JPS6142297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、大径管例えばUO管などの油井用
鋼管を熱処理あるいは予熱する誘導コイル装置の
改良に関するものである。

第１図は従来の誘導加熱コイル群を示す正面
図、第２図は第１図のＡ部拡大図、第３図は側面
図である。図において、１は被加熱物、２は被加
熱物の周囲に巻回された中空冷銅管で、絶縁が各
層間および対地間になされている。３は非磁性金
属製平板、４はタイボルトで、前記非磁性金属製
平板３を両側から締付け、前記中空水冷銅管２を
強固にはさみつけて一体化している。５は、この
中空水冷銅管２のずれ防止のための絶縁性支持板
で、前記非磁性金属製平板３に固定され、前記中
空水冷銅管２の外周を拘束している。６は間隔片
で、前記非磁性金属製平板が内側へ撓むことを防
止している。７は吊板、８は連結板で、相隣接す
る誘導加熱コイルの非磁性金属製平板３にボルト
締めされている。

この構成において、被加熱物１は矢印“ａ”の
方向に送られており、図示しない電源から供給さ
れる交流電流が中空水冷銅管２に印加されると、
被加熱物１は誘導加熱され、所要の温度まで昇温
される。近年、石油パイプライン等に使用される
大口径鋼管（64インチ程度）の品質が厳格にな
り、その外面の塗装のための予熱、乾燥焼付、又
は焼入焼戻しなどが要求され、省エネルギ指向と
相まつて、誘導加熱が急激に採用されるに至つ
た。通常、これらの誘導加熱用には、誘導加熱コ
イルを複数個近接して並置するが、電源接続の仕
方により、相互コイル間に吸引力や反撥力が電磁
作用力として働く。そのため、連結板８で相対的
に固定し、各コイルの上部が揺れ動かないように
配慮されていた。ところが、加熱パターンの変更
などや、パイプ通過直径が異なるため、別のサイ
ズのコイルに取替えるためにこれらの各コイルの
一部又は全部を取外し、新コイルを取付ける事が
割合いに頻度高く行なわれる。このとき、これら
のコイルは、３ｍ程度の高さを持つため前記連結
板の取付取外し、吊板へのワイヤ取付取外しは、
すべて高所作業となり、安全な足場がスペース上
設けられない現場が多く、危険であつた。

この考案は以上のような従来のものの欠点を除
去するためなされたもので、誘導加熱コイルを相
対的に固定する連結板の取付取外しを高所へ昇る
ことなく下方から行なえる誘導加熱コイル装置を
提供するものである。

以下この考案の一実施例を示す第４図について
説明する。第４図は要部の拡大図で他の部分は第
１図および第３図と同様であるので省略する。第
４図において、９はピン状突起物で、非磁性金属
製平板３に溶接またはボルト等により固着されて
いる。１０はカンヌキ板でピン１１を中心にして
回転し、溝ｂがピン状突起物９に係合でき、又解
除できるようになつている。又穴ｃが設けられて
いて、下方からカギ形の棒でこの穴を利用して、
カンヌキ板１０を上下させて回転させ、ピン状突
起物９に係合させ、あるいは解除する。ピン１１
は非磁性金属製平板３に溶接されている。このよ
うに下方から操作できるため、現地で上方へ昇つ
て危険な作業をすることなしに、各コイルの上部
の相互固定が出来る。

第５図は他の実施例を示す要部拡大図である。
図において、１２はピン状突起物で、非磁性金属
製平板３に溶接またはボルト等により固着されて
いる。１３は外側カンヌキ板でピン状突起物１２
の外側に係合する斜面を持ち、１４は内側カンヌ
キ板で、ピン状突起物１２の内側に係合する斜面
を持つ。これらカンヌキ板１３，１４はどちらも
Ｔ定規形で、下方に伸びる柄の部分を、下部ベー
ス１５にボルト１６で締め付けて固定する。この
場合も、下方において各コイル上部の連結解除が
可能である。第６図は他の実施例で、１７は上方
が巾のせまいクサビ状突起物で非磁性金属製平板
３に溶接又はボルト等により固着されている。１
８はカンヌキ板でこのクサビ状突起物１７に係合
する２条の溝をもつており、下方に伸びている柄
の部分を下部ベース１５にボルト１６で締付けて
固定する。この場合も下方から各コイル上部の連
結、解除が可能である。尚、この考案は、コイル
にかかわらず、巾のせまい背の高い製品の安定の
ために用いることも出来るものである。

以上のようにこの考案によれば誘導加熱コイル
を相対的に固定する連結板の取付取外しを高所へ
昇ることなく下方から行なえるので、取付取外し
作業が短時間にかつ安全に行なえる等効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の一実施例を示
し、第１図はその正面図、第２図はその部分拡大
図、第３図はその側面図、第４図はこの考案の一
実施例を示す正面図、第５図および第６図はこの
考案の他の実施例を示す正面図である。 図において、３は非磁性金属製平板、９はピン
状突起物、１０はカンヌキ板、１１はピン、ｂは
溝、ｃは穴である。なお図中、同一符号はそれぞ
れ同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 両端部に非磁性体板をそれぞれ有し、縦列に
   配設された複数個の誘導加熱コイルと、相隣接
   する上記誘導加熱コイル間の上方部にそれぞれ
   配設され少なくとも一端部が上記非磁性体板に
   着脱自在に係合し、相隣接する上記誘導加熱コ
   イルを結合する間隔片とを備え、上記間隔片に
   上記間隔片の上記非磁性体板への着脱操作用柄
   を設けたことを特徴とする誘導加熱コイル装
   置。 (2) 着脱操作用柄を間隔片に着脱自在に設けたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の誘導加熱コイル装置。 (3) 着脱操作用柄を間隔片と一体に形成したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の誘導加熱コイル装置。