JPS6143123B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は圧延帯鋼などの金属板を巻き取りリ
ール等に巻き込むための金属板巻取装置に関する
ものである。

更に詳しくは通常巻き取りリールの対向部にベ
ルトラツパ、チエンラツパ等を使用して巻き込み
をおこなう。その機能の概要を第１図のベルトラ
ツパの下巻き取りの例で説明すると、１は帯状金
属板、２は本体フレーム、３は下アーム、４は下
アーム３の開閉シリンダ、５は下アーム３の先端
プーリ、６は上アーム、７は上アーム６の開閉シ
リンダ、８は上アーム６の先端プーリ、９はエン
ドレスベルト、１０はリールで、上アーム６を開
閉シリンダ７でリール１０に接するように閉にす
ると、エンドレスベルト９はプーリ５、リール１
０、プーリ８の外周部に接して図示の形になり金
属板１の先端部を図示の形から巻き込みを始め２
〜３巻で初期誘導を終り、次いで装置は後退し次
の巻き込みにそなえる。

第３，４図で、従来法の巻き込みを拡大図で説
明すると、１１は誘導ガイドで、第３図はリール
１０の径が最小Ａの時を示し、第４図は最大Ｂの
時を示す。

１巻目の巻き込み状態の帯状金属板１の先端部
と後続の進入材との交点の角度は誘導ガイド１１
の作用を受けてリール径Ａ，Ｂのときそれぞれα
°_１α°_２となり、明らかに第３図のリール径の
Ａのときがα_２度より鋭角となり滑り込みが容易
であるが、次のような問題があり、これらの条件
を考慮せねばならない。

(1) リール径の最小Ａの条件で誘導ガイド１１の
形状が決定されα°_１となるが、最大Ｂの時α
°_２の巻き込み角での巻き込みができない。

(2) 最大径Ｂの時巻き込み不能なので誘導ガイド
１１は最大径用として別部品と取り替え方式を
採用せねばならない。

前記(2)項の欠点は取り替え時間の問題である
が、(1)項の場合第３図のものはab＜＋とな
り、その差は一巻目のゆるみとなるが僅少であ
り、２巻目の巻き込みには実際操業に影響はな
い。然し第４図のa′b′＜′′＋′′の差は第
３図
の条件よりゆるみが大であり、一巻目でスリツプ
をおこし巻き込まず、また、巻き込んだとしても
楕円巻きとなり前記(2)項の対策に移行せざるを得
ない。

この発明は、上述の問題点を解決するためにな
されたもので、巻取リールの径の大小にかかわら
ず、コイルの巻込みができるようにしたものであ
る。

以下、この発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第５図はこの発明におけるリール１０の径が最
小の場合の巻き込み状態、第６図は最大リール径
の巻き込み状態で、第７図は第６図の断面Ａ−Ａ
であり、共に金属板１の下巻き取り状態で、その
他の関係外の周辺装置の図示を省略した。

抱込アーム６をプーリ軸１８に遊嵌し、図示の
ように開閉シリンダ７を抱込アーム６に一体に設
けられたブラケツトＤに連結し、更に抱込アーム
６に案内ピン１４，１５を抱込アーム長手方向に
間隔をおいて固定し、各案内ピン１４，１５に遊
嵌した外輪１６，１７により後述の誘導ガイド１
３を案内する。１２は抱込アーム６を第２図に示
すごとく複数本で構成するための１３は誘導ガイ
ドで抱込アーム６に全数図示のように装着する。
誘導ガイド１３の先端側にプーリ８を取付け、誘
導ガイド１３の先端部は帯状金属板１をリール１
０の円周にそうよう誘導するため、鳥の嘴形とし
最先端をＮ部とする。

誘導ガイド１３の後端側は後述の羽根カム１９
の形状により中央凸部Ｇを形成するカーブＥ，Ｆ
とする。また誘導ガイド１３の中間に、前記案内
ピン１４，１５および外輪１６，１７を基点とし
て長孔Ｈ，Ｉを設け、その長孔の方向は後述す
る。羽根カム１９は複数の羽根を有し、その羽根
間の谷底部J₁，J₂，J₃，………間に凸部羽根形状
のカーブK₁を形成し、羽根カム１９のボスの中
心部には、図示矢印方向にのみ回転するワンウエ
イクラツチ２０を内蔵させ、そのワンウエイクラ
ツチ２０の内側環体をプーリ軸１８に固着する。

次に前記実施例の装置の作動について説明す
る。

第３図はリール１０の径が最小の場合の一巻目
完了の状態を示し、抱込アーム６は開閉シリンダ
７で閉の状態、誘導ガイド１３はプーリ８に掛つ
たベルト９のテンシヨン作用で第５図のプーリ８
に示す矢印方向に作用して抱込アーム６に固設し
たピン１４，１５と外輪１６，１７で前記長孔
Ｈ，Ｉの先端部で受け止められている。この時誘
導ガイド１３と羽根カム１９の関係は誘導ガイド
１３の後端側の突起Ｇは、羽根カム１９の羽根の
凹部J₁と誘導ガイド１３のカーブＦと羽根カム１
９のカーブL₁と合致しており帯状金属板１を連
続２〜３巻して開閉シリンダ７により抱込アーム
６を開にするが誘導ガイド１３のＧ点、羽根カム
１９のJ₁点は前記ワンウエイクラツチ２０の作用
で羽根カム１９は回転し、前記Ｇ点、J₁点はその
ままで開となり装置は後退する。

