JPS6140398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は沈殿分離室と接触曝気室間の仕切板
に設けられた移流筒の閉塞抑制構造に関する。

従来から接触曝気形浄化槽においては、第１図
に示すように、接触曝気室１内の接触材によつて
剥離した剥離汚泥を沈殿分離室２へ自動的に返送
することが行なわれている。

しかし、この返送動作は移流筒の下端が汚泥ａ
中に没してしまうと停止してしまう。

この考案は上記欠点を解消し、移流筒の閉塞を
抑制する分流板を設けて、沈殿分離室の汚泥貯留
量を増加させ、消掃頻度を減少させる接触曝気浄
化槽を提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例について第３図から
第８図を参照して説明する。

第３図において、流入管３および流出管４を設
けた槽体５の内部は沈殿分離室２と、散気管６お
よび接触材７を設けた接触曝気室１と、沈殿室８
と、消毒筒９を有する消毒室９ａとに区分されて
いる。

そして沈殿分離室２と接触曝気室１とを区分す
る仕切板１０の水面下中央部分には、汚水の流入
および汚泥の返送を行う連通口１１が穿設され、
この連通口１１の沈殿分離室２側には移流筒１２
が設けられている。

この移流筒１２は沈殿分離室２の上澄液をスカ
ムを排除して接触曝気室１へ流入させ、接触曝気
室１の剥離汚泥を沈殿分離室２に返送させるため
のものであり、第４図に示すように、上記連通口
１１を覆い、その下端は開口されている。そして
この開口部１３に対向して分流板１４が配置され
ている。

この分流板１４は接触曝気室１の接触材７から
剥離された剥離汚泥が沈殿分離室２に返送される
際、汚泥を分散して移流筒１２の下端開口部１３
の閉塞を抑制する作用を果たし、第４図イ、ハに
示すように例えば60゜以下の頂角を頂点として〓
状に形成され上記仕切板１０に取付けられてい
る。また、汚泥の分散をより効果的に行うために
は、第４図ニに示すように、頂角部１４ａを移流
筒１２の開口部１３内に挿入配置してもよい。

第５図から第７図は上記分流板１４の他の実施
例を示し、分流板１４を円錐状、四角錐状（多角
錐状でもよい。）、底面台形状とし、返送汚泥を分
散して供給する。

第８図も上記分流板１４の他の実施例を示し、
移流筒１２の開口部１３に一端を連結し、他方、
他端を２叉開口部１４ｂとしたものである。

尚、この場合、分流板１４を省略し、移流筒１
２の開口部１３自体を２叉またはそれ以上の叉数
に分けて、返送汚泥を分散供給してもよい。

以上の構成によれば、移流筒１２を経て、沈殿
分離室２に返送される返送汚泥は、分流板１４に
よつて、２方向または３方向以上に分散供給され
るために、移流筒１２の開口部１３の下方の汚泥
の山が平均化され、低くなるので、移流筒１２の
開口部１３が閉塞するには従来より飛躍的に長期
を用し、閉塞し難くなる。従つて、沈殿分離室２
における汚泥の実質的な貯留量が多くなり、清掃
頻度を少なくできる。

ここで、さらにこの考案の分流板１４に加え
て、第２図に示すように、沈殿分離室２に上下開
放の仕切板１５を設けた場合、この仕切板１５に
よつて流入した固形物を流入側に多く保持する作
用があるので、分流板１４が剥離汚泥を沈殿分離
室２の接触曝気室１側に効率よく貯留することと
相俟つて、清掃頻度を大幅に減少することができ
る。

以上のようにこの考案の汚水浄化槽によれば、
移流筒の下端開口部の開塞をし難くして、沈殿分
離室の汚泥貯留量を増加させ、清掃頻度を大幅に
減少させることができる等極めて優れた実用的効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の汚水浄化槽の縦断面図、第２図
は同横断面図、第３図はこの考案の一実施例の縦
断面図、第４図イ、ニはこの考案の要部の平面
図、ロは同縦断面図、ハは同斜視図、第５図から
第８図はこの考案の要部の他の実施例を示す斜視
図を示す。 １……接触曝気室、２……沈殿分離室、５……
槽体、８……沈殿室、１１……連通口、１２……
移流筒、１３……移流筒の開口部、１４……分流
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 槽体内を沈殿分離室と接触曝気室と沈殿室とに
   区分された汚水浄化槽において、上記沈殿分離室
   と上記接触曝気室とを区分する仕切板と、この仕
   切板の水面下に穿設され、上記接触曝気室への上
   澄液の流入および沈殿分離室への汚泥の返送を行
   う連通口と、この連通口の沈殿分離室側に設けら
   れ、該連通口を覆いかつ下端が開口した移流筒
   と、この移流筒の下端開口部に対向配置され、上
   記返送汚泥を分散供給する末広がり状の分流板と
   を備えた汚水浄化槽。