
されることにより回転可能に配設されている。

４は振子体で、該振子体４の吊下げ部４１の上
端には二又状の立上り部４２ａ，４２ｂが連成さ
れ、このうち立上り部４２ａには軸受１２が設け
られ、また、立上り部４２ｂ内面には振子体長手
方向と直交する方向、すなわち前記立上り部４２
ａの軸受１２方向に延出する軸体１３が突設され
ている。そして、振子体４は前記立上り部４２ａ
の軸受１２を中空シヤフト５の軸部９に外挿し、
前記立上り部４２ｂの軸体１３を中空シヤフト５
の軸体挿通孔８を介してその中空部に挿通せしめ
ることにより、中空シヤフトから垂設され、しか
も、前記軸部９及び軸体１３を支点としてシヤフ
ト長さ方向揺動可能となつている。

また、軸体１３の中空シヤフト５内部に挿通し
た先端には傘歯車１４が装着されるとともに、小
径シヤフト１０には、これと噛合する傘歯車１５
が装着され前記振子体４のシヤフト長さ方向での
揺動に伴う軸体１３の回動を小径シヤフト１０に
伝達し得るようになつている。

１６ａ，１６ｂ及び１７ａ，１７ｂは中空シヤ
フト５及び小径シヤフト１０に各装着される対の
歯車であつて、これら歯車はラチエツト機構（図
示せず）を内蔵している。そしてこのラチエツト
機構により、各対の歯車１６ａ，１６ｂ或いは１
７ａ，１７ｂは、互いに反対方向にのみそれらが
装着されたシヤフトと一体回転なし得るようにな
つている。

また、３は発電機、１８は発電機３に、接続さ
れるシヤフト、さらに１９は前記シヤフト１８に
装着される歯車、２０は該歯車１９と歯車１６
ａ，１７ａとの間に設けられる中間歯車であつ
て、前記歯車１６ａ，１６ｂ及び１７ａ，１７ｂ
の回転はこれら歯車１９、中間歯車２０を介して
一方向への回転として前記シヤフト１８に伝えら
れ、発電を行なうようになつている。

次に、上記実施例の作用を説明する。前記振子
体４は、波等によるブイ自体の揺動によつて、
360゜の任意の方向に揺動するものであるが、こ
の揺動を中空シヤフト５径方向と、長さ方向に分
けて説明すると、まず、振子体４が中空シヤフト
５径方向で揺動すると、中空シヤフト５は、振子
体４の往復動に対して矢印ａ及びｂ方向に交互に
回動する。そして上記中空シヤフト５が矢印ａ方
向へ回動すると、歯車１６ａのみがシヤフト一体
となつて矢印a′方向へ回動し、これに対して中空
シヤフト５はラチエツト機構によつて歯車１６ｂ
に対して空転するので、歯車１６ｂはフリーの状
態で回動する。また、中空シヤフト５が矢印ｂ方
向へ回動すると上記とは逆に、歯車１６ｂのみが
シヤフトと一体となつて矢印b′方向へ回動し、歯
車１６ｂはフリーの状態で回動する。

次に、振子体４が中空シヤフト５長さ方向に揺
動すると、振子体４と一体の軸体１３が回動し、
この回動運動が傘歯車１４，１５を介して小径シ
ヤフト１０に伝達され、小径シヤフト１０は矢印
ｃ及びｄ方向に交互に回動する。そして小径シヤ
フト１０が矢印ｃ方向に回動すると、歯車１７ａ
のみがシヤフトと一体となつて矢印c′方向へ回動
し、これに対して小径シヤフト１０はラチエツト
機構によつて歯車１７ｂに対して空転するので歯
車１７ｂはフリーの状態で回動する。また小径シ
ヤフト１０が矢印ｄ方向へ回動すると上記とは逆
に歯車１７ｂのみがシヤフトと一体となつて矢印
d′方向に回動し、歯車１７ａはフリーの状態で回
動する。

以上のように、振子体４がシヤフトの径方向或
いは長さ方向にのみ揺動しているときには、前記
歯車１６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂのうち常に
１つが回動することになり、また上記以外の方向
で揺動しているときは、歯車１６ａ，１６ｂ及び
１７ａ，１７ｂのうち各１つの歯車が回動するこ
とになる。しかして上記の如き歯車１６ａ，１６
ｂ，１７ａ，１７ｂの回動は歯車１９，２０を介
して発電機３に接続されたシヤフト１８に一定方
向への回動として伝達され、発電が行われる。

なお、以上の如き実施例において振子体の揺動
の固有周期と、ブイ自体の動揺周期を一致させれ
ば、発電効率が大となるので好ましい。

以上述べたような本発明による波浪発電装置に
よれば、振子体がいかなる方向に揺動しても、発
電を行なうための回転力を得ることができるの
で、その発電効率がきわめて良好であるととも
に、構成自体がきわめて簡単で、しかも振子体の
揺動によつて得られるエネルギーだけで発電を行
なうのでメンテナンスが全く不要であり、例えば
海上標識灯等に使用すればきわめて有用なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明による発電ブイを
示すものであつて、第１図は発電ブイ及びその浮
設状態を示す概略説明図、第２図は機体内部の基
本構成を示す斜視図、第３図は振子体の取付部を
部分的に示す説明図である。図において、１は浮体、３は発電機、４は振子
体、５は中空シヤフト、８は軸体挿通孔、１０は
小径シヤフト、１３は軸体、１４，１５は傘歯
車、１６ａ，１６ｂ，１７ａ，１７ｂは歯車、１
８はシヤフト、１９は歯車、２０は中間歯車を各
示す。

Claims

【特許請求の範囲】

１浮体内に、管壁に軸受付きの軸体挿通孔を有
する中空シヤフトと、一部が中空シヤフト内に挿
通した小径シヤフトとを各回転可能に設け、上部
に長手方向と直交する方向に軸体が突設された振
子体を、その軸体が前記軸体挿通孔からシヤフト
中空部内に挿通し、該軸体を支点として揺動でき
るよう中空シヤフトから垂設し、前記軸体と中空
シヤフト内部の小径シヤフトには互いに噛合する
傘歯車を各設け、前記各シヤフトにはラチエツト
機構を内蔵した対の歯車を設け、前記ラチエツト
機構により前記対の歯車が互いに反対方向にのみ
シヤフトと一体回転するようにし、かかる歯車の
回転をこれらと各噛合する歯車及びこれら歯車が
設けられたシヤフトを介して発電機に伝えるよう
構成してなる波浪発電装置。