再び閉にする時は、抱込アーム６が閉作用に入
つても羽根カム１９はワンウエイクラツチ２０で
固定しており、誘導ガイド１３は閉の作用力で誘
導ガイド１３と固定した羽根カム１９のカーブ面
K₂で誘導ガイド１３は前進側に誘導ガイド１３
の長孔Ｈ、Ｉをガイドとして距離Ｍの長孔間を移
動する。この閉作用を続行すると誘導ガイド１３
の後端Ｇは羽根カム１９の羽根カーブK₂を越え
てカーブL₂に入り誘導ガイド１３のカーブＦと
が前記ベルト９のテンシヨン作用で滑つ誘導ガイ
ド１３のＧ点と羽根カム１９のJ₂点とが合致して
巻き込み開始状態となることを繰り返す。

次にリール径１０の最大の時を第６図で説明す
ると、この図は抱込アーム６が閉を完了した時点
を示しており、次の動作である抱込アーム６を開
にする作動より説明すると、誘導ガイド１３は常
にエンドレスベルト９で図示の矢印方向に作用力
が作用しているが、誘導ガイド１３のＧ点、羽根
カム１９の羽根先端部の面まで受けている。この
状態から誘導ガイド１３が開動作に移ると、前記
矢印の作用力で誘導ガイド１３の面Ｅは羽根カム
１９の面K₁を滑つて長孔Ｈ，Ｉの空間のＭ量だ
け後退移動し、スタート点である羽根カム１９の
J₁点に誘導ガイド１３のＧ点が復帰する。

２１はワンウエイクラツチ２０を前記羽根カム
１９のＬ，Ｋ面の滑り摩擦に対抗するブレーキで
ある。前記長孔Ｈ，Ｉの指向方向は第５図で誘導
ガイド１３の先端Ｎ点はリール１０の表面に近づ
くように長孔Ｈ，Ｉの先端側にピン１４，１５お
よび外輪１６，１７があり、第６図の場合も同様
に長孔Ｈ，Ｉの後端側にピン１４，１５および外
輪１６，１７が配置されている。

以上のように、リール１０の径が最小の時は抱
込アーム６の閉動作で誘導ガイド１３は羽根カム
１９の面K₁，L₁を滑つて第６図の形となり、誘
導ガイド１３の先端点Ｎは長孔Ｈ，Ｉの先端側に
位置することでリール１０の表面に近づく。

なお、抱込アーム６の開動作は、取り巻き中の
帯状金属板１に接することなくその動作を終り、
第６図に示すリール径１０が最大の時は羽根カム
１９のK₁、誘導ガイド１３のＥ面を滑つて誘導
ガイド１３の先端点Ｎはリールの表面に、長孔
Ｈ，Ｉの後端側にピン１４，１５および外輪１
６，１７に位置することで近づき、第４図に示し
た欠点をなくし、一巻き目を誘導して巻き込みを
終ることで抱込アーム６の開閉動作のみで従来法
の欠点をなくした先端に誘導ガイド１３を有する
ベルトラツパ、チエンラツパを構成することがで
きる。

以上述べたように、この発明によれば、リール
径の大小に拘らず、リールへの巻取りが容易とな
り、かつ巻取ガイドの取替えが全く不要となるな
どの極めて優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はベルトラツパの下巻き取り状態図、第
２図は第１図のリール側の平面図、第３図は従来
法のリール最小径の一巻目の状態図、第４図は従
来法のリール最大径の一巻目の状態図、第５図は
この発明におけるリール最小径の一巻目の状態
図、第６図はこの発明におけるリール最大径の一
巻目の状態図、第７図は第６図のＡ−Ａ線断面図
である。 図において、１は帯状金属板、６は上アーム、
７は開閉シリンダ、１０はリール、１３は誘導ガ
イド、１４および１５は案内ピン、１８および１
８′はプーリ軸、１９は羽根カム、２０はワンウ
エイクラツチ、ＨおよびＩは長孔である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 張力機構により張力が与えられたベルトをリ
   ール外周に包囲圧着し、リールとベルト間に帯状
   金属板を案内しかつ抱込んでベルトの圧着力によ
   り帯状金属板を押圧しつつ巻取る装置において、
   一端をプーリ軸１８に嵌合した抱込アーム６に案
   内ピン１４，１５を植設し、該案内ピン１４，１
   ５に先方が嘴状及び後方が凸状に形成し、かつ中
   央近傍に長孔Ｈ，Ｉを有する誘導ガイド１３を遊
   嵌し、該誘導ガイド１３のほぼ先端を他のプーリ
   軸１８′に嵌合させ、一方、前記プーリ軸１８の
   同一軸に、ワンウエイクラツチ２０を内蔵し、か
   つ複数の羽根を備えている羽根カム１９を設け、
   さらにその羽根カム１９の後方位置にブレーキを
   備えたことを特徴とする帯状金属板の巻取装置。